なんにもいない・・・と、思ったら!!

2012.8.15

 昨日はFieldさんと南十勝のいろんなところを走り回り、やっとオナガシジミの撮影を一瞬だけだけど出来た。ムモンアカシジミも探したけど残念ながら見つけられなかった。

 今日も天気が良さそうだったが、ここ数日山に入りまくり、ガソリン代もバカにならないし、そういえば自宅近くの所で去年かおととしにムモンアカシジミを目撃した場所があったので、そこを見に行く事にした。
 出発したのは10時を過ぎていたので、ちょこっと見て回って帰ってこようと思っていた。
 行った場所は自宅から車で15分くらいの場所。去年かおととしにムモンアカシジミを見たのは8月何日だったかは忘れてしまったけど、こんな場所にムモンアカシジミがいるんだとびっくりした記憶がある。1頭だけの目撃だったので、今年も見られるとは限らないし、可能性も低いと思ったが、昨日は数年前に一度だけ見たことがあった場所でオナガシジミを見ることが出来たので、運が良ければムモンアカシジミに会えるかもと思った。

 ところがその場所に到着してみると蝶が全然いない。いや、いることはいるが普通種ばかり。具体的に言うとモンキチョウとジャノメチョウばかりなのだ。

 べつにどうしてもムモンアカシジミを見たいという執念があったわけではないのだが、散歩がてら付近をウロウロした。やはりモンキチョウとジャノメチョウのオンパレード。中にボロのツバメシジミとベニシジミの夏型が少し混じっているだけ。
 なんか知らないけど、真っ白になっている植物があった。まわりの草は緑なのに、これだけ白くて目立っていた。

 北斗の拳でトキがレイに突いた心霊台を思い出した。ラオウとレイの戦いで、レイがラオウに突かれた新血愁という秘孔がある。これを突かれた人は3日間に渡り身体のどこかの部分が壊れて激痛が走り、3日目に全身から血を噴き出して死ぬのだ。
 ユダと最後の決着をつけなければならなかったレイはトキに心霊台という秘孔を突いてもらう。これを突いてもらえば一時的に新血愁を突かれた事による作用がなくなるが、突いてもらった瞬間から少しの間は凄まじい激痛が走り、そのため死んでしまう事さえあるのだ。
 レイの髪の毛は青かったのだが、トキに心霊台を突いてもらった時の激痛でレイの髪の毛は真っ白になってしまったのである。

 それを思い出したのだ。(全くの余談)


 
 葉っぱに付いていた何かの抜け殻を見つけた。多分蛾だと思うけど。面白い蝶がいないので、こんなものしか撮影するものが無い・・・。
 これは今年よくみた甲虫。右側の色は良く見たけど、左側の黒っぽいのは初めて見た。多分同じ種類なんじゃないかなと思うんだけど。
 これは最近話題の特定外来種、セイヨウオオマルハナバチかな?あんまり自信が無いんだけど、お尻が白いのがセイヨウオオマルハナバチの特徴だって聞いた事あるから。ちょこまか動き回って花の蜜を探していたのでまともな写真は撮れなかった。
 ベニシジミの夏型もいくらか見ることが出来た。普通種だからあまり見向きもしないが、他に似ている蝶もおらず、よく見るととても綺麗な蝶である。
 モンキチョウなんて、いても撮影する気にならない蝶の筆頭なんだけど、今日は他に撮るものもなくて。夏になるとこの黄色い植物がたくさん咲くんだけど、どうも自分はこの黄色い花の花粉症のような気がする。近くに行くとクシャミがとまらない。去年くらいから。

 車に戻り、付近を少しまわりながら何か面白いものが無いか探したんだけど何もなし。昨年、おととし位に見つけたキアゲハの幼虫がいっぱいいる場所に寄ってみた。

 いましたいました!かわいいキアゲハの幼虫達が。左の写真は孵化して間もないやつだと思います。それが1日か2日位して右のような感じに。拡大しているけど右のやつでもかなり小さいです。そして卵もありました。うまく育てば蛹で越冬して来年の春に羽化するでしょう。

 この花は何だろう?普段、花の写真なんてあんまり撮影しないんだけど、形がヒトデみたいで面白かったから撮影してみました。ヒトデの触手みたいのまで再現されているようだけど、別にヒトデを真似てこういう形になったんじゃないよね。偶然だよね?

 天気が良くてけっこう汗もかいたんだけど、昼が近くなってきたので帰る事にした。

 と、普段なら帰宅したら話が終了になるんだけど、今日はここからが面白かった。

 今日の昼食は帯広の平和園という所で焼肉を食べた。うまかった。うまかったんだけど、昼から焼肉と言うのもなかなか凄いので、焼肉を食べた後は自分だけ歩いて帰る事にした。自宅から徒歩で15分位の場所にある焼肉屋さんなので、まっすぐ帰ってもあまり運動にもならないと思い、少し遠回りして帰る事にした。
 歩いていると汗がダラダラ出てくる。顔の汗をぬぐいながら、いいぞー!これで食べた分のカロリーを少しは消費できるぞ!などと思いながら歩いた。
 歩きながら付近の家を眺めたり、走っている車を見ていたが、ちょっとした森の脇を歩いていたときに、昨日見たクルミの木を見つけた。
 昨日探したオナガシジミ。こいつの食樹がオニグルミという植物なのだ。クルミとオニグルミ、どう違うのかさっぱりわからないが、もしこれがオニグルミだったらオナガシジミがいるかもね。なんて軽く思いながら付近を見渡すと、なんとオナガシジミが葉っぱに止まっていた。しかも2頭も。

 えっ!?昨日あれだけ車で走り回ってようやく見つけたオナガシジミがこんな所で見られるなんて!!
 とにかく写真に撮りたかったが当然カメラなんて持っていない。急いで自宅に帰った。
 ちょうど自宅からは徒歩で15分くらいの場所だったのだが、灯台下暗しというか何と言うか・・・。
 しかもこの場所、道路が高くなっていて、オニグルミの木の上の部分近くを通っているので、昨日に比べてとても撮影がしやすい。これはチャンスと思い、自宅に戻ってからカメラを持って、車に乗って急いでオナガシジミのいた場所に戻った。

 オナガシジミは2頭ではなくもっとたくさんいた。目に見える範囲に3頭位はいる。それが飛んでいったりどこからかまた現れたりして、実際には5頭以上はいる感じ。撮影し放題である。ただし、横を車がブンブン走っているのと、近くに中学校があったりもしたので、車の人からすれば怪しいオヤジが中学校で着替えをしている女子中学生を盗撮しているように見られないとも限らない。だってまさか葉っぱに止まっている小さなシジミチョウを撮影しているとは思われないだろうから。
 昨日は羽を閉じた写真だけだったが、今日は羽を開いた姿も撮れたので、この写真を紹介する事にした。実際、たくさん写真を撮ったが、羽化からは少し時間が経っているように思われた。でも、こんな自宅の近くでオナガシジミが見られたことのほうが嬉しく、きっと来年も見られるだろうから、ちょくちょく足を運んで羽化直後の綺麗な個体の写真を撮影したいと思った。

 そして、この場所ではオナガシジミではなく、何かのミドリシジミのメスの姿も見られた。

 何のミドリシジミか全く分からず、とりあえず撮影だけした。卵を産む様子も見られ、卵も撮影したが小さすぎて何だかよくわからなかった。帰宅後、道南虫の会の人やFieldさんに画像を送って見て貰ったら、ただのミドリシジミのメスであるということがわかった。

 今日は午前中に何も成果がなくがっかりしたが、焼肉を食べた後の散歩で思わぬ成果を得ることが出来た。また、来年の楽しみがひとつ出来て嬉しかった。