雑草抜きとギョウジャニンニク採り
2016.4.16

 この土日、天気が怪しかった。日曜日の予報は完全にダメ。土曜日に関しては微妙。金曜日の放課後にミーティングを開き、土曜日の活動について話し合った結果、ギョウジャニンニクを採りに行きたいという部員が多かった。ギョウジャニンニクなら今が最盛期に近いか少し伸びすぎかもしれない。採るのにはなかなかいい時期だし、曇っていても問題ない。この春としては2回目位の場所だが、前回と比べてどの位春がやってきているかの勉強にもなると思った。

 1年生の新入部員がまだ入ってきていないが、3年生のMさんと2年生の4人全員が参加すると言うので、顧問としては嬉しかった。
 3年生のMさんは入部したころには「山菜は嫌い」などと言っていたが、ギョウジャニンニクの美味しさには目覚めたようで、昨日のミーティングでギョウジャニンニク採りに行くかという話になった時にはとても嬉しそうな笑顔をしていた。3年生になり、後輩を引っ張って行くお姉さん的な役割も担ってくれている。

 2年生たちは、後輩が入ってきてくれることを願って入学式にチラシを配ったりもしていた。早く先輩になりたい所だろうが、はたして新入部員は入ってくるだろうか?

 今回は学校集合という事になっていたのだが、対馬先生は10時過ぎでないと来られないというので、自分とMさんとYさんとW君4人で9時半頃学校に行き、花壇の雑草抜きをしようという事になっていた。生物部の活動は単に休日に山に行くだけでなく、中には学校の花壇の管理と言うのもある。ゴールデンウイーク近辺に花を植えるので、その前段階として生えてきた雑草を抜いておいた方がいいだろうという事になったのだ。

 ところがここにひとつ問題がある。問題を抱えているのは私だ。実はこの花壇の土、結構な数のワラジがいるのだ。足の数が多すぎる生き物が苦手な私は当然ワラジが怖い。そしてその事を部員達は知っている。絶対イタズラされるだろうと思っていた。

 とりあえずみんなで雑草抜き開始!ところが、私が最初の雑草を抜いた時、5,6匹のワラジが根っこから出てきた。
 「ギャー」と言って後ずさり。もう私は雑草抜きが出来ない。

 色々調べた結果、花壇の縁側にある土にワラジが多く、真ん中にはあんまりいないことがわかり、私は真ん中の雑草を中心に抜くことにした。

 MさんやYさんはワラジが可愛いだのなんだの言っている。W君は落ちていた袋にワラジを集めだしているようだ。

雑草を抜いているんだかワラジを探しているんだかわからない3人

 とにかく何度も悪戯をされ、そのたびにビビってしまう。もういい加減ワラジに慣れて触れるようになりたいんだけど、どうしても気持ち悪くてダメ。小学生の頃は平気で触っていたんだけど。

 小学校の頃は風呂場にもワラジがいたし、家の周りのワラジを摘まんで真っ二つにちぎって遊んでいた記憶がある。真っ二つにするとハラワタだけで繋がっていて、それが面白かった。メスの腹には子供ワラジがいて、それをカミキリムシでグチャグチャにして遊んでいた。なんて残酷な子供だろうと自分の事ながら思う。風呂に現れたワラジは熱湯の刑だった。

 きっと、私に殺されたワラジ達の呪いによって、自分はいつの間にかワラジ恐怖症になったのかもしれない。
 部員達も悪戯してくるし、ワラジも嫌だし、私だけは雑草抜きを放棄して、そこら辺の花の撮影でもすることにした。

 花壇には雑草としてこれから抜かれる運命にあるのだが、花を咲かせているものもあった。

花壇の雑草の花

 セイヨウタンポポはお約束。校舎周辺に咲いていた。

セイヨウタンポポ

 春に咲く有名な花についてはある程度知っているつもりだったが、こうやってよく観察すると知らない花もけっこう咲いていた。

知らない花


知らない花

 そうこうしているうちに10時になり、対馬先生がやってきた。道南虫の会会員で現生物部部員にとっては先輩になる関君も同乗していた。
 関君は何名かの部員とは初対面なので挨拶などをしたあと、いつものギョウジャニンニクポイントに向かった。

 途中、飛んでいるモンキチョウを発見しYさんが網で採集した。これは我々が今年羽化した蝶を初めて採集した記録になる。自分としては今年羽化した蝶を見るのも初だったので、嬉しかった。

 その後、みんなで記念撮影してからポイントになる林の中に入って行った。

ポイントに行く前にみんなで記念撮影
一番左が対馬先生、その隣がMさん、一番右が関君、前列の緑が私

 林の中を歩いてポイントに向かう。針葉樹が生えている所の斜面を下り、沢になっている所の川まで降りて、川を上流側に進む。

斜面を降りるみんな

 ギョウジャニンニクは至る所に生えていた。採り放題!茎の細いのとか葉っぱが伸びすぎている感じのものはそのままにして、なるべくちょうどいいものだけ採ることにした。今日は8人での部活となったが、みんな思い思いにギョウジャニンニクを採って、それでもいくらでもギョウジャニンニクはある。

ギョウジャニンニク

 斜面、平地、川の縁、広範囲にギョウジャニンニクだらけ。時期的には3日か5日位前が一番ちょうどよかったのかな?でもうちではジンギスカンにして食べるくらいだから、これくらい伸びていても全く問題ない。ギョウジャニンニクがいい時期になっているという事は、カタクリやキクサギイチゲなどの春の花も見られるという事で、ギョウジャニンニクを採りながら花の撮影もした。

カタクリ

キクサギイチゲ

 花の写真は薄曇り位がちょうど綺麗に撮れると、帯広時代にホームページ関係でお世話になったmamoさんという方に教えてもらったことがある。ピーカンだとコントラストが強すぎると。

 今日はちょうどそんな薄曇りや日も差す時間帯もあり、気温もまずまずで風もあまりなく、とても気持ち良かった。

なんとなく撮影した1枚。手前の植物はギョウジャニンニクではない

 対馬先生が沢でニホンザリガニを見つけてくれた。毎年この川ではニホンザリガニが見られるんだけど、ちょっと赤っぽいかもしれない。この川の土や石がちょっと赤っぽいので、似た色になっているのかも。他の川のニホンザリガニと色の違いを研究しても面白いかも。

ニホンザリガニ

 みんな好きなだけギョウジャニンニクを採って今日は解散となったのだが、たしかこの時期はもうダニが見られる時期だという事を思い出し、MさんYさんW君にはダニチェックをさせた。ダニは見つからなかった。

 ところが、自宅に戻り、着ていた服をソファーに置いていたら、しばらくして近くに座っていた妻が急に叫んだ。
 何かと思ったら、妻の手首にダニが歩いていた。多分自分の服についていたダニが妻に移動したんだと思う。

ダニ

 運よく妻はダニにかじられないで済んだ。でももしこのダニが妻をかじっていたら、私はがっつり怒られたであろう。念のため、部員達にダニがいたことをメールし、もう一度ダニチェックをするように連絡した。

 今日は雑草抜きから始まってたくさんのギョウジャニンニクも採れたし、部員も全員参加して嬉しかったし、今年初のモンキチョウや越冬のタテハ(多分シータテハ)も見ることが出来た。夜はジンギスカンをギョウジャニンニクと一緒に食べて美味しかった。春も感じられたし、短時間の活動だったがけっこう充実していたように感じた。