アサギマダラの幼虫探し
2015.6.14

 この土日は天候が悪い予報だったので、生物部の活動は自主活動となった。しかし、土曜日の夜、対馬先生と連絡を取り合い、部員は自主活動だが、顧問も自主活動をしようという事になった。

 日曜日の今日、天候は思ったほど崩れなかったが、土曜日の時点ではそれほど良い予報ではなく、天気が晴れなくても活動できる目標という事で、鉄山に行きアサギマダラの幼虫探しをしようという事になった。

 鉄山では5月30日にアサギマダラの卵を3個発見している。(1個は持ち帰り飼育中)しかも、3年連続同じポイント。もしかしたらそのポイントにはその後またアサギマダラがやってきて産卵しているかもしれない。

 対馬先生宅に迎えに行き鉄山に向かった。予報とは裏腹に晴れ間が多い感じだったが、蝶の数は少なめ。ただしここは鉄山。自分にしてみたら「鉄山ではいつも面白い事が起こる場所」なのである。

 飛んでいるのは越冬のアカタテハ、シータテハ、それからスジグロシロチョウが多く、時々サカハチなんかも見られたが、やはり蝶の数は少ないような気がする。

 そんな中でもコチャバネセセリを発見して撮影することが出来た。

コチャバネセセリ今年初見

 コチャバネセセリは結構な数飛んでいた。今年初めて見たけど、もう数日前から見られるようになっていたと思う。

スジグロシロチョウ

 対馬先生はカラスアゲハを狙いたかったらしい。黒いアゲハは今年やけに少ないが、それでも少しだけ見ることが出来て対馬先生が採集した。メスを採集して産卵させて飼育するつもりだったらしいが、捕まえたのはオス。

 「なんだ、オスだよ!」と言って対馬先生はカラスアゲハを逃がしていた。

カラスアゲハを捕まえた対馬先生

 肝心のアサギマダラポイントに到着。さっそくイケマの葉を裏返して探してみたが、2個の卵が見つかった。しかし幼虫は見つからなかった。

アサギマダラの卵

 この卵を見ると孵化直前なのがわかる。上の方が黒くなっているから。

 自分はこの卵を見て、前回来た時(5月30日)以降に産卵された卵だと思った。しかし、良く考えてみると、前回見つけた3個の卵のうちの2つがこれなのかもしれない。

 なぜなら、もう孵化していると思った幼虫が見つからないからだ。

 自宅で飼育している卵はとっくの前に孵化し、もう3齢になっている。孵化したのは6月4日だ。

 しかし、自宅で飼育しているものが6月4日に孵化し、鉄山に残して来たものはまだ卵。これはちょっと考えにくいと思ったが、自宅で飼育している方が温度が高いだろうし。ただ、温度だけで孵化が10日も違うのだろうか?

 鉄山の2つの卵は孵化直前だったので、明日孵化すると考えて逆算すると、5月30日からは17日間という事になる。
 自宅に持ち帰った卵は6月4日に孵化したので、5月30日からは5日間。

 5日間で孵化するというのはちょっと考えにくいので、仮に5月27日に産卵したと仮定るすると自宅に持ち帰った卵は8日間で孵化。鉄山にそのまま残して来たものは20日間。となるが、いずれにしても随分と違う。

 下の画像は、5月30日に鉄山から持ち帰ったアサギマダラの卵がから孵化した幼虫の今日現在の様子である。

自宅で飼育中のアサギマダラ幼虫(6月14日、多分3齢)

 自宅で蝶を飼育すると確かに成長が早いのだが、こんなに違うとなると少しびっくりした。これはこれで貴重な調査になったような気がする。(飼育と自然環境での幼虫の成長の違いについて)

 他の場所ではイケマから卵か幼虫を見つけることが出来ず、帰りに東山に寄った。鉄山でアカシジミらしき蝶を目撃したので、もしかしたら東山でも見られるかと思って。しかし、雲が多くなってしまい、アカシジミは見つけられなかった。かわりに、ゴイシシジミを発見し、写真撮影しようと思ったが難しかったので採集し、自宅に持ち帰った。これは北海道におけるゴイシシジミの最早記録を3日更新したようである。

 この土日のように、天候が悪い予報の時には部活は自主活動になる。自主活動と言うのは「休み」ではない。運動部で言うなら自主練である。顧問二人は今日、自主活動をした。部員達も自宅近くの自然がある場所にでも行って自主活動をし、月曜日に蝶のデータを持ってくるだろうか??持ってきたらなかなか凄いと思うが、まだ自主的に活動して蝶の調査をするような主体性は身についていないというか、そこまで興味を持って活動しているようにも見えないので、これからもっと興味を持ってもらえれば嬉しいんだけど。

 見られた蝶は鉄山で
 スジグロシロチョウ多数、アカタテハ多数、シータテハ1ex、サカハチチョウ1ex、カラスアゲハ1♂、コチャバネセセリ多数。(アサギマダラ卵2)。あとアカシジミっぽいの(確実ではない)
 東山で
 ゴイシシジミ1ex

 であった。