林道の散歩(中札内村)

2012.8.12


 連日オリンピックで寝不足である。昨夜も夜更かししてオリンピックを見てしまった。
 朝、妻が「晴れてるよ」と起こしてくれたのが9時半頃。外を見ると快晴だ。これはどこかに行かねばならない。
 やはりこの時期はキベリタテハやルリタテハになってしまう。過去にキベリタテハやルリタテハを目撃した場所はどこだったかな?と寝起きの頭で考え、今日は中札内方面に行く事にした。
 キベリタテハやルリタテハって、春に越冬個体を見ることが多いんだけど何でだろう?前の年の夏にほとんど見られなくても、次の年の春にはたくさん見られることが多い。

 中札内村の林道に到着したのが10時半頃だったと思う。入り口にゲートがかかっているからここから歩いて行く事にするが、最近は運動不足だし食べすぎ。とりあえず片道5000歩という感じで往復1万歩を歩くことにした。
 出発してすぐに姿を見せてくれたのがカラスシジミ。そういえば今年見るのは初めてかも。新鮮さは無くなっているがフキの葉に止まって太陽をあびていた。
 それからこいつ。撮影しているときは晴天のせいで液晶画面がよく見えず、ピントもしっかり合っているかどうかわからなかったんだけど、それよりきちんと観察していなかったのでカラスシジミだと思って適当にシャッターを切っていた。でも帰ってから確認すると、こりゃウラキンシジミだね。もっとちゃんと丁寧に撮影しとけばよかった・・・。お腹も大きいのでメスかな?
 飛び古してオンボロのフタスジチョウが2頭いた。実はフタスジチョウってあんまり見たことが無く、これまで10回か15回位しか見たことが無い。(見た頭数でなくて)
 ちょうどオオイチが出てくる時期前後に見ることが多いので、成虫の期間が1ヶ月半以上と言う事になる。ここの場所ではイチモンジチョウも見られたので、けっこう長生きなんだなと感じた。

 メスグロヒョウモンのメス。昨年もたくさん見られたが、今年もなかなか多いみたい。これまでは年に1度見られるかどうかという感じだったので、もしかしたらこの1,2年、たくさん発生しているのかもしれない。
 葉っぱに写る蝶の影。こいつの正体は誰でしょう???
 撮影時期、8月12日、撮影地、北海道中札内村。あとこの影だけで種類が特定できたらもう博士だわ。

 予想してメール下さい。当たっても何にも商品ないけど・・・。
 satsurai@lilac.plala.or.jp

 
 シータテハも綺麗なのは今年初めてかも。名前の由来になっている翅の裏面の白いCの字がくっきり見えている。ちょうど何かの動物のうん子に来ていたんだけど、Cタテハの奥にはキバネセセリの翅、手前にはバッタ。飛んでいるハエまで写っている。手前のバッタ(ボケていて見えずらいけど)はうん子をムシャムシャ食べていてびっくり。バッタって葉っぱ食べるんでなかったっけ?そしてそのうん子なんだけど、太さと長さが人間っぽかった。でもまさか林道の端で野ぐそする人いないよね・・・。
 なんか知らないけど、フキの葉っぱが喰い散らかされていた、もう葉脈しか残っていない感じだったんだけど、これでも枯れていない。きっとバッタが食べまくったんだろうと思うけど、こういう姿を見るとやっぱり夏も終わりに近づいているなと感じてしまう。春はあれだけみずみずしくて生命力にあふれていたフキの葉が、こうなっちゃうんだから。
 今日もミドリシジミ類はたくさん見られた。でも今日はオスばっかりだった。少しボロになっているし、輝きもイマイチになってきているけど、一生懸命縄張りを主張して喧嘩しまくっていた。

 そうこうしているうちに車の場所まで戻ってきた。片道5000歩と思っていたが、4700歩位の所で引き返したので、戻ってみると9300歩だった。天気が良くて汗もダラダラ。カメラと網を持って歩くのは結構疲れた。
 このあとどうしようかと思ったが、もう1本、近くの林道に立ち寄ってから帰る事に決めた。

 その林道はゲートがなく車で入れるのだが、少し行くと道の脇にヒヨドリバナが咲いていて、何種類かの蝶が花の蜜を吸っていた。車から降りず、運転席に座ったまま撮影できた。
 運転席から撮影したカラスシジミ
 運転席から撮影したサカハチチョウ(夏型)

 前回の記事にも書いたが、この時期アブが多くて嫌になる。今日も何箇所か刺された。刺されたときはチクッとする位なのだが、蚊に刺されるときのように、刺された後にかゆくなったりする。症状は人それぞれなんだろうけど、自分の場合は刺されてすぐはほとんど何も症状が出ない。その後、少しだけ蕁麻疹みたいな感じで腫れて、すぐに元に戻る。ところが夜とか次の日に熱を持って腫れてくる。痛くは無いんだけど痒みが強い。
 車を止めるとアブがブンブン飛んで来て自分を刺そうとするんだけど、車にもたくさん寄って来る。人間を目で見て寄って来るのではなく、熱とかを感知して寄って来る様だ。だから、車から降りるときは車の近くから離れず、車のエンジンをかけっぱなしにしておく。そうすれば多くのアブは車のほうに寄ってくるので、自分がアブに襲われる危険性は少し下がる。
 車の窓ガラスに付いたアブ。こいつは小さめのアブなんだけど、気付かないうちに手とかに止まっていて刺してくる。手でパチンと叩くとすぐに死ぬ。
 このアブが大きくて、黄色と黒の縞々なので、知らない人が見たら「スズメバチだ!」ってビックリすると思う。でもこいつもアブ。自分の頭の周りをブンブン飛んでうっとうしい。
 網で採って足で潰すと死ぬ。でも殺しても殺しても次のアブが寄ってくるのでらちが明かない。

 アブがうるさく、車に戻ってアブの写真でも撮っていたら、いきなり運転席の窓に蝶が止まった。ウラキンシジミだった。びっくりしてすぐに写真を撮った。
 なかなかこんな蝶の写真も珍しいんじゃないかな?フロントガラスに付いた何かを吸おうとしているようだけど。ちょっと大きく感じたし、羽も綺麗なので多分メスじゃないかな??お腹も大きいし。

 3枚ほど撮影したところで飛んでしまった。目で追うと近くのヒヨドリバナに止まったので車を降りて撮影しようとしたがちょうど撮影しにくい場所でうまく撮れない。そうしているうちにまた飛んで、木の上に行ってしまった。これではもう撮影できないと諦めたが、近くにはまだウラキンシジミがいるかもしれないと思い探すと、やっぱり見つけることが出来た。さっきのウラキンシジミが飛んできたのか別の個体なのかはわからないが。
 カラスシジミとヒヨドリバナを吸っているウラキンシジミ。

 この頃から天候が曇りに変わってきた。キベリタテハもルリタテハも見つけることが出来なかったが、散歩も出来たし、ウラキンシジミも見ることが出来たので満足した。
 それにしても今年初めて見ることが出来たウラキンシジミを何度も見ることが出来るなんてとても変な気持ちである。高校生の頃から20年以上山に通って一度も見ることが出来なかったウラキンシジミである。やっぱり今年は発生が多い蝶と少ない蝶が極端なような気がする。