GW最終日、強風の中の活動
2015.5.6

 ゴールデンウイークももう今日で終わり。もっと長く続いてほしいなぁ〜と思いながらも、今日は生物部の活動をすることになった。

 参加したのは1年生のYさんとY君。両方ともイニシャルがYなので今日の活動記録はややこやしくなるかもしれない。
 あとは対馬先生と道南虫の会の安井さんと自分の合計5人。

 天候は良いのだが風が強い予報。目標は北海道の蝶における各種類の発生確認最早記録を更新すること、それからウド採りだ。

 今年は暖かい冬〜春だったので蝶たちの羽化も早く、各種の最早記録を更新できるチャンスが大きいと思う。だけど、同じ地域でも山の北斜面と南斜面では環境も違うし、記録を狙うならやはり特に暖かかった場所を狙うのがいいと思う。そう考えると、道南地域でも更に南にある戸井方面とかが雪も少ないし暖かそうで狙い目。

 
 車で最後に安井さん宅に迎えに行く最中、対馬先生がYさんに

 「安井さんが乗ってきたら俺がYさんに「安井さんいくつに見える?」って聞くから、Yさんは「72歳に見える」って答えろ」

 と言った。

 もちろんこれは安井さんに対するイタズラで、本当の安井さんはそんなに歳には見えない。

 Yさんは最初「え〜っ」って言って困っていたが、対馬先生は「あとでちゃんとイタズラだって言うから」と。

 そして安井さん登場。

 一年生部員達に会うのも初めてなので、「はじめまして〜」などと挨拶を交わしながら安井さんは車に乗り込んだ。そしたら打ち合わせ通り対馬先生がYさんに、

 「安井さんっていくつに見える?」と聞いた。

 Yさん、打ち合わせ通り「72歳」って答えた。
 自分も対馬先生もYさんもおかしくて爆笑。

 しかし、これを聞いた安井さんはかなり落ち込んでいた。実際の安井さんは64歳。

 すぐにイタズラだという事をばらし、事なきを得た。

 色々お喋りしながらガビノに到着。

対馬先生は車の中で、自宅で今朝羽化したというミヤマカラスアゲハを持って来て部員達に見せてあげていた。まだ羽が固まりきらずに柔らかい状態だったがとっても綺麗なミヤマカラスアゲハ春型だ。2頭持って来ていたがどっちともメスだった。


対馬先生が持って来たミヤマカラスアゲハ♀

 最初にガビノという地域の林道に入ることにした。対馬先生&安井さんチームと、私&部員チームに分かれて蝶の調査をすることになった。約一時間で元の場所に戻る約束。

 部員二人と林道を歩くが、風が強い。もうボーボーだ。天気はいいけど蝶の調査には向かない風だ。そんな中でもエゾスジグロシロチョウなどはちらほら見られる。部員達には採集の練習をしてもらうことにした。網を振る要領もだいぶ良くなってきていて、そろそろ採集した蝶の胸を自分で圧迫したり三角紙にしまったりする練習もしてもらおうかという感じ。

蝶を追いかけるY君とYさん

 網に入れた蝶の名前なども分かるようになって欲しいが、現段階ではスギタニルリシジミとルリシジミの区別や、エゾスジグロシロチョウとスジグロシロチョウの区別など、難しい区別があるので、そういうのはこれから徐々にと言う感じだが、クジャクチョウとシータテハなどの越冬個体。ツマキチョウなど他の種類と間違える可能性のない種類などに関してはどんどん勉強していってほしい。

 道路脇に目をやると、ワラビが生えていた。だけどちょっと伸び過ぎかな?

ワラビ

 Yさんに「ワラビが生えていたよ」と教えると、「え、ワラジ??」だって。ちくしょーめ!

 枯草の中に小さな昆虫発見。これはこの前山下君に噛みついていたのと同じハンミョウかな。

ミヤマハンミョウ?

 強風の中林道を進むと、木が切られて積んである場所を見つけた。木のにおいがかなりした。Yさんはいい匂いと言い、Y君はこの匂いは嫌いらしい。

 木の断面を見ると何やら数字が書かれている。何の数字なんだろう?太い木の数字は大きく、小さい木の数字は小さい。「樹齢じゃないの?」などとY君かYさんか忘れたけど言っていた。

木の断面に書かれた数字

 1時間後に元の場所に戻って落ち合う予定だったので、30分進んだ場所で引き返した。蝶は数種類確認できたがとにかく風が強くて調査にならなかった。

 対馬先生&安井さんチームと落ち合うと、「あんまり風無かったよ」と言われた。林道付近の山の地形によってはすぐ近くでも風があったりなかったりするようだ。

 次に向かったのは鉄山の林道。今年2回くらい調査しているが、今日は同じ林道でももっと奥の方の調査をしようという事になった。
 だが、車で林道をずんずん進んで行っていると、なかなか蝶の調査をしたくなるようなポイントを見つけられず、そのまま林道を抜けてしまった。仕方ないので小安という地域の林道に入ることにした。

 林道を歩き始めてすぐにウドを発見。ウドは主に対馬先生とY君が採集し、私と安井さん、Yさんは蝶探しと言う感じ。
 やはり風が強くて蝶の調査はなかなかできなかった。

ウド

 林道を歩いていると小さな川が横切っていた。Yさんは靴を長靴に履き替えて川を渡っていた。

 長靴に履き替えるYさんと見守る安井さん

 Yさんはいつも長靴を持参してリュックに入れている。長靴が登場しないまま調査を終える日もあるが、今日は長靴が活躍していた。川が3本くらいあったので、そのたびにジャブジャブ川を渡っていた。

川でザリガニを探すYさん

 対馬先生とY君は主にウド探しをしていた。自分も妻に「3本くらい持って来て」と言われていたのだが、カメラやY君から預かった網を持っていたのでなかなかウドを採る感じにもならず、あとでもらおうと思っていた。

 Yさんと歩いていると、Yさんが「うわぁ〜!」と言った。何かと思ったら、鹿の頭蓋骨を見つけたようだ。木の切り株の上に頭蓋骨があって、多分誰かが置いたものだと考えられる。Yさんは鹿の頭蓋骨に向かって拝んでいた。
 何かお願い事をしているのだろうか?

切り株の上の頭蓋骨

 今日は風が強く、蝶の調査には厳しい感じだった。見られた蝶はエゾスジグロシロチョウ、スジグロシロチョウ、ツマキチョウ、オオモンシロチョウ、ルリタテハ、ルリシジミ、スギタニルリシジミ、ツバメシジミ、ミヤマセセリ位だったろうか?

ヒトリシズカ

 そろそろ早春の蝶から春の蝶に移り変わる時期が近付いているように感じる。やはり、蝶の発生は早いような印象を受けるので、あと10日もしたらミヤマカラスアゲハなどの蝶なども普通に見られるようになってくるかもしれない。

 対馬先生とY君が採ったウドはみんなに分けてもらって帰宅した。