横津のアオダイショウ・夜間採集
2017.7.26

 今日も昨日に引き続き、横津岳に向かった。アサギマダラはいないだろうけど、コヒオドシが採れるのではないかと言う狙いだ。
 コヒオドシは昔は函館近郊にもたくさんいたらしいが、自分が高校生の頃には全く見る事も出来なくなっていた。道東などでは普通種なので、何で道南地方で見られなくなったのか不思議だが、横津の山頂などでよく見られる。ということは、コヒオドシは寒冷地に適した蝶で、ここ数十年で道南地方の平地が暖かくなってきて生息できなくなってきたのかも。
 もしくは、暖かいところが好きな寄生虫などがいて、平地のコヒオドシが寄生されまくって横津の山頂などでしか見られなくなってきたのかも。

 山頂に到着すると天気も良く、いかにもコヒオドシが飛んでいそうな気配だったが、結果から言うとコヒオドシは見つけられなかった。そのかわりと言うわけではないが、道路に大きなアオダイショウがいて、捕まえて遊んだ。

見つけたアオダイショウを網に入れ捕獲しようとしている対馬先生
背景には函館山と市街地

 大きなアオダイショウだった。掴んでみたがずっしりしていた。胴体が太かったので、なにか獲物を食べたのかもしれない。
 ちょっと怖かったけど持ってみた。

長いアオダイショウ

 こんな山の山頂にもヘビがいることに少しびっくりしたが、対馬先生が「最高記録かもしれないから計測しよう」と言い出した。
 対馬先生がメジャーを持っていたので、準備がいいなと思いつつ計測してみた。

ヘビの長さを測っているところ


結果1m45cm位だった

 この長さは大きい方なのかと思ってスマホで検索して見たら、特に大きいというわけではないようだという事がわかった。

 そろそろ下山しようかという事になったが、自分は歩いて慰霊碑まで行こうと思い荷物を取りに行った。その時に自分が山頂付近をフワフワ飛んでいるアサギマダラを見つけた。
 「アサギマダラいた!」と対馬先生に叫び、対馬先生も追いかけたが逃げられた。

 最初キアゲハかと思ったけど羽を開いたまま同じ場所に留まっている感じがして「あれ?」と思ってよく見たらアサギマダラだった。
 逃げられたけど、山頂の記録としてはかなり早いと思った。だけど、「まてよ〜」と思った。

 もしかして今自分が見たアサギマダラは、昨日対馬先生がここで放したやつじゃないの?
 距離が少しあり、マーキングされていたかどうかはわからないけど、昨日飛んで行かなかったからこの1日はここの場所に留まっていて、「そろそろ飛んで行こうか」と思って飛び立ったところを偶然私に見つかったのかもしれない。

 ただし、もしかしたらこの夏羽化した天然のアサギマダラかもしれないので、対馬先生はこの場に残り、自分だけ歩いて下山しながら他の蝶も含め観察することにした。

 そしたらホタルみたいのを見つけて写真を撮った。

ホタルみたいの

 本当はエルタテハやヒオドシがいないかと目論んでいたが、見事に何もいなかった。

 一旦自宅に帰った。庭のブッドレアにナミアゲハが来ていた。

自宅に来たナミアゲハ

 その後、水無の林道に行ってみた。ミヤマカラスアゲハいるかなと思って。いなかった・・・。

 特に珍しい蝶も見つけられなかったが写真を撮ったり、蝶の顔をアップで撮影してみたりした。蝶の顔はクイズにするので何の種類か当ててみて欲しい。全問正解したらかなりの強者だと思う。

カバイロシジミ


問1 私は誰でしょう?


問2 私は誰でしょう?


問3 私は誰でしょう?


問4 私は誰でしょう?


 自宅に戻った。
 今日は夜に道南虫の会の名越さんと小松さんが夜間採集を部員に見せてくれることになっていた。部員達に見学したいかどうか聞いてみたら、1年生の3名と3年生のN君が参加を希望した。

 N君は2回目だけど、1年生3人が参加を希望したことはとても嬉しい。普段は蝶の調査ばかりだけど、蝶以外の生き物にも興味を持ってもらいたいし、何より部活に対する積極性が感じられる。もちろん、参加希望だけど用事があったりして参加できなかった部員もいると思うが、とにかく1年生にはいろんな経験をしてもらいたい。

 夜間採集の場所に行く前に、参加希望者は私のうちに集合したのだが、ちょうど対馬先生が、「羽化したアサギマダラを持ってくるから、参加する部員達のうち1年生にマーキングを経験させてあげたい」と言い、アサギマダラを自宅まで持って来てくれた。
 

マーキングの説明をする対馬先生と話を聞く部員達


実際にマーキングをしてみる

 マーキングしたアサギマダラは夜間採集の場所で放してほしいと言うので、そこまで持って行った。

 夜間採集の場所に向かうと名越さんと小松さんはもう到着していたが、まだ明るかったので、とりあえずマーキングしたアサギマダラを放す事にした。

放して飛んで行ったアサギマダラを見つめる1年生部員


マーキングしたアサギマダラを指に付けて放そうとする1年生部員

 だんだん薄暗くなってきて、夜間採集の準備も整った。さてこれからたくさんの昆虫がライトに引き寄せられてくるぞ!部員に負けず自分も楽しみになってきた。

 今日は「クワガタを採ったら持ち帰って育てたらどうだ?」と参加部員に言っており、クワガタを入れる箱も持ってくるように指示していた。

 ライトトラップをただ見ているだけでも面白いのだが、蝶以外の色々な昆虫に部員達がどの位興味を示すかもわからなかったので、誰が一番クワガタを見つけられるか、点数を付けて競う事にした。もう忘れたが、ミヤマクワガタ5点、ノコギリクワガタ4点とか、メスなら全部1点とか。

準備をする名越さんと小松さん

 あたりが暗くなってくると早速色々な昆虫がライトに引き寄せられてやってきた。部員達と共に見学しながら、綺麗だったりカッコいい昆虫の撮影をした。

ライトを浴びて宝石のように輝く甲虫


見た目が怖いヘビトンボ


かっこいい蛾


かっこいい蛾


かっこいい蛾


雷みたいな模様の蛾


迷彩みたいでカッコいい蛾

戦闘機みたいな蛾

 かなり多くの虫がやってきて、中にはドクガもいたりして、名越さんに退治してもらった。きっと部員達も驚いたと思う。こんなに虫がやってくるのかと。

 クワガタの方であるが、思ったほど飛んでこなかった。それでも採ったクワガタは13〜15匹位だったと思う。N君や1年生のK君は嬉しそうに持ち帰るクワガタを選んでいたが、もう一人の1年生部員K君は「お母さんに絶対持ってこないように言われた」と言って残念そうだった。

 夜も9時頃になってきたので、あまり遅くなってもいけないと思い、ここで先に我々は帰らせてもらう事にした。小松さんや名越さんはまだまだここでいろんな虫の観察をすると言う。

 お母さんにクワガタを持ってこないように言われたK君は持ち帰ることは出来ないが、それでも「ようやくクワガタが多くなってきた時間帯に帰らなければならないなんて・・・」と、ここで帰ることを残念がっていた。

飛んできたクワガタ(の一部)

 名越さんと小松さんにお礼を言い、先に引き上げた。自宅には部員達のお母さんが迎えに来てくれていた。「クワガタを持って帰ってはダメ」とお母さんに言われていたK君だが、どうしても持ち帰りたくなったらしく、お母さんを説得して持ち帰る許可をもらって嬉しそうだった。

 夜間採集は自分には出来ないので道南虫の会の小松さんや名越さんを頼るしかないが、こういう昆虫との付き合い方もあるんだと、一端に触れてもらえたと思うので良かった。
 部員達は普段蝶の調査ばかりやっているが、それはそれでいいとして、自分はどんな昆虫が好きで、どんなことをしてみたいのか、自分で考えてみて、蝶以外に興味があれば是非自分の興味に従って活動してほしい。蝶の調査をしつつ、他の昆虫の調査もできるし。

 今日は朝から晩まで活動し、ヘトヘトになったけど、充実して楽しい一日だった。