何度目の汐首だろう?
2015.9.21


 そろそろ本格的な秋を迎え、蝶の数も少なくなってきた。部活でどこに行ったらいいか悩んだ末、今年何度目になるかわからない汐首と鉄山に行くことにした。
 汐首ではウラナミシジミなどの迷蝶、鉄山では夏に羽化したアサギマダラが卵を産んで、それが幼虫になっているかもしれないので捜索してみるという目的。

 今日も参加は1年生部員4名。だけどメンバー構成がちょっと違う。
 実は1年生に部員は6人いるのだ。しかし、そのうち二人は水泳部との掛け持ち。
 2年生部員を合わせると8名になり、仮にみんなが休日に山に行きたいと言うと、移動の面で不都合が生じたり、8人もかたまって林道を歩いてもしょうがない。
 で、水泳部との掛け持ちをしている二人は、水泳部の方を優先してもらい、普段の学校生活での花壇整備や学校祭などで力を貸してもらう事になっている。
 そんな、野外活動にはあまり参加しない水泳部との掛け持ち部員の一人が今日は参加してみたいという事で一緒に行動することになった。いつも参加しているN君が今日は欠席だったため、ちょうどよかったという感じでもある。
 その掛け持ち部員で今日初めて野外活動に参加した1年生。実は私の甥っ子である。小さいころから水泳一筋で頑張っているんだけど、今年の春、私が勤める高校に入学することになった。
 その頃自分は「今年生物部に新入部員が入らなかったらどうしよう・・・」などと悩んでおり、ちょうど入学することになった甥っ子に「生物部に入れ!」と半ば強制的に入部させたのである。
 実際この甥っ子、特別昆虫に興味があるとか、山が好きとか、そういうことは無いので普段から生物部の野外活動に誘う事も無かった。
 だけど、「21日は水泳もないし暇だから参加したい」と、活動に参加を希望した。ちょっとびっくりだった。

 甥っ子は前日私の家に泊まり、朝から活動に参加した。

 他の参加者はYさん、W君、J君。そして私となった。

 汐首に到着し、車を降りて山道を登って行った。今日は頂上まで歩く予定。
 途中、なんだかわからないけど色がとても綺麗な実があった。

綺麗な実

 歩いていると誰かがカマキリ発見!私はちょっとカマキリが苦手だったが、カマキリの武器である大きなカマで掴まれても手が切れたりしないという事がわかり、掴めるようになった。
 印象としてカマキリは函館より西側に多い気がしていたので、汐首など函館の東側にも生息していることがわかった。

カマキリ

 蝶はほとんど飛んでいない。天気が良くてただハイキングをしている感じ。

頂上を目指して歩く

 Yさんがカナヘビを捕まえた。マクロモードで大きく撮影した。こうやって見ると鱗がちょっと気持ち悪いけど、恐竜にしか見えない。

カナヘビ

 飛んでいる蝶は少ないけど、たまに見られる蝶はボロのヒョウモン類が多い感じ。ウラギンヒョウモンもかなりボロだけど、もしかして最遅記録になるかもとか思いながら、とりあえず採集させて写真撮影。

最遅記録にはまだまだ遠かったウラギンヒョウモン

 テクテク歩きながら、頂上まで到着した。いつもの野生の馬たちも元気そうだった。

野生の馬。海には大型の船が浮かぶ

 頂上でひと休み。

男子チームと別れて座るYさん。仲悪いの?

 Yさんと男子チームが仲良しなのか仲が悪いのかは知らないけど、とりあえず記念撮影でもするかと思い、ポーズを撮らせてみたら何故か人文字でLOVEを作り出した。何故LOVE?まぁいっか・・・。

LOVE1枚目。なんかLOVEに見えない。ハイやりなおし!


LOVE2回目。さっきよりはいいけどV(甥っ子)とE(Yさん)がくっついていてLOVEに見えないのでやりなおし!


LOVE3回目。O(W君)が若干Oに見えないのと、V(甥っ子)がもうちょっと腹筋を駆使して欲しかったけどまぁなんとかLOVEに見えるか。ハイ合格!

 記念撮影も終わり、これから鉄山まで行かなきゃなんないので下山することにした。ふと目をやると、武井の島が目に入った。ここから見えるとは今まで知らなかった。
 武井の島は標高57m、周囲720mの島と言うか岩と言うか。アワビと何だか貝がケンカしたとか何とかいう伝説があったりする島で、島には祠があり、弁天さんが祀られているらしい。

武井の島

 5人で歩いてもしょうがないので二手に分かれることにした。自分とYさんは後に行くことにして、他の3人を先に行かせた。

先を歩く3人

 Yさんと二人で山道をテクテク歩きながら蝶を探したが特に何か珍しいものを見つける事も出来なかった。だけど、まずまず綺麗なベニシジミを発見。写真に撮ったがYさんが展翅してみたいというので採集することにした。この写真のベニシジミはこの後Yさんの標本箱に入ることになる。

ベニシジミ

 車まで戻り、途中コンビニでガリガリ君など買って食べながら鉄山に向かった。

 ここ数年、アサギマダラが必ず産卵するイケマがあるポイントに到着。もしかして幼虫がいるかもと思い期待したが、肝心のイケマが見当たらない。
 「あれ?あれれ??」と思いながらイケマを探した。そして、「あ、これか!!」と見つけたのが、真黄色になったイケマであった。これじゃあ幼虫が育つのは無理だね・・・。

黄色くなったイケマ

 他の場所のイケマも探してみたが、見つけたイケマはやっぱりほとんど黄色。
 この事から、夏に函館近郊で羽化したアサギマダラの子供は北海道で育つことが出来ないのではないかと予想できる。

 例えば8月10日に羽化したアサギマダラが交尾をして産卵したとして、今日までに蛹になれるのは難しいと考えるからだ。
 絶対とは言えないけど。

他の場所の黄色いイケマ

 帰りに他の場所でちょっと蝶探しもしたが、なにも採れず。明日は1年生部員が我が家に来て展翅の練習をすることになっているので、その練習台になってもらう蝶を確保するため、対馬先生宅に行きアカタテハなどを少し採集させてもらってから解散した。