道東、春の蝶を探しに |
2013.5.26 |
数日前に蝶の撮影仲間Fieldさんから電話があった。関東から蝶の撮影目的で十勝に来られるSさんと言う方がいて、案内を頼まれたので一緒に行かないかと。
FieldさんとそのSさんは面識がなく、今回初めて会われるということ、ご夫婦で北海道に来られて、帯広空港で落ち合い、まっすぐ山に入る予定という事を聞かされた。また、狙いはジョウザンシジミやチャマダラセセリなどであると言うことも教えてもらった、
自分は今シーズンまだ一度も山に行っていないし、今年の春の状況から察すれば蝶の発生は遅れているだろうなという予想はついた。だけど、Sさんが撮影したいというジョウザンシジミは例年の発生初期の時期からは1ヶ月ほどたっているので、いくらなんでも見ることが出来るだろうと思った。問題はチャマダラセセリや、その他の蝶、これはもしかしたらダメかもなと思っていた。
Fieldさん宅に迎えに行き、まっすぐ空港へ向かった。車が空港に到着した瞬間にSさんからFieldさんに電話が入った。ちょうど今到着したと。ジャストタイミングだ。
Sさんご夫婦を車に案内し、まずは中札内のジョウザンシジミのポイントに向かった。車の外気温計が9度を表示していて天候は曇り。これは蝶の飛ぶ状況じゃないのではないかと思われたかもしれない。しかし自分は逆にチャンスだと心の中で思っていた。
なぜなら、時期的にジョウザンシジミが発生しているのは間違いない。そして気温が低ければ、あまり活動的ではないと思うので、地面付近でウロウロしているジョウザンシジミがきっといるはずだと思っていた。
口では「気温が低いですねー」とか「お日様が出てきませんねー」とか言いながら、心の中では「晴れるなよ!」と願っていた。
ポイントに到着して車を降りるとやっぱり肌寒い。そしてまだ晴れてきていない。大チャンス到来!!
すぐに歩き出してジョウザンシジミを探す。もちろん飛んでいるのを探すのではなく、目を下のほうにやって地面付近に止まっているやつを探す。
少し歩くと、タンポポに止まっているジョウザンシジミを発見。やった!思ったとおり!!!
自分は少し先行して歩いていたので、Sさんを呼ぶ「いましたよ!」と。
Sさんがやってきて撮影開始。これで目的のひとつは達成した。北海道までわざわざ来て、坊主で帰すわけにはいかないと思っていたからとりあえず最低限の目標は達成してもらえてほっとした。
ジョウザンシジミはこの他にも何頭か見つけることができ、自分も撮影した。ジョウザンシジミの写真なら、もう何百枚も撮っているので、改めて撮影する気もあまりないんだけど、せっかくだからマクロレンズで大きく撮影した。 |
地面に止まって羽を開いているジョウザンシジミ |
やっぱりいつも撮影するジョウザンシジミの写真となんら代わり映えのしない写真ばかりで面白くない。それで、止まっているジョウザンシジミの前に回ったり横に回ったりして撮影した。 |
横から撮影したジョウザンシジミ |
道東のジョウザンシジミは青味が強くて綺麗と言われているが、どうもここ数年は黒っぽくなってきているような気がする。気がするだけかもしれないがどうなんだろう??
このポイントでは網を持った採集の人、山菜取りっぽい人、カヌーみたいので川下りをしている人など、たくさんの人がそれぞれの方法で遊んでいた。 |
ラフティング?の人 |
ここのポイントではアカマダラやチャマダラセセリも見たことがあるのだが、アカマダラなんて北海道内どこにでもいるし、Sさんは撮影したくもないかなと思いつつ聞いてみると、「アカマダラも撮影したい」と仰った。
ところがアカマダラが見つからないので、場所を移動する事にした。場所を移動している最中、天気が良くなってきた。気温はそれほど上がっていない。
アカマダラだけではなく、北海道の綺麗なミヤマカラスアゲハの春型など、色々撮影したいと言うことがわかったが、個人的にはミヤマカラスアゲハは可能性が低いのではないかと思った。なにせ、ここ数日ずっと寒かったから。
アカマダラがいそうなポイントで少し歩きながら探したが、残念ながら見つけることが出来なかった。コツバメがけっこう飛んでいたが撮る気にならず、ここのポイントでは1回もシャッターを切らなかった。 |
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Fieldさんが最初のポイントで私に「この植物分かるか?」と聞いてきた。(上の花)当然わからないのだが、葉っぱがセリっぽかったので「セリ?」と答えるとやはりハズレだった。シャクという植物だと言っていた様な気がするが、このページを作っている今、もうはっきりとは覚えていない。
アカマダラやチャマダラセセリが見られなかったので、帯広市内のポイントに行く事にした。ここではジョウザンシジミ、チャマダラセセリ、アカマダラ、エゾヒメシロチョウなど、北海道特産種や絶滅危惧T類(チャマダラセセリ)を見ることが出来るポイントだ。期待していたが蝶がほとんど飛んでいない・・・。
それでもなんとかエゾヒメシロチョウを見つけ、撮影してもらうことが出来た。
エゾヒメシロチョウと言えば自分の中で「止まらない蝶」ベスト3に入る位、いつもチロチロ飛んでいて撮影が難しい蝶だ。ちなみにベスト3の残り2つはツマキチョウとオオヒカゲ(私個人のランキング)
ところがこのエゾヒメシロチョウ、ちょっと飛んでは花に止まる。撮影も簡単だったと思う。Sさん、運がいいなと思った。自分は遠くから1,2枚撮影。 |
チャマダラセセリの食草であるキジムシロに止まったエゾヒメシロチョウ |
エゾヒメシロチョウも北海道特産種であり、Sさんも撮影できて満足してくれたかな?と思ったんだけど、期待していたチャマダラセセリやアカマダラは見つけられなかった。
この時点でお昼を過ぎていたので、この後の予定を考えたが、音更町のポイントでチャンスがあると読んで、向かう事にした。その前に昼食。Sさんご夫婦にご馳走になってしまった。ありがとうございました。
食事をして音更町のポイントに向かった。気温はぐんぐん上がり、軽く20度を超えていた。ここのポイントでは特にアカマダラを何度も見たことがあるので、きっと撮影できると自信があった。
その場所に到着して車を走らせていると、ミヤマカラスアゲハを見つけた。車を止めて撮影してもらおうと思ったのだが、おしいところで逃げられてしまったらしい。残念。
その場には他にも本州から撮影に来たという3人くらいの人がいて、挨拶した。チャマダラセセリの写真が撮れたと言う話を聞いた。がぜんやる気が出てきて、Sさん夫婦も車に乗り込み、私も出発する準備。でもFieldさん、なかなか話が終わらない・・・。早くして!!
ようやくFieldさんも話が終わり、まずは私がたくさんのアカマダラを見つけた場所に向かった。が、蝶が全然いない・・・。おかしいなぁ〜。
それで少しだけ移動して付近を捜したが、チャマダラセセリもアカマダラも見つけられなかった。夕方が迫ってきており、もう時間的にも厳しくなってくる。
Sさん、「もう今日はこれで諦めましょうか」と諦めムードが漂っている・・・。だけどここで帰してしまってはちょっと申し訳ないような気がする。
最後に、さっき本州から来た人たちがチャマダラセセリを撮影したと言う場所に行ってみようという事になった。でも、私はその場所がよくわからない。本州の人は、とても綺麗なチャマダラセセリが撮影できたと喜んでいたので、発生している事は間違いない。
そのポイントはどこか?Fieldさんはめぼしがついていたようだ。「あそこしかない」という場所に向かった。Fieldさんが言うには、今まで自分達が見てきた場所より、これから向かう場所の方が蝶の発生が少し早いそうで、それなら更に可能性が高まる。
Fieldさんが思った場所に到着すると、網を持った人が見えた。網を持った人がいると言う事はここに間違いないなと自分も思った。
車を止めて少し歩くと、足元をチャマダラセセリが飛んでいるのが見えた。やった!
Sさんを呼んで大急ぎで来てもらったが、ちょっとタイミングが遅く、チャマダラセセリはどっかに行ってしまった。でもこの目でチャマダラセセリを確認できた事は大きい。発生しているのは間違いないのだから。
それからすぐにまたチャマダラセセリ発見!これは結構な数いるなと思った。
案の定、その後けっこうな数のチャマダラセセリが出てきて、たくさん撮影することが出来た。ひとつの場所に3頭とかいたりして、Sさん撮影しまくり!奥様は横にたたずんでいて、「よかったねー」と言っていた。その姿を見てこのご夫婦はよっぽど仲良しなんだなと思い、暖かい気持ちになった。 |
サトキマダラヒカゲも発生していた |
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チャマダラセセリを撮影するSさん。この写真の中の地面にも2頭止まっています。ちょっと小さいけどわかりますか?探してみてください。 |
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地面に止まる2頭のチャマダラセセリ |
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チャマダラセセリのアップ |
ここの場所ではいくらでも撮影できそうだ。ここまで散々探して見つからなかったチャマダラセセリだが、今は撮影し放題。Sさんも喜んでくれたと思う。
それにしても、地元の人間が本州から来た人にチャマダラセセリのポイントを教えてもらったなんて・・・ちょっと複雑な心境。
もう十分撮影したということで、今日はこれでおしまいということになった。ジョウザンシジミ、エゾヒメシロチョウ、チャマダラセセリと目標の蝶3種を撮影してもらえたが、一番簡単そうなアカマダラを撮影してもらう事は出来なかった。
Sさんご夫婦を空港に送り届ける最中、帯広の街の中を運転しているときに、腰が痛み出した、明らかに尿管結石の痛み。私はここでギブアップ。急遽Fieldさん宅に向かい、Fieldさんの車でSさんご夫婦を空港に送ってもらうこととして、私は急いで自宅に帰った。
4,5時間後、2mmほどの石が排出された。
そして次の日、仕事中にとある場所の花壇で綺麗なアカマダラを目撃、何だかなぁ〜・・・。
Sさん、また来てください!今度こそアカマダラを!!! |
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