出会い
2015.12.23 |
Mさんから初めてメールをいただいたのは今年の10月24日である。そこから2か月がたち、今日である。
その日はいつものように自宅のパソコンでメールのチェックをしていた時に「はじめまして」という題名でMさんからメールが来ていた。
いったい誰だろう?と思い、メールを開くと、メールの内容からいつも私のホームページを見てくれている方だという事がわかった。
現在は東京在住で、函館に住んでいたこともあると書かれていた。また、アサギマダラが好きだとも。
2002年にホームページを公開して以来もう14年近くになるが、数年に1度位は知らない人からメールが来る。しかし、たいていの場合、北海道で蝶の撮影をしたいので案内してほしいという内容である。ホームページを通して同じ蝶の写真撮影と言う趣味で出会うことが出来るのはとても嬉しく、時間が合えばいろんなところに案内して一緒に写真撮影などを楽しんだ。それっきりの付き合いになる方もいれば、その後もお付き合いが続いている方もいるし、帯広時代にはField
さんのホームページの方を見てFieldさんに連絡をし、一緒に案内してお付き合いが続いている方もいる。
だが、Mさんのメールの内容はちょっと違っていた。写真撮影をしたいから案内してくれと言う内容ではなく、いつもHPを楽しく見ているよという内容であった。こういうパターンのメールは初めてだったのでちょっと戸惑ったけど、姫島のアサギマダラを守る会の特別会員になったとも書かれていたので、返信をし、その後何度もメールでお話をした。
自分より10歳以上年上の人であり、12月に函館に来るのでお昼をご一緒にという事になり、それが今日というわけだ。
蝶のホームページを通して知り合いになり、お会いするのはいいのだが、今回のように、一緒に山に撮影に行くわけでもなく、ただ単にお会いして話をする、しかもMさんは奥様と来るので、私の妻も一緒にという感じになり、妻に相談した。
「東京の人で、ホームページを見てくれている人からメールが来て、会おうって事になったんだけど、一緒に行こう」と言うと、妻は「私が行ってどうするのさ、チョウチョの話なんかできないよ」と言うので、「Mさんも奥さんと来るっていうから一緒に行こう」と。
妻はまだ事情がわからないようで、「だいたい、そんな人が本当にいるのか?」と半信半疑。
まぁ、妻のいう事もわからないでもない。自分も、全然知らない人が私のホームページをいつも見て楽しんでくれているなんて考えた事も無かった。ホームページとして公開しているからには世界中の誰でも見ることが出来るという事ではあるけれど、実際には自分のホームページなんて、知り合いしか見ていないと思っていたし、インターネットの検索とかで自分のホームページが引っかかってたまたまアクセスする人がいたとしても、そこから他のページまで色々見てくれる人がいるとは思わなかった。ましてやわざわざメールで連絡してくれるなんて。
しかし、メールでやりとりしているうちに、実は大安在にアサギマダラを探しに行った時に時間差ですれ違っていたとか、今年の春に卒業した山下君が姫島に行った同じ日にMさんも姫島にいたとか、そういう共通点があったり、何よりメールに書かれている文章を読んで、変な人じゃないなという印象だったので、妻を説得し、お会いすることになった。
最初、函館山の麓のチャチャ登りという坂の近くにある結婚式場のレストランはどうだと言われたが、ネットで検索して見ると、かなりやばそうだった。これはテーブルマナーが必要な高級な感じ。もちろん自分はテーブルマナーなんて出来ない。そこで、もうちょっと庶民的な所でとリクエストしたところ、湯の川にある「木はら」というお寿司屋さんで個室を予約したと連絡が来た。
お寿司屋さんならテーブルマナーも必要ないし、個室ならゆっくりお話もできるなと思ったのだが、この「木はら」というお寿司屋さん、函館でも有名なお寿司屋さんで、以前大泉洋とかがロケに来て食べていたのをテレビで見たことがある。もちろん私たちは行ったことが無い。
妻に「「木はら」ってお寿司屋さん」って言うと、「え〜〜っ!」とかなりびっくりしていた。自分もびっくりしたんだけど妻のビックリ加減を見て、私ももう一度びっくりした。
以前活動記録に、松前のまぐろ祭りがそれほどでもなかったと書いたのを見ていてくれたらしく、「「木はら」でまぐろ祭りをしましょう」とメールには書かれていた。
よくよく考えてみると、函館に転勤してきて2年近くになるが、まだ一度も回らないお寿司屋さんには行ったことが無い。数日前から「どうする?どうする?」とドキドキだった。
ただ、Mさんはこの「木はら」というお寿司屋さんの大将と長い付き合いらしいことが書かれており、何度も足を運んでいるという事だったので、ちょっと安心した。
でも、そういう高級なお寿司屋さんで食べるマグロはどれだけ美味しんだろう?と凄く楽しみにもなった。自分は人見知りで、Mさんも人見知りだと書かれていたから、そこら辺はどうなるか心配したけど、Mさんからのメールには「話したいことがたくさんある」とも書かれていたので、何を言われるのかちょっとワクワクしていた。
12時に駐車場でと約束をしていたので11時半頃出発し、12時10分前くらいに「木はら」に到着した。
まだMさんは来ていないようだったので、車の中で待機していると、店の中からMさんっぽい人が現れた。
Mさんは私のHPを見ているので私の顔はわかるが、私はMさんを見たことが無いので「この人かな?」って感じ。だけど後ろに奥さんがいて、以前メールで奥さんの写真を送ってもらっていたことから、「あ、Mさんの奥さんだ」とすぐにわかった。
「はじめまして!」と挨拶した。なんだか嬉しくなった。
Mさんに案内されて店の中に入った。カウンターがあり、高級感が凄い。で、奥の個室らしきところに通された。 |
奥の個室 |
これ個室??って思った。なんていうか、カウンター個室みたいな感じ。配置からして花が飾られている部分は取り外すことが出来てそこに板前さんが来て握ることが出来るシステムになっているようだ。
どこに誰が座るかで少し時間がかかったが、私とMさん、妻とMさんの奥さんが隣同士になるような配置で座った。
簡単に挨拶などをして、マグロ丼を4つ注文してくれた。しばらくして店の大将がやってきて、マグロのどんな部分を使って作ったマグロ丼なのかを説明してくれた。いろんな部位を使ってくれているらしい。もう部位の名前は忘れてしまったが、○○トロという言葉がたくさん出ていた。自分はパッと見た瞬間にこれは凄いやつだとわかった。 |
マグロ丼 |
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マグロ丼アップ。手前のトロのサシの入り方が凄い! |
こういうのを食べるのは生まれて初めて。凄い!見た目も凄かったけど、一口食べてまたビックリ。うまっ!
ほんと贅沢などんぶりだ。
みんなで食べながら色々なお話をした。Mさんが姫島にアサギマダラを見に行った時のビデオを見せてもらったり、お互いのいろんな話をしたり。本当に自分のHPをよく見てくれているという事もわかったし、まさかMさんの奥さんまでもよく見てくれているという事も嬉しかった。けどちょっと恥ずかしくなった。
いつもバカっぽい事も書いているし、バカっぽい写真も出しているので、全部見られた!と思って。でも、そういう所も楽しいというような事を言ってもらってちょっとホッとした。
窓からは海が見える個室で豪華なマグロ丼を食べながら楽しい時間を過ごすことが出来たし、初めてお会いして顔を合わせて色々話したら、メールの文章ではわからないお互いの人柄と言うか、そういうのも感じることが出来、やっぱり実際に会うという事は大事なんだなと改めて思った。
MさんもMさんの奥様も凄く穏やかな感じの方で、嬉しかった。
蝶の話だけではなく、旅行の話などいろんな話ができたので、妻も一緒に来てくれてよかった。
函館にもちょくちょく釣りなどで遊びに来ているようなので、来年春以降には蝶の観察でご一緒できそうである。生物部の活動に対してもとても応援してくれているので、是非部員と一緒に山に行きたいなと思った。
マグロ丼を食べ終わり、「次何にします?」と聞かれた。みんなで食べたいものを注文した。自分はイカとかタコかエビ、ネギトロ巻きを食べた。妻はシャコを頼んでいた。 |
イカとイカの耳 |
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ボタンエビとタコ。奥にあるのはニシンだったかな? |
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ネギトロ巻き |
おなかいっぱい。最後にデザートでアイス。ゆずシャーベットと、わさびのアイスを出してくれた。 |
ゆずシャーベット |
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ワサビのアイス |
このゆずシャーベットはとても美味しいゆずシャーベットだったけど、わさびのアイスってのは初めて。甘さの中にツーンとくるワサビが入っているのかなと思ったけど、ツーンとくるのは無くて、ワサビの風味が効いたアイスって感じで、初めての感覚。大人のアイスって感じでとても美味しく面白かった。
2時間以上楽しく凄し、最後にみんなで記念撮影をした。凄く貴重な経験で、改めてHPやってて良かったと思った。そして、Mさんと奥様に出会えたことに感謝の気持ちを強く持った。
ここでの食事、全部Mさんが支払ってくれた。 |
記念撮影。妻とMさんの奥さんは顔ボカシ
Mさんは見た目カッコいい感じ。Mさんの奥さんはセレブっぽい感じ
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また近いうちにお会いしましょうと約束をして別れた。Mさんからペシェミニヨンという美味しいケーキ屋さんを教えてもらったので、帰りに早速寄ってみた。 |
ペシェミニヨン |
普通の住宅街にあるケーキ屋さんなのだが、クリスマス前なのかどうかわからないが、かなり混んでいた。妻と自分とで2つずつ位購入した。 |
ケーキ |
帰りの車の中でも、今日の不思議な出会いと言うか、Mさん夫妻の話を妻としながら帰宅した。
Mさんからは生物部員にお菓子のお土産と、良ければ部員に見せてくださいと、アサギマダラの本をいただいた。 |
Mさんからいただいたアサギマダラの本 |
今日の出来事は自分からしたら本当に不思議な感じであった。こういう出会いもあるんだなぁと。Mさんがアサギマダラについての活動を始めたのは今年からということだったが、今日の出会いは本当にうまく説明できない。書き方は変だが、言ってみれば全然知らない東京のご夫婦がわざわざ私と妻に会いに来てくれたという事である。山で偶然出会って知り合ったとか、そういう偶然の出会いではないんだけど、Mさんがアサギマダラの活動を始めなければ絶対に出会うことは無かったと思うし、アサギマダラの活動を始めたからと言って、たまたま自分のHPにアクセスしてくれて、メールをしてくれなければ出会う事も無かった。
Mさん夫妻は自分たちと出会ってどのように感じてくれただろう?良い出会いだったと思ってもらえれば嬉しいが。
今回だけで終わることなく、今後も長くお付き合いできればいいなと素直に思うことが出来た出会いだった。 |
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