山菜採りとカラスアゲハ
2015.5.23


 木曜日のミーティングでこの週末の部活動参加希望者を聞いたところ、土曜日はW君とJ君の二人だけであった。対馬先生はタケノコ採りとウド採りをしたいと言っていて、自分は蝶探しをしたい。意見が分かれていたので、「タケノコ採りに行きたい人〜?」と聞いてみたら、J君もW君も元気よく「ハーイ!」と手を挙げた。
 しょうがない、今日は山菜採りに付き合うか・・・。

 タケノコとウドのポイントは対馬先生が知っている場所。実はタケノコ採りは自分が高校生の頃に一度対馬先生に連れて行ってもらったことがある。そして、案外タケノコ採りは大変だという事も知っていた。

 8時に対馬先生宅に到着し、山に向かう。天候はここ最近では最も良いのではないかと思われる位の快晴。気温も高く、風もない。

 昨日、高校の同窓会総会及び懇親会があり、自分と対馬先生は2次会に二人で行き、12時までスナックにいた。自分はそんなに酒を飲んではいないが、対馬先生はかなり飲んでいたので「大丈夫?」と聞くと、「全くなんともない」と答えていた。さすが強者であるが、自分は12時までスナックにいて8時集合と言うのはちょっときつかった。昨夜は「明日早いから、12時までには寝れるように、あんまり遅くならないようにしようね」って言っていたのに、結局スナックを出るのが12時になってしまい、帰宅後なかなか眠れなくて2時過ぎまで起きていたのが悪かった。

 新中野ダムの奥にある林道を進み、タケノコポイントへ。道路が悪く、自分のCX-5ではちょっと無理かもと思えるくらい。だけど、対馬先生のパジェロはものともせず進んでいく。
 朝早くても山菜採りの人がけっこう山に入っていた。

 いよいよタケノコのポイントに到着した。ちょっとした崖を登り、自分の背丈以上の太い笹薮を漕いでタケノコを探すのだ。W君もJ君も、「え〜っ!ここを入って行くんですか!?」とびっくりしていた。そうなんだよ、大変なんだよ!


笹薮に入って行くW君

 いよいよみんなで笹薮に入って行く。迷子にならないように太陽の位置や方角を確認したりして。

 密集した笹薮を進むのは大変だ。笹が真っ直ぐ生えていれば問題ないが、斜めになっていたりして、しかも自分の進みたい方向の反対側に傾いていると笹が逆毛のような感じで前に進めない。逆に自分の進みたい方向に倒れていると進みやすいんだけど笹を踏んだ時に滑って転びやすい。

 転びそうになったり、実際に転んだり。特に幅の広い自分は進むのが大変だ。そんな中でもタケノコを見つけて採った。

 20分くらい笹薮にいただろうか。写真を撮る余裕などなかった。
 自分の採ったタケノコを対馬先生に見てもらう。細いのはダメらしい。そういうのは袋の中から採りだされ、どんどんブン投げられてしまった。せっかくたくさん採ったと思ったんだけど、たくさんブン投げられて残ったのはほんのちょっとになってしまった。

採ったタケノコ

 今のは練習的な感じで、今度は二手に分かれて探すことにした。自分はJ君と二人で笹薮に入った。
 さっきと同じように進みにくい。笹に行く手を阻まれたり、何かの弦の植物に行く手を阻まれたり。そんな中でも太いタケノコをいくつか見つけて採っていた。
 20分か30分程度で元の場所に戻る約束をしていたのだが、笹薮の中でふと背負っていたリュックに手をやると熊撃退スプレーが無い事に気づいた。
 J君に「熊スプレー落とした!」と言い、一緒に探してもらう事にした。

 来た所を戻りながら探す感じだったが、密集した笹薮の中であり、どっちの方から来たのかもわからない。これはもうだめだなと思い、諦めて笹薮から林道に戻ったのだが、笹薮から出た場所は、さっき入った場所とずいぶん違う所だった。
 なので、J君と、笹薮に侵入した場所に行き、J君がその付近を探してくれた。そしてJ君は見事に熊撃退スプレーを見つけて戻ってきた。凄いぞ!偉い!!

 対馬先生とW君もそれなりにタケノコを見つけており、「こっちの笹薮の中の方が案外太いタケノコがたくさんあったよ」と言うので、そこの場所に入りちょっとだけタケノコさがし。自分と妻と母が食べる分は十分採れたなと思ったので、次はウド探しに行く事にした。

 林道を進み、ウドのポイントへ向かう。途中、林道に木が倒れこんでいる場所が数か所あり、絶対に車が通れない感じ。

木が倒れて通れない。冬の間に倒れたのかな?

 こういう時は若者の力に頼る。W君とJ君が倒れた木をどけて車を通しながら先へ進んだ。

木をどけるW君とJ君

 ちょっと開けた場所に出ると、庄司山の裏側であることがわかった。庄司山は横津連邦を函館市街地側から見るとポコッとコブのようになっている山である。ペリーが来航した時にここの山に調査団が登ったという記録があったような気がする。

庄司山の裏側

 ウド採りは写真撮影を忘れてしまったのだが、何か所かでみんなたくさんウドを採ることができた。自分ははっきり言って、どれがウドなのかも良くわからない位の感じで、ウドを採りたいと思ったことはあまり無い。しかし、前回持って帰ったウドが思いのほか美味しく、また食べたいと思っていたので、今回ウド採りを真面目に勉強しようと思っていた。
 ウドは葉っぱにはあんまり特徴は無いが、幹の部分に毛が生えていて、結構太いのが特徴だ。だけど、今回教えてもらったのは、去年の枯枝を探すという方法だ。枯枝探索法と名付けた。

 ウドは毎年同じところに出るらしく、去年の枯枝を見つけて、それを根元の方に辿って行けば今年のウドが見つかるという理論だ。
 これがけっこう効率よく見つかる!そして枯枝を辿って行って今年のウドを見つけた時、とても面白い気持ちになった。直接ウドを探すのではないこの方法。楽しい!

 みんなでウド採りをして満足し、新中野ダム奥での山菜採りは終了。

 天気が良く気温が高い割には蝶の姿は少ない印象だったが、林道を戻る途中に黒いアゲハを発見!
 急いで車を降り、撮影しようと思ったが、コンデジだったのでうまくいかず、W君とJ君も網を持って降りてきたが、あと少しと言う所で逃げられてしまった。ミヤマカラスアゲハだった。

 林道を戻り対馬先生宅へ。ここで対馬先生とJ君とはお別れ。自分とW君はオナガアゲハを求めて水無の林道調査へ向かう事にした。

 現地に到着して二人で林道を歩く。対馬先生はさっき、「タケノコの成長の具合を考えると、今の季節感としては例年より10日位早いのではないか」と言っていたので、それを考えると今日5月23日は6月の2日か3日位の感じであると言える。

 例年、6月3日位と言えば、林道の水に多くのミヤマカラスアゲハが集団吸水をしている時期である。しかし、新中野ダムの奥の林道ではなんとかミヤマカラスアゲハを1頭見つけられただけで、本当ならもっとたくさん見られてもいいはず。

 きっと水無の林道にはたくさんのミヤマカラスアゲハが吸水しているのではないかと予想していた。

 しかし、水無の林道は新中野ダム奥の林道と同じように蝶の姿が少ない感じだった。

 W君と二人で林道を歩く。W君と二人で歩くのは初めてだ。部員の中でよく山に行く6名(2年生2名、1年生4名)の中でW君は一番大人しい印象を持っていた。特に1年生で比較すると、J君はいつも賑やかに喋っているし、今日は学校の補習のため参加できなかったYさんは見た目とは裏腹にかなり活発に蝶を追いかけ、網を壊すんじゃないかと言う位の勢いでブン回す。そしていつも笑っている。N君は蝶を追いかける時のダッシュが全力疾走で運動能力も高そう。
 そんな中W君はいつも冷静沈着な感じで、他の一年生部員のように網をブン回したりワラジで私をいじめたりもしない。1年生みんなで歩いていても、比較すると動きが大人しいので「生物部の活動を楽しんでいるのかな?」とちょっと不安に思っていた。
 「何回か山に行ったけど、面白くないので辞めます」とか言い出すんじゃないかと。

 でも今日の活動もたった二人だけの参加の中の一人だったし、自分専用の網を購入したいと言っているし、きっと生物部の活動にやりがいを感じているに違いない。だからたくさん蝶を採って、名前を覚えたり生態を勉強したり、活動を楽しんでほしいので、ここいらでひとつ、何の種類でもいいから北海道における採集の過去最早記録を更新する成果を出せないかと思っていた。
 そのチャンスが水無の林道のオナガアゲハではないかと思っていたのだ。

 でもどうも黒いアゲハが飛んでいない。やっぱ、時期が少し早いのかな〜?いや、もう発見されてもいいはずなんだけど。

 そんな事を思いながらもスジグロシロチョウを採集してみたりしていたのだが、遂に林道上に黒い何かを発見した。

 最初自分は、その何かを見たときに、ミヤマカラスアゲハかなと思った。だけど、どうも横たわっているように見え、もしかして車に踏んづけられて死んでいるミヤマカラスアゲハ?と思った。

 とりあえず、写真を撮ろうかとレンズを替えているとき、急にその黒い何かが林道から羽ばたいた。

 なのでW君に「採れ!」と言い、W君は飛び出した黒い何かに向かって走って行った。

 勝負は一瞬で決着がついた。W君渾身の一振り!!黒い何かはW君の網の中に納まった。やった、でかしたぞ!

 この時点で自分は「多分ミヤマカラスアゲハだろうな」と思い込んでいたが、W君は網の中の蝶を見ながら「オナガアゲハですかね?」と聞いてきた。
 オナガアゲハだったら最早記録かもしれないのでもっと喜んでほしいんだけど、いつも通り冷静沈着。

 どれどれ?と網の中を確認すると、そこにはなんとカラスアゲハが!

 「おい、これカラスアゲハだぞ!」とW君に行った。W君特にリアクション無し。

 カラスアゲハだとはあまり予想していなかった。自分の経験では、ミヤマカラスアゲハが最初に見られるようになり、ちょっと日数がたってからカラスアゲハが見られるようになるという印象を持っていたので、今年はまだミヤマカラスアゲハは2頭位しか確認出来ていなかったため、まさかここでカラスアゲハが登場するとは思っていなかったのである。

W君の手中に収まったカラスアゲハ♂

 しかし、良く考えてみればミヤマカラスアゲハの再早記録は4月下旬であるようだし、先週もミヤマカラスアゲハは確認できていた。更に汐首に行った時にも山下君とJ君とN君が黒いアゲハを確認しているので、それがミヤマカラスアゲハだったとすれば、もうカラスアゲハが見られてもおかしくないかもしれない。

 採集したカラスアゲハは記録用にするため標本にすることにして三角ケースに収め、更に歩いてオナガアゲハだとか何か最早記録更新が出来るようなものを探した。

チョウを探すW君

 結局水無の林道ではそれ以上の成果を得ることが出来ず、時間もまだあったので万太郎林道にも行ってみたが、特に成果は得られず、今日の活動は終了となった。

 予想外のカラスアゲハの登場にびっくりしたのは自分だけだったようだ。でもW君、すごいぞ!