偵察
2017.6.17

 帯広在住の時に一度だけ蝶の撮影で案内した本州のSさん。その後もメール等でのお付き合いが続き、昨年標本箱を40箱、生物部の部員のためにと贈っていただいた。
 そのSさんが、カバイロシジミを撮影するために7月に函館に来ることになった。

 カバイロシジミと言えば、北海道と本州最北部に生息している蝶で、北海道においては海沿いから山まで、草原っぽいところを中心にどこでも見られる印象があるが、見られると言っても個体数は多くなく、たまに見られるという印象を持っている。

 なので、カバイロシジミ目的で歩くと言うよりは、他の蝶狙いで歩いている時にたまに見かける蝶という感じなので、いざ「カバイロシジミを撮りたい」と言っても、「じゃぁここなら確実!」と言う場所を知らない。

 Sさんからは南茅部地域の地名を情報として教えてもらったので、そこに行ってみることと、対馬先生からは鹿部のポイントを教えてもらったのでそこも見に行くことにした。

 時期的には最早記録が5月下旬なので、もう見られてもいいと思うが、ダラダラ発生するので見られないかもしれない。とにかく、場所の確認だけをして、Sさんが函館に来るときに案内できそうかどうか先に偵察するのが今日の目的だ。

 まずはSさんが教えてくれた南茅部地域の場所に向かった。メールに書かれていた地名は道の駅「縄文ロマン南かやべ」のすぐ近くだったので、付近を捜索した。

南茅部地域でカバイロシジミがいそうな場所を捜索


臼尻霊園

 色々歩いてみたが、カバイロシジミがいそうな場所が見つからない。食草であるクサフジも見つからない。もう少し偵察しようかと思ったけど、対馬先生が部員2名を連れて鹿部のポイントに向かっているというので、合流すべく自分たちも鹿部に向かった。

 軽トラに子供が乗っていて、いかにも田舎ののんびりした雰囲気。のどかでいいなぁと思った。子供は小学生くらいかな?
 ボルネオに行った時もこんな光景があったような気がする。

軽トラの後ろに乗り風を浴びる少年

 鹿部のポイントに着いた。対馬先生とも合流。周りはクサフジだらけでいかにもカバイロシジミがいそうな気がしたが、見つけられなかった。時期がちょっと早かったかな?

 海がすぐ近くだったので、海岸まで行ってみた。

海岸で漂流物などを観察


絵になる男、副部長N


でっかい岩に乗っている部員。駒ケ岳が噴火した時に飛んできた噴石だろうか?

 カバイロシジミは見られなかったけど、ルリシジミは見られた。

ルリシジミのメス

 食草であるクサフジには何種類かあるらしい。ここに生えているのは何クサフジなのかわからないけど、とにかくたくさんある。

クサフジ

 今年は大きな蛾の幼虫がやたら目につく。その代りドクガの幼虫はまだ一度も見ていない。部長が「げんだかもっこ」と言うが、函館近辺の方言らしい。毛虫と言うよりゲンダカモッコと言った方が可愛く感じる。

ゲンダカモッコ

 ゲンダカモッコは「ゲンダカ」とか略され、部長はもう「ゲンちゃん」と呼んでいる。写真のベージュタイプと黒とオレンジのやつがいて、ヒトリガの仲間の幼虫らしい。

海岸。奥に見えるのは青森だろうか?

 自分はビーチグラスを探した。小さいけど熟成が進んだいい感じのビーチグラスを見つけることが出来た。

ビーチグラス(帰宅後撮影)

 とりあえす偵察は終了。カバイロシジミはいなかったが、いかにもいそうなポイントだ。もう一回くらい確認に来てもいいかなと思った。

 この後、きじひき高原に向かった。対馬先生がワラビを採りたいらしい。自分はワラビはそこまで好きではなく、ウドとかアイヌネギをてんぷらにして食べるのが好きだ。ワラビは煮たようなやつで、どうもジジババが食べるやつみたいな印象があるし、天ぷらでは食べないし、焼肉屋のナムルに入っている気がするけど、美味しくても大量に食べる感じでもない。

 だけど、ワラビを採る時、ワラビの茎を持ってゆっくり曲げるとポキッと折れる感触が好き。

きじひき高原から見た大沼

 ワラビがいっぱい生えていると思われる場所に行ってみたが、かなり成長しているワラビばかりで、山菜として採るのに適しているものはごくわずかのように感じた。

成長したワラビ

 部員には網を持たせて蝶の観察もさせながら、自分はワラビ探し。部員も少し見つけて自分のために採ってくれた。

対馬先生が採ったワラビ

 最終的に自分は1回分くらいのワラビを自分+部員に採ってもらった。1年生のK君は「持って帰る」と言って持ち帰った。

 いつも撮っている記念撮影をし忘れて、帰りの途中で撮影した。

今日の記念撮影

 実は自分は今年もう2回ダニにやられている。部員のK君もこの前ダニにやられ病院に行って切開して取ってもらった。しかも病院から帰ってきたら肩付近もダニにやられていることがわかり、金曜日に私が取った。(そのダニは死んでいた)

 部活中のダニだけは責任が持てない。小さすぎて見えないし、服の中に入り込んだらわからない。部活中も時折ダニチェックはさせているが、完璧にチェックは出来ない。
 ダニには病原菌を保有しているものもあり、北海道でも死者が出たという報告もある。

 刺されたことがわかったら、無理に引っ張って取ろうとすると頭だけが皮膚に残ってしまうし、ダニを摘まんだときに体液が逆流して人間の身体に病原菌を送り込んでしまう事にもなりかねない。

 ダニにやられたら病院に行って取ってもらって抗生物質をもらって数日経過観察をするのが最善だと思うが、自分のようにこれまで何十回もダニにやられているものにとっては、そのたびに病院に行っているわけにもいかない。

 自分は、自分に付いたダニを採るのはプロ級になったが、背中をやられた時だけは病院に行って取ってもらう。妻に「やって」と言っても「嫌だよそんなもん」と断られるし。

 しかし、たまたまネットでこんなものを見つけた。

 これは小さなくぎ抜きみたいな形をしているが、ダニを挟んでクルクル回るとあら不思議、簡単にダニが取れちゃうよ!という商品で、ティックツイスターというものだ。

 本来は犬とかについたダニを取る物らしいが当然人間にも使えるのだ。

 さっそく妻に注文してもらい、今日届いた。これでダニにやられても簡単にクルクル回してダニが取れるぞ!

 部員が刺されたら、「自己責任でやります」という場合だけ貸してあげようと思う。あくまでも自己責任で。

 というわけで、次回の活動以降、ダニに刺されるのが楽しみになってきた。早く実験してみたい。
もちろん刺される前に見つけちゃったらその場で殺しちゃうけど、気づかないうちにダニにやられたらこれを使ってみようと思う。そーっと刺せよ〜!!