ギョウジャニンニク調査とウラクロシジミ卵探し
2016.3.20

 ここ数日、ようやく春らしい気温になってきて雪解けもすすんだ。そろそろ生物部の野外活動も開始しようという事になり、今日はギョウジャニンニクがどのくらい出ているかを観察することと南茅部のウラクロシジミの卵探しを行う事にした。部員の参加者は2年生のMさん、1年生のYさん、J君、N君の4人である。

 去年の3月21日にも同じ場所でウラクロシジミの卵探しをしたのだが、その時に陽当たりのよさそうな南斜面でギョウジャニンニクを採った。
 昨日、関君の歓迎会でもこの話になったのだが、私の予想としては、去年はかなりの暖冬だったので、今年はまだギョウジャニンニクをは出ていないと予想。対馬先生は「今位がちょうどいいと思う」と予想していた。

 まずはギョウジャニンニク探し。対馬先生の知り合いの家(数年前の生物部員の実家)に車を止めさせてもらって、そこからちょっとした林道のような場所を歩いて行く。途中からは車が行けないような感じになるが、このあたりからギョウジャニンニクが出ているはず(去年も来たのでポイントが分かっている)。

 しかしギョウジャニンニクは見当たらない。やっぱり少しまだ早いんじゃないかな?と思いつつ、更に沢を上流に行く感じで進んで行った。

 

ギョウジャニンニクを探しながら歩く部員達

 5分ほど歩いた場所で日当たりのよい南斜面に出た。去年はここでもたくさんギョウジャニンニクを採った。
 パッと見、ギョウジャニンニクが生えているような感じは見られなかったけど、ちょっとだけ顔を出しているギョウジャニンニクもあった。だけど6人で採って持ち帰るような数ではない。

みんなで探す


ちょっとだけ顔を出していたギョウジャニンニク

 まだ1週間から10日ほど早いね。という結論になり、来た道を戻ることにした。斜面を降りて行かなければならないので、滑り落ちないように注意しながら。滑り落ちても服が汚れるくらいだけど。

注意しながらみんなで斜面を降りる


こんな感じの小さな川沿いを歩く


2年生部員のMさん

 部員達を先に行かせ、自分は部員達を観察。1年生部員のYさんはよくこけるので、何か面白い事をやらかしてくれないかとカメラを構えていたら、斜面でズルっと滑って尻餅をついていた。その瞬間をカメラに撮ることが出来た。やった!

Yさんが滑った瞬間

 こんな所で滑るのはいいが、絶対ズボンを汚したな!と思った。見るとしっかり泥んこになっていた。泥んこの様子を撮ろうと思ったんだけどなかなか撮らせてくれない。一瞬の隙をついてYさんの泥んこになったズボンの撮影に成功した。

こけて泥んこになったYさんのズボン。Yさんはいっつもこんな感じ

 林道にはこの辺の山の持ち主であるお爺さんがいて、木の事とかギョウジャニンニクの事、クマの情報などを教えてくれた。

お爺さんと話す対馬先生

 この林道を歩いてくるとき、倒木があってチェーンソーが置いてあった。対馬先生は一瞬「落ちてるんじゃないのか?」って感じでチェーンソーを持ち帰ろうとしていたが、どうやらこのお爺さんの物であることが分かった。持って歩くのが重いので置いていたようだ。
 倒木の中にはミズナラもあり、ミドリシジミ類の卵があるかもとみんなで探したが見つけられなかった。

 林道の入り口付近には何軒か民家があり、ネコが歩いていて女子部員が「可愛い〜!可愛い〜!」と言っていたので撮影してみたけど、別に特別可愛くもない普通のネコだった。女子部員によると猫のツンデレ系が可愛いらしい。
 女心、よくわからん・・・。

ネコ

 次に少し離れた場所にあるウラクロシジミのポイントに向かった。マンサクという木から卵を探すためである。この場所にも去年の3月21日に来たし、その後、初夏には数名の部員達と成虫探しにも来た。今日参加している部員の中でも1年生のJ君、N君、Yさんは去年も参加していた。2年生のMさんはこの場所は初めてである。

 去年に比べて少しだけ水かさがあり、長靴で川を渡るのはギリギリの感じである。下手をすれば雪解けの冷たい水が長靴に入ってきそう。慎重に川を渡った。

川を渡る部員たち

 ところがやっぱり長靴が短いのか歩き方が悪いのか、ほとんどみんな長靴に水が入ってしまった。これはかなり冷たそう!

長靴が水没して裸足になるYさん

 こういう時Yさんは精神力が強い。水没してしまったものは仕方ないと、裸足になって川に入っている。自分は水没しなかったので、川の水がどのくらい冷たいかなと思って手で触ってみたけど「ウヒョ!」っとなるくらい冷たかった。Yさんたいしたもんだわ。

裸足で川に入るYさん

 でもやっぱり裸足で川を渡ると石のせいで足の裏も痛いので、シーパンをまくり、長靴を履いてジャボジャボ川を渡る作戦に変更していた。思いっきりがいい。

ジャボジャボ川を渡るYさん

 同じ1年生部員のJ君は持参していた長靴が少し短く、もう最初から水没していた。かなり冷たいらしく、大騒ぎである。叫びながら川を渡っていた。

顔はぼかしているが、叫びながら川を渡っている

 こういう時は女の子の方が思いっきりがいいのかな?MさんとN君も濡れていたが二人ほどではなかったようだ。

 ウラクロシジミの卵を探すポイントに到着してみんなで卵探しを始めたが、J君は川の水の冷たさに戦意喪失していた。

卵探しもせず河原で戦意喪失しているJ君

 去年の初夏にここに成虫探しに来た時には1頭も見つけられなかったので心配したが、今日は対馬先生が1つだけ卵を見つけた。1つあるという事は去年は成虫が発生していたという事なので、一安心だ。今日見つけられたのは1つのみだったが、きっとまだ卵は産まれていると思う。初夏にまた成虫探しに来てみたいと思った。

見つけたウラクロシジミの卵


春一番で咲くマンサクの花

 卵を見つけることが出来たので安心して戻ることにした。戻る時にもまた川を渡らなければならない。

河原を歩きながら戻る


川を渡る

 J君はまた長靴が水没。大騒ぎ。

大騒ぎしながら川を渡るJ君

 Yさんの長靴にはそもそも穴が開いていて、水深がどうこういう問題ではなかった。なので、最初からあきらめているような感じで川を渡っていた。雪解けの冷たい水もYさんにしたら気合と根性で勝てるようだ。

川をわたりびしょ濡れになっている二人


長靴の水を出すYさん


冷たい水で赤くなったYさんの足。しもやけになりそう

 川を渡り、対馬先生は他にマンサクがあるか探しに行こうという。しかしJ君は完全に戦意喪失していて、早く車に戻りたい。J君だけでなくYさんもけっこう大変なことになっているので、ここは自分が車に戻るチームを引き連れていき、対馬先生はN君だけ連れてマンサク探しに行くことになった。

 私とMさん、J君、Yさんは車を止めている所に戻った。

 車に戻り長靴を脱いで、靴下を脱いで。
 足がかなり冷えているようで、タオルで拭いたりしていたが、どうやらアスファルトが暖かいようで、素足でアスファルトの上を歩いたり、アスファルトに寝転んで温まったりしていた。

温かいアスファルトを歩くJ君


Yさんはジーパンの太もも辺りまで水没していたのがわかる


アスファルトに寝転び太陽で温まるJ君

 Yさんは気合と根性が凄いが、やはりさすがに寒かったのか、J君同様アスファルトにうつぶせになりアスファルトの暖かさと太陽光線の暖かさで体を温めていた。ジーパンの水分がアスファルトに吸い取られて喜んでいた。

アスファルトにうつぶせになるYさん

 その頃他のマンサクを探しに行っていた対馬先生とN君は、目的のマンサクを見つけることに成功していた。

新たに見つけたマンサク(N君撮影)


夏に再訪した時にわからなくならないようにビニールで目印を付けた
(N君撮影)

 20分ほどで対馬先生とN君も戻ってきた。水没が激しかったJ君とYさんもだいぶ復活。対馬先生が「記念撮影でもしようか」と言って、みんなで記念撮影した。

みんなで記念撮影

 今年初めての活動にしてはかなりハードだったと思う。みんな雪解け水の餌食になっていた。餌食にならなかったのは私だけ。

 こんな感じで春からまた活動していくんだろうなと思うとワクワクしてくる。安全第一だけど、いろんなところに行ってアドベンチャーしながら自然を相手に遊んだり蝶などの調査をしながら楽しく活動していきたいと思った。