今年初の大安在
2016.5.22

 今日も天気は快晴で気温も高く、部活動日和である。今回は今年初めて大安在の海岸にアサギマダラを探しに行くことにした。参加部員は部長のYさん、副部長のN君、1年生部員のW君の3人だ。
 部長のYさんはさすが部長だけあって部活動の参加率が高い。副部長のN君も同様に高い。この二人を部長と副部長にしてよかった。3年生のMさんも副部長で、最近は参加率が高くなってきているか今日はお休み。1年生のW君も1年生部員4人の中では参加率No1で大いに期待できる新人である。


 大安在に咲くスナビキソウに引き寄せられて本州から飛来したアサギマダラの一部はこの海岸にやって来るらしい。しかも気温が上がる9時とか10時とかにはいなくなってしまうという事で、この海岸は朝が勝負だ。

 今回、対馬先生は関君、安井さんと3人で行動し、我々とは後で落ち合う予定だ。対馬先生チームは松前まわりで上ノ国まで来る予定で、我々は最初から上ノ国へ向かった。(函館〜木古内〜上ノ国)

 まずは大安在の海岸だ。スナビキソウは咲いているか?アサギマダラは来ているか?ここでは念入りに探索するというより、スナビキソウが生えている所を観察してアサギマダラがいなければ終了である。勝負は一瞬。

 海岸でスナビキソウを探してみた。まだ花は咲いておらず蕾状態。もしくは蕾にもなっていない感じ。これは厳しいかなと感じた。

大安在の海岸


釣りをする人

 砂浜をしばらく歩きながらスナビキソウを探したりアサギマダラが来ていないか探したり。そして一番可能性が高そうなスナビキソウのポイントに到着。スナビキソウはまだ小さく、当然アサギマダラの姿も見られなかった。終了・・・。

スナビキソウはまだ小さい

 アサギマダラはいなかったけど、この砂浜は結構面白い。何故か知らないけど平べったい石がたくさんあって、対馬先生は来るたびに平べったい石を少し持って帰る。

 部員3人に「対馬先生へのお土産を探せ」と言い、平べったい石を探させた。


平べったい石がたくさんある砂浜

 自分は平べったい石にはほとんど興味が無く、ビーチグラスが落ちていないかなぁ〜と思いながら砂浜を歩いた。ここの海岸は特に波打ち際のあたりは砂浜というより、小石浜という感じで、砂よりは大きいけど石にしては小さいという感じ。

 ちなみに私が専門の土木の分野では土の分類において、砂と呼ぶのは粒径0.075mm〜2mmまでで、それ以上は礫(れき)となる。この海岸の波打ち際にある小さな石は礫と言える。しかも粒径2mm〜4.75mmまでは細礫と呼ばれ、多分ほとんどが細礫だと思う。(4.75mm〜19mmまでは中礫、19mm〜75mmまでは粗礫という)

波打ち際の小さな石達


平べったい石




 大安在から次は上ノ国の苫符林道に向かい、アサギマダラや他の蝶の観察をしようと考えたが、大安在での滞在時間もわずかだったので、林道に入るには少し時間的に早いなと感じた。なので、いつも立ち寄っている上ノ国八幡宮に行き、神主さんか住職さん(神社の仕事をしている人の呼び名がわからない・・。お坊さんとは言わないよね?)に挨拶に行った。

 

上ノ国八幡宮

 家の玄関で「こんにちわ〜」と挨拶をすると神主さんか住職さんが出てきた。
 「お久しぶりです、今年も来たので挨拶しに来ました」と言うと、「そろそろ来るころじゃないかと思っていたよ」と笑顔で答えてくれた。
 今年の部員も紹介した。
 「工業高校のような学校で、勉強内容とは全く違う事(生物部)の活動をするのは視野が広くなるのでとてもいいことだよ」と部員達に声を掛けてくれた。また、灯篭の説明などもしてくれた。

灯篭の下の部分に鶴が掘られていて、縁起がいいからと触るW君

 少しお話をしていると、部員達にジュースを御馳走してくれると言うのでお言葉に甘えて家の玄関の所まで入れてもらい、ジュースを御馳走になった。

ジュースをもらう部員達
今気づいたが、人の家に入ったら帽子は脱ぎましょう!

 ここで少し時間を過ごせたので、そろそろ苫符林道に向かおうとしている時に対馬先生に電話したか電話が来たのか忘れたが、対馬先生チームは江良の林道でアサギマダラを2頭目撃したという。林道のシャクという花に来ていたらしい。採集は出来なかったようだ。

 苫符林道にもたくさんのシャクが咲いているので、アサギマダラを見つけられる可能性は高いと思い、急いで苫符林道に向かった。

 苫符林道付近まで来ると、どうやって行くのかわからないことに気付いた。あれ?どうやって行くんだっけ?と思い、しばらく迷子。全然違う所を行ったり来たりしながらもシャクが咲いている場所がけっこうあったのでその都度観察。アサギマダラは見られない。

 ようやく苫符林道を発見し、林道を歩くことにした。シロチョウやサカハチがけっこう飛んでいたがアサギマダラの姿は見られない。

サカハチ(ちょっと絵に描きたくなるような写真)


林道脇に咲きまくるシャク


シャク

 ここでは私とYさん、N君とW君という2チームに分けてアサギマダラを探す事にした。その方が効率がいいかなと思って。しかし、残念ながらアサギマダラの姿は無し。部員達はいくつかの蝶を採集していた。
 私は今回も蝶の写真をあまり撮れていなかったのでどうにかしたかったが、なんとか綺麗なトラフシジミの写真を撮影することが出来て少し満足した。

トラフシジミ


何か採集したYさん

 そしてここにもドクガの幼虫が。もうこいつらほんと嫌になる。死んでしまえばいいのに!

ドクガの幼虫

 この林道には入り口から500m程度の所にゲートがある。歩いて入ることは出来ると思うが、ここで引き返すことにした。川の所で少し涼んで林道を戻った。

川で涼むN君とW君



 帰りもN君とW君に先に行かせた。林道上に水がしみ出している所があるので、そのあたりにミヤマカラスアゲハでも飛んでこないかなと思ったが、残念ながら吸水しているミヤマカラスアゲハも見られなかった。

先を行くN君W君

 林道入り口まで戻った。ここで対馬先生と合流予定だったので、電話をしてみた。すると、「ちょっとトラブルがあって・・・」と言っている。

 どうしたの?と聞いてみたら、なんと安井さんがどこかで車の免許を落としたらしい。なので、引き返しながら今日入った林道などで免許が落ちていないか探しに行くという。「それじゃぁ苫符林道で会えないね」と言うと、そのまま引き返して帰ることにしたと言われた。まぁこれから松前まで戻って、更にまた上ノ国じゃぁ大変だから仕方ない。
 が、W君は「俺が対馬先生のために持って来た平べったい石はどうすればいいんだ!」と言っていた。

 対馬先生チームも来れないことが分かったので、俺たちももう帰ろうかという事になったのだが、帰る直前に黒いアゲハが目の前を通過してどこかに飛んで行ってしまった。去年もあまりミヤマカラスアゲハが見られなかったので、是非部長のYさんには見せてあげたいと思っていたから、もう一度だけ林道を往復することにした。しかしミヤマカラスアゲハは見られず、このまま帰ることにした。

 ところが帰っている最中に道路で轢かれて死んでいるミヤマカラスアゲハのオスをYさんが発見。拾ってみてみると翅は少し切れているけどまずまず綺麗。体も柔らかく、轢かれてそんなに時間は経っていないようだ。これからの活動でミヤマカラスアゲハを採集する機会はたくさんあると思うけど、Yさんは「持って帰って標本にします」というので持ち帰ることにした。

 今日は自分たちはアサギマダラを見れなかったが対馬先生チームは初の目撃。そして奥尻からもアサギマダラ情報が入りだした。九州の姫島では山下君や東京のMさんが精力的にマーキングしてくれていて、2週間で600頭にマーキングしてくれている。是非これらを北海道で再捕獲したい。可能性はかなり低いけど、山下君や東京のMさんが私たちの所に飛んで行けと気持ちを込めてマーキングしてくれていると思うので、なんとか捕まえたいし、もし山下君やMさんのマークしたアサギマダラを自分たちが再捕獲できたら物凄いことになると思う。

 最後に東京のMさんがメールで添付してくれた姫島での山下君やアサギマダラの写真を紹介して今日の活動報告終わり。
九州寒いの? マークされたアサギマダラ こわっ!