ひとりで中野ダムへ
2016.7.29

 本日は私は仕事が休み。しかし天気予報は雨だったので部活も中止にし、朝からのんびり過ごしていた。
 しかし、朝一旦あがったと思われる雨はなかなか降り出す気配がなく、逆に雲が薄くなって明るさが増えてきたように感じた。
 ふと目を外にやると、庭のブッドレアにコキマダラセセリが来ていた。

自宅に来たコキマダラセセリ

 このブッドレアは去年家を建てた時に対馬先生が新築祝いとして玄関横の庭に植えてくれたものだ。蝶がよく来る植物として有名だが、自宅のブッドレアに蝶が来たのは初めて見たかもしれない。嬉しくなって写真撮影した。

 写真撮影をしていると、無性にどっか行きたくなってきた。
 天候は曇ったままだが気温が高く湿度も高い。これくらい蒸し暑かったら曇っていても蝶が飛んでいるのではないかと思い、新中野ダムの方に行ってみることにした。

 函館に転勤してからというもの、山に行くときはほとんどが生物部の活動としてばかりで、なかなか一人で山を歩く機会も無くなっていた。それはそれでいいんだけど、たまには一人で好きなように歩くのもいいなと思った。

 今日は元々山に行く予定ではなかったので、いつも部活で使っているCX−5は妻が職場に通勤するのに乗って行ってしまった。なのでもう一台の普通車で中野ダムに向かったのだが、林道や道の両脇から草が出ているような場所を走らせたくなかったので駐車場に置いて、ダム下の駐車場からテクテク歩いて蝶の観察をすることにした。

中野ダムの駐車場に車を止めて歩く

 この前、部長のYさんと北斗の林道を歩いた時に「20種類を目標にしよう」と計画し、見事20種類の蝶を見つけることが出来た。今日は一人で何種類見つけられるだろう?目標は20種類以上ということにした。

 まず見つけたのはスジグロシロチョウかエゾスジグロシロチョウ。難しくてどっちかわかりにくいが、なんとなく区別がつく気がする。

スジグロシロチョウ

 上の画像は多分スジグロシロチョウだと思う。そしてクサフジにはコキマダラセセリがいっぱい来ていた。

コキマダラセセリ

 この前部長と北斗の林道を歩いた時にはヒョウモン類が1頭も見られなかったが、今日はいきなりヒョウモン類の登場。何かなと思ったが、遠目にもミドリヒョウモンであることが分かった。ヒョウモン類の中でも特に一般的な印象があるミドリヒョウモンだが、証拠程度に撮影した。

適当に撮影した割には綺麗に撮れた気がするミドリヒョウモン(♂)

 駐車場から舗装道路を歩いていると、歩く先の方からプリウスがやってきた。道をあけるため横に避けたが、車は私の横で止まり「下から歩いてきたの?」とちょっとびっくりするような感じで言われた。

 別にビックリされるような距離でもないんだけど「そうです」と言うと、「熊出るよ」と言われた。

 「出ませんよ」って言おうかなと思ったけど、絶対に出ないという確証もないので、「もう何回もここには来ているので大丈夫です」と答えた。
 今考えてみると、何回も来ているから大丈夫だという理論もおかしいなと思った・・・。

 見つける蝶を片っ端から撮影して歩いた。さっきはスジグロシロチョウを撮影したが、今度はエゾスジグロシロチョウと思われる蝶も見つけることが出来た。

エゾスジグロシロチョウ(多分)

 この頃から日差しが出てくるようになってきた。天気予報は雨だったくせに!でも嬉しい。

 湿度もかなり高く、気温も30度位までいってるんじゃないかと思える暑さ。自然に汗もダラダラ。部員達に言わせると「風呂上り」状態になってきた。持って歩いたタオルもベチャベチャ。


平べったくしか撮れなかったコムラサキ

 15分ほど歩いた感じでは思ったより蝶の数も少ないので、他の昆虫も適当に撮影しながら歩くことにした。

マルハナバチ?

 夏型のサカハチもまずまず見ることが出来たが、綺麗な個体とボロの個体が混在していた。羽化がダラダラしているのかもしれない。

サカハチチョウ


トンボ

 今日一番多かった蝶はキバネセセリだ。たくさん咲いているイケマの花の蜜を吸っている姿があちこちで見られた。数年前に帯広でも同じような光景を見たことがある。キバネセセリはイケマの蜜が好きなようだ。

キバネセセリ

 セセリチョウの仲間と言えば、蛾と間違われそうNO1の科で、しかも胴体が太いから気持ち悪がられる。しかもキバネセセリは胴体が太い。胴体と言うよりお腹がでかい。きっと卵がいっぱい入っているんだと思う。私の腹といい勝負だ。

腹が太いキバネセセリ

 ミドリシジミの仲間もこの1頭だけ見つけることが出来た。こないだは1か所で10頭以上が乱れ飛んでいたんだけど、そういうミドリシジミだらけみたいな光景は見ることが出来なかった。

今日唯一撮影できたミドリシジミ類の仲間


卵を産むルリシジミ


知らない甲虫


カミキリムシ?の交尾

 それにしてもキバネセセリだらけ。下の画像はイケマの花が咲いている所にキバネセセリが来ているのだが、この画像の中にキバネセセリが10頭以上写っている。

キバネセセリだらけのイケマ

 最初は舗装されていた道路も途中から砂利道になった。それでも汗だくになりながらめげずに蝶探しをした。なんといってもシータテハやクジャクチョウなど、夏を代表するような蝶達に出会えていない。何でだろう?

 そうこうしているうちに黒くて羽ばたくもの発見。最初クジャクチョウかと思ったが、ジャノメチョウだった。今年初めて見た。

ジャノメチョウ


変な蛾


ミドリヒョウモンと目が合ったような気がした写真

 ある程度まで歩き、そろそろ引き返そうなと思い引き返した。帰りも何か面白い蝶が見られるかもしれないなと思っていたが、いつもと違うセセリ発見。これは多分キマダラセセリだなと思いたくさん撮影した。

キマダラセセリ

 キマダラセセリは北海道では道南方面だけでしか見ることが出来ない。しかも個体数も少ないようで、なかなか見る機会が少ない。なので、一瞬コキマダラセセリの♀かと思ったんだけど、ちょっと感じが違うからきっとキマダラセセリなんだろうなと。
 自分自身、そんなにたくさん観察したことも無いのであまり自信が無かった。

キマダラセセリ

 まずまず綺麗な個体だったけど、自分の背の高さ位の葉っぱに止まっていて、撮影は楽ではなかった。特に蝶の上からも撮影したかったんだけど、できなかった。

 今日はアゲハ類も見られなかったし、20種以上と言う目標も達成できなかったけど、キマダラセセリの写真が撮れたので、これだけでも来た甲斐があった。

 アゲハチョウ科
 目撃無し

 シロチョウ科
 エゾスジグロシロチョウ、スジグロシロチョウ、モンキチョウ

 シジミチョウ科
 ルリシジミ、ミドリシジミ類

 タテハチョウ科
 コムラサキ、サカハチチョウ、ミドリヒョウモン

 旧ジャノメチョウ科
 ジャノメチョウ、クロヒカゲ

 セセリチョウ科
 キマダラセセリ、コキマダラセセリ、キバネセセリ、コチャバネセセリ

バッタ

 車の所まで戻り、携帯電話をチェックすると、職場から電話が入っていた。何か緊急事態かなと思い折り返し電話すると、私に電話してきたのは対馬先生だった。携帯電話を家に忘れ、職場からかけてきたらしい。
 中野ダムで見られた蝶の報告などをしたが、あとでしごきにいく約束もした。

 一旦自宅に戻り、服を着替えてしごきに向かった。いつものように未来大学まで行って休んだ。
 対馬先生が、羽化してマーキングしたアサギマダラを持って来ていたので、ここで放す事にした。

マーキングされたアサギマダラ(♀)

 対馬先生がアサギマダラを放すと、元気よく飛んで・・・・いかずに、結構な時間そこら辺を飛び回っていた。

放した瞬間

 未来大学から坂を下って赤川通りに出て、帰宅した。

未来大学から坂を下る対馬先生

動画

 帰宅後洗車をした。
 今日は中野ダムに調査に行って汗をかき、しごきで汗をかき、洗車で汗をかき、きっと3リットル位汗をかいたと思う。雨の予報が外れたおかげで生産的に過ごすことが出来た。