上ノ国満喫
2017.6.11

 久しぶりの部活である。ゴールデンウイーク以来、なかなか野外活動をすることが出来なかった。
 土日に天気が悪い、せっかく晴れた土日に私がぎっくり腰で寝たきり状態、テスト期間で部活禁止。そしてようやく今日、1か月以上ぶりに野外での部活をすることが出来た。

 昨日(土曜日)は朝から物凄い豪雨でどうなる事かと思ったが、夕方近くになってから少し晴れだし対馬先生と鉄山に行ってアサギマダラの卵があるか観察。しかし、イケマが少し小さい感じもあり、卵は見られなかった。

 今日は上ノ国方面の大安在でアサギマダラが来ていないか確認することと、付近の林道で蝶の調査をすることにした。

 函館の天気は良く、期待できたが、天気予報では江差方面より函館の方が天気が良さそうだったので、晴れて欲しいと願いながらまずは大安在に向かった。

朝の自宅前。快晴!風が少し強かった

 大安在は曇っていた。これではちょっと難しいかなと思ったけど、1年生部員が3名参加していたし、彼らにとっては初めてのちょっと遠い場所での活動という事もあったので、とりあえずスナビキソウの観察も兼ねて歩いてみた。

大安在の砂浜に到着

 いつもアサギマダラを観察するポイントに到着。思った通りアサギマダラはいなかった。1年生部員にスナビキソウの匂いを嗅がせ、あとは平べったい石探しなどをしながら戻った。

スナビキソウの匂いを嗅ぐ1年生H君

 平べったい石以外にも色々流れ着いていたりするので、お宝は無いかと思っていたら、イカ釣りの電球みたいのが落ちていた。波打ち際近くに落ちていたけど、割れているわけでもないし、なんとなく誰かが捨てたか置いたか、こんな所に置くはずはないと思ったので、持って帰って売ったら高く売れるんじゃないかと思った。
 中を見ても壊れている感じもしないし。(だけど、電気がつくかどうかはわからない

波打ち際に落ちていた電球

 これ、持って帰ってオークションで売ったら何千円とかになるんじゃないの?と思った。海鮮居酒屋のオブジェとかにも使えそうだし。
 でも、万が一誰かが置いているだけで、窃盗になったら嫌なので持ち帰るのをやめた。勿体ない事をしたような気もする。

 今日の大安在は波が高く、いつもより迫力のある感じだった。


 部員のうち数名は平べったい石を探していた。対馬先生へのお土産だって。

平べったい石

 次に近くのキノコ林道に向かった。天候は晴れたり曇ったりの感じだったんだけど、木村先生チームと自分チームで別れて歩くことにした。

 木村先生チームには2,3年生部員が、私チームには1年生が入り、反対方向に歩いて、20分経ったら引き返してくる約束で。2,3年生には「木村先生に色々教えながら歩け」と指示を出した。

 木村先生は蝶の専門家でもないので、何も知らないから2,3年生が色々教えてあげて木村先生に覚えてもらう事と、教えることによって、自分もまた覚えるという効果もある。
 1年生は私が色々教えながら歩いた。

 綺麗なトンボがたくさんいたが、蝶の数は期待ほどではなかった。

トンボ


採集しながら歩く1年生部員


木にいたヤマキマダラヒカゲ。樹液出てるのかな?


ゾウムシみたいの。交尾してるのか襲われてるのか、よくわからない


綺麗なゾウムシみたいの

 エゾスジグロシロチョウ、スジグロシロチョウ、サカハチ、ヤマキマダラヒカゲなどがいて採集させたりもした。
 黒いアゲハが1頭飛んでいて、オナガアゲハのような気がしたが確実ではない。

 20分して引き返したら、木村先生チームもこっちに歩いてきた。

 今回、部員達には網セットを購入してもらったのだが、赤いネットがやけに目立っていた。副部長W君の網だったかな?

 W君はオナガアゲハを採集していた。ちょっとボロだったけど♂だった。1年生部員のK君がオナガアゲハを見て「かっこいい〜!」と言っていたのが印象的だった。

こっちに向かってくる木村先生チーム

 続いて、恒例の上ノ国八幡宮の宮司さんへの挨拶に向かった。

 だが、宮司さんは夷王山の草刈りに行っていると奥さんが言ったので後で行くことにし、境内をちょっと見学。

この灯篭?の亀の頭を触るといい事があると去年宮司さんから聞いたのを部長が覚えていて、1年生部員に触らせているところ。奥では1年生S君がお参りしている。


神社


本日の記念撮影

 で、夷王山に向かった。頂上まで行くと宮司さんがいて、「今年もよろしくお願いします」と挨拶をした。
 少しして宮司さんは軽トラで坂道を下って帰って行った。

夷王山山頂

 ここでギンイチモンジセセリ発見。こんなところにいるんだね〜と思いながら撮影した。十勝では局地的ではあるがけっこういる場所があって、そんなに珍しいとも思っていなかったが、道南でも局地的なのか、そんなに見ることが無い。3頭位部長に採集させた。

ギンイチモンジセセリ

 せっかく夷王山の山頂まで来たので、記念撮影をしようと思い、再度記念撮影をした。

夷王山山頂での記念撮影

 そして今日最後の調査、苫符林道に行った。天候はたまに日が差す程度であまりよくなかったけど、せっかく来たからと10分か15分程度歩いたところにあるゲートまで行き、そこで引き返してくることにした。

 道は1本だけど、さっきと同じチームに分けて、木村先生チームに先に行ってもらい、数分後に自分たちが行く事にした。

カラフルな網

 ここではクロヒカゲが多かった。ゴールデンウイーク以来の野外活動で、もう黒いアゲハの時期も最盛期から終わりかけの感じだし、クロヒカゲなども見られる時期になっている。そう言えば道央近辺のオオイチもあと10日か15日位したら出てくる時期だろうし、林道わきの草も凄い。いつの間にか夏がやってきたんだと感じた。

クロヒカゲ

カナヘビ

カエル

 今日はこいつがやたらいた。ゲンダカモッコ。こういう毛虫の総称で道南の方言らしい。
 最初部長が言っていて「なによそれ?」って思っていたんだけど、最近は抵抗なく「ゲンダカモッコだ!」って言ってしまう。しかも部長は「ゲンちゃん」って短縮形で読んでいる始末。

ゲンダカモッコ

 1年生部員にはドクガの幼虫を見せて気をつけさせようと思っていたのだが、今日は1度もドクガの幼虫を見つけることが出来なかった。今年は少ないんだと思う。その代りゲンダカモッコだらけ。

甲虫

 1年生部員のK君の網には何故かずーっとサカハチがくっついていて離れなかった。
 網を購入して今日が網のデビューだったんだけど、何がそんなに気に入って離れなかったんだろうか?

K君の網にとまるサカハチ

 最終的には手乗りになって、K君も手乗り蝶を楽しんでいたみたい。もしかして弱っているKとか、怪我をしているとか、そういうサカハチなのかなと思ったけど、K君が指を振り払ったら普通に飛んで行った。

手乗り蝶

 久しぶりに野外活動ができて嬉しかったが、天候がもう少し良かったらと思ったのと、ぎっくり腰が治りきっておらず少し辛かった。そして1か月以上ぶりで林道を歩き、そんな長い距離でもなかったんだけど、やけに疲れた。こんなもんでこれだけ疲れたのはちょっとショック。リハビリが必要なようだ。

 今日は全て上ノ国町での活動だったが、見られた蝶は以下の通り。

 キアゲハ、オナガアゲハ、スジグロシロチョウ、エゾスジグロシロチョウ、ツマキチョウ、ルリシジミ、ベニシジミ、ヒメアカタテハ、アカタテハ、コミスジ、サカハチ、シータテハ、ヤマキマダラヒカゲ、クロヒカゲ、ギンイチモンジセセリ

 以上15種類
 天気が良かったらこの他にカラスアゲハ、ミヤマカラスアゲハあたりも見られたと思うし、苫符林道ではヒメジャノメも期待していたけどダメだった。