超生物部!
2015.5.2

 今日からゴールデンウイークの5連休である。嬉しい!そんな5連休の1日目。天候も良く生物部の活動をすることになった。

 前日に部員達の予定を確認した。我が生物部は特別どっかの学校と競っているわけでもないし、全道大会や全国大会を目指している部ではなく、自然と親しみ、そこに生きる昆虫たちと触れ合い、蝶の生息について調べたりアサギマダラのマーキングをしたりと言う部なので、休みの日に強制的に部活動に参加させるという事はまず無い。家庭の用事等があればそれを優先して構わない。

 偶然にも今日、部員達は全員参加する意思を示し、この春卒業した生物部の先輩で現在は道南虫の会の会員にもなった山下君もGWで帰省していて、一緒に参加することになった。自分と対馬先生、部員6人。合わせて9人の参加である。こんなにたくさんの生物部員やOBが参加する活動はこれまで無かった。

 今日は木古内方面の林道を調べるという目標にして、9時に木古内駅に集合する予定となった。

 自分はW君、山下君、2年生部員のMさんと部長を迎えに行き、木古内駅に向かった。

 木古内駅に到着するとすでに対馬先生が来ていた。N君、Y君、Yさんもいた。そして更に山下君より1つ上の生物部のOBである木村君も来ていた。

 昨日、対馬先生に連絡があり、今日は一緒に活動することになったようだ。これで全部で10人!二桁での参加。

 去年は最高でも6人、通常は顧問二人入れて5人か4人位での活動が多かったので、約倍である。これはもうスーパー生物部である。

 ただし、10人みんなで林道を歩いてももったいないということで、二手に分かれて林道での蝶の調査をすることにした。

 対馬先生は1年生部員、私は2年生部員とOBという感じで別れることにした。「ジジババチーム行くぞ!」と声を掛けていたらMさんが若干怒っていた。

 思ったより気温が高くて20度弱はあったかもしれない。この時期、山に入るとどんどん緑が濃くなっていくのが実感できて嬉しくなってくる。

林道を歩くジジババチーム


木の葉もどんどん成長している


山も緑の勢いが凄くなってきた

 蝶はそれほど飛んでおらず、スギタニルリシジミがチラチラ。越冬のシータテハが少し、エゾスジグロシロチョウもチラホラって感じ。途中、ウドを見つけて部長が採っていた。

ウドを採る部長

 スギタニルリシジミはルリシジミに似ているし、エゾスジグロシロチョウはスジグロシロチョウに似ている。どっちか確認するために、とりあえず見つけたら採集してみることにして、どっちなのか確認しながら歩いた。スジグロシロチョウ、ルリシジミは見つけることが出来なかった。

 コツバメも飛んでいて1枚だけ撮影することが出来た。

コツバメ

 植物は早春の花たちから春の花に変わりつつあるように感じた。

シラネアオイ

 網で蝶を採集しながら歩いたので、なかなか蝶の写真撮影とはいかなかったが、山下君は網とカメラの二刀流。

 飛んでいる蝶を捕まえようとしてジャンプしながら網を振り、着地した時に重いレンズを付けている一眼レフがお腹に当たりうずくまっていた。

うずくまる山下君

 対馬先生チームと落ち合う時間を決めていたので、ある程度歩いてから引き返した。

林道の様子

 引き返して対馬先生チームと落ち合い、別の林道に入ることにした。ここでも2チームに分かれて行動することにした。
 自分たちが入った林道では今回もそれほど多くの蝶は見られなかったが、山下君がアカタテハを捕まえた。捕まえた時に網の金具か何かにあたったらしく、蝶が気絶しているようだったので手乗りにして撮影した。

アカタテハ手乗り

 手乗りになったアカタテハだが、指で突っつこうとすると元気に飛んで行った。

 その他ではスギタニルリシジミを採集したら交尾中だったり、今年初めてのサカハチチョウを採集したり、ルリタテハを逃がしたり。さっきよりは少しだけ蝶の姿も種類も多かったように思う。

 今年は春の訪れが早かったので、蝶の発生も早い事が予想され、自分としてはミヤマセセリやもしかしてミヤマカラスアゲハも見られるんじゃないかと思い注意していたのだが、残念ながら見ることは出来なかった。

スギタニルリシジミ交尾

 林道を歩いている途中、木を伐採しているような所があり、大量の切られた木が置かれている場所があった。そこでハンミョウを見つけた。山下君が言うにはミヤマハンミョウと言っていたような気がするが、自分はよくわからない。

ハンミョウの顔。エイリアンみたいで怖いし、少なくとも善人の顔じゃない。


背中の模様を撮ろうと思ったら、山下君にガッツリ噛みついていた。

 30分ほど歩いて引き返し、木古内にある公園に向かった。1年生の歓迎会と言うわけではないけど、お昼に豚汁を作ってみんなで食べることになっていた。

 自分たちが到着すると、対馬先生チームはすでに林道での調査を終え、豚汁を作れそうな場所を探し、料理に取り掛かっていた。

 今回の豚汁のために一人400円徴収した。材料などは全て対馬先生が用意してくれた。

野菜を切るW君とN君


カッターでじゃがいもの皮を切るYさん

 野菜などを切り分け鍋に入れて水を入れて沸騰を待つ。その間暇なので何人かは芝桜の見学に出かけて行った。自分はちょっと疲れたのでひと休みしていた。

 しばらくして芝桜見学チームが戻ってきた。まだ豚汁は沸騰もしていない。

 待っている間、部員達はワラジ探しを始めていた。やめてよ!

 自分とMさんは紳士淑女協定を結んでいる。Mさんは私をワラジでいじめない代わりに、私はMさんを、彼女が苦手なカエルの卵でいじめないという協定だ。

 山下君は「協定なんて破るためにあるんだ」とわけのわからないことを言い出し、Mさんをけしかけている。Yさんは「私は何の協定も結んでいない!」とわらじを探している。本当にやめて!

 私がワラジやダンゴ虫が苦手だという事を知っていて、いかにもわらじを掴んでいるような感じで私を脅かしに来る。
 「どうせわらじを掴んでいるふりをして本当は持ってないんでしょ!」と思ったが、ゲジゲジやわらじを掴んで、満面の笑みで私に襲いかかってきた。

逃げる私、私を追うYさん

 本当にワラジを持っているかどうかわからない。持っているふりなのか?

 手を握り、「ほら!」と開くと普通の虫だったりしても「うわぁ!」とビビッてしまう。
 「また普通の虫か?」と思ったら本当のワラジだったり。もう誰も信じられない。

 そんな私をいじめてさぞかし楽しいのだろう。いつか何かで復讐してやる!

 去年はMさんにいじめられ、今日はYさんにいじめられ、生物部の女子は私をいじめるのが楽しいようだ。

 そうこうしているうちに豚汁完成!

完成した豚汁

 青空の下、みんなで食べる豚汁は最高に美味しかった。部活でいつもこういう風に出来るわけじゃないけど、ピクニックみたいで楽しい。

 大量に作ったので10人でお腹いっぱい食べても少し余らしてしまった。余った分は対馬先生が持ち帰ることになった。一番食べたのは部長のI君だったように思う。

豚汁を食べる山下君と木村君

 木村君はガンマニアでBB弾の鉄砲を持って来ていた。この弾は発射した後分解して自然に帰る環境に優しいものらしい。自分も借りて撃ってみた。けっこう楽しかったのだが、弾の勢いが凄い。撃たれたら痛いのだろうか?という疑問が湧いてきて、自分を撃ってもらう事にした。

 最初はかなり離れて撃ってもらったら全然痛くなかったので、徐々に距離を近くした。7m位の距離で撃ってもらったら背中にあたって相当痛かった。

 おなかいっぱい食べて遊んで、とても賑やかな活動になった。一人で林道を歩くのもいいし、少人数で歩くのもいいし、今日みたいに大勢で賑やかに活動するのもいい。これだけの人数が集まることもそう多くないので、今日は貴重な一日になったと思う。

10人全員生物部員とOB
1年生とMさんは顔ボカシ

 キアゲハ、エゾスジグロシロチョウ、スギタニルリシジミ、シータテハ、アカタテハ、サカハチチョウ、ルリタテハ、を観察することが出来た。