部長と二人の活動
2016.7.26

 夏休みに入り、平日でも部活動が出来るということで、部長と二人で北斗の林道で蝶の調査をすることにした。天気予報は曇りでイマイチだったが、予報に反してけっこう青空が出て暑い中の調査となった。

 今日はとりあえず、20種類の蝶を確認することを目標とした。

 まず向かったのは水無の林道。我々にしたらホームグランドみたいなもんだが、久しぶりの気もした。

 道路にミヤマクワガタの♀がいて、ちょうど飛ぼうとしているところだったので撮影した。

飛ぼうとしているミヤマクワガタ♀

 この時期の蝶の代表格はコムラサキ、シータテハ、クジャクチョウなどのタテハ類かなと感じていたが、予想通りけっこうたくさんみられた。コムラサキなんかは超普通種のくせに翅の模様がとても綺麗で、自分も初めて見た頃は心奪われた記憶がある。今日は部長にたくさん採集させたかったが、飛ぶスピードが速いのでてこずっていた。

コムラサキ

 一番多かったのはシータテハだったと思う。道路上に3頭、4頭と止まっている。ただしこれも案外飛ぶのが速いからなかなか捕まえられずにいたのと、せっかく捕まえても少しボロになっている個体も多く、大体捕まえた分の6割くらいは三角紙に入れず逃がしたとおもう。

シータテハ

 この時期になるとミヤマカラスアゲハの夏型が見られるのではないかと期待していたがなかなか見ることが出来なかった。もしかして集団吸水しているのではないかと思っていたが、道路上の水の所にいるのはシータテハ、コチャバネセセリ、(エゾ)スジグロシロチョウの夏型ばかり。

 でもようやく黒いアゲハが飛んでいるのが見えて部長が見事に捕まえた。ナイス!

 網の中で確認した時は一瞬カラスアゲハに見えたが、網から取りだしてみるとやはりミヤマカラスアゲハであった。かなり綺麗なオスで、羽化後間もないと思われる。ミヤマカラスアゲハの夏型がたくさん出てくるのはこれからなのかもしれない。

部長

 いつものように橋の所まで歩いてから引き返してきた。いつもに比べて蝶の数は少し多いような気もしたが、例年に比べると少ないかもしれない。

 次に水無の林道の手前にある草原みたいなところを覗いてみることにした。去年、植物園の標本教室のための蝶を採集した場所である。

 ここではモンキチョウも多く飛んでいたが、エゾヒメシロチョウがたくさん見られた。

飛んでいるエゾヒメシロチョウ

 そこまで珍しくも無いかもしれないが、かと言って普通種という感じもしない蝶なので、とりあえず6頭採集しようということになった。明日、1年生のYさんも呼んで展翅の作業をしようと思っていたので、部長、Yさん、自分の分で2頭ずつ。

 ところがここにいる時、色々電話がかかってきたりして、それの対応などをしていると、目の前をエゾヒメシロチョウが飛んでいたりするもんだから、ついついYさんに「採れ!」と指示してしまい、結局8頭採集した。

 「先生、6頭でいいって言ってましたよね?」とYさんが言ったが、「予備も含めて」と返答。
 でも6頭でいいと言いながら8頭採ってしまうあたり、対馬先生の教え子なのかもしれない。
 2年ほど前、チカ釣りに行った時「もういい」と言った後に50匹位釣っていた対馬先生の姿を思い出した。

 また、ここにはきっとカバイロシジミがいるんじゃないかと思っていたが、思った通りカバイロシジミも採集することが出来た。綺麗なメスのカバイロシジミだったが、サイズは小さめだった。

 次に万太郎林道に向かった。

 それほど蝶の数も多くなかったが、オオヒカゲを確認することが出来た。
 1頭捕獲したけどちょっと羽が切れていたので証拠写真だけ撮って逃がした。

 その後もう1頭現れたので部長が走って採集に行ったが、最後網を振る所で足が道路脇の水が流れている所にはまってしまい大転倒。一度網に入ったオオヒカゲは逃げて行った。このオオヒカゲは命拾いだ。

 部長の足は泥だらけになっていて笑った。

オオヒカゲ


わかんないトンボ

 この時期出てくるエゾスジグロシロチョウとスジグロシロチョウの区別は難しい。一応色々写真には撮ったのだが、どうも両方出ているように感じた。下の画像の方はスジグロシロチョウの夏型なんだと思うが、絶対の自信はない。でもスジグロシロチョウの夏型だと思う。

スジグロシロチョウ?の夏型

 20種類の確認を目標にして林道を歩いたが、見られた蝶は

 シロチョウ科
 モンシロチョウ、モンキチョウ、スジグロシロチョウ、エゾスジグロシロチョウ、エゾヒメシロチョウ

 アゲハチョウ科
 キアゲハ、ミヤマカラスアゲハ

 タテハチョウ科
 サカハチチョウ、シータテハ、コムラサキ、ミスジチョウ、クジャクチョウ

 (旧ジャノメチョウ科)
 ヒメウラナミジャノメ、オオヒカゲ、クロヒカゲ、ヤマキマダラヒカゲ

 シジミチョウ科
 ルリシジミ、カバイロシジミ

 セセリチョウ科
 コチャバネセセリ、コキマダラセセリ

 で、ちょうど20種類
 しかし、ヒョウモンチョウ類、ミドリシジミ類など、普通に見られるかなと思っていた数種類は全く見られなかった。

ミスジチョウ

 ここで今日の活動は終了し部長とも別れた。この後、対馬先生と合流して自転車で「しごき」を行った。
 今年はだいぶ自転車にも慣れてきたし、去年買ったマウンテンバイクの性能もあり、もう「しごき」という感じでもなくなってきているのだが、「しごき」という言い方が面白いので、これはいつまでたっても「しごき」と言いたい。

 未来大学で小休憩している時に対馬先生がケラを見つけた。

 ケラをしっている子供たちももう少ないんじゃないだろうか?生物部員の中にも知らないという部員がいる気がする。

ケラ


未来大学の広場で小休憩。函館山の山頂は雲に覆われていた

 明日からはしばらく天候が悪い予報。本当はまた部員を連れてどこかの山に行きたいところだがこればかりはしょうがないので、1年生部員のYさんも誘い(展翅が好きだと言うので)、今日採集した蝶の展翅作業をしようと思う。時間があれば道南虫の会の井元さんがやっている「蝶博」(蝶の標本などの展示会)を見せに行こうかと思う。