林道の散歩(芽室町)
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2012.8.11
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7月の後半から8月の前半は仕事や父の7回忌のために函館に帰省したりしていてけっこう自由時間が無かったが、8月10日から1週間ほど休暇になっていた。
天気が良ければどこかに行こうと思っていたが、この時期は北海道の蝶も終盤に入ってきていて、例年ならもう山には行かない時期だ。力を失いかけてきた木々の葉っぱを見るのがあまり好きではない。
とはいえ、今日は最高気温が31℃になる予報。天気も良い予報。散歩がてらどっかに行こうと決めた。
向かったのは芽室の山。今年まだ一度も足を運んでいない場所だ。あまり目指す蝶はいないけど、キベリタテハとかルリタテハがいるかもしれない。(いなかった)
あとは今年アカシジミが多かった感じなので、ムモンアカシジミも多いかも。まだ撮影した事の無い蝶だし、もしかしたらいるかもしれない。(いなかった)
それからミヤマカラスアゲハの夏型。気温が上がれば集団吸水している姿を撮影できるかもしれない。
などという感じであったが、出発時点の帯広は曇り。山に行くころには晴れるかなと期待しながら向かった。
到着した芽室の林道。天候は曇りのまま。気温はそれほど高くない感じだけど、湿度は高め。
とりあえず適当な場所に車を止め、網とカメラを持ってテクテク歩きながら林道脇にいる蝶の観察をした。 |
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まず出迎えてくれたのがこいつ。ミヤマカラスアゲハのメスだ。だけど、もう羽化してからしばらく経っているような感じ。通常蝶はオスから発生して、少ししてメスが発生するので、メスがこんなになっているのでは、オスもあまり期待できないかなと思った。 |
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オオチャバネセセリはやっぱりたくさんいた。今年はキバネセセリとオオチャバネセセリはやたらたくさん見かける。これまでそんなに撮影する機会はなかったけど、今年は何度も撮影できた。でもあまり綺麗じゃないので面白くない。 |
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飛んでいるのは茶色っぽくて綺麗じゃない蝶ばかり。キベリタテハもルリタテハも姿を見せてくれない。クロヒカゲなんか撮ってもしょうがないんだけど、なんとなく撮影。
この時期、山ではアブが多い。アブが耳元をブンブン音を立てて飛び回るとなんとも不愉快である。しかも大きくて服の上からも刺してくる。腹が立つので網で採って踏んづけて殺した。 |
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ジャノメチョウもたくさん見られた。よく考えるとあまり撮影していない蝶かもと思い、何枚か撮影。こいつはメスだな。
山を歩いていて簡単に見かける蝶にコチャバネセセリ、クロヒカゲ、キマダラヒカゲ、ヒメウラナミジャノメなど数種類いるが、これはガンダムで言うとザクとかジムである。雑魚キャラはあまり撮影する気にもならないし採集する気にもならない。でも、「数年前までたくさんいたのに」なんて蝶もいるわけで、もしかしたら数十年後、ジャノメチョウが絶滅危惧種になっていたりすることがあるんだろうか?? |
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後で歩いた場所を車の距離計で測ったら3.5キロだった。ちょうど引き返した地点はいつもミドリシジミの仲間が飛んでいる所で、今日も見ることが出来た。この写真のミドリシジミが何かはよくわからないけど、まずまず綺麗なのでメスなんじゃないかな。 |
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ミドリシジミのオスって、いつも自分の背丈より高いくらいの葉っぱの先に止まっていてなかなか綺麗な羽の表面を撮影させてくれない。早朝なら気温が上がる前によく下草に下りていて撮影できるんだけど。
でもここの場所はちょうど橋の所で、橋から下を見下ろすとこのようにミドリシジミが止まっていることがあって、翅の表面を撮影することが出来る。この他にもアカシジミとかを見ることが出来た。 |
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コムラサキも止まっていたので撮影したが、左と右では紫色の輝きが全く違う。同じ蝶だが、翅の角度によって紫色に輝いていたり、輝きが無くなったり。リンプンの構造によってこのように見える。
反射によってキラキラ輝いて見えるだけで、紫色に見えるのは蝶の翅が元々紫色の色素で出来ているわけではない。このような種類のリンプンを持つ蝶は他にもたくさんいる。ミドリシジミの仲間とか。外国ではモルフォチョウがこのようなリンプンを持っていることで有名だが、翅の裏側から懐中電灯を当ててみると、光っている色が嘘のように消える。 |
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引き返しながら何か蝶がいないかと探していたら黒っぽいシロチョウが飛んでいた。多分スジグロシロのメスなんだろうけどよくわからない。けっこう黒く見えた。 |
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こんな蛾もいた。なんか、手の毛が毒っぽい。 |
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そういえば職場の同僚がこのまえ「クワガタが飛んでいるのを初めて見た!」と喜んでいたのを思い出しながら歩いていた。クワガタが飛んでいる姿なんて別に普通じゃん。今年も何回も見たけど、どれもメスだったなと思っていたとたん、また飛んでいるクワガタを発見した。100mmマクロレンズを装着していたのだが、なんとか撮影してみようと追いかけた。マニュアルフォーカスに切り替えて自分でピントを合わせながらシャッターを切り、なんとか撮影できた。難しかった。このクワガタのメス、その後葉っぱに止まった。ミヤマクワガタのメスだった。
葉っぱに止まった後、葉っぱからズルズルと滑り落ちて、地面に叩きつけられていた。なんともドジであるが、硬い殻があるから大丈夫。もし人間なら高層ビルから落ちるようなもんで確実に即死であろう。昆虫の丈夫さには驚かされる。人間にもこれだけ硬い殻があったら飛び降り自殺なんてものはなくなるのに。
でも、昆虫が丈夫なのは殻が硬いだけではなく、小ささにもある。単純に人間に硬い殻をつけてもこれだけ体重があれば高層ビルから落ちてもタダではすまない。 |
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綺麗なツバメシジミがいた。オスだ。まだ羽化から間もないような感じ。8月も中旬になるとなかなか羽化したての綺麗な蝶も見れなくなってくるので嬉しかった。嬉しすぎてと言うわけではないが、この後、すっとツバメシジミの歌を自分で作って歌いながら車に戻った。誰もいないので大声で歌って熊対策である。
「♪ツバメ〜、ツバメシジミだよ〜♪」
この歌詞の繰り返し。
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車に戻り、ちょっと他の場所に移動。林道に水がしみ出している場所があって、数頭のミヤマカラスアゲハが吸水していた。新鮮なオスも見られ、2,3頭採集した。
晴れる予報だったのに全然晴れず、他に面白いものも無いのでこの辺で帰る事にした。 |
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帰る最中に撮影した日高山脈の山。山から湯気がでているみたい。
家に到着してしばらくしたら快晴になった・・・。 |
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