旭岳1泊旅行
2013.6.14-15

 数週間前、妻から「6月14日にどうしても旭岳に行きたい」とお願いされた。なぜ6月14日なのか?この日は金曜日である。仕事がある。
 なんでも、旭岳温泉の湧駒荘という温泉宿に安く泊まれるらしく、そこに宿泊して旭岳のロープウェイに乗り、お花畑を見に行きたいと言うのだ。自分は旭岳の高山植物にはあまり興味はないんだけど、仕事の休みももらえそうな感じだったので、せっかくだから楽しんでこようかなと思い、行ってみる事にした。
 インターネットで宿泊予約をすると、あと1室だけの空きになっていて、ギリギリで予約することが出来た。

 金曜日の朝、8時頃出発した。帯広市内のすき屋で朝食。妻は「あまりたくさん食べないでね、お昼に行く場所決まってるから」と言ったのだが、つい牛丼の並を食べてしまった。

 まずは旭山動物園に行く事にした。どういうルートで行こうか迷った。帯広から旭川だと上士幌〜三国峠まわりで行くか、富良野まわりで行くかのルートがある。到着はお昼頃だが、動物園の前に昼食ということで、妻が行こうとしていた「小野木」という店をナビで検索すると富良野周りのほうが10kmほど近かったが、上士幌まわりの方が景色が良さそうなので、上士幌まわりで行く事にした。

 天候はイマイチだったが、安全運転でドライブを楽しみながら旭川へ。ちょうどお昼過ぎくらいに「小野木」に到着した。朝食を食べてからずっと3時間位運転して旭川に到着したのだが、身体を全然動かしていないのでイマイチお腹もすいていない。やっぱり牛丼の並は朝食としては多かったか・・・。

 お店は鶏料理の店ということは聞いていたが、金曜日のお昼なのにけっこう混んでいた。店に入ると限定のランチがあったのだが、既に売り切れ。鶏の天ぷらの様な定食を注文したが、けっこうボリュームがあった。
 
小野木のランチ

 この鶏の天ぷらみたいな料理、あまり経験の無い食感でおいしかったけど、一番よかったのは鶏そのものがジューシーで柔らかく、なるほどいつも混んでいるのもわかるなと思った。

 自分は旅館とかの料理で食べられないものが多く、今夜宿泊する湧駒荘でももしかしたらあまり食事を楽しめないかもと思い、お土産用に鶏の炭火焼と天ぷらみたいのを購入、夕食に満足できなかったら食べようと思った。

 昼食を終え、旭山動物園へ。小野木からはすぐ近くに旭山動物園があった。
 修学旅行生などもいたが思ったよりは混んでいなくて、たくさんの動物を見て楽しむことが出来た。
筒の中をアザラシが移動する様子が見られる場所では、お客さんがけっこういて賑わっていた。

 旭山動物園ではもぐもくタイムだかぱくぱくタイムだかという、動物に餌付けをする様子を観察できる。時間が決まっているんだけど、何種類かの動物の餌付けを見ることが出来た。
係員のお兄さんに餌をねだるオランウータン

 
動物園から見た旭川市の様子。
フクロウがドアの取っ手に止まっていた
カメラ目線のフクロウ「何撮ってるんだよ」って言ってるみたい

 しろくまの餌付けがあると言うので行ってみた。人が大勢並んでいて、自分たちも列に並んだ。文句を言っているオバサンがいて、係員の人も困っていた。こういう仕事もいろんなお客さんの相手をしなければならないから大変だなと思った。

 15分くらい並んでしろくまの餌付けが見られる部屋に案内された。しろくまは魚を食べていた。これを見るためにわざわざ並ぶ価値があったかどうかは疑問だったが、野生では魚はあまり食べず、アザラシを食べると係りの人が言っていた様な気がする。
魚を食べるしろくま
ガラスの壁に足をくっつけているしろくま。人の頭と比べるとその大きさがわかる

 シマフクロウがいた。野生のシマフクロウの写真を一度でいいから撮影してみたいんだけど、動物園で撮る写真だと、やはり後ろの金網が入ってしまい嬉しくない。それにしても大きいフクロウなんだなと感じた。

シマフクロウ

 最近、狼を展示する場所が出来たと言うので見に行ってみた。下の写真が狼なのだが、金網などが入らずに撮影できて、「野生の狼の写真撮影に成功!」と嘘をついてもわからないかもしれない。でもどうしても犬にしか見えなかった・・・。


 その他、アザラシの餌付けをしている所では、アザラシだけではなくカモメも係りの人に餌をねだっていた。このカモメは怪我をして保護され、片方の羽が半分なくなっていて飛ぶことが出来ず、ずっとこのアザラシと一緒に生活しているらしい。

餌をねだるアザラシとカモメ

 その他、猿の餌付けなどを見たり、ライオンなどの迫力満点な動物達を見学して楽しいひと時を過ごすことができた。動物園自体が坂の多いような位置にあり、色々見て歩いてけっこう疲れた。

 そういえば、動物園での餌付けショーの時には、必ず係りの人がマイクを使って解説などをしてくれて勉強になる。その動物の生態などの解説もしてくれた。

 旭山動物園を後にし、今夜の宿泊場所である湧駒荘に向かった。旭川から東川町を越え、自然豊かな風景を見ながら車は標高を上げていった。途中、橋を渡ったが、川から湯気みたいのが出ていた。

川から湯気が立ち上る

 旭岳のロープウェイのちょっと下に湧駒荘があり、夕方くらいに到着した。
 今回は少し良い部屋に宿泊することができた。ベットルーム、リビングが別々になっていて、けっこう広い。もちろんトイレやお風呂も別々になっている。(温泉ホテルなので、部屋のお風呂は使用しなかった)

ベットルーム

リビングルーム

 リビングルームにはマッサージチェアが付いていて、運転で疲れた身体や動物園で歩いて疲れた足などをマッサージした。とても気持ちよかった。(もちろん無料で使える)
 この写真は部屋の窓から見た風景、左奥は別館の温泉、右側に突き出ている所は本館の露店風呂、手前の屋根になっている部分はちょうど本館の温泉になっていた。

 温泉は5種類の源泉が出ているらしく、これはけっこう珍しいらしい。ぬるめのお風呂が多く、いつまでも浸かっていられるのだが、あまり体が温まらない。ひとつだけ温かいお湯のお風呂があり、そこにしばらく浸かると身体もポカポカになる。古さも感じられるけど、同時に清潔感もあって、なかなか良い温泉だった。
 自分は温泉旅館とかに行っても1回しか入らないことが多いんだけど、今回は3回くらい温泉に入りに行った。

 夕食は想像していたものよりかなり良く、全部の料理を美味しくいただくことが出来た。お品書きみたいのがあって、運ばれてくる料理がどんなものかわかる。食前酒から前菜、箸休め、メイン、デザートなど、かなりの種類の料理が出てきた。中でもあわびが丸ごと岩塩で包まれて蒸されたものはいかにも値段が高そうだったし、A5ランクの牛肉のすき焼きも最高だった。一番楽しみにしていたすき焼きが最後のほうに出てきて、もうお腹いっぱいになりつつあったのでちょっと残念。もっとすきっ腹で食べたら美味しさも違ったと思う。
 

 夜は比較的早めに就寝して次の朝を迎えた。早起きして温泉に入ったりして過ごし、朝食を頂いた。朝食は普通だったんだけど、ポテトサラダと温泉卵がとてもおいしかった。

 天候があまり良くなかったのでチェックアウト直前の10時頃まで部屋で過ごし、その後旭岳のビジターセンターみたい所に行った。ここでは旭岳の情報と長靴を借りることが出来る。長靴は一足200円。二人分借りて旭岳ロープゥエイへ。往復で一人2800円という思ったよりも高い値段だったがここまで来て引き返す事は出来ないので二人分5600円を支払いロープウェイに乗り込んだ。小雨が降っていて風も強く、ハイキングにはあまり良い天候ではなく残念。最初半袖だったんだけど長袖に着替えて正解だった。

 ホテル付近から残雪は残っていたが、ロープウェイを降りるとけっこうな雪がまだ積もっていてびっくり。
 更に風雨が強く、持参した折り畳み傘を差しながら残雪の上を歩いた。
 ロープウェイを降りた所からは姿見の池という所を目指して歩く。ぐるっと一周で約1時間くらいと言うことだった。途中、雪の無い部分もあったりして、そういうところでは高山植物が咲いていた。今回の最大の目的は妻が高山植物を見たいということであったが、雨や風、寒さなどで、高山植物を楽しむ余裕なんて全然無い。むしろさっさと下山したい。そんな気持ちが大きかったものの、せっかく来たので写真の1枚でも撮らないとと思い、高山植物や旭岳の風景を撮影した。運が良かったのはこれだけ天候が悪いのに、旭岳が雲に覆われておらず、はっきりと見えたこと。北海道の最高峰旭岳が迫力満点だった。(が、決して登ってみたいと言う気持ちにはならなかった)

 
キバナシャクナゲ
メアカンキンバイ
キバナシャクナゲと旭岳
チングルマ
ミネズオウ
残雪と池とキバナシャクナゲ
旭岳と噴煙

 1時間ほどかけて散策コースを周った。出だしは寒かったんだけど、戻る頃から気温も上がり風も止まった。寒いとは感じなくなっていた。体力的にも余裕があったし、天気も回復方向にある感じだったのでもう少しここに滞在してもいいような気もしたんだけど、いつ天候が回復するかもわからなかったので、ロープウェイで下に降りる事にした。ロープウェイで登ってくるとき、出発地点付近に黄色い花や水芭蕉がたくさん咲いている遊歩道みたいのがあったので、そこも歩いてみたいねと話し合っていたので、さっさと降りてそこを歩いてみると言う計画にした。
 帰りのロープウェイは私たち二人と係りの人だけだった。貸しきり状態だったので、これなら2800円でもまぁいいかなと思った。

 ロープウェイは9分で到着ということで、すぐに下に降りてきた。そして付近を散策してみた。
まだ桜が咲いていた。雨に濡れている花も綺麗だなと思った
水芭蕉やエゾのリュウキンカが咲いている遊歩道。とても綺麗な景色だった。写真に写っているのは私と自分用の折り畳み傘を持って花を見ている妻
エゾノリュウキンカと水芭蕉

 ここは湿地になっていて、おたまじゃくしなんかも見ることが出来た。小川を流れる水はかなり冷たかった。

 ここでの散策は15分位だったかな?山岳センターで長靴を返却し、帰る事にした。でもただまっすぐ帰るのもつまらないので、まずは旭川の「ふるき」という有名で美味しいラーメン屋でお昼ご飯とする事にして山を降りた。途中、雲が切れて晴れてきた。

 東川町の道の駅で買い物などをして、旭川の「ふるき」には1時頃到着した。が、「今日の営業は終了しました」と書かれていた。ガーン!中ではまだラーメンを食べているお客さんの姿も見えた。ちょっと到着が遅かったか・・・。東川での買い物が余計だったのかも。

 せっかく来たのに、しかも1時で閉店しているなんて、ちょっとがっかりしたけど、しょうがないので違うラーメン屋を探した。妻のipadと車のナビを活用し、近くにある評判のいいラーメン屋を見つけてそこで昼食にした。橙屋だかというラーメン屋さんだったが、思いのほか美味しくて、「ふるき」が閉店していて逆に良かったと思えた。旭川ではエゾシロチョウが飛んでいた。帯広ではまだ見ていないなぁなんて思いながら車を運転した。

 このあと、十勝川温泉に入って帰ろうかと言う事になった。旭岳温泉、十勝岳温泉に1日で入るなんて、なかなか贅沢。これに層雲峡の高原温泉も加われば、もしかしたら北海道3大標高の高い温泉制覇かもしれないが高原温泉は遠すぎる。

 十勝岳温泉に向かう途中、「青い沼」みたいな観光名所があり、ちょっと寄り道する事にした。車を降りると白い蝶が飛んでいて、よく見るとツマキチョウだった。撮影したくなり、妻に「ツマキチョウを追いかけてもいいか?」というようなことを聞くと嫌な顔をされたので諦めた。確かに観光客が多い中、変なやつが訳のわからない方向にカメラのレンズを向けていれば怪しまれるかもしれないなと思った。
 しょうがないので笹の葉に止まっていたサカハチを撮影して満足する事にした。

 青い池は来るのが2回目。前回来たときは大して青くも見えなかったので今回は期待したが、やっぱり大して青くは見えなかった。青いようにも見えると言えば見えるんだけど、緑っぽいと言われれば緑っぽいような気もする。なんだか、青い池と言って綺麗な印象を与えておいて洗脳して見れば綺麗に見えるような気もするし、藻が生えているようにも見える。もっと透明でしっかり真っ青だったらいいのに。観光客も多くて賑わっていたが、青い池が綺麗というより、青空が出てきて気持ちいいなという感覚の方が強かった。なにせ、さっきまで旭岳の残雪の上を風雨に耐えながら歩いていたのだから。

青い池

 青い池の近くからは十勝岳連邦の残雪が綺麗に見えていた。ツマキチョウの写真が取れなくて残念だったけど、ここから車で十勝岳温泉に向かった。
 
十勝岳連邦が綺麗に見える
 
 いくつか温泉があるんだけど、今回は初めて吹上温泉の白銀荘という所の温泉に行く事にした。以前から一度行ってみたかった温泉だ。
 露天風呂が広くて気持ちの良い温泉だった。

 お風呂を出て家に帰る事にした。ここからは妻に運転してもらった。

モモクロの歌を聴きながらの帰宅(写真は富良野の山部あたり)

 そういえば、旭川に着いたときに購入した鶏天と炭火焼をまだ食べていなかった。昨夜は旅館の食事だけでかなりお腹いっぱいになったので食べなかったのだ。今日のお昼にラーメンを食べてからほとんど動いていないのでお腹も減っておらず、どこかで夕食を食べてから帰宅という気分ではなかった。だから、自宅に着いたら夕食代わりに鶏天と炭火焼を食べる事にした。
 妻に車を運転させて自分はしっかりお昼寝。

 メインであった旭岳の高山植物はあまり楽しむことが出来なかったが、その他の事で色々楽しい一泊旅行にすることが出来た。