オオヒカゲDay
2012.8.14

 今日8月14日は父の命日である。自分はそんなことも忘れて朝から山に行く準備をしていた。
 朝起きると天気もよく、まずはどこに行こうか考えていた。キベリタテハ、ルリタテハなどはここ何度か探しているが全く出会えていない。じゃぁどこに行けばいそう?あまり遠くに行く気分でも無いし、近場でキベリタテハやルリタテハが見れるところ・・・。などと考え、インターネットなどで「キベリタテハ 北海道」などと検索してみるが良い情報がつかまらない。
 そういえば、ここ数日メールの受信もしていないなと思いメールを受信するとこの前も一緒に撮影に行ったFieldさんからメールが入っていた。
 前回の「遊びの記録」で出したクイズに答えてくれていたのだ。更に、オナガシジミの撮影に行かないかと言うお誘いの文も入っていた。
 Fieldさんからオナガシジミの事については言われていたのだが、先日ご自身でポイントを見つけて撮影されている様子がFieldさんのホームページに書かれていたので、ちょっと疑問だったが、自分はどこに行くかも決められないでいたのでFieldさんとどっかに行けば楽しいなと思ってすぐに電話をした。
 電話をした後すぐにFieldさん宅に迎えに行った。
 なんでも、数日前にオナガシジミを撮影した事はしたが、それ1頭しか目撃できなかったと言う事で、他の産地があれば行ってみたいということだった。
 数年前、インターネットで知り合ったmamoさんと言う方がちょうど今時期の早朝に「オナガシジミがいるよ」と電話を掛けてきてくれた事があった。芽室のポイントからだった。
 その場所を案内してほしいと言うFieldさんの願いだったので、今日はまずそのオナガシジミのいるはずの芽室に向かった。

 天候は晴れの予報だが、意外と曇り。(その後晴れた)
 よく考えると自分自身、オナガシジミとはあまり縁がなく、mamoさんに電話をもらったときに見に行った1回と、数年前に中札内で1頭見た記憶があるくらい。
 しかもmamoさんから教えてもらったのは2005年なので、もう7年前ということになる。
 ポイントに到着して二人で付近を捜してみたがオナガシジミの姿は見つけられなかった。
 そのかわり、たくさんのオオヒカゲ、それからオニヤンマを見ることが出来た。
オオヒカゲ
オニヤンマ

 オニヤンマは十勝にはあまり生息していなかったらしく、ここ最近多くなってきたそうである。手づかみしてみたくなったので、そーっと近づいたら逃げられてしまったが、Fieldさんは意図も簡単に手づかみしてみせてくれた。
 捕まえたオニヤンマを自分に渡してくれたので、かじられたらどの位痛いか確かめたくなって、オニヤンマに指をかじらせてみた。
 予想はしていたが痛かった。痛かったけど血が出るほどではなかった。

 オオヒカゲはなかなか止まらなく飛び回り、実は先日の中札内でも撮影し損ねていたのだが、今日はたくさん飛んでいて、その中には止まっているものもあり、比較的簡単に撮影できた。

 自分のHPの中のメインのページである北海道の蝶を紹介するページではオオヒカゲの部分ではしょぼい写真が1枚しかなく、実際それ以外に良い写真は無い。
 他の種類の蝶を紹介する部分でも、随分前に撮影したしょぼい写真しかないものも多い。
 良い写真が撮れればその都度写真を入れ替えていけばいいのだが、面倒でやっていない。まだ撮影できていない蝶もあるが、撮影した種類でも写真を増やしたり入れ替えたりして改良していく必要を感じている。が、面倒でやっていない。

 次のモンシロチョウもそんな蝶の一種で、そこらへんにいるようでなかなか出会わない蝶で、まともな写真はあまり無い。
 今日はモンシロチョウに出会うことも出来たので、いつか蝶の紹介をしているページでモンシロチョウの部分を改良するときに使おうと思い撮影した。

 突然、Fieldさんに問題を出された。この植物知っているか?と
 これが問題の植物。見ると赤い花みたいのが付いていて、花の下の部分がトゲトゲになっている。もちろん、この植物が何か私には分からなかったが、Fieldさんは「有名な植物だから、誰もが知っている植物だ」と。
 私は花の感じから「アザミ?」と答えてみた。

 するとFieldさんは「違うけど、ちょっと同じ仲間かな」と言い、「これはゴボウだ」と教えてくれた、
 私の頭の中ではスーパーで売っているゴボウではなく、居酒屋でよく出てくるゴボウ天が浮かんできた。
 「じゃぁ、この下にあのゴボウがあるの?」と尋ねると「そうだ」とFieldさんは言っていたが、まさかこの花の根元にゴボウ天は無いだろう・・・。

 
 そのほかにはたいした蝶もおらず、ハナムグリとかカミキリムシとかはいたが撮影もしなかった。けっこう大きめの蜂みたいな昆虫がいて撮影したが何だかわからない。こういう時自分は「なんだか分からない昆虫」で終わらせてしまうたちなので、今日も突き詰めない事にする。

 目標であったオナガシジミの姿が見られずがっかりしたが、Fieldさんが「ムモンアカシジミがいるかもしれない」というポイントを案内してくれると言う事になった。大樹町のポイントである。車に乗り込みナビで道を検索してみると1時間以上かかるという表示だったので、安全運転で大樹町のポイントに向かった。
 大樹町のムモンアカシジミのいるかもしれないというポイントでは残念ながらムモンアカシジミを見つけることが出来なかった。とある墓の近辺だったので、墓の周囲をうろついて探した。
 墓地ではお盆のお参りをしている人たちがけっこういて場違いな気もしたが、心の中で「♪私の〜お墓の〜まーえでー♪」と歌いながらムモンアカシジミを探した。もしかしたらオナガシジミもいるかもと注意しながら。
 そのとき、ふと思い出した。「今日は父の命日だな」と

 6年前の今日、8月14日。自分は函館に帰省していた。帯広に帰るために、朝函館の実家を出発した。父は自宅の玄関で見送ってくれた。それが最後だった。
 戸井の方を通ってミヤマカラスシジミの撮影をしたりして遊びながら帯広に向かい、夕方頃室蘭を通過中に実家から父が倒れたという一報を携帯で受けた。もう心臓も止まっているという内容だったので慌てて室蘭から引き返し、函館の実家に到着したときには線香のにおいが充満していて父の亡骸も自宅に帰ってきており、顔には白い布をかけられていた。
 自分は布をめくって父の顔を見ることが出来なかったことを覚えている。

 あれから6年か。と他人の墓参りを見て思った事がちょっと情けなかったけど、自分は宗教とか死後の世界とか生まれ変わりとか、そういうのを全く信じていないので、今日は単に「父が死んだ日」以外の何ものでも無い。

 気持ちを切り替えるまでもなく、すぐに蝶のことで頭がいっぱいになっていた。

 Fieldさんが数年前にムモンアカシジミを見たと言うポイント周辺を探したが、見られるのはそこら辺にいる蝶ばかりで、撮影したのはこのアカタテハくらい。しかもけっこう遠い場所にいてしっかり撮影する事は出来なかった。

 で、このあとどうしようかと思ったが、私が数年前に一回だけオナガシジミを目撃したことがあるポイントに行ってみる事になった。ポイントと言っても私もFieldさんも何度も何度も行ったことがある場所である。
 自分は数年前に一度だけ見た記憶があるが、Fieldさんはここの場所でオナガシジミを見た事は無いという事だった。
 蝶のシーズンが終わりかけの時期にこの場所に来る事もあまり無いだろうし、そもそも数が多くないのかもしれない。でも他に思い当たるポイントも無い。
 ここ最近は自分も目撃していないから、絶対にいるという自信は全くなかったが、到着して少しするとオナガシジミの姿を見ることが出来た。

 しかし、撮影のチャンスは結局この一度きりだった。この葉っぱに止まっていてくれたのも20秒以下だったと思う。飛び立ったオナガシジミは木の上の高いほうに行ってしまい、高い所は飛ぶんだけど撮影できるような場所には来てくれなかった。

 オナガシジミの写真は2005年にmamoさんから電話をもらって撮影した写真があるだけで、しかもその写真を保存していた外付けハードディスクが壊れてしまい、HPで紹介しているサイズを縮小した写真1枚だけだったので、改めてオナガシジミの写真を撮影することが出来て嬉しかった。

 その他、またもウラキンシジミの写真を撮影することが出来たりもしたが、あまりここで紹介したいような面白い写真も撮れなかった。

 今夜は帯広で大きな花火大会があり、それを見に行きたかったので少し早め(2時過ぎ位だったが)に帰る事にした。運よくFieldさんの会社が花火大会の所の近くだったので、車を止めさせてもらえる事になった。

 中札内から帰る途中、Fieldさんが「今年の蝶もこれで終わりかな」と言われたので「いやいや、まだイチモンジセセリがあるでしょ!」と答えた。イチモンジセセリは迷蝶だが毎年のように見られる。でも自分はまだ一度も撮影したことが無い。
 9月か10月にイチモンジセセリがいそうな場所に連れて行ってもらう約束をしてFieldさんを自宅にお送りした。

 今日はどこに行ってもオオヒカゲが多く、途中でオオヒカゲの撮影に飽きてしまうほどだった。