ひとりの水無
2015.5.26
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今日は午後から時間が取れそうだったので、思い切って休みをもらった。天気が良く暖かかったので。
先日、W君と二人で水無を歩き、カラスアゲハを捕まえたが、目的のオナガアゲハは見られず、おとついは上ノ国でクロヒカゲを見つけたが撮影も採集もできず、どうしてもこの2種の確認がしたかったからだ。
12時半頃には水無の林道に到着していた。ちょっと風があるけどまずまずの感じ。
林道の入り口に車を止めたけど、シーンとしていて蝶の姿も見られない。でも、この先歩いて行けば林道上に湧水が流れている場所があるので、予想としてはそこに黒いアゲハ達がたくさん吸水に来ているはずだ。
少し歩いて林道上の湧水がある場所に到着。この林道上の湧水は結構な長さ続いていて、去年の6月上旬にはたくさんのカラスアゲハ、ミヤマカラスアゲハ、オナガアゲハが吸水に来ていた。
歩いていると遠くに黒っぽいもの発見!これは黒いアゲハに違いないと思いカメラを準備。今日は網も持っていたのでカメラと網の二刀流だ。
遠くから一枚、数歩近寄って1枚と撮影していく。黒いアゲハには間違いないけど種類がわからない。 |
遠くで撮影した黒いアゲハ。300mm望遠レンズ |
徐々に近寄るが、まだまだ遠い感じの場所で飛ばれてしまった。警戒心が高いようだ。飛んでいる黒いアゲハを確認するが、その中にオナガアゲハは混じっていないようだ。 |
飛ばれる直前の1枚 |
3頭の吸水だった。集団吸水と言うには数が少なすぎるけど、複数頭の黒いアゲハの吸水を見たのは今年初めてだったので嬉しい。
飛びながら近寄ってきた1頭を採集してみた。カラスアゲハだった。
更に奥に黒いアゲハがいないかなと思って進んだのだが、車に鍵をかけたかどうか不安になってきたので一度戻ることにした。
戻る途中の林道湧水ポイントでまた黒いアゲハを発見。今度はミヤマカラスアゲハのようだ。またかなり遠いところで飛ばれてしまったが、水の周りを飛び回っている所を撮影できた。やっぱりミヤマカラスアゲハである。 |
ミヤマカラスアゲハ |
車に戻るとちゃんと鍵はかかっていた。まぁこんなもんだよなと思い、もう一度林道を進むことにした。
また林道湧水ポイントで黒いアゲハを発見。オナガアゲハだったらいいなと思ったんだけど、ミヤマカラスアゲハだった。 |
ミヤマカラスアゲハ♂ |
近寄って写真を撮影したかったんだけど、また飛ばれてしまった。近寄ってきたので網で採集してみたら、後翅がちょっとだけ傷ついていたのでそのまま逃がした。
今度は林道をけっこう奥まで歩いた。汗をかいてきて、部員がよく「先生、風呂上りみたいになってますよ」と言われる位髪の毛が汗でベチャベチャになるかなと思ったんだけど、少し気温が涼しくなって心地よい風も吹いていたのでそこまで汗をかかずに済んだ。
林道を歩いている途中でも数頭の黒いアゲハが飛んでいるのを目撃できた。しかし、翅の形等から、オナガアゲハではない可能性が高いものばかりだった。
30分位林道を奥に進んで引き返すことにした。
引き返す途中、水たまりみたいのを見たらオタマ地獄があった。 |
オタマ地獄 |
2年生部員のMさんはカエルの卵が気持ち悪いと言っていたが、このオタマ地獄はどうなのかな?などと思いながら写真撮影した。
林道を戻り、また林道湧水ポイントへ。オナガアゲハが吸水していないかなと期待したが、黒いアゲハ自体がいなかった。また、林道を歩きながら気を付けてクロヒカゲを探したが見つけることは出来なかった。
今年は春から暖かい日が多く、雪も少なかったことから蝶の発生が早いことが予想され、その予想通りたくさんの種類で北海道における最早記録を更新できている。この最早記録を更新するための活動は思いのほか楽しい。だって、普段なら見向きもしなかったクロヒカゲを必死に探しているくらいだから。
これから先も、普段なら見向きもしないような普通種でさえ、最早記録を更新できるかもしれないと思えば必死に探すだろう。目的があるのはいいもんだ。
車の所に近づき、ちょっと川に降りてみたら、強そうなクモがいた。そういえばYさんはクモが好きだと言っていたなぁと思いながら1枚だけ撮影した。 |
強そうなクモ |
最後にヤマキマダラヒカゲが林道上にいたので撮影し、今日の調査を終えることとなった。 |
ヤマキマダラヒカゲ |
一人で林道を歩き、蝶を探した。目的だったオナガアゲハやクロヒカゲは見ることが出来なくて残念。だけど一人で誰とも話さず、自分の意志だけで蝶を捜し歩くのもたまにはいいもんだ。賑やかな方が楽しいんだけど、鳥の声を聴いたり、川の音を聞いたり。網とカメラの二刀流は大変なんだけど。
蝶の姿が全体的に少なかったけど、これは春の蝶と初夏の蝶の入れ替わりの時期なのかもしれない。
見られた蝶はミヤマカラスアゲハ、カラスアゲハ、キアゲハ、エゾスジグロシロチョウ、スジグロシロチョウ、ツマキチョウ、ルリシジミ、シータテハ、サカハチチョウ、ヤマキマダラヒカゲだった。
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