蝶の標本づくり教室
2017.7.29 |
自分が生物部の顧問になる数年前から依頼されて行われている熱帯植物園での「蝶の標本づくり教室」であるが、今年も依頼されて行う事になっていた。
当初は道南虫の会の会員である安井さんが植物園から依頼を受けて始まったものらしいが、生物部で手伝うようになり、その後私が函館に転勤になって生物部の顧問になり、その頃には生物部が主体的に取り仕切っているような感じだった。当然対馬先生がいたのでよかったのだが、この春に対馬先生が退職になり、今年から植物園との連絡も自分が行う感じになった。
事前の準備がけっこう大変で、展翅に使う蝶の採集、展翅板や展翅テープ、針など展翅に使う道具の準備。更に講師になる部員達、特に1年生に展翅の技術を教え込まなくてはならない。
展翅の経験は1年生にこれまで2回くらいさせているが、まだまだ経験不足でもあるし、昨日は朝から夕方まで今日の準備と展翅の練習などをした。
当日、今日使う色々な道具は全部自宅にあったので、それを車に積み込んで、9時20分に集合するように言っていたから、自分もそれに間に合うように出発した。
出発して10分くらいして、ちょっとした渋滞にはまっている時に、ある事に気が付いた。
「あああああ〜っ!、蝶忘れた!!!」
冷凍庫にしまっておいた、今日展翅に使おうと思っていた蝶を忘れたのである。
展翅する蝶が無い標本づくりは成り立たないので、急いで自宅に戻って冷凍庫の蝶を持って再出発。ところがこれでは時間に間に合わない。部長に電話するが出ない。
安井さんに電話したら出てくれたので、「蝶を忘れて撮りに戻ったので少し遅れるから部員達の事をお願いします」と連絡した。
昨日、部員の誰かが「先生、蝶を忘れないでくださいね」とか言っていたんだけど、まさにその通りの結果になってしまった。
でも、忘れたことに気付かないまま熱帯植物園まで来ていたらどうなっていたかと思うと、途中で気付いてよかった。
そんなハプニングもあったが、待ち合わせ時間に余裕を持っていたせいで、準備は順調に進み、10時から蝶の標本づくり教室がスタートした。 |
制服を着てスタンバイする部員達 |
まずは安井さんから参加者の小学生たちに、簡単な蝶に関する説明をしてもらった。安井さんは語り口がとても柔らかく、小学生たちに興味を持ってもらえるように説明していたが、子供たちはそれほど真剣に聞いていなかったように思う。これは毎年の事なので、自分は今年から、標本を作らせる時間を長く取ろうと思っていた。 |
安井さんによる説明 |
安井さんによる簡単な蝶に関する説明が終わり、次は自分が小学生に標本づくりを教えていく番だ。今年の参加者は10名位ということで、兄弟や友人同士で来た子にはペアで1人、個人で来た子には1人、部員を専属で配置し、自分が説明した後で実際の作業をサポートしてもらう事にした。
説明のコツは、参加する小学生たちにきちんとこっちに注目させることである。ホワイトボードに図を描いて説明しながら展翅の手順を教えるが、やはりこっちを注目していない子もけっこういて、
「はい、こっち見て〜!」と何回も言いながら説明をした。 |
説明を聞いて作業する子供たちと、サポートする部長 |
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1人ずつ丁寧にサポートした |
人手が足りなくなって、安井さんも手伝ってくれた。今回みたいに専属でサポートする部員がついてやる方法はなかなか良かったと思う。 |
標本づくりを教える安井さん |
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完成したやつ |
2時間の講習時間で、去年は2頭の展翅だったが、今年は安井さんの説明を短くしてもらい、自分も要点だけ説明するようにし、部員達も専属でサポートさせたので、展翅板2つ、合計4頭ほど展翅してもらうことが出来た。
ただやはり小学生、特に4年生位には難しい部分も多かったと思う。大人でも初めて展翅するとなるとかなり苦戦すると思うから。
なので、少し大きめに翅がやぶれてしまったり、形が変になってしまったりした部分もあったけど、細かい事は気にしないで展翅という体験をしてもらえたので良かった。
小学生たちにとっては、夏休みの自由研究の題材として参加している子も多かったけど、自分たちからすれば、こういう体験を通して蝶をはじめとする昆虫などに興味を持ってもらえたらなぁ〜と言うのが大きく、主催者側と参加者側の思惑が一致していないけど、子供たちが積極的に取り組んでくれたのでとても嬉しい気持ちになり、大変だったけど準備して良かったと思った。
部員もしっかり頑張ってくれた。
来年もお願いしますと植物園の園長さんから依頼された。
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