ゴマダラチョウとダイミョウセセリに挑戦
2017.8.7

 明日から天気が崩れるという予報なので、部活での野外活動は今日以降しばらくできないかもしれないと思い、急きょ上ノ国や江差方面にゴマダラチョウの夏型の確認とダイミョウセセリがいるかどうか調査に行くことにした。朝早い事もあり、上ノ国にいく通過点の木古内に住んでいる部長のYさんのみ参加とした。あと対馬先生と。

 3人でまず向かったのは上ノ国八幡宮。宮司さんとは数年前から顔なじみになっていて、今日は対馬先生がエノキの苗をもらうということで立ち寄った。

 対馬先生が宮司さんと話したりしている時、自分は部長と蝶探し。ナミアゲハがいたので採集させたが、翅がボロだったので逃がす事にした。

ナミアゲハ(このあと放した)

 上ノ国八幡宮の隣には上國寺というお寺がある。この地域は北海道に和人が渡ってきたときにいち早く栄えた場所で、この上には勝山館という和人とアイヌの人たちが共に生活していた感のある遺跡みたいのもあるし、花沢館と言ってコシャマインの乱で和人とアイヌが戦争になった時に、道南にあった12館のうち勝ち残った2つの館のうちのひとつがある。
 このような歴史ある場所に、大きなエノキがあり、そこでゴマダラチョウが発生しているとかしていないとか。
 仮にゴマダラチョウが発生していたとしてもエノキが高すぎて採集できるような高さではない。

エノキを探している対馬先生

 仮にエノキにゴマダラチョウがいれば夏型が発生している時期だが、今日は確認できなかった。

 墓にヤマキマダラヒカゲが止っていた。思いの外綺麗だったけど、じーっとしていたので手づかみできるかなと思ったら、ギリギリのところで逃げられた。

墓に止まるヤマキマダラヒカゲ

 墓の裏の腐った木みたいところに、スジグロが3頭来ていた。何かおいしいものがあるんだろうか?

木の何かを吸うスジグロシロ

ルリシジミ

 次に向かったのはゴマダラチョウのポイント。数年前に当時の部長であった山下君と来て見事撮影に成功したポイントだ。対馬先生は春に来て結構な数発生していたと言っていた場所。はたして夏型が確認できるかどうか。

 向かう途中、クマのウン子が何カ所にも渡って確認できた。部長が「写真撮らないんですか??」と言うので、別に撮りたくも無かったけど撮った。
 「こんな所でのぐそしたらダメだぞ」と部長に言ったら殴られた。

 それにしても何でこんなに真っ黒なんだろう?

クマの糞

 ポイントに到着すると、早速ゴマダラチョウが飛んでいるのが見えた。2,3頭は同時に飛んでいる感じ。飛んでいたり止まったりするのが見えるが、やはり距離が遠くてどうにもならない。

 こっちに来ないかなぁと思いつつ他の蝶の観察などもしていると、でっかいイモムシを発見し、部長の手のひらに乗せて撮影した。

 可愛くないというか、悪っぽい幼虫だ。蛾だろうか。

悪そうな幼虫

 そうこうしていると、1頭のゴマダラチョウが少し下に降りてきて止まった。対馬先生が小松さんからもらった長い網で採集しようとしたが、距離が遠くて全然届かなかった。

 自分も撮影にチャレンジし、300mmの望遠レンズで頑張ったが、遠くてちゃんと撮れなかった。
 下の画像2枚はけっこうトリミングしてある。それでもゴマダラチョウであるという証拠にはなる位の写真が撮れた。

ゴマダラチョウ


ゴマダラチョウ

 今日は台風5号の影響があるのかないのか、東風だから上ノ国や江差の方面は風があまり無いと読んでいたが、けっこう風が強かった。函館はどんより曇っていたが、こちらは1日中ほぼ晴れていた。

 これは採集も撮影も厳しいねと言って後片付けをして次に向かおうとしたとき、1頭のゴマダラチョウがすぐ近くまで飛んできて、自分の上1m位の所を飛んでどっかに行ってしまった。
 飛ぶスピードは速かったけど完全に網の届く距離ではあったので、すごいタイミングが悪かったなと感じた。

 ポイントより奥に進んで、ミヤマカラスアゲハなど採集できるかと思ったけど、ほとんど見られず、大安在のところのキノコ林道に行ったが特別な成果も無かった。風が強いというのが悪影響を及ぼしていたと思う。

トラフシジミ


スジグロシロチョウ


シータテハ

 部長が何か採って自分に見せに来た。オニヤンマみたいなトンボだった。だけどオニヤンマみたいなトンボはそこら辺をたくさん飛んでいるので、「だから何よ?」って感じ。
 猫がネズミなどの獲物をしとめて、ご主人様に誇らしげに見せびらかすのを思い出した。

オニヤンマみたいなトンボ

 キノコ林道もたいした成果が無かったので、次は江差のダイミョウセセリ探しをする事にした。とりあえず去年撮影・採集に成功した場所に向かった。

ダイミョウセセリを探す部長と対馬先生

 だけどなかなかダイミョウセセリは姿を現してくれず、対馬先生は「いる気がしない」と言っていた。

 ダイミョウセセリを探しながら私は妻に頼まれたセミの抜け殻さがしも行っていたが、去年に比べてセミの抜け殻はかなり少なかったように思う。

 セミの事はほとんど何もわからないが、対馬先生が「撮っとけ」というので、あまり見たことの無い蝉の写真を撮った。

セミ

 セミの抜け殻さがしは部長にも手伝ってもらったけど、採った抜け殻を服に付けて遊んでみた。全部つけようかと思ったけど途中で面倒になり、中途半端な数だったけど、部長のYさんは満面の笑みで写真に写っている。顔をぼかすのが勿体ないくらい。

セミの抜け殻とYさん

 少し場所を移動してセミの抜け殻さがし、ダイミョウセセリ探しをしていると、側溝にマムシ発見!

 側溝から出たがっているような感じもしたが、側溝から出たら怖いのでそのままにしとけばいいのに対馬先生はマムシを側溝から出してやるとか言い出して、網でマムシを捕まえようとしていた。もうやめてほしい・・・。

マムシ

 せっかくの補虫網を濡らしてベチョベチョにしながらもマムシを網の中に入れて側溝から出してやってた。なんか良い事でもしたつもりなんだろうか?もうすごくおっかなかった。

 結局ここではダイミョウセセリを見つけられず、次の場所に移動することにした。

 次の場所ではYさんがとても新鮮なカバイロシジミを採集していた。でもダイミョウセセリは確認できなかった。
 私の背中にゴマダラカミキリがくっついていると、Yさんが写真を撮ってくれた。

ゴマダラカミキリと私の背中

 ダイミョウセセリは見つけられなかったが、最後にキタテハが昔いたところを訪れた。ここは墓なんだけど食草であるカナムグラがある。ところがそのカナムグラがかなり少なくなっていた。これじゃぁキタテハが生息するのは難しいかも。もう何年も見つかっていないキタテハだが、自分たちの知らない所でひっそりと生き延びていて欲しい。

 自分とYさんは少し奥まで探検したが、特別面白い事も無かった。

 戻ってくると対馬先生は一人で座って物思いにふけっていた。

物思いにふける?対馬先生

 対馬先生は今日ずーっと眠たがっていた。昨日は9時半に寝て、今日は5時に起きたとか言ってたかな?それなら別に寝不足でもないだろうし。
 
 記念撮影は忘れてしまったが、部長と対馬先生と3人で調査が出来た。ゴマダラチョウの夏型が発生していることもわかったけど、ダイミョウセセリを見つけられなかったのは残念だった。