函館港祭り道新花火大会
2016.8.1


 毎年8月1日から函館港祭りが開催される。

 昭和9年に函館は大火に見舞われ、全市街地の3分の1が焼失するという被害を受けた。そんな大火を経験し落ち込んでいる市民を元気づけようと、翌年から始まったのが函館港祭りである。

 この港祭り、初日にはいつも花火大会が開催される。

 で、その花火大会の特別招待席プレゼントの応募を妻がしたところ、当たった。

 というわけで、今夜は二人で花火大会に行くことにした。以前、帯広に住んできたときも勝毎花火大会の特別席が当たったことがある。

 花火は緑の島あたりから打ちあがり、特別招待席はともえ大橋の始まり近くの場所(金森倉庫側)にあるということで、どうやって移動しようか検討した。
 車で行っても駐車場がないかもしれないし、仮に車を止められたとしても花火大会終了後に渋滞してなかなか帰れないかもしれない。
 そこで、今回は私の職場の駐車場まで行き車を置いて、そこから少し歩いて市電に乗って会場を目指す事とした。

 実は私は幼少のころには電車に乗ったことがあると思うんだけど記憶になく、函館に戻ってきてからもこれまで1度も市電に乗っていない。
 なので、今回市電に乗るのは初めてみたいなもんである。全国に78人しかいないというはこだて検定上級者としては、函館の市電に乗ったことが無いなんて恥ずかしい事だと思っていたので、今日市電に乗る機会が出来て嬉しかった。

 深堀町の電停で市電を待った。

深堀町電停

 辺りを見回すと、柏木町魚菜市場と言うのが目に入った。函館と言えば朝市、中島廉売、自由市場が有名だが、こういう小規模な市場もけっこういろんなところにあるんだなと思った。

柏木町魚菜市場


市電の到着を待つ

 函館の市電は6分間隔で運行されている。なのですぐに市電が到着した。湯の川から出た市電は十字街で二手に分かれて、左側に行く方は谷地頭まで(2系統)、右側は函館どつくに行く方(5系統)だ。今来た電車は谷地頭行きで、車両はスナッフルズ号である。スナッフルズというのは函館で有名なケーキ屋さん。

電車が来たところ

 湯の川を出た電車は、湯の川―湯の川温泉―函館アリーナ前―駒場車庫前―競馬場前―深堀町と来るのだが、今日は港祭りで全区間200円ということもあり、既に座れる状態ではなかった。

 それでもワクワクして電車に乗り込み車内を観察すると、はこだて検定のチラシみたいのが貼ってあった。みんなたくさん受ければいいのに。

はこだて検定のチラシ

 さすがにお祭りなので浴衣を着た女の子もいたりして、いつもと雰囲気が違う函館になっているようだ。

車内の様子

 全国にどの位市電があるのかわからないけど、全国の市電に「鉄道むすめ」というキャラクターがいて、函館市電にも二人の女の子のキャラクターがいる。柏木ゆのというのと、松風かれんというキャラクターだ。

 個人的には柏木ゆのというキャラクターの方が好みだ。はこだて検定上級を持っているという設定だから。しかし、市電の壁には松風かれんというキャラクターが貼られていた。もしかしたら、柏木ゆのはハイカラ号という古い市電の車掌と言う設定なので、普通の市電には松風かれんが貼られているのかもしれない。

松風かれん

 ふと運転席を見ると、運転手の人が凄い格好をしていた。頭に鉢巻を巻いて白いTシャツ。完全に夕涼みをしているオッサンの格好。
 こんな格好で市電を運転していいのか!と思われるのではないかと心配したが、祭り期間限定の格好のようだ。個人的にはいつもこんな格好で市電を運転してもらっても楽しいと思う。

市電の運転手の鉢巻スタイル

 花火大会の会場に向かうためには市役所前か魚市場通という電停で降りるのだが、今回は函館駅前よりひとつ前の、松風町という電停で降りた。ちょうど花電車がいた。

花電車

 自分が幼少の頃は万代町という場所に住んでいて、国道5号線沿いに家があった。今は無くなってしまったが、自宅前の道路を電車が走っていて、祭り期間中には花電車が通り、凄く煌びやかで綺麗だった記憶があるが、久しぶりに見た花電車はなんとも地味な印象を受けた。もっとキラキラにすればいいのに。
 それにしても、これは完全にオープンカーである。

 松風町で降りたのには理由があった。生物部部員のYさん(部長)と1年生のYさんが、十勝豚丼のところで今日と明日の二日間アルバイトをすることになっていたので、それの様子見をしたかったのだ。
 十勝豚丼の店がある反対側にはたくさんの出店があって凄い人で賑わっていた。

たくさんの人

 豚丼屋さんを見に行くと、二人ともちゃんとアルバイトをしていた。よしよし。この働いたお金で是非虫捕り網とか標本箱を買ってほしい。

働く1年生Yさん


働く部員

 実は前回もこのお店の手伝いがあり見に行ったのだが、豚丼がひとつ1000円と高い印象を受けた。まぁ出店だししょうがないのだが、お金がもったいないので今回は豚丼は買わなかった。そのかわり500円の焼きそばを買った。
 更に隣の店で売っていた牛串やかみこみ豚を買った。

牛串


牛串を食べる私


かみこみ豚
あまりの美味しさにもうひとつ買おうか迷った(買わなかったけど)

 部員達がしっかり働いているのを確認し、歩いて花火大会の会場に向かった。
 会場の開場まで少し待たされたが、6時45分位に席に入ることが出来た。

特別招待席

 ソフトドリンクやビール、お菓子なども配られ、席に座り花火大会が始まるのを待った。近くには青函連絡船摩周丸が係留されており、よく見るとそこにも大勢の人が花火大会を見るために訪れているようだった。

摩周丸

 そして7時45分過ぎ、いよいよ花火大会が始まった。なんでも5部構成に分かれているらしい。約1万発という花火大会は勝毎花火大会(6万発)には到底規模も及ばないし、以前勝毎花火大会の特別席で見たときにはもっと見上げるような距離というか、打ち上げ場所と見物場所が近かったが、函館は函館で面白い感じがした。

 例えば花火は音楽と共に上がっているのだが、その音楽が北島三郎の歌だったり、北海道新幹線が今年開業したので、そのテーマ曲であるGLAYの歌だったり。十勝の花火大会で、花火と共に流れる音楽が北島三郎なんて絶対にありえないから、「♪北〜の〜、漁場はよ〜♪」なんてサブちゃんの歌と共に打ちあがる花火は函館ならではだったと思う。

 あと、花火の光が海面に映る感じもきれいだった。

 花火を見たり、デジカメで撮ったり、ビデオ撮影したり、色々だったけど特等席で花火を楽しむことが出来た。





函館山に降る雪がテーマの花火

動画1(2:18)
カッコかわいい音楽

動画2(3:06)
連続テレビ小説「あさが来た」のテーマソング(AKB?)

動画3(2:40)
バラード的な洋楽

動画4(3:47)
GLAYの北海道新幹線のテーマ曲

動画5(2:46)
楽しそうな音楽

動画6(2:26)
冒険に行きたくなるような音楽

動画7(2:38)
民謡を現代風にアレンジしたような曲

動画8(7:15)
日本各地の花火師達の作品
曲はバイオリンっぽいの

動画9(2:56)
男の日本人のロックっぽい曲

動画10(6:32)
グランドフィナーレ
かっこいい曲


 1時間ほどの花火大会を堪能することが出来た。何度も書いて悪いが帯広の勝毎花火大会比べると規模も演出も到底及ばないが、函館の花火大会には函館の花火大火の良さがあって楽しむことが出来たし、もし来年も当たったらぜひ見に来たいと思った。
 函館山山頂から見る花火大会もいいなと思ったけど、今回は雲に覆われていたようで、その作戦を取った人がいたとしたらガッカリだったと思う。

 さて問題は帰りだ。
 電車に乗れるかどうかすら分からない感じの混雑。特に湯の川方面に行く電車を待つ人が凄い。
 自分は「少し歩いて前の電停から乗ればなんとか乗れるんじゃない?」と妻に提案したが、妻は「一度反対側の電車(谷地頭方面)に乗って、終点(谷地頭)で降りれば、今度はそこが始発になるから楽に座れるんじゃない?」と言った。
 
 おぉ!それは凄いいい作戦だ!!気付かなかった。

 で、魚市場前の電停から谷地頭方面に電車に乗った。さすがに座れなかったが距離的にも近いしすぐに谷地頭に到着した。
 立って乗っていたので運転手の操作がよく見えて楽しかった。左手がアクセルで右手がブレーキのような感じで操作していた。

市電のコックピット

 谷地頭の電停まで行き、200円を払って降り、すぐに反対側に回った。同じ作戦を取っている人が数名いたが、妻の作戦は大成功で、この電車が折り返し湯の川行の電車となったため、座ることが出来た。

谷地頭の電停

 この電車がまた十字街に着く前には座れなくなり、十字街〜松風町の間までで超満員となった。もし立って乗ることになったら自分は汗だくになって周囲の人たちに迷惑をかけたかもしれない。料金は倍かかったが、400円で座って帰ってこられてよかった。

 多分、乗り降りの時間もかなりかかったので、深堀町まで来るのに1時間以上かかったんじゃないかな。
 その後、車に戻り無事に帰宅した。

 来年も電車を使うなら同じ作戦がいいけど、少し早目に行けば朝市の奥の駐車場は空いていたし、終わった後混んでいてもイライラしないでのんびり行けば、渋滞につかまっても車の中でエアコンを掛けながら過ごせるし、実際問題そっちの方がいいかなと思った。
 今回は部員のアルバイトも見たかったし、電車にも乗りたかったのでこの作戦で成功だったと思う。妻の機転の利く作戦に感動した。自分は全く思いつかなかった。

 楽しい花火大会を見れてとてもよかった。