酸ヶ湯温泉1泊旅行
2015.3.28-29

 帯広から函館に来て1年になる。この1年、環境の変化がいろいろあって、特に妻は初めての函館生活で精神的にも大変だったと思う。そんな妻が何回か「青森の酸ヶ湯温泉に行ってみたい」と言っていたので、この土日に1年の慰労も兼ねて行ってみることにした。

 帯広から青森だととても行くのが大変だが、函館からなら汽車で2時間。しかも青森駅からは無料の送迎バスもあるというので、行くのも楽ちん。宿泊予約や汽車の切符などはいつもの事ながらすべて妻にまかせ、自分は付いていくだけ。

 酸ヶ湯温泉と言うのは青森の八甲田山の近くにあって、千人風呂と言う大きな混浴のお風呂があるのが有名のようだ。

 まずは函館駅に向かい、車をパークアンドトレインという1泊2日で1000円の駐車場に止めて駅前まで歩いて行った。

 新幹線開通まで1年前と言うイベントをやっていた。

イベントの様子

インタビューされている子供


仙台の牛タン屋やんが出店していた

栃木コーナーでもらったイチゴ

 函館に新幹線が来れば仙台まで2時間台、東京までは4時間ちょっとである。途中にある各都市の名物販売などをしており、仙台の牛タン屋さんからはいい匂いがしていたし、栃木からはイチゴの販売が行われており試食させてくれた。ちょうど妻は汽車の切符を買いに行っていたので、妻の分のイチゴももらった。とても美味しいイチゴだった。

 駅の中では新幹線のレゴが展示されていた。

新幹線のレゴ

 今日、私たちを運んでくれる汽車。そんなに混んでないという事で自由席を購入した。

汽車

 ちょうどお昼少し前だったので駅弁を買って汽車に乗った。妻はかに飯、私は豚肉の駅弁。かに飯はどうだったかわからないが、豚肉の駅弁は豚の脂が白くなっていてちょっと気持ち悪かった。こういうのはあたたかくして食べるべきだと思った。
駅弁

 青森まで約2時間。青函トンネルの長さは53.85km。最初は車窓を眺めたり駅弁を食べたりして過ごしていたが、トンネルの中では爆睡。トンネルを出てからもウトウト。2時間はあっという間に過ぎ去り、青森に到着した。

 青森駅ではあまり見たことが無い汽車があったので、鉄道マニアではないが何故か写真撮影してしまった。

秋田に行く汽車。今度乗って行ってみたい。

分からない汽車

 汽車を降りて駅に向かって歩く。東北工業大学の看板があったり、ちょっと小さいけどねぶたが出迎えてくれて、本州に来たんだなと思うと同時に、観光気分が高まった。

 函館と青森はツインシティーになっている。1988年に青函連絡船が廃止になると同時に青函トンネルが営業を開始したが、その翌年にそれを記念してツインシティーになった。

東北工大の看板

ねぶた

 無料送迎バスまで少し時間があったので、駅付近をウロウロして観光したデパートみたいな建物の中に市場もあったりしたが、さすがに津軽海峡を挟んで函館と向かい合っているだけあって、並んでいる魚介類には大差なかった。

青森駅前

 バスの時間が近づいてきたのでバスに向かい、いざ乗ろうと思ったら「最後のお客さんです」って。超満員。妻と隣の席に座ることもできない位だった。

満員の送迎バス

 バスは1時間くらい走った。市街地を抜けだんだん田舎っぽくなってきて雪も出てきた。そしてだんだん雪の量が多くなり、すごい雪の場所も出てきた。標高もだいぶ高くなってきたなと思った頃、目的地の酸ヶ湯温泉に到着。

酸ヶ湯温泉

 インターネットで建物は見ていたが、やっぱりボロい感じの建物だった。お部屋はどうかなと思ったが、案の定お部屋もボロかった。この時は、もっと綺麗なホテルというか温泉旅館の方がよかったなと感じていた。何でこんなボロい温泉に妻が来たいと言ったのかよくわからなかったが、妻が言うには「趣がある」そうだ。確かにそう言われれば。

部屋からの眺め(中庭にはまだ雪が)


部屋の様子

廊下

 でもやっぱりボロい。だって、部屋にトイレもないし洗面所もない。廊下を歩く音や他のお客さんがお喋りしている声も丸聞こえ。こんなんじゃ、夜に自分のいびきが他の部屋中に響き渡るんじゃないかと。

 とりあえずちょっと外に出て散歩してみることにした。
 酸ヶ湯は日本でも有数の積雪地帯だそうだが、今年は春の訪れが早く例年の同じ時期と比べて積雪は少ないって。それでもあまり見たことのないような雪が積もっていて、これが最盛期なら一体どれだけ積もっているんだろう?と思った。

公衆トイレ。屋根の上に雪がどっさり!


完全に建物が埋もれていて、掘り出したような感じ。


八甲田山

 散歩しながら雪山を登ってみたら、神社の鳥居のようなものが少しだけ見えていたり、建物の屋根だけが見えていたり。スキーの跡もあり、山スキーを楽しむ地域にもなっているようだ。

ちょこっと見えている鳥居と建物の屋根

 道路などはしっかり除雪されているのだが、唐草模様のかわいい軽トラがいたので意味もなく撮影した。

唐草模様の軽トラ

 散歩したと言っても20分くらいかな。道路は除雪されているけど、そのほかの場所は雪なので、道路をただ歩くだけの散歩。気温は10度位だと思うが、雪を通ってきた風はひんやりしていた。

玄関にある木の彫刻

ミニねぶたも電気がついて綺麗。
 
 部屋に戻り、いよいよ温泉に行ってみることにした。温泉の入り口は玄関のすぐ近く。
 混浴だけど脱衣所は男女別になっている。男性の脱衣所には「女性を好奇の目で見てはいけません」などの注意書きが。
 
 服を脱いでお風呂場へ。千人風呂というからには相当でかい湯船があるのだと思い込んでいたが、「あれ?」

 そんなにでかくない・・・。函館の谷地頭温泉の浴槽と変わらないんじゃないかな?と言う感じ。到底1000人は入れない。自分としてはこの大きなお風呂が一番の楽しみだったので肩透かしをくらった。

 ただ、温泉のお湯はとても良く、白濁した硫黄ガスのにおいがしていて、水素イオン濃度は2で強酸性。お肌スベスベである。
 お風呂は薄暗く湯気が立っている。写真撮影が禁止なのでここでは紹介できないが、それこそ趣があるお風呂で、思ったほど広くなかったけどかなり好きな感じだった。

 洗い場は無く、体を洗いたければ他にもう一つある小さいお風呂に入る必要がある。でもせっかくこれだけ強い温泉成分を洗い流すのはもったいないような気もして、石鹸で体を洗うのはやめた。かわりに打たせ湯で頭の先からお湯を浴び、髪の毛や顔の汚れを落とした。

 混浴だったけど女性はいなかったような気がする。妻以外。

 お風呂から出て部屋に戻りお昼寝。そして夕ご飯。

夜ご飯

鍋の中身

 若者には物足りない感じの夕ご飯。だけど、美味しい夕ご飯を食べたくてここに来たわけではないので問題は無い。鍋は温泉のお湯のように白濁していて塩味の美味しい鍋だった。
 物足りないので串ざんまいという焼き鳥の盛り合わせを別に注文。妻は日本酒飲み比べセット。共に1100円か1200円位。

串ざんまい

日本酒飲み比べセット

 これで1000円以上!?という串ざんまい。特別美味しいわけでもまずいわけでもなかった。日本酒飲み比べセットは自分は飲まなかったのでわからない。が、妻は3杯とも飲み干し酔っぱらっていた。

 部屋に戻りダラダラと過ごす。もう一度温泉に入ろうと言っていたのだが、妻は酔っぱらって爆睡。自分はテレビを見ながら過ごした。

 夜中になり、妻がようやく起きてきたので、もう一度お風呂に入ることにした。夜中だったのが良かったのか、お風呂には他にお客さんがいなくて貸切状態。千人風呂二人で貸切!

 そろそろお風呂から出ようかという時に他のお客さんが2,3人入ってきた。

 お風呂から出て部屋に戻りそのまま寝た。

 朝起きて朝ご飯を食べた。チェックアウトは10時だったので、それまでにもうひと風呂。
 自分は温泉など気に来て3回も入るなんてとても珍しい。思ったほど広くは無かったけど、とてもお湯が良い感じで、何度も入りたくなったんだと思う。今回の旅で最後のお風呂は男の人も女の人も入っていた。
 
 チェックアウト後、帰りのバズが12時半頃だったので、それまでの時間は荷物を預かってもらって散歩したりして過ごした。

 帰りのバスは行きとは違ってガラガラ。

 青森駅に到着した。

 汽車の時間まではまだ余裕があったので青森駅近くのラーメン屋で昼食。

昼食を食べたラーメン屋

私の

妻の

 妻の口に合ったようで「おいしい!」と言って食べていた。確かに美味しいんだけど、自分にはちょっとすっぱかった。

 昼食後は青森駅のすぐ近くにあるねぶたの資料館みたい所に行ってみた。

ねぶたの資料館

 2階が資料館になっているんだけど、有料だった。有料で資料館を見るならもっと時間的に余裕があるときにゆっくり見たいなと思い、今回はパス。1階にあるお土産屋さんでお土産を買ったり、ソフトクリームを買って食べた。

小さいねぶた

ソフト(一口食べた後に撮影)

 また、近くに大きなお土産屋さんのような所もあり、妻が行きたいと言っていたので見に行くことにした。
 たくさんの特産物が売っていたり、食べ物屋さんもあった。

特産物屋さん

 りんごの特産物が多かった。

 あとは青函連絡船が飾られていた。八甲田丸だったかな?

 昭和20年の7月にアメリカの空襲により青函連絡船12隻中8隻が沈没、2隻が座礁・炎上、2隻が破損・・・・と、はこだて検定のテキストには書いてあったのだが、この碑を読んでみたら13隻と書いてあった。

青函連絡船と碑

 青森の駅周辺には楽しい場所がたくさんあるようだ。ここ一帯だけでかなりの観光が出来る。これはちょっと凄いなと感じた。
 函館駅周辺は・・・・朝市位かな??
 来年新幹線が北海道まで来るが、新函館北斗駅は函館の市街地からは少し離れている。ここで降りたお客さんを函館市街地まで引っ張ったり、函館駅を使って道内各地に旅をする人たちの集客などのことを考えると、函館の駅周辺にももうちょっと見どころがあった方がいいのではないかと感じた。
 また、函館は夜景や異国情緒あふれる建物、箱館戦争、石川啄木などの文学、海産物など、観光都市としての見どころは多いのだが、それをもっと上手に活用出来るのではないかと思った。博物館や文学館なども確かにあるんだけど、ちょっとまじめすぎて若い人やそんなに興味がない人には面白くない。北島三郎記念館のサブちゃんロボットが迫力満点に歌うなどのもっと楽しいものをもっともっと増やしていってほしい。イカール星人やずーじーほっきーなどのような。
 そういう若者が楽しめる街にしていかないと、せっかく新幹線が来てもお客さんガラガラなんてことにもなりかねない。将来札幌まで延伸した時には単なる通過点の駅になっちゃうかも。新函館北斗駅で降りてもらって、函館まで足を運んでもらうにはどうしたらいいか。これが100点と言う方法は無いと思うので、どんどんいろんな面白い事を考えてほしいと、青森駅周辺を歩きながら思った。

 帰りの汽車もほぼ爆睡で、あっという間に函館に到着し、旅は終了した。
 妻の慰労をと考えていたけど、思いのほか自分も十分に楽しんでしまった。青森までの時間的距離も小さいし、日帰りできる位だけど、もう少し料金が安いと嬉しいな〜。

 せっかく函館にいるので、また本州への旅をしてみたい。今度は秋田の乳頭温泉がいいかな??