部長初マーキングin松前勝軍山(プチ祭り)
2016.9.19

 昨夜は生物部OB会で楽しんだが、一夜明け今日は朝から松前の勝軍山に行きアサギマダラの調査を行う事になっていた。参加部員は部長のYさんと2年生のJ君、1年生のW君だ。

 YさんとW君は2日連続の参加で偉い。

 天候もよくアサギマダラが見られるのではないかと思いつつ勝軍山に向かった、山下君も合流予定。

 ポイントに到着する間、W君に昨日のおさらいで検定問題をいろいろ出した。案の定ほとんど答えられなかった。Yさんは昨日の見学などで色々思い出したのか、けっこう答えられていた。今年は絶対に受かってほしい。

 今日自分が勝軍山でアサギマダラの調査をしたい理由はただひとつ。Yさんにアサギマダラの捕獲とマーキングの経験をさせてやりたかったという事だ。

 Yさんは2年生で部長になるほど部活動には熱心で、資格試験の検定などで参加できない時がたまにあるが、その他はほとんど参加している。蝶の知識もかなりついているし、自宅でアゲハなどの飼育もしている。標本づくりにも熱心でかなり上手になっている。

 そんな部長のYさんであるが、なんとこれまでまだ一度もアサギマダラのマーキングをしたことが無い!
 1年生部員のW君でさえ先日2頭マーキングした。
 なので、どうしてもYさんにマーキングをさせてやりたかった。

 1年生のW君は2頭経験しているし、J君はまだマーキングをしたことが無いけど部活の参加状況はYさんに比べるとけっこう少ないので、まぁマーキングできなくてもいいか、と思っていた。とにかく今日はYさんにマーキングさせられれば目標達成だ。

 ところが、ポイントに到着していきなりアサギマダラを捕獲したのはJ君だった。
 我々が気付かずに通り過ぎた横にアサギマダラがいたのを見つけ捕獲した。ナイス!!

いきなりアサギマダラを捕まえたJ君

 到着してすぐに捕獲したということは、きっとまだけっこうアサギマダラがいるんじゃないかなと思った。そしてその予想は的中した。

 どうだったか忘れたが、自分が見つけてYさんを呼んで捕獲したり、Yさん自身も自分で見つけて捕獲したり。J君もまた捕獲したり。
 全部で4頭位捕獲した時に山下君も登場した。

 とにかく今日の目標であったYさんに捕獲させることが成功したのだが、人は欲深いものである。こうなったらW君にも捕獲させたいし、全部で10頭位捕獲させたくなってきた。目標を「10頭捕獲」に変更した。

初めてアサギマダラを捕獲して喜ぶYさん

 拠点となる場所を決めて椅子を置き、そこで休んだりしながらも少し時間が経ったら付近のアサギマダラを探すという作戦をとった。

 私がプラプラ歩きながらアサギマダラを探していたら、アザミに来ていた1頭を発見。写真に撮って「いたぞー!」と叫んだら、最初にやってきたのは山下君だった。

 「そこにいるべ!」とアサギマダラが止まっているアザミを教えて山下君も確認。だけど「自分が採っていいんですか?」と少し遠慮していた。「そんなもん関係ないから採れ」と言ったが、おととしの事を思い出した。

 おととしの9月20日。目の前のアザミで吸蜜中のアサギマダラを見事に採り逃がしているのだ、彼は・・・。

 で、今回もスカッとやるんじゃないかと心配になったと同時に、スカしたのならスカしたところを写真に撮ろうと思った。

 山下君が網を振った瞬間の画像が下のもの。

山下君の網が火を噴いた
しかし、この網最後の姿となる・・・。

 今回はスカしないで見事にアサギマダラを捕獲したようだ。良かった良かった。
 これでわざわざ広島県から帰ってきて2日連続で勝軍山まで来た甲斐もあっただろう。お見事!

捕獲したアサギマダラ

 この後山下君の補虫網のフレームが折れてしまうというトラブル発生。予備の網を持って来たことは持って来たのだが、山下君の捕獲活動はこれにて終了となった。

 今日はこの場所にカラスアゲハ、ミドリヒョウモンが多く、去年までたくさん見られていたアカタテハは1頭も見られなかった、イチモンジセセリがそれなりに見られていた。

カラスアゲハ


Yさんの2頭目


J君の2頭目


 今日はまだここまでW君に成果が無い。最初は「W君はもうマーキング経験があるからどうでもいいかな」と思っていたのだが、なんとか1頭捕獲させたくなった。
 そう思っていた瞬間、椅子に座っていたW君が猛ダッシュ!自分で見つけたアサギマダラを見事ゲットして戻ってきた。ナイス!

W君が捕まえたアサギマダラ


斜面でアサギマダラを探すYさんと山下君


椅子に座りアサギマダラを探すW君

 自分はまた一人でプラプラアサギマダラを探していた時にアザミに来ているアサギマダラを発見。撮影しながら「いたぞー!」と呼んだら今度はYさんがやってきた。

 

アザミで吸蜜するアサギマダラ

アサギマダラのいるアザミを教えている時に、Yさんは他にも1頭見つけて「こっちにもいます!」って。

 「とにかくまず俺が見つけたやつを捕まえろ!」と言い、それは無事に捕獲。そして網にアサギマダラを入れたまま次の1頭を捕獲に行ったのだが、見事に逃げられた。網に1頭入ったままもう1頭を狙うのが難しかったらしい。

 残念ながらW捕獲にはならなかったが、これでYさんは今日4頭目だ。

4頭目のアサギマダラを持って記念撮影

 Yさんと「ちょっと上の方に行ってみるべ」と誘って、山道を登って小屋がある所まで行く事にした。この小屋がある所までも時々アサギマダラが見られるのだが、木々が鬱蒼としている感じが強くなってきたのとアザミが少ない感じになってきているようで、今日はアサギマダラを見つけることは出来なかった。

小屋に行く途中からの景色

 イチモンジセセリは比較的多く見られた。これは本州から渡ってきた個体なのか、それとも北海道育ちの個体なのか?よくわからない。

イチモンジセセリ

 時間も午後になってきたし、アサギマダラの姿も見られなくなってきたのでみんなでマーキングをする事にした。今日はJ君とYさんが初体験なので、山下君が先生となりマーキングの仕方を指導してもらった。

山下君のレクチャーを聞くJ君とYさん


J君の記念すべき初マーキング(JY−1)

山下君は今年467頭目だって。すごいね!


Yさんの記念すべき1頭目
KY01

 ところがここで事件発生。4頭捕獲したYさんだが、マーキングしている時にアサギマダラに逃げられた。なにやってんのよ!!

 逃げたアサギマダラは近くの木に止まった。

マーキングするときに逃げられたアサギマダラを追いかけるYさん

 運が良いとしか言えない。近くの木に止まったアサギマダラは網で採れる高さの場所にいる。Yさんが無事に捕獲した。

 それもつかの間、またYさんが1頭逃がした!
 今度はとっさに山下君が網を持ち捕獲してくれた。やれやれ。もう勘弁して!

 Yさんはあまり胸を強く持ったら死んだり弱ってしまうんじゃないかと思ってかなり優しく持っていたようだ。まぁなんとか逃げられずに済んでよかった。

 最終的に設定した目標10頭には2頭及ばなかった。Yさんが4頭、J君が2頭、W君と山下君が1頭ずつ。合計8頭にマーキングすることが出来た。

マーキングした後、放す直前に記念撮影

 みんなで一斉に放した瞬間の写真を撮るから!とタイミングを計り8頭のアサギマダラを一斉に放蝶することにした。

 「いっせーのー・・・でーーーーっ!」って言って一斉に放し撮影しようとしたら、部員達、思いっきり上に放しちゃって。
 それじゃぁ写真撮れないでしょ!

 と、思ったけど、なんとか4頭写っていた。

 だけどシャッタースピードが遅かったのと、背景が木と葉っぱでゴチャゴチャしているので、放したアサギマダラが見えずらい。
 4頭確認できるアサギマダラに黒で矢印を付けた。

矢印を付けた写真

 さ、そろそろ戻りましょうか!と、椅子などを片付け戻っている最中に山下君がアサギマダラを1頭発見!Yさんが捕獲した。これでYさん今日5頭目、合計で9頭となった。山下君グッジョブ!

5頭目を捕獲し喜ぶYさん


5頭目のマーキング
KY05
本州で再捕獲されてくれ!


放した瞬間
やっぱりブレた

 森から開けたところに出てウラナミシジミでもいないかなと思ってちょっと探したけど、ベニシジミとモンキチョウ位で別に何も成果は無かった。バッタがやら多と多かった。

ウラナミシジミを探す


喧嘩したカップルっぽく見える写真

 ウラナミシジミもいないねー。もう帰ろうかと山を下りている最中、また1頭アサギマダラを発見した。慌てて追いかけたが、少し高いところに止まってしまい網が届かない

これが採れれば10頭目

 山下君が私に「首のタオル貸してください!」と言って、タオルを振りながら追いかける。が、どうしても射程圏内に入らない。

アサギマダラを追いかける部員達


この画像のどっかにアサギマダラがいるらしい
部員達は「今羽開いてます」とか言ってるけど、
自分にはさっぱりわからない

 もうどうしようもないので石を投げて驚かして飛んだところを捕まえる作戦。だけどこの作戦は失敗してアサギマダラはどっかに飛んで行ってしまった。

 これで今日のアサギマダラ調査は本当に終了となった。全部で9頭マーキング、逃げられたのは3頭位。なので、12頭目撃中9頭マーキングと言う成果である。
 1頭でもYさんに採らせたいと思っていた目標が達成でき、更に全員マーキングでき、総合9頭ということで、かなり良い結果だったと思い、「今日はプチアサギマダラ祭りだな」と心の中で思った。

 帰る途中、知内の重内神社に立ち寄った。恒例の階段登り競争だ。私はこれで最下位にしかなったことがない。今日はなんとかYさんに勝利したいと思った。

 最初は少しリードしていたが、疲れて息があがり、歩いている時にYさんに抜かれそうになった。服をつかんで妨害しようとしたが結局抜かれてしまい、今日も最下位だった。
 息がゼーゼーして大変だった。

Yさんに抜かれてどうしても追いつけなかった

 この階段、降りる時に数えたが229段位あった。上まで登るととても良い景色を眺めることが出来る。一本道の先に海、奥には青森が綺麗に見える。

階段上の展望台からの眺め

 降りる前にここでも記念撮影をした。山下君はサングラス。山下君の1つか2つ上の木村君といい、山下君といい、何でサングラスが好きなんだ?最近の部長はサングラスが流行り?これで数年後にYさんもサングラスして登場したら吹き出すね。

記念撮影

 今日はとにかくYさんにマーキングを経験させられたので最高の一日になった。しかも5頭も。他の部員もアサギマダラの捕獲とマーキングも出来たから、ほぼ最高の結果を得られた一日だったと思う。