ゼフィルス三昧とホタル
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2012.7.28
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数日前、蝶の撮影仲間のFieldさんの所に行った。お話をしていく中で、久しぶりに一緒にどこかに行こうかという事になった。ここ最近は近場でしか撮影していないと言うので面白そうなところが無いかと聞くと、逆に「どこか良い所は無いか」と言われた。中でもミドリシジミ類のゼフィルスと呼ばれる蝶達の撮影がいいと言うので、それならこの前行った場所でメスアカミドリシジミをたくさん見たと言うと、そこに行こうと言われた。キバネセセリの大群もいたし、つい昨日くらいにメスアカミドリシジミがたくさんいたので、きっと今度も見れるだろうと思い、そこに行く事にした。また、ホタルの撮影もしてみたいと言われたので、妻にどこかホタルの見れる場所は無いか調べてもらう事にした。
Fieldさんとどこかに行くのは今年初めて。去年も1度位。久しぶりだったので楽しみだった。
当日朝、まずはFieldさんの家に迎えに行って、先日キバネセセリとメスアカミドリシジミを見た場所に向かった。
1時間ほどして到着した。
車を降りると、キバネセセリはそんなにいなくなっていた。
キバネセセリはあまりいないし、最初、ミドリシジミ類も飛んでいなかった。でもきっと出てくるだろうと思い、数分間待った。するとFieldさんがオレンジの小さな何かが飛んでいるのを発見。自分は「蛾じゃないの?」と言った。
数年前、千歳だか恵庭にウラナミアカシジミを撮影に行った時、ウラナミアカシジミかと思ったのが全部オレンジの蛾だったことがあったので、今飛んでいるのもその蛾だと思った。でも、それが止まったとき、アカシジミだとわかった。
「アカシジミだ!」と言って近寄って撮影した。これまでアカシジミの写真は変なやつが1,2枚あるだけで、まともな写真は無かったので嬉しかった。少し撮影した後飛んでいってしまった。でもまた出てくるかもと思った。
その後すぐにFieldさんがまた何か行った「チャンス!」とかいうような言葉だったと思うが、自分には何がチャンスなのかわからなかった。「何??」と聞くと、メスアカミドリシジミが下草に止まっていると言うことだった。
それは確かにチャンスなので、草をかき分けて進んだ。イラクサに刺されて痛かったが、今はそれどころではない。
Fieldさんに場所を確認すると、確かにミドリシジミ類と思われる蝶がいた。裏面の模様からメスアカミドリシジミとわかった。それにしてもでかい。もしかしてメスかもと思いながら撮影したが、羽を開いてくれないのでわからない。 |
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下草に止まっていたメスアカミドリシジミ |
そうしているうちに、また何かのシジミが飛んでいるのが見えた。Fieldさんが「ウラキンだ!」と言った。ウラキンシジミの事だ。ウラキンシジミは自分はこれまで一度も見たことが無い蝶だ。しかも止まってくれた。とりあえずメスアカミドリシジミの撮影は置いといて、ウラキンシジミの撮影をする事にした。初めて見るウラキンシジミ。嬉しい!!
実はここのポイントに来る前、ウラキンシジミの話になっていて、「もしかしたら見れるかもね」なんて言っていたのだが、早速見ることが出来た。これでまたホームページに新しい北海道の蝶を紹介できる。
今年はヒメチャマダラセセリも撮影できたし、これで新しい蝶2種類目だ。
ウラキンシジミの名前の由来である翅の裏側の金色の部分。キンピカという感じではなくちょっとコスケた重みのある色だ。偽物の安っぽい金のキンピカ色ではなく、本物の金のような色だった。
ウラキンシジミの撮影に成功した後、先ほどのメスアカミドリシジミの所を見たらまだ同じ場所に留まっていた。翅を開いてくれないのでオスかメスかわからず採集する事にした。網を振って採集したら、網の中でもおとなしくしていた。全然暴れない。羽化直後だったのかもしれない。
数秒後、網の中で羽を開いたその蝶はやはりメスだった。こんな綺麗な状態のメスアカミドリシジミのメスは滅多に採集できないと思ったので、標本用に三角紙に入れた。 |
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初めて見ることが出来たウラキンシジミ |
この場所は数日前に来たばかりだったので、Fieldさんはちょっと申し訳なく思っていたらしいが、それどころか新しい種類の蝶を見れたので本当に嬉しかった。もしかしたら数日前も飛んでいたのかもしれなかったが、自分は気付かなかった。やはり、経験豊富な人と来るといろんなものが見つかる。
メスアカミドリシジミはたくさん飛んでいて、縄張り争いをしている。でもなかなか撮影できるような位置には止まってくれない。そんな時見つけたのがミドリシジミのメス。綺麗な青い色の羽を開いて止まっていた。 |
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なんとかミドリシジミ類の綺麗なオスの写真も撮影したかったが、下の写真が精一杯。ここの場所に着てからしばらく経ったが、オスもかなりの数見ることが出来た。
飛んでいるオスの中にはメスアカミドリシジミではないものも混じっているようで、Fieldさんは「ミドリシジミだと思う」と言っていた。自分にはさっぱりわからない。また得意の「ミドリシジミの仲間」で終わらせようと心の中で思った。 |
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かなり面白い写真も、撮りたいような写真もたくさん撮れたので、Fieldさんと川に下りてみる事にした。先日来たときは渇水で川が途中で無くなっていた場所だ。
今回もやはり川が途中で無くなっていた。しかも、前回より更に上流で川が途切れていた。そして50m位下流の場所からまた水が湧いていて砂防ダムのところで水溜りになっている。なんとなく観察してみたらサンショウウオの子供がいた。 |
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画面中央、サンショウウオの子供
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更に川が途切れている直前のところではカジカがいた。小さいカジカだったが、川がまた上流で途切れてしまえばこのカジカは行き場を失って干からびてしまうかも。そろそろザーッと降って欲しいものだ。 |
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カジカを撮影していると虫が流れてきた。Fieldさんは最初、「これホタルだ」と言った。今日の夜、ホタルを見に行く予定だったが、その前に川に浮いているホタルを見ることが出来た。でもFieldさんは「これ、光らないホタルかも」と言っていた。もう溺死しているかと思ったが、すくい上げてみるとまだ生きていた。 |
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水の上に浮いていたホタル |
そのほかには面白いものも無いのでまたもとの場所に戻った。ヒオドシチョウが車に止まっていたが、そのうち飛び立って近くの砂利の上とかフキの上とかに止まったので撮影できた。去年は層雲峡で大発生していたのでたいして嬉しくもなかったが、これまではそう簡単には見れない種類だった。最近は増えてきたのだろうか?? |
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ヒオドシチョウ |
そのほかにも色々な蝶がいたが、ここではベニヒカゲを見ることが出来た。まだ数は多くないんだけど、発生初期だろうか?この近辺では時期になるとかなり多くのベニヒカゲを見ることが出来る。 |
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ベニヒカゲ |
フキにはミドリシジミ類のオスも止まってくれたので撮影できたが、たいして綺麗に撮影する事は出来なかった。 |
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かなり色々な写真を撮れて満足したので、他の場所に行く事にした。最初、ゴマシジミの秘密のポイントに案内しようかと思ったが、その前にジョウザンシジミの夏型が出ているか見たくなったので、ジョウザンシジミの有名なポイントに立ち寄る事にした。
車を止めてすぐにジョウザンシジミの飛んでいる姿を見ることが出来たが、それは後に取っておいて、少し歩いてみる事にした。この先の方がジョウザンシジミも多いような印象だし。
ところが、ジョウザンシジミは林道の入り口が一番多いような感じで、奥ではあまり見かけられなかった。少しはいるのだが、撮影するまではいかない感じ。
この林道を歩いて行くと、ミドリシジミ類の多い場所もあるし、もう少し進んでみることにした。すると、緑色の綺麗な蝶が足元を通過していった。緑色の輝く色がとても濃く見えたので、「アイノ?」とFieldさんに聞いてみた。アイノとはアイノミドリシジミの事だ。愛のミドリシジミなのか、藍のミドリシジミの事なのかよくわからないが、砂利の上に止まった姿をFieldさんが確認し、「確かにアイノだ」と言った。
なんとか何枚か撮影できたが、翅の開いたところは撮影できなかった。 |
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実はアイノミドリシジミも初の撮影。今日はラッキーだ。翅を開いている姿を撮れれば最高だったけど、撮影後どこかに飛んでいってしまった。
最初に行ったポイントもここのポイントもやたら多かったのがアカシジミ。なんだか、キタアカシジミというのとアカシジミというのがいるらしいんだけど、とても似ていてどっちかわからない。というより、あんまり似ている種類の蝶はもうどっちでもいい。気が向いたら調べる事にする。
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それにしても今までなかなか見ることが出来なかったアカシジミ。何で今日に限ってこんなにたくさん見られるんだろう?時期とポイントのタイミングか?それとも今年は多く発生しているのか?
オオイチモンジがかなり少ないとか、キバネセセリやオオチャバネセセリが多いとか、今年はやっぱり変な感じだ。
ここの場所でもミドリシジミ類はやたら多くて、5頭も6頭ものミドリシジミ類のオスが縄張り争いをしている。何ミドリシジミかはよくわからないが、木々の間を緑色のキラキラが入り乱れる姿はやっぱり綺麗だ。
そして今日はミドリシジミ類のメスもたくさん撮影する事ができた。それもボロではなく綺麗な個体が多くて嬉しい。 |
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ミドリシジミ類のメス |
その他としては集団吸水のエゾスジグロシロチョウのオスたちがいたり、アカマダラの夏型の写真が撮れたり。
また、この場所でもウラキンシジミを見ることが出来て、採集した。少しボロであったが当然初めての採集だ。
肝心のジョウザンシジミの夏型はもうどうでもよくなってきた。これまで何度も撮影しているし、ちょっとボロの個体も多く、証拠程度の撮影で終わった。
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エゾスジグロシロ集団吸水 |
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アカマダラ夏型 |
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ジョウザンシジミ夏型 |
ここまででかなり満足した。メスアカミドリシジミの綺麗なメスの撮影と採集、アカシジミ、ウラキンシジミ、アイノミドリシジミなど。
やっぱり同じ場所でも一人なら見つけられないようなたくさんの蝶を見ることが出来た。
少し距離を歩いたが、Fieldさんはそれなりに疲れたようだ。今年に入ってからこれほど歩いたのは初めてだと言っていた。自分もそれなりに疲れた、このあとゴマシジミのポイントに行こうかと思っていたが、夜にホタルの観察に行く予定もあるので、一旦帰って休む事にした。
Fieldさんを自宅まで送り、自分も帰宅。夜7時にまたFieldさんのうちに迎えに行く事になっているので、それまで少し休んだり眠ったりして過ごした。妻はホタルがいそうなところをインターネットで調べてくれていた。
士幌町にある公園でホタルが見れるということがわかっていたのだが、その公園がどこにあるのかがよくわからなかった。でも、妻が色々調べてくれて大体わかった。
約束どおり7時に妻とFieldさんを迎えに行き、士幌町の公園に行った。8時頃着いた。ホタルの観察には8時前後が良いらしい。
公園の駐車場に到着したが、けっこう暗くて公園のどこにホタルがいるのかよくわからない。公園の案内図を車のライトで照らして見ていると、知らないオジサンがやってきた。
「ホタル見にきたのかい?」と聞かれた。私は「そうなんだけど、どこにいるかわかる?」と聞いた。
おじさんは「わかるよ、まず車のライト消しな」と言った。
このおじさん、ここでホタルの保護をしている人だった。なんでも、強いライトを当てるとホタルが光らなくなってしまうらしい。それで撮影したくてもフラッシュを使ったりしたらダメなんだって。
ここに来たのは単にホタルを見たいというだけではなく、撮影したいという目的もあった。私は暗い中でホタルの撮影をするのはまず無理だと思っていたので、ビデオカメラも持参していた。ナイトショットで撮影できるかもと思っていたので。
おじさんがホタルのいる場所に案内してくれた。駐車場から徒歩20秒位の場所だった。
数百のホタルが光っていてなかなか凄い光景だった。
まずはカメラで撮影できるか挑戦してみた。カメラのISOを12800まで上げて、更にシャッタースピードも1秒とか2秒とかに設定してなんとか光っている様子を撮影しようと。
何枚かシャッターを切ったが、ほとんど真っ黒な画像しかなく、やはりカメラでの撮影は限界があると感じた。おじさんが言うには携帯のカメラの方が案外撮影できるって。
でも諦めずに何回もチャレンジして、ようやく光っている部分だけ撮影する事ができた。残念ながら写っているのは光っている部分だけで、ホタルの体は撮影できなかった。 |
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ホタルの光っているところ |
デジタルビデオカメラでのナイトショット撮影は難しかったがなんとかホタルの体や光っている様子を撮影する事ができた。中には交尾しているカップルの上にメスを求めてやってきたオスが絡み付いて3匹でごちゃごちゃやっている様子なども撮影できた。
でも、ナイトショットでの撮影なのであまり綺麗には撮れなかった。妻は飛んでいるホタルを捕まえて喜んでいた。
おじさんによると、光っているのはほとんどオスで、人間が触ると死んでしまうというようなことも言っていた。かなりデリケートな虫のようだ。
それにしても数百のホタルが光っている光景はなかなか神秘的だった。光って目に見えるホタルの約3倍ほどのホタルがいるそうだ。たくさんのホタルの中で目に見えるのが3分の1ほどということだった。
ホタルの綺麗な姿は見ることが出来たがやっぱり撮影難しかった。Fieldさんはおじさんと話し込んでいる。なんでも、共通の知り合いがいたりしたようだ。
なんとか撮影できる方法は無いかと色々考えてみたが良い方法が浮かばず、ここで帰る事にした。
ホタルの撮影は出来なかったけど、こんなにたくさんのホタルを見たのは初めてだったのでとても嬉しかった。
今日は一日朝から晩まで遊びまくった印象。とても楽しかった。 |
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