生物部始動
2017.4.9

 雪が融けてからずいぶん時間もたち、昨日は車のタイヤも夏タイヤに交換した。家の前のミニ畑では、秋に植えたチューリップも芽を出してきた。春休みも今日で終わりと言う感じで、ちょっとスタートが遅かったかもしれないが、生物部の野外活動をスタートさせることになった。

 この3月、対馬先生はめでたく定年退職となった。60歳には見えず、退職するにはまだ早い。でも年齢で決まっているので仕方ない。

 というわけで、生物部から対馬先生は去って行った。自分が函館に戻ってきてからの3年、一緒に部の顧問として活動してきたし、対馬先生自体は30年弱生物部の顧問だった。
 そういう対馬先生を部活から失い、新しい顧問が入ってきて、新たな活動になる。

 当然、今の生物部の活動で蝶の知識や色々な事を指導できる先生なんていないわけで、新しく入ってくる顧問の先生には、専門家でもないのに土日の休みに「部活ですから一緒に山に行きましょう」なんて自分は言えない。

 自分だって、全く知識も経験も興味もない部活動の顧問にされて「土日、部活あるから出てきてください」なんてつらっと言われたら死にたくなる。

 なので、新しい顧問の先生とはその辺の事を事前に話し合った。生物部がこれまでどんな活動をしてきて、今年はどういう活動をしようとしているのか、そして春から秋まで天気の良い土日は野外活動が多くなることも。

 新しい顧問の先生(木村先生という)は前向きに考えてくれているようだが、家庭の用事や自分のやりたいこともあるだろうから、嫌々参加したり、無理して参加することの無いようにお願いして、とりあえずは気の向いた時だけでいから一緒に参加してください。という事になった。

 で、今日は蝶の調査もあるけど、時期的にアイヌネギ(これまでの活動記録ではギョウジャニンニクと記載)も採れるだろうという事で、蝶とアイヌネギと春の花の観察という活動内容にすることにしていた。
 新しい木村先生も参加することになった。

自宅のチューリップ

 対馬先生は退職してしまったが、活動に参加してはいけないというわけでは全くないし、部員達のためにも一緒に参加してもらった方がありがたいので、今日も一緒に活動することになった。と言うか、部員が誰も参加しなくても、二人で行こうと打ち合わせていた。

 対馬先生と自分はハッキリ言って特別な関係である。(と、言っても恋人同士とかではないけど)
 自分が高校に入学して生物部の部員になった時の顧問が対馬先生で、3年間部員と顧問と言う関係があったし、担任の先生ではなかったけど、大学に行き教員になることを勧めてくれたのも対馬先生と担任の先生だったし、高校を卒業してからもずっと付き合いが続いていたし、自分が函館に戻ってきて3年間生物部の顧問として活動したりしただけではなく、職場自体が同じわけだからいろんなことを一緒にしたし、家を建てる時も土地決めから工務店の紹介から家の間取りから、全部関わってくれた。更に部活が無くても一緒に自転車でしごきに行ったり、遊び相手という事も言える。だから部員が誰も参加しないとなっても、対馬先生と自分の二人で山に行って活動したりしたことが何回もある。当然部員がいなければ部活ではなくプライベートという事になるけど。
 なので、退職したからと言って「今までお世話になりました。さようなら」とはならないのである。
 他の先生方が退職したり転勤したりすれば寂しい気持ちになるもんであるが、対馬先生の場合、自分とはそういう付き合いであり、これからも付き合いが続いて行くと思うので、寂しいというか、先に退職してずるい!位にしか思わなかった。


 部員の参加者は、昨年に引き続き部長を務めるYさんと、同じく昨年に引き続き副部長を務めるN君、そして、今年2年生になり、新たに副部長になったW君の3人。それに大人が3人の合計6人となった。

 この林道にはほぼ毎年訪れていて、春の花やアイヌネギ採りをしているおなじみの場所だ。

 林道を歩き始めてすぐにコンブが干してあったので撮影した。

干してあるコンブ。わかめ?

 ここ数日の中でも気温は低く、10℃以下位の感じ。薄日が差すときもあるけど基本曇っていて少し寒い位。それでもここ数日は気温も高かったし、時期的にも春の花が咲きだすころで、エンレイソウも咲いていた。

エンレイソウ

 ちょっとした池みたいのがあって、オタマジャクシとサンショウウオの卵があった。サンショウウオは卵の下に親がいることが多いから、新しい顧問の先生にも見せたかったけど、見つけられなかった。

カエルとサンショウウオの卵

 よくわからないけど、あまり水の流れが無いようで、この先干上がってしまいそうな感じの池だったけど、干上がらなかったとしたらほぼオタマジャクシはサンショウウオに食べられる運命かなと思いながら観察していた。

 花に関してはキクサギイチゲ、カタクリなども咲いていて、フキノトウはけっこう大きくなっているものもあった。

キクサギイチゲ


カタクリ

 蝶は越冬明けのクジャクチョウが1頭。これが自分にとっては今年の初蝶となる。

 留萌地方に転勤した元同僚の方が2日位前に「クジャクチョウの写真撮った」とメールで送ってきてくれていたり、他にも蝶を見たという人も多かったので、初蝶目撃が今日である自分は遅い方だと思う。時期的にはシロチョウ科のやつなら羽化していてもいい種類もあると思うし。

 アイヌネギはいい感じで生えていた。部員達も初蝶を見られて一つの成果が出せたので、アイヌネギ採りを開始することにした。

アイヌネギ

 新しい顧問の木村先生にアイヌネギの見分け方を教え、部員達はもう何回も採っていて知っているので勝手に採っていた。ちなみに似ている種類でアイヌネギじゃないやつもあるが、見分け方は、アイヌネギなら根元の方が赤茶色になっている。それから切って匂いを嗅いでみたらニンニクの匂いがするのですぐに区別できる。根元が赤茶色じゃないやつは採らない。

 今年初の活動という事もあり、部員達も張り切ってアイヌネギを採っている。斜面をよじ登って。さすが!

右が部長、左が副部長のN君


マスクをしているのが今年副部長になったW君。期待してるよ!

 対馬先生は相変わらず60歳とは思えない行動力でスタスタ斜面を登って行き、ハンターとあだ名をつけられるほど手際よくアイヌネギを採っていた。

定年退職しても元気さは変わらない対馬先生

 ある程度満足できる位アイヌネギを採集したので戻ることにした。
 自分はかなり汗だくになった。

斜面を歩きながら戻る最中

 フキノトウにハエみたいのが数匹来ていたので対馬先生に「写真撮らないのか?」と言われ、そんなに撮りたくなかったけど撮った。

フキノトウとハエ

 今までは活動の様子はほとんど自分が撮影して記録に残しているんだけど、そういうのも部員でやってくれるようになればいいのになぁ〜と感じた。フキノトウとハエの写真を撮りながら。

 戻る最中、反対側の斜面にもアイヌネギがあるんじゃないかと、N君を偵察に向かわせたが、あんまり無かったみたい。

偵察中のN君

 新しく顧問になった木村先生には「長靴とカッターと袋を持って来てください」って言ってあったんだけど、長靴の底に貼っていたやつが取れちゃったみたい。最初片方だけだったんだけど、帰る途中にもう片方も取れちゃって、対馬先生が大笑いしていた。実際面白かったので写真を撮った。

木村先生の長靴からはがれたやつ

 戻る途中にもアイヌネギが生えている所がたくさんあって、自分も斜面を登って採った。部長のYさんが写真を撮ってくれた。

斜面の上の私(撮影Yさん)

 もう一カ所、行こうかどうしようかと考えていたポイントもあったんだけど、みんなそれなりにアイヌネギを採ることが出来たので、今日はこれ以上深追いをせず帰ることにした。林道の入り口付近まで戻ってくると電柱にウルトラマンがいた。かなり海老反り。

エビ反りのウルトラマン。腕も短い


ネコ

 去年もだいぶ記念撮影はしたんだけど、今年も活動した時にはなるべく記念撮影をしようと思う。自分が忘れていたらその時参加した部員が指摘してほしい。記念撮影をする事によって、どの部員達が参加したかもよくわかるし。

記念撮影
後ろ真ん中で帽子をかぶっているのが新しい顧問の木村先生
前は右からN君、Yさん、W君

 そう言えばN君は「ダニがいた」と言っていたので、注意が必要である。

 今年も生物部の野外活動が始まった。対馬先生が退職し、新しい顧問の先生を迎え、昨年とは色々違う部分も多くなると思う。でも対馬先生にも日程が合えば部活に参加して部員に色々教えてほしいし、部員達は木村先生に色々教えてあげて欲しい。

 新入部員が入って来るかどうかわからないけど、今年も怪我なく楽しく、内容の濃い活動にし、部員達には自然や生き物について多くの事を経験したり学んだりしてほしい。