ミヤマカラスシジミとたくさんの種類の蝶
2017.7.23
 
 今日は天気が悪い予報だったが、もし晴れたらミヤマカラスシジミを見に行こうと思っていた。朝起きたら天気は曇りだったが、どうせ妻も仕事だし、自分も家にいてもしょうがないから、曇りでもミヤマカラスシジミを見に行く気持ちでいたところに対馬先生から電話が来て「今日はどっかいくのか?」と聞かれた。

 「ミヤマカラスシジミを見に行こうかと思う」と答えると、一緒に行こうという事になった。

 9時半に対馬先生宅に迎えに行くことになった。

 自宅のブッドレアが咲きだし、少しだけ蝶が来るようになった。今朝はクジャクチョウが遊びに来ていたので、それを撮影してから今日の活動スタートだ。

 今日も見た蝶全種撮影しようと思った。

1クジャクチョウ
自宅のブッドレアで吸蜜


吸蜜に夢中で近づいても逃げない

 約束の時間に対馬先生宅に行き、そこからミヤマカラスシジミのポイントに向かった。時期的には発生していれば綺麗な個体が多いだろうと思っていた。

 ポイントでは比較的たくさん蝶が飛んでいたように思う。

 ヒョウモンチョウはけっこうたくさんいて、オスはボロ、メスは新鮮という感じだった。対馬先生が「こんなにメスを見たのは初めてだ」と言い、かなり採集していた。かなり採集していたが、個体数もかなりいたので大丈夫だろう。自分も、2頭か3頭採ってもらった。

2ヒョウモンチョウ

 モンキチョウはヒョウモンチョウに比べると少なかったけど、超普通種だし、あまり注目しなかった。

3モンキチョウ

 コキマダラセセリはかなり多く、今日のセセリチャンピオンである。コチャバネセセリもいた気がするけど、撮り忘れてしまった。今日の目標である「見たチョウ全種類撮影!」が崩れてしまった。(帰ってから撮影していないことに気付いた

4コキマダラセセリ

吸蜜

 キバネセセリは一頭だけ目撃。道路でなんか吸っていた。

5キバネセセリ

 ヒメウラナミジャノメは普通種だからそんなに注目しなかったけど、多数飛んでいた。

6ヒメウラナミジャノメ

 そしていよいよ今日の目的の蝶であるミヤマカラスシジミの所に来た。最初確認出来なくて、もしかしてまだ発生していないのかなと思ったけど、道路からではなくて、少しけもの道のような場所を入った方が見つけやすい事を知っていたので、けもの道に足を踏み入れた。その瞬間から多数のミヤマカラスシジミを見ることが出来た。

7ミヤマカラスシジミ

 ひとつの花に6頭止っている光景とかもあり、かなりたくさんいるなと感じた。対馬先生は採集開始。

多数のミヤマカラスシジミ

 対馬先生はハンターとあだ名を付けられている。今日もハンターのDNAが彼を止めることは出来なかった。発生していたのはオスが多かったせいもあり、「オスならいいんだ」とか言いながら採集。「少し残しておいてやれ」と言いながら採集。「もうこの位でいいべ」と言いながらまた採集。一旦場所を離れた後、また戻ってきて採集。ちょっと違う場所でまたミヤマカラスシジミが多い場所を見つけて採集。さて、どの位採集したのだろうか?自分も2頭か3頭もらって、自分自身でも2頭位採集した。思っていたより多かったし、ちょっと違う場所でたくさん見つけられたのも良かった。写真もたくさん撮影することが出来た。

 ここには一帯にキマダラセセリも多い。キマダラセセリって北海道ではあまり多い印象は無いんだけど、普段違う場所で活動していても時々登場する種類で、見つけたら「お、キマダラセセリいた!」って思う位なんだけど、ここでは特に何も感じない位いた。
 

8キマダラセセリ


キマダラセセリの裏面

 今日一番驚いたのは、キマダラモドキがいた事。最初ヒョウモンチョウかと思って対馬先生に「ここにもいるよ」的な事を言ったら、「キマダラモドキだ!」と対馬先生が言った。よく見たらキマダラモドキだった。目が悪くなってきているなと思ったけど、メガネかけたら汗でずり落ちるし、コンタクトは目に入れるの怖いし・・・。

 「ちょっと写真撮るまで採らないで!」と頼んで撮影。「飛んだら採っていいよ」って言ってたんだけど、実際に飛んだ時には採集できなくて、ちょっと飛んでまた止まった所を採集した。

9キマダラモドキ

 キアゲハは最近かなり多い。どこに行ってもたくさん飛んでいる。綺麗な蝶なんだけど超普通種だからあまり注目されない。

10キアゲハ

 ミズイロオナガシジミはいるんじゃないかと思っていたが、なんとか1頭だけ見つけることが出来た。ウラミスジシジミも見れるかと思ったけど、見れなかった。

11ミズイロオナガシジミ

 綺麗なツバメシジミの♀がいた。本当に綺麗だ。普通種なのかもしれないが、新鮮なメスは綺麗すぎる。

12ツバメシジミ

 今朝自宅で撮影したけど、一応ここにもいたので撮影

クジャクチョウ

 クロヒカゲはそこまで多くなかったような気がしたけど、まぁ普通に飛んでいた。証拠写真程度にしか撮影できなかった。

13クロヒカゲ

 ウラゴマダラシジミも撮影することが出来た。「いるかもな」という候補には自分の中では上がっていなかったけど、まぁいても驚くほどのことは無く、あ、ウラゴマダラいたね、って程度。

14ウラゴマダラシジミ

 ルリシジミも証拠写真程度にしか撮影できなかった。撮影できなかったというよりは注目して撮影する気にならなかったというのが本当のところ。超普通種だから。

15ルリシジミ(夏型)

 林道の入り口近くでベニシジミを見つけた。夏型だと思うがボロだった。

16ベニシジミ

 カバイロシジミは絶対撮影しようと思っていた。が、けっこう飛び回っていて撮影するのが大変だった。でも綺麗に撮ることが出来た。今年は本当にカバイロシジミと縁がある年になった気がする。自分でも色々勉強になった。

17カバイロシジミ

 自宅に戻った時に撮影した写真を見ていたら、偶然飛んでいる写真が1枚混じっていた。ちょっとピンボケになっているけど、珍しいので。

カバイロシジミ

 イチモンジチョウも普通に飛んでいた。アサマイチモンジもいるんじゃねーの?と思って、それっぽいのを写真に撮った。さてこれはどうなんでしょう?

18イチモンジチョウ

イチモンジチョウ

 全部で18種類の写真を撮れた。キマダラヒカゲとコチャバネセセリだけ撮り忘れてしまった。日差しが強いときはジリジリと焼けそうになり、汗だくになった。対馬先生はヒョウモンチョウの♀とミヤマカラスシジミをたくさん採集し、多分他のも採集したと思う。

 けっこう満足したので一旦帰ることにした。そして今日は夕方にオナガシジミの観察に行くことになった。私の自宅裏の丘みたいになっている所にオニグルミがたくさんあり、冬場に対馬先生が卵を確認していたので、成虫がちゃんと出ているかの確認。
 4時にオニグルミがある近くで待ち合わせをしたが、自分はけっこう元気だったので3時前に自宅を出て自転車で自宅裏の丘の蝶を観察することにした。

 さっきちゃんと撮れなかったルリシジミやクロヒカゲの写真も撮ることが出来た。

ルリシジミ


クロヒカゲ

 自転車で四季の杜公園に向かった。お花畑に蝶が来ていると思って。

 思った通りキアゲハやシロチョウ科の蝶が多く来ていて、あとヒメアカタテハもいた。

キアゲハ


キアゲハ


モンキチョウ

19 モンシロチョウ

 四季の杜公園をウロウロし、遊びに来ている子供たちの楽しそうな声を聞きながら、だんだん対馬先生との待ち合わせ時間が近づいてきたのでそこに向かう事にした。途中、ミドリシジミ類が多い場所を見つけ少し観察したけど、採集も撮影も難しそうな感じだった。

ミドリシジミ類
(種類がはっきりしないので1種に数えない)

 対馬先生と合流し、オナガシジミがいそうな場所に向かった。歩いていると綺麗なスジグロシロチョウがいて、撮影することが出来た。

20スジグロシロチョウ(逆光バージョン)

 撮影したら逆光だったので対馬先生が「こっちに回って撮れ」と言った。言われた通りにして撮影したのが下の画像。上の画像と比べると、光の加減によってずいぶん印象の違う写真になるなと感じた。

順光

 4時くらいに待ち合わせをしたのはオナガシジミが夕方活発に飛ぶからだ。なんとか写真に撮りたいなと思ったが、実際この場所にはかなりたくさんのオナガシジミがいた。飛んでいる姿はキラキラ光って見えてとても綺麗だった。

21オナガシジミ


翅を開いたところ

羽を閉じたところ

 たくさんいたのでたくさん撮影できたけど、距離が遠い場合が多かったことと、マクロレンズを持ってこなかったので、今度機会があったら早朝とかにまだ下草にいるような不活発なオナガシジミをマクロレンズで大きく撮りたいなと思った。

 そんなに多く見ることも無いトラフシジミがけっこういてモデルになってくれた。

22 トラフシジミ

 なんか、卵を産んでいるように見えた。

産卵?

 実はいろんな場所にいたんだけどなかなか撮影させてもらえなかったのがヒメアカタテハ。かなりいい感じで羽を広げてモデルになってくれたんだけど、ちょっと邪魔な茎?みたいのが入ってしまった。まぁでも証拠写真という事で。

23 ヒメアカタテハ

 対馬先生はウラクロシジミを探しに行った時にも使っていたロングな網を持って採集していた。自分は採集しなかったが、あれくらいの長さの網が無いと数は採れないと思う。だけど、こんな所にこんなにいるのか!って位、数は多かった。

 この超ロング竿は道南虫の会の小松さんにもらったそうだ。

 自分は疲れたので先に自転車の所に戻り、後から対馬先生も戻ってきた。けっこう採集したけど触覚が取れ易いようだと言っていた。

超ロング網を持って戻ってくる対馬先生、背景は函館山

 けっこうハードに活動した1日だった。確認できた蝶も24種。撮影できた種類も22種。中々のもんだと思うが、シータテハやコムラサキは見られなかった。水無に行けばあとエゾヒメシロチョウも確実だったしサカハチも撮れたと思う。
 今思ったが、見た種類を全部撮るというより、何種類の蝶を見られるか、1日かけてチャレンジしてみればよかった。多分今の時期なら40種位はいけるんじゃないだろうか?

 最大の目的だったミヤマカラスシジミも見れたし、天候が良い方に外れ、十分夏を満喫できた。たくさんの蝶の観察も出来たし、充実してかなりクタクタになった一日だった。