登別温泉1泊旅行
2016.12.10


 12月11日(日)まで、室蘭で「北海道現代具象展」という美術展が開催されていた。これは札幌で開催されていた展覧会の移動展で、知り合いの画家の人も何人か出品しているので妻に「見に行こう」と誘ってみた。

 室蘭なら高速を使えば函館から3時間ほどで到着すると思われ、日帰りで行って来れるなと思っていたのだが、そう言えば自分は白老のポロトコタンというアイヌ文化を学べる施設の見学がしたかったので、今回行ってみようかと思ったのと、今年「北海道観光マスター検定」と言うのを受験し、北海道の様々な事を勉強した中で、登別温泉の歴史についても勉強したので、せっかくだから登別温泉に一泊しようかという事になり、妻に旅館を取ってもらった。そうなると時間も出来るので、室蘭にいる叔父にも顔を出そうとか、ちょっと観光もできるかなとか、いろんな野望を持ちつつ出発日を迎えた。

 函館を出発し高速道路で白老まで直行することにした。

高速道路

 高速道路は融雪剤も撒かれているようでまずまず運転もしやすく快適だったが、白老に到着し高速道路を降りると案外雪が積もっていて驚いた。妻にナビをしてもらいポロトコタンに到着した。

ポロトコタンの看板

 駐車場は300円だった。入場料は800円。
 入るとすぐに真っ黒いアイヌの酋長みたいでっかい像が出迎えてくれる。迫力満点だが、北海道観光マスター検定のテキストにもこの象の写真が載っているので、「これがあの写真の像だな」と嬉しくなった。

でっかい像


案内図

 北海道の名付け親とも言え、北海道の開拓に偉大な功績を遺した松浦武四郎の石碑みたいのがあったが、よく見ると平成26年と書いてあって、最近建てられたものだと分かった。

松浦武四郎の石碑

 ここには天然記念物の北海道犬やヒグマなどもいると聞いていたが、ヒグマはきっと冬眠中だなと思っていた。とりあえず犬を見に行った。

説明

 北海道犬は白っぽい色で、THE・犬って感じだった。「こっちおいで〜」と呼びかけると1頭がこっちに来て触ってほしそうだったが手が届かずちょっとしか触れなかった。

北海道犬

 北海道犬と言えばソフトバンクのCMの犬で有名だけど、ここにはその子供がいるという事はわかっていた。どこにいるのかなと思ったらすぐ裏の所にいて、看板も出ていたが、他の北海道犬と完全に同じで特別なことは無かった。



ソフトバンクの犬の子供

 柵の中にいるんだけど、これは触ることが出来た。手をなめられた。実は自分は犬アレルギーで、実家の犬(トイプードル)に舐められただけでも痒くなって湿疹が出る。こんなTHE・犬!みたいな犬に舐められたらやばいと思ったけど、なんともなかった。

 ソフトバンクの子供の裏には熊の檻があって、ここにヒグマがいるんだなとわかったけど、冬眠してると思ったら冬眠してなかった。でっかくてすごい迫力だった。

 3頭か4頭いて、手の爪が凄い。これはやられたらひとたまりもないわ。

ヒグマ

 檻のすぐ近くにヒグマのおやつみたいのが売っていて、一袋100円。小さなクッキーみたいのがいくつか入っており、当然手渡しで食べさせるわけにはいかないので、鉄パイプの中に入れると熊の口元に転がって行く方式だ。(上の画像でわかると思う)
 クマは美味しそうにシャクシャク食べていたけど、後ろ側にいるソフトバンクの子供も食べたがっている気がしたのでやってみたら食べた。2つ位犬にあげた。

 動物コーナーはこのくらいにして他の所を見に行った。鮭がたくさん干されていた。

鮭を干している

鮭の頭の所

 鮭はアイヌの人たちにとってとても貴重な食料で、こうやって干した後、家の中の囲炉裏の上で更に干して、囲炉裏の煙を浴びせて保存がきく燻製のようにするらしい。

アイヌの家の(チセ)
本当はこの4分の1位の大きさだったらしい


ポロトコタンの所にある湖(ポロト湖)

 博物館があったので中に入って見学することにした。玄関付近にWELCOMEと書かれた札を首から下げたヒグマの剥製が出迎えてくれたけど、顔を見たら絶対に歓迎してくれている顔じゃないなと思った。

 博物館の中はアイヌの人たちが使っていた道具やしきたりの勉強ができたり、本当はもっとじっくり見学したかったけど、今回はさらっと見る程度で終わった。

博物館の中

 その後、アイヌ民族についての説明や歌、踊り、民族楽器?のムックリの演奏など興味深い出し物があったりしたのでそれを見学した。

 時間もお昼過ぎになってきたのでポロトコタンを後にし、途中お昼ごはんを食べてから登別に向かう事にした。何ていう所で食べたか忘れたけど、美味しかった。

昼食

 昼食後、登別温泉に向かった。今回は望楼NOGUCHI登別という温泉に宿泊する事になっていた。

入り口の所の看板

 けっこう高級っぽい感じがしていた。係りの人に案内されてロビーでチェックインをした。妻が手続きをしている間、自分はソファーで休んでいた。
 ウェルカムドリンクとかお菓子を出してくれた。

ロビー

 このホテルは全館スイートルームらしいが、スイートと言っても色々ランクがあって、10階にはものすごいスイートがあるらしい。でも自分たちはもちろんそんな凄いのではなく、ラグジュアリースイートという部屋だった。

1051号の部屋が今回自分たちが宿泊する部屋
1階あたり6部屋しかないんだね

 エレベーターで5回に上がり部屋の前に到着した。

エレベーターから降りたところ。廊下があって、部屋の入口がある


宿泊する部屋

 廊下から部屋に行こうとすると、すぐにドアがあるのではなく、ドアまでの長い無駄な専用廊下みたいのがあった。このスペース無駄だろ!と思ったけど、この空間があるおかげで多分廊下の歩く音などが一切聞こえず、よかった。

部屋の入り口に向かう廊下っぽい感じの場所


靴を脱ぐところ

 部屋に入るとけっこう綺麗な感じの部屋だった。

ベットから奥を撮った写真


ソファーとテーブルとテレビがある。奥は部屋についているお風呂や洗面所


ソファーからベットを撮った写真

 各部屋には専用の温泉が付いているらしく、かけ流しの硫黄の匂いのする温泉だった。4人位で入っても大丈夫そう。

部屋に付いている温泉

マッサージチェアも付いていて、何回も使って揉み解してもらった

 大浴場もあるというので行ってみた。各部屋に温泉が付いているので大浴場を使う人はあまりいないという噂だったが、自分がいった時にも誰もいなかったので写真撮影した。

大浴場


露天風呂

 写真撮影をしてカメラを脱衣所に戻して湯船につかった瞬間、3人の男の人が入ってきた。

 実は自分は数年前(1、2年位前)に、とある温泉の湯船につかっていた時に、脱衣所からオッサンが登場し、体を全く洗わないまま湯船に入ってきたのを見てしまい、それ以来どうも温泉(大浴場)が嫌になってしまった。ちゃんと体洗ってから湯船に入れよ!もしくは最低でもある程度体流してから湯船に入れよ!と。

 なので今入ってきた3人の人がどうするのか、凄く気になって、完全に監視モードに入ってしまった。結果、みんなちゃんと体を洗ってから湯船に入ってきてくれたので、自分も気にならず温泉を楽しむことが出来た。

 お風呂を出たら妻ももう出ていて、二人で本でも借りようかと、本がたくさんある所に行った。

本が借りられるところ

 北海道に関係する本が多かった。

北海道っぽい本

 そしたら中空土偶が表紙の本発見!これを借りることにした。

中空土偶の本

 あと、ベンツ図鑑みたいのもあったので借りようかと思ったけど、分厚すぎるのでやめた。

 函館の文学者、亀井勝一郎の本もあってびっくりした。借りはしないけどね。

亀井勝一郎の本

 こういう本はどういう人が読みそうだと思って本棚に入れているんだろう?と思った。

 ロビーの近くにはバーがあり、ビールなどをタダで飲ましてくれた。妻はビールを飲んでいたが、泡が絶妙だと言っていた。

お風呂上りにタダで飲ませてもらった妻のビール


自分はグレープフルーツジュースをもらった

 バーの窓にはいろんな酒が置いてあったが自分には無用である。でもなんか綺麗だったので写真だけ撮った。


 部屋に戻り少しウダウダして、部屋の風呂に入ってみることにした。妻が写真を撮ってくれた。

部屋の風呂に入る私

 夕食は7時半からだったので、時間になったら2階の食事場所に行った。個室になっていて二人でゆっくり食事を楽しむことが出来た。

献立

 食前酒に炭酸の入ったワインみたいのが出てきて、調子に乗って飲んでみたら顔が真っ赤になってしまった。

 いろんな料理が出てきたが、どれも美味しく頂くことが出来た。一部だけ紹介。

海鮮系の料理

 メインは肉と海鮮から選ぶ。自分は肉、妻は海鮮を選んだ。

メインの料理(肉)


デザート

 ここで紹介したのは一部だけだが、食事開始から終了まで2時間くらいかかった。係りの人がタイミングを見計らって料理を運んでくれて、一回ずつ説明してくれた。今日は札幌などで大雪になった日で、千歳空港も大混乱していたのをニュースで見た。
 係りの人に、「今日急に来られなくなったお客さんもいるんですか?」って妻が聞いたら、「5組位いらっしゃいます」と言っていた。

 食事は2時間かけて食べたので満腹中枢がやられたのか、もしくはボリューム満点だったのかよくわからないが、とにかくお腹はいっぱいになった。

 最後、明日の朝食を和食にするか洋食にするか聞かれ、自分は洋食、妻は和食を選んでごちそうさまをした。

 ホテルに入る前にコンビニでおやつとかケーキとか買ってきたのを後悔した。

 部屋に備え付けられている冷蔵庫にはビールとかお茶とかが入っていて、全部タダだと係りの人が言っていたので、遠慮なく頂きながら函館で借りてきたDVDの映画を見ながら夜を過ごした。

 北野武の映画で、元ヤクザの爺さん達が寄り集まってまたヤクザの組を作って暴れるという内容の映画だったが、ユーモアがあり面白かった。ただし、最後の終わり方がイマイチだった。

 もっとゆったり夜を過ごしたかったけど、けっこう疲れたのか、眠くなってしまい寝ることにした。すぐに熟睡・・・。



 朝、普段通りの時間位に目覚めた。朝食会場に行く。また個室でいろんな料理が出てきた。朝食に食べる量じゃねぇと思った。一部だけ画像で紹介。

5種類のドリンク

サラダ

和食のおかず

 自分が選んだ洋食も、パンが3個とか付いてきて、食べるのに一苦労だった。

 朝食を終え、チェックアウトまでしばらく時間があったので、部屋の風呂に入ったりして過ごした。

私の足

お湯が出てくるところ

 望楼NOGUCHI登別、なかなか良い温泉ホテルだった。また機会があれば利用したいと感じた。

 チェックアウトをして、今回の旅の最大の目的である室蘭の「北海道現代具象展」を見に行った。中は写真を撮ったら怒られるかもしれないので撮らなかったが、図録を購入したのでその表紙の画像をここで紹介する。

図録の表紙

会場

 移動展という事もあり、出展数が少なくちょっと残念だったが、さすが北海道を代表する画家や名の知れた招待作家の作品が多く、良い絵を見ることが出来た。

 作品数が少なかったせいもあるのか、思いのほかすぐ見終わってしまったので、ちょっと観光でもするかという事になり、地球岬方面や測量山方面を見に行った。

 測量山の山頂近くに着いたら、靴が並べて置いてありびっくりした。もしかして飛び降りた?と思ったけど、ここから飛び降りても笹薮に突っ込んで終わるだけで死ねないだろう。一応少しだけ辺りを見回したけど死体らしきものや裸足の足跡も無かったので自殺者のものではないと判断した。妻はかなり気持ち悪がっていた。

並べて置いてあった靴


工場地帯


白鳥大橋

 お昼は妻が知り合いの人から聞いていた喫茶店のようなレストランのようなお店でビーフシチューとかを食べることにした。輪西という地域にあるのだが、街のさびれ具合がやばかった。こんなさびれた街の一角に店があり、なんと満員!街の静けさからは考えられなかった。少し待ってから席に案内され、妻はタンシチュー、私はビーフシチューを頼んだ。
 美味しかったんだけど、料理を運んできたりするおばちゃんがすごいぶっきらぼうで妻と二人して笑ってしまった。登別の温泉の係りの人達が凄く丁寧な対応だったからそのギャップだろうか?
 隣の席にいたおばちゃんとおばあちゃんみたいな感じの人達は望楼NOGUCHI登別の話をずっとしていて、知らんぷりしながら耳がダンボになってしまい、「今行ってきましたよ」って言いたいくらいだった。

ビーフシチュー

さびれた街の感じ

つぶれた洋食屋のショーケース
人形が怖いと妻が言っていたけど、自分は別に怖くなかった

 昼食を済ませ、叔父のいる本輪西に向かった。久しぶりに会って話をしていた時に、以前祖父母が登別に住んでいて、幼少の頃よく遊びに行った家が、一体どこにあったのかさっぱりわからないという話をしたら、叔父が「その家は多分今でもあるはずだから見に行くか?」と言ってくれたので、妻と3人で見に行くことにした。
 なんとなく「この辺かな?」と思っていた場所とは全然違う場所だった。だけど、自分が幼稚園とか小学1年生位までよく遊びに来ていた祖父母の家だったので、家を見た瞬間に「あ、確かにこの家だな」と色々思い出した。

 子供の頃の記憶では庭が凄く大きくて、大きな石があったりして走り回って遊んでいた記憶があるんだけど、実際に見てみたらそんなに大きな庭じゃなくてびっくりした。だけど昔は本当に大きな庭があって、その後庭の半分くらいを売って違う家が建ったらしい。築年数もかなり経っていると思うけど、綺麗にして使われていたのでなんだかちょっと嬉しかった。遊びに来た時はこの2階で夜寝ておねしょをしたような記憶がある。

旧祖父母住宅

 祖父も祖母も自分が高校生や大学生の時に亡くなったので、もうこういう懐かしいものを見れるとは思っていなかったので、とても嬉しかった。

 室蘭に戻り、叔父に別れを告げて、函館に帰ることにした。途中伊達の道の駅でなんか色々購入した。

伊達の道の駅で見つけた面白い絵(小春ちゃん)

 道の駅で買い物をして高速道路を利用し函館に向かったけど、国縫のインターあたりで「これは下の道を通って帰ってもいいんじゃないの?って話になった。そんなに急いで帰らなくてもいいし、お金も使ったから。

 ところがインターを降りたら凍結していてツルッツル!大変だったけど何とか無事に自宅に到着できた。

 今回の一泊旅行は北海道現代具象展を見に行きたいというのがメインだったんだけど、帰ってきてみれば登別温泉一泊旅行というのがメインで、ポロトコタンや絵画展はついでに行ってみた程度な感じだった。

 けど、ゆっくり硫黄の温泉に浸かって溜まっていた疲れや肩の凝りもほぐせたけど、帰りのツルツル路面が大変で、家に着いたらバキバキに肩が凝ってしまった。