松前半島1周調査 プライベートビーチ
2015.8.24


 本日も函館の天候はパッとしない予報だったので、部活動としては江差〜上ノ国方面に行こうという事になった。
 参加者は1年生のJ君、Yさん、W君だ。
 対馬先生が朝の6時頃、道南虫の会の前田さん(乙部在住)に電話で確認したところ、函館より天候が良さそうだという報告を得た。

 予定としては木古内のYさんを迎えに行き、上ノ国へ。そこから南下して松前方面に向かい迷蝶などの調査をする感じ。

 迷蝶とは、本州以南の蝶が北海道にやってくるもので、アサギマダラも本州以南からやってくるので迷蝶だが、ウラナミシジミ、イチモンジセセリあたりが道南で見られる迷蝶の本命で、その他記録としてはかなりの迷蝶が発見されている。

 J君は対馬先生宅に行き、二人で自分を迎えに来てくれたのだが、対馬先生の車のトランクを開けるとそこにJ君が隠れていて、朝の一発目からドッキリに引っかかって驚いた。

 W君を迎えに行った後、木古内のYさんと待ち合わせ。Yさんと合流する直前にW君が車の後ろに隠れてYさんをビックリさせようという事になった。
 対馬先生の車は7人乗りなのでそういうドッキリが出来る。

 W君が車の3列目に隠れたままYさんと合流した。Yさんは「あれ?W君は??」的な事を言ったので、「寝坊して遅刻したから置いてきた」などと適当な事を言い、Yさんを騙した。

 「あいつダメだよな」とか色々と仕掛けてYさんにW君の悪口でも言わせようかと思ったが、全然言わなかった。

 なのでしょうがないから、「そんじゃぁW君が家でなにしてるか電話してみて!」と言うと、YさんはW君が函館にいると思い込んだまま電話していた。

 そこでW君が「わっ!」と出ていけばYさんがびっくりしてドッキリ成功!となるはずだったのだが、W君はなかなか電話に出ない。
 3列目に隠れながら寝ちゃったんじゃないかと思った頃、ようやくYさんがW君を発見し、ビックリしていた。

 そんな事をしながら木古内から上ノ国に向かった。
 途中、去年くらいに廃線になった江差線をまたぎながら。

使われなくなった踏切
「使用停止のため列車は通りません」って書かれている
一時停止しなくていいんだよね?


使われなくなった線路

 もうすぐ上ノ国の街になるなと思っていた頃、対馬先生は車を止めた。
 「クワガタがいた」と言うので、少しバックした後確認した。自分は大きなノコギリかミヤマがいたのかな?と思ったが、いたのはミヤマのメス・・・。別にわざわざ車を止めるほどのもんじゃないぜ。
 とりあえず写真だけ撮って、車に轢かれたら可哀想なので道路脇に投げた。

道路にいたミヤマクワガタのメス

 また、前の車が黒いアゲハを轢いた。こういう場合、アゲハは一時的に気を失うが、その後回復することが多い。ただ、回復する前に他の車に轢かれて死んでしまう事もあるので、助けてあげようと車を止めて確認に行った。ミヤマカラスアゲハのメスで、ちょっともがいている感じ。助かるかな?と思ったけど、致命傷を負っていて、助からないことが分かった。それでも道路に置いたままにするのは可哀想なので、死ぬのはわかっているんだけど道路脇の草の所に置いてあげた。

轢かれたミヤマカラスアゲハ♀

 対馬先生はこのミヤマカラスアゲハのメスが致命傷を負っていなかったら、持ち帰って産卵させようと思っていたらしく、残念がっていた。

 そうこうしているうちに上ノ国に到着。ここに来たらいつもしていることがある。笹浪家という北海道で一番古いと言われている住宅(重要文化財)の所に来て、「この建物が北海道で一番古い住宅だ」と言う事。

笹浪家

 それを言った後、隣にある上ノ国八幡宮で、神主さんとちょっと雑談をする事。

 神主さんは外に出ていたので「しばらくでーす」などと言いながら挨拶した。
 部員達の中には初めて来た者もいた。

 その後の神主さんとの雑談は対馬先生が行い、自分は部員達と神社の裏側で何か面白い蝶はいないか探した。

神社の裏側

 すると黒い小さい蝶が見えた。多分クロヒカゲだけどもしかしてダイミョウセセリかも?と思ったので、
 「多分クロヒカゲ」という部分は部員に言わず、「もしかしてダイミョウセセリかも!」とだけ言って、捕獲に向かわせた。

 捕獲に向かったのはYさん。さすが!

捕獲に向かうYさん。落ちないでね!


捕獲に向かうYさん

 しばらく間があいたので逃げられたかな?と思ったけど、Yさんは執念で捕獲に成功。網に入った蝶を確認したが、やっぱりクロヒカゲだった。

 「残念、ただのクロヒカゲだったわ」と言ったらYさん、若干怒っていた。

 まぁ、迷蝶を探しに行こうぜ!何て言って、簡単に見つかるほど甘くは無い。何十回、何百回の空振りの中にひとつのヒットが生まれる位だと思うので。

タダのクロヒカゲ

 その他ではセミ位しかいなかった。

セミ(セミの左側にいるのが神主さん)

 ここであまり長居をしてしまうとその後の調査に支障が出るので滞在時間は15分程度だっただろうか?
 神主さんに別れを告げ、次に向かったのは上ノ国の石崎と言う地域。

 ここでまずゴマダラチョウを探したがスカ。
 そのポイントより奥の、オナガアゲハが比較的多いというポイントに向かった。オナガアゲハは見ることもできなかったが、道路上にいくつかの熊のウン子が落ちていた。

 ひとつは、さっきしました!という感じのウン子。

ウン子したて。かなりでかいウン子だった

 特に成果らしいものもなく、石崎の神社近くから山側に入り蝶を探した。ルリタテハを目撃した位でここでも成果は無かった。

花にカミキリムシがいた

 更に南下し、今度は江良という地域に向かった。ここでは数年前に対馬先生が沖縄地方に生息しているリュウキュウムラサキを捕まえたことがあるという場所。ルリシジミが多かったが特に成果は無く、少し上にある畑に向かった。

江良のお寺か神社にある相撲の土俵がある所の柱についていたセミの抜け殻


江良の神社か寺付近で蝶を探す部員達


畑に向かう

 この畑には対馬先生の知り合いのような人がいる。
 ここの畑は地域の人に貸し出されているらしいのだが、数年前にここで農作業をしていたオバサンにニガウリをもらったらしい。
 去年生物部でここに来た時にそのおばさんがいて、「あ、何年か前に僕にニガウリをくれたの覚えていますか?」と言ったらオバサンもその事を覚えていて「あら〜、お久しぶり!」なんて会話をしていた。

 今年もそのおばさんがいるかなと思ったら、やっぱりそのおばさんがいて、「今年は何か成果がありましたか?」なんて聞かれていた。
 きっと「年に一度現れる蝶を探すおやじ」位には認知されていると思う。対馬先生は有名人だ。

 そういえばろくに蝶の写真も撮っていないなと思い、ルリシジミを撮影した

ルリシジミ
やたら多かった。3化だと思う

 結局ここでも成果なし。そして我々は対馬先生のプライベートビーチに向かう事にした。

 このプライベートビーチは過去の活動記録にも数回登場する場所だ。今日は波が穏やかなら海に入ろうという事で、部員達にも「海に入るかもしれないので、タオルなどの準備をしてくるように」とメールで連絡していた。

 そういう私自身もタオルだけ準備した程度で、海の中に入って泳ごうとまでは思っていなかった。

プライベートビーチ

 

プライベートビーチに続く階段を降りるYさん


プライベートビーチに到着

 プライベートビーチに降りてみると、天気も良くなっているし波も全くない。海は最高に綺麗!足を付けてみたら全然冷たくない!これはもう泳ぐしかないと思った。

 だけど、海パンも持って来ていない。持って来たのは数枚のタオルだけ。

 しょうがないからパンツ一丁で泳いで、帰りはノーパンで帰ろうかなと思ったが、対馬先生が「ボロボロになっていてどうでもいい半ズボンがあるから、それを貸してやる」と言ってくれた。

 「入るかな?」と心配したが、ギリギリ入ったので、それを海水パンツにして泳ぐことにした。

 陽が差していて、浜の石はかなり熱くなっている。

 このプライベートビーチ、これまで何度来たかわからないが、ようやく初めて泳ぐことが出来た。

 日本海を北上し、津軽海峡を西から東へ流れる対馬暖流がここの近辺の海水がそんなに冷たくない理由だと思うと対馬先生が言っていた。

 対馬先生、J君、私の3人で泳いで遊んだ。

 透明度が高く、かなり透き通っていて、とても綺麗な海水だった。南国のようなサンゴ礁は無いし、カラフルな熱帯魚もいなかったが、地味な色の魚はかなりの数いてちょっとビックリだった。

左側がJ君、中央にいるのが私

 Yさんは泳ぐ気無し。W君も泳ぐ気無し。もったいない・・・。
 生物部員はこういう所で遠慮してちゃ駄目だぜ!ここぞとばかりに遊ばないと!!

YさんとW君

 対馬先生が水中眼鏡を貸してくれたので、海の中にいる魚などを観察しようと思ったのだが、少し度が入っているという事で、ほとんど見えなかった。

水中を観察する私

 でも海底の観察ならこの「海底観察レンズ」みたいのが役に立つ。ちょっとした浮き輪代わりにもなるし。

この青いやつで海底を見たり浮き輪代わりにしたり

 海から浜辺を見ると、Yさんが日焼け止めクリームを塗っていた。
 部活の時、いつもYさんは長袖長ズボン。これは虫刺されやダニ対策なのだが、地味な上下に林業のオジサンがかぶるような帽子。
 今日は海という事もあり、めずらしく半袖になっていた。足もまくって日焼け止めクリームを塗っていたのだが、なんかちょっと「いい女風」な感じだったのでコノヤロウと思って海水をぶっかけたら反撃でそこら辺の石を散弾銃のように投げつけられた・・・。

 それにしても、日焼け止めクリームを塗って、手足をまくってお日様に当てるって、なんか矛盾してないか?

いい女風のYさんと右はW君。奥はJ君


寝っころがって何かしているYさん

 けっこう泳いで遊んだのでそろそろ海から上がることにした。このプライベートビーチ、砂浜ではなく、小さな丸っぽい石が敷き詰められている感じで、はだしで歩くとかなり痛い。でも足つぼマッサージになったような感じで、健康になった気がした。

 海水パンツから着替えていたら、誰かに激写されていた。

着替える私

 海で泳いで疲れたが、ここから松前の勝軍山に向かった。まだアサギマダラには時期は早いと思われるが、1年生部員は一度も来たことが無いので予習も兼ねて。また、ここはカラスアゲハが多いという事で、対馬先生はメスがいたら卵を産ますために採集するつもりらしい。

勝軍山のポイントに向かう部員達

 当然アサギマダラは見られなかったが、その他の蝶もろくにいなくて惨敗。どうもこの辺はさっきまで雨が降っていたようで、葉っぱがかなり濡れていた。

 勝軍山の調査をもって本日の活動は終了となった。プライベートビーチから先は私が運転していたが、助手席の対馬先生や後ろのYさん、J君などは疲れたのか眠っていた。

 対馬先生の寝顔は私が撮影し、Yさんの寝顔はW君に撮影してもらったが、途中で寝顔を撮影したのが対馬先生にバレて削除されてしまった。この活動記録に出そうと思ったのに!

 Yさんの寝顔も削除されたが、私が犯人のように扱われ、Yさんから攻撃を受けた。

お休みになられるYさん

 木古内でYさんと別れ、函館でW君やJ君とも別れ、自分も自宅に戻った。

 今日はそんなに長く歩いたわけではないが、少しは歩いたし、海でも泳いだし、朝からずっと活動して、自宅に戻ったのが3時過ぎ。けっこう疲れていたが、この後また対馬先生と合流して「しごき」をやった。

 しごきを始めてからもう何回目になるだろう?未来大学までの坂は初めての時は凄く急に感じ、自転車のギアを1速に入れてもどうにかやっと前に進める感じだったが、身体の筋肉の使い方に慣れてきたのか、現在では疲れるけど4速で来られるようになった。

手前が対馬先生、奥が私の「しごき」道具

 たくさん調査した割には成果が無い活動になったが、成果が無い割にはかなり楽しく活動できたと思う。念願だったプライベートビーチで泳ぐこともできた。W君とYさんにも、来年機会があればプライベートビーチで思いっきり楽しんでほしい。「僕はいいです」的なことは言わないで。