体力づくり?
2015.6.21
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本日の活動は、午前中は1年生部員4名と自分の5人、午後位からは対馬先生も合流して6人となる予定で蝶探しに行く事になっていた。
以前行った汐首の野生の馬がいる場所。前回行った時にはYさんは参加していなかった。自分はヒョウモンチョウが見られるのではないかと言う思いで「汐首に行こうか?」と部員に言うと、「それなら野生の馬がいる山頂まで行きたい」と部員達が言い出した。
「え〜・・・疲れるから嫌だ!」と反論したが、Yさんも「山頂まで行きたい」と。
どうも1年生部員達は山頂まで行って私が疲れるのを見たいだけのような気がする。が、Yさんを山頂まで連れて行くのもいいなと思い、とりあえず汐首で蝶を探しながら山頂まで歩き、その後鉄山で対馬先生と合流しアサギマダラの幼虫観察、そして桔梗などでアサギマダラの卵や幼虫探し、最後に横津岳の山頂にも行く計画とした。今日は内容の濃い活動になりそうだ。
8時8分に七重浜駅に到着するYさんを迎えに行った。同じ場所でW君とも待ち合わせ。 |
駅から出てきたYさん |
次いで、学校に行きN君とJ君と待ち合わせ。到着するとN君は既に来ていた。
8時半までに学校に来るように伝えていたが、なかなかJ君はやってこない。時間に遅れるのは最悪だ。
「J君が来なかったらどうするんですか?」と聞かれたので「そんなもん、置いてくよ」と答えた。
J君ギリギリで学校に到着。だけどちょっと遅れたね。もう少し余裕を持って待ち合わせに来るように心がけましょう。
早速汐首に向かう。天候は良く、風もない。絶好の活動日和となった。
汐首に到着してまず出迎えてくれたのはコミスジ。
ここ最近、蝶の姿が少ないなと思っていたし、特に黒いアゲハ類なんて今年はほとんど見ていない。ここのポイントはどうかな? |
コミスジ |
コミスジももうボロの時期だ。夏至が近い時期でもあるし、見られる蝶の種類も多くなってくると思うんだけど、最初のうちはそんなに蝶は見られなかった。かわりに葉っぱの所に作られた蜂の巣を見つけた。今は小さいけど、これから大きくなったら葉っぱの力じゃ支えきれなくなるんじゃないかな?と思った。 |
蜂の巣 |
最初の100m位か200m位を歩いて左に登りながらほぼ180度カーブする場所がある。ここで今日の目的であったヒョウモンチョウ発見!網で捕まえさせようと思ったが、とりあえずいい感じで止まっていたので写真撮影した。 |
ヒョウモンチョウ |
よく観察すると、ヒョウモンチョウは結構な数飛んでいた。後でわかったのだが、北海道の最早記録を1日更新したようだ。しかし、数も多いし、羽が切れているものもあり、発生から数日はたっているもよう。今年もっと早く確認している人がいるような気がする。
また、ヒメウラナミジャノメもかなりの数がピョンピョン飛んでいた。 |
ヒメウラナミジャノメ |
その他ではクモガタヒョウモンがいたり、ギンボシヒョウモンも見られた。これらは時期的には最早記録ではないなと思いながら採集した(部員が)
あと多かったのはクロヒカゲ位。
どんどん先に進んだが、網を持っている部員が3名いて、塊になって歩いても効率が悪いので30m位離れた感じで歩かせて蝶の採集をさせた。
部員達は網で採集した蝶を自分の所に持ってくる。私が名前を教える。「これはヒメウラナミジャノメって言うんだよ」とか。1年生なので、新しく見る蝶の区別はつかないんだけど、各種の蝶をよく観察して名前を憶えてほしい。
ずっと歩きながら蝶の採集をしたりして、けっこう疲れた。汗だくになり、また部員に「先生、風呂上りみたいになってますよ」と言われ、笑われた。
ようやく山頂付近に到着。野生の馬は前回よりかなり近い場所にいたのでよく観察することが出来た。仔馬もいておっぱいを飲んでいたり、寝転がっていたり、かなり自由に生きているようだ。冬場なんかはどうやってしのいでいるんだろう?と疑問に思ったが、今日なんかは天気もいいし風もないし、気持ちよく生きている感じがしてちょっと羨ましかった。 |
野生の馬 |
部員達も馬の写真などを撮影したりしていた。 |
携帯で写真を撮る?W君
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ひっくり返っている馬。 |
山頂から見える景色は今日も綺麗な雲海。そして向こうの方には青森がくっきり見えていた。 |
雲海と青森 |
函館山も山頂の方だけだが良く見えていた。 |
函館山 |
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写真撮影をするYさん |
山頂では吹き上げられてきたと思われるキアゲハが数頭飛んでいるくらいで、もしかしたらと思っていたアサギマダラはやはり見られなかった。せっかくなので、1年生部員4人で記念撮影をした。 |
4人で記念撮影 |
記念撮影後、下山することにした。下り始めてすぐに中年の夫婦がいて挨拶をした。「蝶の調査ですか?」と聞かれた。
下り始めて数分歩いたところで、もうひとつ山があり、みんなで調査に行くことにした。J君は頑なに「いやだ」と言っていたので、「絶対行け!」と言ったが従わない。もう放っておこうと思い、他の部員3人と私で登ってみることにした。 |
もう一つの山に向かう3人の部員達 |
この草原を登って山頂に行くのだが、これがかなり疲れる。ハァハァ言いながらようやく登ったら、あれほど「いやだ」と言っていたJ君が自分より先に山頂に到着していた。
「お前、来ないって言ったべや!」とJ君に言ったのだが、先に山頂に到着されてちょっと悔しかった。
この草原の山の山頂でもキアゲハは見られたがアサギマダラは見られなかった。
最初に行った山頂付近を見ると、先ほどすれ違った夫婦の姿が見えた。 |
最初に行った山頂 |
上の画像を拡大してみると、この夫婦も双眼鏡でこちらの方を見ているようだった。
時間もかなりたったので、さっさと下山して鉄山に向かわないとと思った。自分はけっこう疲れていたけど思いのほか元気だったのはW君とYさんだ。ふたりして先に歩いて行った。 |
先を歩くYさんとW君 |
N君は「膝が笑ってる」と言っているのでそれなりに疲れているんだと思う。J君は何でもない場所で転んでいた。 |
転んだJ君 |
途中、一度網に入れて捕獲した後に逃がしたクロヒカゲが葉っぱの上でじっとしていたのでかなり近づいて撮影することが出来た。
あとはイチモンジチョウも採集。これも北海道における最早記録を更新したようだ。 |
クロヒカゲ |
ようやく下山し対馬先生に電話。次の目的地である鉄山での合流方法を打ち合わせようと思ったら、いきなり「行くのやめた」と言われた。
「えっ!行くのやめたの??」と聞くと「やめた」と。
部員の誰だか忘れたが、ポツリと「対馬先生って本当に自由ですよね」と言った。今頃気付いたのか・・。
思ったより時間もたっていたので、それなら対馬先生には一人で桔梗の調査をしてもらい、自分たちは桔梗に行く予定を中止して、鉄山のあとはまっすぐ横津岳に向かうことにし、対馬先生とは横津岳で合流するという事になった。
コンビニに寄り、昼食や飲み物を買って鉄山に向かった。
鉄山で車を止めて歩いてアサギマダラのポイントに向かった。
幼虫がいる葉っぱには袋をかぶせているので、袋を取って幼虫の確認。やはり少し大きくなっていた。 |
鉄山のアサギマダラ幼虫 |
ウスバシロチョウも少し飛んでいて、網で捕獲した後逃がしたらフワフワ飛んで自分に止まった。J君に撮影してもらった。 |
ウスバシロチョウ(J君撮影) |
また、羽が茶色でまるで蝶のように飛ぶトンボがいてYさんさ網で捕まえたので写真撮影した。ヒガシカワトンボかなと思ったけど、トンボの事は良くわからないので自信がない。 |
Yさんた捕まえたトンボ |
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トンボの顔 |
部員達が蝶などを網で採集するとき、かなりの速さで網を振るので、網の中には目的の蝶だけではなく草も入り込む。また、狙いが少し外れて蝶が網の枠に当たったりすると蝶が網の枠にぶつかり気絶してしまう。こうなると三角紙に入れるまでに傷ついてしまったり、トンボなんてもしかしたら頭がもげてしまうかもしれないので、「もう少し優しく採集しろ」とアドバイスした。
ウスバシロチョウを1頭だけ採集して車に戻り、横津岳に向かう事にしたが、車を止めていた近くの魚道に魚がたくさんいた。Yさんはそこで手を洗っていた。 |
魚道で魚を観察しながら手を洗うYさん |
鉄山を後にして、次は横津岳に向かった。移動距離がけっこうあったが無事にばんだい号慰霊碑前に到着。対馬先生はここまでバイクで来ていた。
車止めのゲート前からみんなで歩いて山頂に向かう事にした。
さっき汐首の山に登ったばかりだからけっこう疲れていたけど、テクテク歩きながらみんなで登った。
この登山道はそんなに辛くないのだが、疲れていたので大変に感じた。登山道の真ん中くらいの場所に比較的急な場所があり、対馬先生が「競争しよう」と言い出した。
みんな疲れているから嫌がった。自分も「嫌だ」と言った。だけど対馬先生は一度言い出したらひっこめない。
「ハンデをつけてやる」とかいろんなことを言ってなんとか競争させようと。
Yさん以外は「仕方ないなぁ〜」と思って競争することにした。
Yさんをゴール地点に立たせて、みんなハンデをもらって競争することにした。自分は最大のハンデをもらった。
スタートして走りだしたら足が全然動かなかった。やっぱり疲れているから。それに自分はリュックを背負い、一眼レフとレンズが4本入ったバックを持っていたのでかなり重くて体が全然前に進まなかった。
そんなことをしたりしたのでかなりヘトヘトになった。
山頂の少し前は平たんな道が数百メートル続くが、歩いても歩いても前に進んでいるような気がしなかった。 |
みんなで山頂に向かう
(一番先にいるのが対馬先生とYさん。真ん中がJ君。手前左がN君、右がW君) |
ようやく山頂に到着。何を探すわけでもなく、ただ休んだ。J君も道路に仰向けになり動かない。他のメンバーは元気に蝶探しをしていた。
少し落ち着いたので自分は景色の写真を撮影した。
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横津岳山頂(1167m)から見た駒ケ岳(1131m)
飛んでいる虫が写りこんだ |
対馬先生がオレンジ色の蝶を採集した。何の種類か確認しているときに逃げられたらしい。だけど「ヒオドシだ」と言っていた。
道南でヒオドシはかなり珍しいと思う。ちょっと疑ったが、「85%間違いない」と言っていた。
だけど、結局逃げられてしまっては真実がわからない。ヒオドシだったら凄い事だから残念だと思っていたら、逃げたと思われる蝶をYさんがまた捕獲した。
その蝶はボロボロになっていて、よく飛べるなと思うほどだった。だけど、よく観察すると、やっぱりどうもヒオドシに見える。一応写真を撮ってから逃がした。 |
Yさんが採集したボロボロの蝶。やはりヒオドシのようだ |
「これヒオドシなら、最遅記録じゃない?」と対馬先生に言ったら、「う〜ん、どうだろう??」というような返事だったが、帰宅後に調べてみたらなんと最遅記録を1か月も更新していたそうだ。
そりゃ、こんなにボロボロになるよなと思った。もう死ぬ間近だと思うけど、死ぬまで精いっぱい生きてほしいなと思った。 |
横津岳山頂付近から見た函館市街地 |
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函館市街地(左側に五稜郭タワーが見える) |
そういうわけで、ヒオドシチョウを確認するという成果を得て下山することにした。横津山頂でもキアゲハが吹き上げられて飛んでいたが、アサギマダラは見ることが出来なかった。 |
下山する部員達 |
車の所まで戻り、対馬先生はバイクで、他の部員はそれぞれの場所に送り、自分も帰宅した。
帰宅後、高知県から送られてきたスイカがあったので対馬先生宅に少し持って行った。甘くて大きくて美味しいスイカだ。
対馬先生宅に行くと、玄関先にびっしり石が敷き詰められていた。大安在で取ってきた平べったい石だ。こうやって使おうと思っていたのか。前にも玄関先の階段の所に石は置いてあったが、数が違う。 |
対馬先生宅の平べったい石 |
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玄関前の石。アーチ状に並べられている。 |
対馬先生は自宅のサウナに入っていたらしく、バスローブを着て出てきた。そんな姿を見たこと無かったので面白くて笑った。
スイカを渡すと、代わりにと言う感じでビールをくれた。最後に「庭に猫がいるので写真撮って活動記録に載せて」と言う。
あれ?いっつも自宅にいる猫を庭に出しているの??逃げないの??と、ちょっと不思議に思いながら対馬先生宅の庭に向かった。
なんだ、そういうことか・・・。
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対馬先生宅のネコ |
今日は少し採集もしたので展翅しなければならない。一日中活動し、汐首と横津に登ったのでかなり疲れ、展翅する気分にはなれなかったが、なんとか気力を振り絞って展翅した。参加した部員達も良く頑張って歩いたと思う。
ふたつの山に登った時、背中にリュックを背負っていたせいか、帰宅後に肩コリのような症状が出て、頭痛がひどかった。
ヒョウモンチョウやヒメウラナミジャノメなど、初夏の蝶たちの姿がたくさん見られ、季節の移り変わりも感じることが出来た。
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