部活とイルミネーション
2015.12.19
 
 季節はもう冬であるが、秋頃に部員達が展翅した蝶の標本がそのままになっていたので、1年生部員を自宅に呼んで展翅を外して標本箱にしまう作業をさせることにした。

 

展翅してある蝶

 本当は別に来年までこのままにしていてもいいんだけど、自分の部屋の標本室が片付かないので、早く展翅を外したかった。
 部員達が来て、さっそく展翅を外す作業をさせた。まち針を外し、展翅板から蝶を外し、自分の標本箱に入れさせたが、みんな真剣に作業していた。また、今年採集した蝶で、私が展翅したもののうち、部員達が採集した分についてもそれぞれの標本箱に入れさせることにした。

 やはり自分の標本箱を持ち、自分で採集して自分で展翅してというのはやりがいがあると思う。ラベルを見て「あの時の蝶だ」なんて思い出も蘇ってくる。
 来年もいろんな蝶を採集して展翅してほしい。

 今現在学校にはこういう作業をしたり標本箱を保管できるような場所が無く、しょうがないので自宅の私の部屋で作業させたり保管したりしているのだが、一番の理想は学校にそのような場所がある事、二番目の理想は部員達がそれぞれ自分の家に標本箱や展翅板を持って行き、自宅で作業することである。でも今のところは私の部屋での作業になる。どうも部員達はこの私の部屋を生物部の部室と勘違いしているようで、勝手に音楽をかけたり寝転がったり・・・。
 自宅に標本箱や展翅板を持ち帰らせても、展翅の技術的にはもう少し練習も必要だろうし、そうなると持ち帰らせるのも難しいので、今のところは私の部屋を部室代わりに使わせてもしょうがないか。と感じた。

 Sさんから寄贈していただいた標本箱がとても役に立っているし、自分の標本箱を持つことによってYさんは「来年はミドリシジミ類を採集して標本にしたい!」と言っていたり、J君やN君も「来年はもっと採集して綺麗な蝶の標本箱にしたい」と、前向きな発言をしていたので嬉しかった。
 W君はちょっと影が薄く、何を言っていたか忘れた。だが、W君は一番几帳面で、外したまち針を色ごとに分別していた。

展翅を外して蝶を標本箱にして待っているところ


標本箱にしまったところ。
左上がYさん、右上がJ君、左下がN君、右下がW君

 左上のYさんの標本はシジミから中型のタテハまで、4人の中で一番数も多くバラエティーに富んでいる。4人の中では優勝である。右上のJ君は「自分は生物部のIT担当」とか言って、あまり採集もしていなかったので数は少なめ。そしてIT担当と言っている割にはたいしたことが無い。左下のN君はたった3頭。山ではいつも私の網を持ち歩いているが、思ったほど採集してなかったようだ。右下はW君の標本箱。北海道最早記録となるカラスアゲハやちょっと珍しいオオミスジなども入っている。

 自分が高校生で部員だった時は顧問の対馬先生に「1年間で1箱作れ」と言われ、これより大きい標本箱を渡されて標本づくりをした。それに比べたらまだまだ大したことは無いが、今年と来年の2年間で中型の標本箱でいいので2箱位は作ってほしいなと思う。

 作業後、妻から手作りピザを2枚差し入れてもらい、みんな美味しそうに食べていた。

妻からの差し入れ

 作業が終わり、少し遊んで部員達は帰って行った。

 暗くなり、妻とクリスマスファンタジーの巨大ツリーを見に行くことにした。姉妹都市であるカナダのハリファックスから毎年贈られるモミの木に装飾をして12月位からイルミネーションを行っている。去年も来たので今年はそんなに見たいとは思わなかったのだが、妻が見たいと言うので二人で訪れた。

 基坂付近にある旧イギリス領事館の横の駐車場に車を止め、歩いて金森倉庫に向かった。風があって寒かったけど、綺麗なツリーが見えてきて旧桟橋から撮影してみた。

旧桟橋から見たツリー

 金森倉庫はベイエリアにある観光地で、北洋漁業などで獲ってきた魚などを保管する倉庫として建てられた歴史があり、この金森倉庫を作ったのは渡辺熊四郎という、函館四天王の一人である。

金森倉庫群

 レンガでできたこの倉庫はそのレンガの積み方に特徴があり、主にイギリス積みである。イギリス積みと言うのは、各段ごとにレンガを見ると、長い長い長いという風に積んでいる段と、短い、短い短いという風に積んでいる段があるのが特徴である。
 もうひとつ、フランス積みというのがあり、それは各段ごとに長い短い長い短いと、交互にレンガの長い方と短い方が見られる積み方である。
 金森倉庫全体を見渡したら、一部にフランス積みも見られていた。

イギリス積み

 6時になったら花火も打ちあがるというので、ツリーの前で待った。寒かったけど、函館の副市長とか、弘前市の市長、弘前から来たリンゴ娘だか何だかと言う人たちがいて、マイクでPR活動をしていた。でも寒いほうが先に来て、何を言っているかよくわからなかった。

何か言ってる偉い人

 6時になりカウントダウンが始まり、いったん暗くしていたツリーの点灯と花火の打ち上げが行われた。去年も同じ場所で見たのだが、写真に撮ろうとすると交通標識が邪魔をしていい写真が撮れなかった。

ツリーが点灯し花火が打ち上げられた

 花火を見終わったらもう寒くて寒くて、倉庫の中にあるお土産屋さんに逃げ込んだ。観光客に溶け込み、いろんなお土産を見て歩いた。

壁に渡辺熊四郎というのが書かれていた。この人が金森倉庫を作ったとか、函館四天王だとか、現在の函館どつくの元になる会社を作ったとか、函館のために尽力した人であるという事を知る観光客はどのくらいいるのだろうか。

 少し体も温まってきたので、また外に出て、今度はスープを買ってみることにした。クリスマスファンタジーの期間中、露店が出て、スープを売っている。去年は500円、今年は600円になっている。100円値上がり。

色が変わっていた。またもや標識が邪魔。
ツリーの真下には多分リンゴ娘みたいな人たちがいて歌っていた

 スープを買うにはチケットを先に購入する。そこにあるメニューが下の画像。カップに具がてんこ盛りになっている。これが完全にインチキで、去年騙された思いをした。そのときのことは去年の活動報告に出しているが、今年は100円値上がりしたので、去年よりはましだろうか?まぁ、騙されたと思って買ってみることにした。

具がてんこ盛りになっているメニュー表

 妻は牛スジとマイタケのスープを買う事にした。さてさて、メニューのとおり、てんこ盛りになっているだろうか??

ハイ残念!

 やはり今年も写真と実物の違いが一目でわかる結果となった。だけど、スープからマイタケが飛び出しているので、去年よりはマシな感じがした。スープ自体はスパイシーで体が温まる感じでとても美味しかった。

 自分は最初からなるべく具がてんこ盛りになっていないようなものを選ぶことにした。ワンタンスープをチョイスした。
それでもスープから少しだけ具が飛び出ている感じ。さてどうなるか・・・。

ハイ残念!

 やっぱりか・・・。スープの表面にネギが浮いているだけのスープだった。だけど箸でほじくると何個かのワンタンが出てきて、それは美味しかった。

ツリーの色がまた変わっていた。

 両方のスープとも味は美味しい。だけどどうしてもメニューの写真と実際渡されたスープの見栄えが違うのが許せない。許せないからって文句を言うわけでもないんだけど、これってどうなの?と言いたくなる感じ。去年の経験から、きっとそんなもんだろうなと思っていたので、諦めは付いたけど。

 花火を見て、イルミネーションを見て、スープを飲んで、お土産屋さんで観光客のようになって、大体満足したので八幡坂のイルミネーションをちょっと見学して帰宅した。