ついにダイミョウセセリ!撮影成功!!!
2016.8.12
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横津の山頂でのアサギマダラもなかなか成果が出ず、今日は桧山方面にダイミョウセセリの確認に行くことにした。
ダイミョウセセリは昔はたくさんいたそうだが、ここ数年北海道ではほとんど見ることが出来なくなったようである。自分もいつか撮影したいと思っていて、帯広に住んでいた2007年頃からチャレンジしているが、未だに1頭も目撃できていない。乙部に住んでいる道南虫の会の前田さんからはいつもダイミョウセセリの情報をもらっていて、この数年は「全く目撃できない」という事だったが、去年は採集されたという情報をもらって大急ぎで行ったが空振りだった。
そして今年、最近ダイミョウセセリが1頭採集されたという情報を先週位にもらっていたので、ダメ元で行ってみることにした。部員の参加者は部長のYさんのみ。
自分は個人的にダイミョウセセリの撮影だけできればいいんだけど、せっかく江差方面まで来てそれだけでは寂しいし、もう少し目標を持った方がYさんも張り合いがあるかなと思い、4つの目標を決めて調査することにした。
@上ノ国でゴマダラチョウの夏型撮影、できれば1頭採集
(達成可能確率10%)
Aカラスアゲハのメスを生きたまま捕獲
(達成可能性確率50パーセント)
Bヒメジャノメの夏型撮影+採集
(達成可能性確率50パーセント)
Cダイミョウセセリの撮影+1頭採集
(達成可能性確率2パーセント)
※だたし達成可能性確率の%は個人的感覚に基づく。
最初に向かったのは上ノ国のゴマダラチョウポイント。 |
ゴマダラチョウが生息しているエノキ
(画像中央より少し上のちょっと薄い色の葉っぱの木) |
このポイントは2年くらい前、当時部長だった山下君と訪れ、見事ゴマダラチョウの撮影に成功した場所である。その時に比べて今日は時間も遅く、食樹付近で蝶が飛んでいるのは見えるけど、それがゴマダラチョウなのか違うのかはっきりしない。この後の工程もあるので15分位観察して諦めた。
ここから少し山奥の方に入り、カラスアゲハのメスを探そうとしたが、アブが凄くて諦めた。
次に江差のダイミョウセセリポイントに向かった。前田さんから聞いているポイントは去年も来た場所で、去年はダイミョウセセリの影すら目撃できなかったのでその時の印象が強く、「多分無理だろうなぁ〜」と思っていた。前田さんからはもうひとつポイントを聞いていたいので、そっちの方に賭けてみようかなと。
だけど、とりあえず最初のポイントで少しダイミョウセセリを探してみようと思った。しかし目につくのはダイミョウセセリではない他の蝶や昆虫など。特にキアゲハの幼虫はたくさんいたし、セミも凄かった。 |
キアゲハの幼虫 |
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セミの抜け殻 |
キアゲハの幼虫やセミの抜け殻などの写真を撮っている時に「こんなことをしに来たのではない」と我に返って、もう一度集中してダイミョウセセリを探そうと思った。
で、前田さんに電話してもう一度ポイントを詳しく聞き、少し待っていると黒っぽい小さな蝶がチラチラ飛んでいるのが見えた。
事前に「ダイミョウセセリは凄い速さで飛ぶ」と聞いていたが、飛んでいるその蝶は下草をチラチラ飛んでいる。大きさ的にはダイミョウセセリに見えなくもないけど、大学で仙台にいた頃に見たことがあるだけで自信がない。それでもYさんに「ダイミョウセセリっぽいのがいるから見に来い」と言って、二人で観察した。
その黒っぽい蝶は下草を飛び、一瞬止まるそぶりを見せるけどすぐにまた飛ぶのを繰り返し、種類がよくわからない。
自分たちからの距離も少しあったので、もしかして蛾かもと思いつつ観察していると、ついにその蝶が葉っぱに止まった。
「ダイミョウだ!!」
止まった姿を見た瞬間、それがダイミョウセセリであることが分かった。
2007年から追いかけてきたダイミョウセセリが目の前にいる。カメラを構えたが手が震えた。300mmの望遠レンズで目いっぱい望遠にして撮影しても大きくは写らない距離で、しかもそこがちょっと崖っぽいところだったので、うまく回り込んでいい角度で撮影できない。それでもとにかく証拠写真程度でも撮影しないとと思い、何枚か撮影した。 |
ようやく撮影できたダイミョウセセリ |
それでも長い時間止まってくれるわけではなく、少ししたら飛んでしまう。そして下草をチラチラ飛び回り、他の草に止まる。二人で見失わないように追いかけ、チャンスが巡ってきたら撮影した。 |
ダイミョウセセリが飛んだ瞬間 |
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翅を開いたところ |
Yさんと観察していると、どうも2頭いるような気がした。「2頭いない?」というとYさんも「2頭いるような気がする」と。
2頭同時に飛んでいるわけではないから確認できないが、なんとなくそんな感じがしたので、1頭採集することにした。
じっと近づいてくるのを待った。チャンスは一瞬だと思ったが、いよいよダイミョウセセリが近づいてきた。心の中ではこのまま止まってくれたらまた写真を撮りたいという気持ちも強かったが、同時にYさんに採集させてあげたいという気持ちもあり、その葛藤の中、Yさんに採集させることに決めた。
「まだ、まだ、まだ・・・・採れ!」とYさんに合図をして網を振らせた。ダイミョウセセリはYさんの網に入った。
あのまま網を振らなかったら近くに止まってもっとちゃんとした写真が撮れたかもなと思ったけど、タラレバの話をしてもしょうがない。
Yさんとグーでハイタッチをした。
今日の目標の中で一番可能性が低いと思っていたことが成功した。
対馬先生に報告しようと思い電話したけどつながらず、前田さんにも電話して撮影に成功したことを伝えた。これで自分のホームページのメインである「蝶の写真館」に1種類追加することが出来る。セセリチョウ科で残るはヘリグロチャバネセセリのみになった。
採集後、もう一頭を探したがなかなか見つからなかった。本当に2頭いたのか、もしかして本当は1頭だけだったのかもしれないが、きっとまだいるだろうと思い、付近を捜索することにした。だけど心には余裕があり、もう写真撮影にも成功したから見つけられなくてもいいやと思いながら歩いた。
オニヤンマをYさんが捕まえたので、アップで撮影してみた。目の色がとても綺麗だった。 |
オニヤンマの目のアップ |
歩いていると茶色の薄い蝶が飛んでいたので、「お、ヒメジャノメか?」と思って撮影したけど、よく見たらクロヒカゲであった。♀なんだと思うが、こんなに色が薄かったっけ?って言う位薄い感じがした。 |
クロヒカゲ |
結局付近の捜索では新たなダイミョウセセリを見つけることは出来なかった。ヒメジャノメの撮影もしたかったので前田さんに連絡をし、もうひとつのダイミョウセセリポイントに向かった。
前田さんは既に待っていてくれて、3人で探した。その中で、ダイミョウセセリが素早く飛んでいるのはオスで、メスは産卵の時、食草を探して下草をチラチラ飛ぶと教えてくれた。と、言う事は今日見たダイミョウセセリはメスであるという事だ。これは採集したのはまずかったかも。
そのままにしておけは産卵して来年の春にたくさん羽化したかもしれない。
でも、採集したダイミョウセセリは羽化から少し時間が経っているようだったので、既にある程度産卵している可能性も高いかなと思った。
前田さんはダイミョウセセリの食草であるオニドコロがどれなのかとか、幼虫が巣を作る性質などを私やYさんに教えてくれた。 |
食草であるオニドコロ |
前田さんは来客がいるということでちょっとして帰って行った。自分たちはここでもう少しダイミョウセセリを探そうと歩いたが見つけることは出来なかった。ジャノメチョウのメスがいたので撮影した。 |
ジャノメチョウの♀ |
まだ少し時間もあったので、最後に上ノ国の苫符林道に入り、ヒメジャノメの夏型やカラスアゲハのメスを探そうという事になった。
こんな時期に苫符林道に来たのは初めてだったが、草がかなり生い茂っていた。
二人で歩きながら蝶を探した。 |
サカハチチョウ |
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葉っぱに止まる蝶のシルエット |
花にコキマダラセセリみたいのがいたが、飛び方が変だったのでもしかしてと思いよく観察したらスジグロチャバネセセリであった。Yさんにとっては初めて見る蝶だと思うので採集させたが、ヘリグロチャバネセセリとの見分け方が難しいので、「もしかしてヘリグロチャバネセセリかも」と後で思った。 |
多分スジグロチャバネセセリ |
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何か採集したYさん |
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ベニシジミ |
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カラスアゲハやミヤマカラスアゲハがよく吸蜜に来る木の花がたくさん咲いていて、数は多くないけどミヤマカラスアゲハなどが来ていた。Yさんも採集にチャレンジしたが、採れたのはボロのオナガアゲハ1頭だけ。目標だったカラスアゲハのメスは採集できなかった。 |
ミヤマカラスアゲハ♂
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コミスジ
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ミドリヒョウモン |
林道上にミヤマクワガタのメスがいたのをYさんが押してくれた。動かないなと思ったら、この格好のまま死んでいた。一応♀なんだけど、北斗の拳のラオウを思い出した。 |
死んでいた♀ |
突然Yさんが「うわぁ!」と驚きの声を上げたのでこっちまでびっくりしたが、青いバッタがいた。こんな青いバッタを見たのは初めて。死んでるのかなと思ったけど、生きているようだった。とりあえず写真にだけ撮影したけど、珍しいのかどうかもわからなかった。 |
青いバッタ |
ここ最近天候が良く、気温が高くて雨も降っていない。外来種であるオオハンゴンソウもご覧のようにぐったりしている。このまま絶滅してくれればいいのに。 |
ぐたっとしたオオハンゴンソウ |
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カラスアゲハを待つYさん |
今日の部活はここまで。目標としていた4つのうち達成できたのはダイミョウセセリ関連だけだったが、個人的にはこれが達成できただけで大満足である。
解散後、自宅付近を車で通過したら横津の山頂が綺麗に見えていた、ちょうど一眼レフを持っていたのでズームで撮影してみた。けっこうしっかり山頂のレーダーを見ることが出来た。もう少し倍率を高く出来ればアサギマダラが飛んでいるのも見えるかも?? |
山頂jのレーダー |
更に今夜はペルセウス流星群が見れる日という事で、夜になってから妻を誘って横津に流星群を見に行くことにした。ついでに普段から「横津から見る裏夜景も綺麗だろうな」と思っていたので、それも見たくて。
1時間に40個〜80個と言われていたが、実際にはそんなに見れなかった。だけど、こんなにはっきり流れ星を見れたのは生まれて初めてだった。5,6個しか見れなかったけど、凄い光が強くて綺麗だった。一体どの位の大きさのものが光り、速度はどの位なんだろう?と思った。
飛行機より高い位置にある流星が、見た目でもかなりのスピード。上空を飛んでいる飛行機なんて時速1000km位出ているはずなのに見た目はかなり遅く飛んでいるように見える。多分、相当小さなものが大気圏に凄い速度で突入してバカみたいな光を発しているんだろうなと。
そして横津から見る裏夜景もかなり綺麗だった。面白いのは、横津の800mとか900mとかから撮影したので、函館山の奥に光る漁火が、函館山の山頂より上で光っているところ。
更に上には青森の陸地の光も横一線で見えている。 |
横津からの夜景 |
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函館山と函館港の夜景 |
標高が高いせいでけっこう涼しかった。
夜景と流れ星、綺麗なものを見られてよかった。
長年追い求めたダイミョウセセリの撮影がようやくできた。以前はたくさんいたというダイミョウセセリが何故これだけ少なくなってしまったのか原因はわからないが、去年と今年、確実に発生していることはわかっているので、今後個体数が復活して普通に撮影できる種類になって欲しい。
2年前に山下君とゴマダラチョウの撮影が出来た時並みに嬉しい一日で、今年の活動はこれで終わりになってもいいと思う位の達成感だった。
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