トンボの楽園
2013.6.30
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今日もfieldさんと行動をともにした。昨夜、クワガタ採りに行ったときに「明日どうしようか?」と話し合い、今日はカラフトヒョウモン目的で行動しようという事になった。カラフトヒョウモンがいる場所があまり分からなかったが、過去の実績から近場で可能性の高い場所を選んだ。
朝、fieldさんを迎えに行き、早速出発。ここの場所は以前にもfieldさんと行動したことがあり、その時にはカラフトヒョウモンを見ることが出来たので、期待は大きかった。
その林道に到着。いきなりで迎えてくれたのはヘビ。なんか、今年は蝶の姿は例年になく少ない感じがするが、ヘビはよく見る。道路に横たわっていて動かないでいたので一瞬死んでる?と思ったけど、以前、死んでると思った蛇が実は生きていて襲われそうになったことがあり、死んだふりしてるなとすぐにわかった。 |
本日のヘビ写真 |
林道をしばらく走ると、蝶が全然いない。ここに来るまでに一度他の砂利道を走ったが、そこではたくさん蝶が飛んでいた。なぜこの林道に蝶があまりいないのか不思議である。
おかしいねぇ〜、蝶があまりいないねぇ〜と言いながら走っていると、池か沼があった。以前、ここに来た時には一面おたまじゃくしだらけでびっくりした記憶がある。多分、数百万〜数千万はいたのではないかというくらい、一面真っ黒だったのだ。なので、今日もそんな感じでオタマジャクシがたくさん見れるかと思ったのだが、見れたのはもの凄い数のトンボだった。
うわぁすげー!と車を降り、トンボの観察。イトトンボと普通のトンボがいたが、自分でわかったのはヨツボシトンボとエゾイトトンボ。それらがかなりの数で水面を飛んでいるだけではなく、周りの草地などにもたくさん飛んでいた。 |
ヨツボシトンボ |
交尾しているようなやつもかなりいて、トンボのいろんな生態を見ることが出来た。fieldさんと自分、それぞれ好きなようにトンボの写真を撮った。自分はそれほどトンボに興味は無かったのだが、ここにいたトンボの数はさすがに圧巻である。以前見られたような数のオタマジャクシは見られなかったが、それでも少しの数のオタマジャクシは生息していた。
水面を見ると、何かの甲虫が落ちていた。こういうのが餌になってこの池か沼の生態系を支える一部になっているんだなと感じた。 |
落っこちてしまった甲虫 |
その他にはマツモムシみたいのとかも見られたが、これだけトンボがいるのに幼虫(ヤゴ)があんまり見られない。もう全部羽化したのかなと思ったが、それなら抜け殻があるはずだと探してみた。すると、やはり結構な数の抜け殻を見つけることが出来た。 |
抜け殻 |
更に観察していると、エゾイトトンボのペアが水面に落ちていた。水面から脱出しようともがいていたが、なかなか抜け出せずにいた。そんな姿を撮影していたら、他のペアが寄って来た。助けようとしているわけではないと思うけど、一体何の用事があって水面に落ちたペアの所に来たんだろう?
と、思いながら写真を撮影した。
(帰宅後、よく写真を見返してみたら、オスのほうのトンボ、お腹の部分しか無い!胸と頭はどこに行った??頭と胸がなくなっても、メスにしがみついているなんて、かなり恐ろしい光景である)
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頭と胸が無くなったオスとくっついた状態で水面に落ちてもがいているメス |
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ハート型になって交尾しているエゾイトトンボのペア |
なんとかヤゴを探し出したいと思い、しゃがんで水の底を観察していると、ようやくヤゴっぽいのを見つけた。多分、エゾイトトンボの幼虫なんじゃないかと思うが、あくまでも推測であり、実際そうなのかどうかなわからない。 |
エゾイトトンボのヤゴ? |
ヨツボシトンボと思われるヤゴはとうとう発見できなかった。それにしても飛んでいるトンボの多い事。
こんなにトンボが密度の高い状態で飛んでいるのは初めて見た。トンボ嫌いな人が見たら失神間違い無しである。 |
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水面を飛ぶ多数のトンボたち |
結局、この林道はゲートがかかっていて途中から進むことが出来なくなっていた。
ゲートの所に車を止め、鎖と鍵がかかっているゲートに手を置き押してみたら、ズルズルと動いてゲートが開いてしまった。鍵がかかっていなかったのだ。一瞬、ゲートを開けて車で進んじゃおうかと思ったが、ゲートの所には看板があり、これより先に車ではいる事を禁止している旨の事が書かれていた。いくらゲートが開いたからと言って、ズルをして車で中に入っても、それは正しい事じゃないかなと思い、ここで引き返す事にした。それに、ゲートから入っていった後に誰かが来て鍵を閉められたら、戻って来れなくなる恐れもある。
期待していたカラフトヒョウモンどころか、その他の普通の蝶すらあまり見ることが出来ないまま、この林道を後にした。
時間的にはまだまだ余裕があったので、このあと蝶と遊べそうな場所を何ヶ所か探してみたが、よい場所が見つからなかった。それでもカーナビで見ながら川沿いで林道っぽいクネクネした感じの道を探し出して、入ってみる事にした。入っていきなり砂利道の上にキマダラヒカゲとコチャバネセセリが大量に止まっていてちょっと驚いた。
さっきの林道にほとんど蝶がいなかったのに、ここは林道の入り口時点でたくさんの蝶が見られる。この差は何よ??
林道を少し進んで車を止めた。ちょうど木を伐採した後に、また幼木を植林したような場所があったのだ。山の斜面は針葉樹の幼木以外、いろんな草が生えていて、車を止めた付近にはギンボシヒョウモンが多く見られた。
草がたくさん生えていて、ギンボシヒョウモンのほかにシロオビヒメヒカゲやヒメウラナミジャノメ、少数のカバイロシジミとフタスジチョウなどが見られた。蝶の数が結構多くて、なんだかワクワクしてきた。
斜面についた小道を歩きながら蝶の観察をしていると、ギンボシヒョウモンがたくさん集まっている場所があった。集団で土のミネラルか何かを吸っている様だった。これだけたくさんのギンボシヒョウモンが集団でいるのは初めて見た。こんな生態もあったのかとびっくりした。 |
ギンボシヒョウモンの集団 |
鳥の鳴き声なんかも聞こえ、何かの猛禽類が急降下してきて、急降下先からは鳥が飛び立ち、猛禽類が獲物を捕ろうとした瞬間を見ることが出来たりもして楽しかったが、fieldさんがシカの足だけを発見した。 |
シカの足 |
熊にやられたのか、それとも他の原因で死んだのかわからないけど、シカの足には間違いない。実は昨日もシカが熊かなにかにやられたような痕跡を2箇所くらいで見ていたので、fieldさんは、
「また嫌なものを見つけちまったな」と言っていた。
自分自身はこういうのは特に苦手とかではなく、自然の生態系の食物連鎖の中で起こったことのひとつと捕らえている。なのでこういう光景を見てもあまり怖くも無ければ気持ち悪くも無い。
シカ、やられちゃったのかな、熊に。などと思いながら見ていたら、fieldさんが突然ボソリと低く小さな声でつぶやいた。
「アッシー君・・・」
え??
このシカの白骨化した足を見て「アッシー君」
この一言は、私の笑いのツボにはまってしまった。確かに足だけになっちゃってるけど、それを見てアッシー君って・・・。
ゲラゲラ笑い、涙が出た。この白骨化したシカの足を見て「アッシー君」というfieldさんがおかしくてたまらなかった。帰りの車の中や、HPを作っている今でさえも思い出したら笑えてきて、もうどうしていいか分からない。 |
何か撮っているfieldさん |
最後に先週行ったリンゴシジミのポイントに向かったが、一頭も確認できなかった。
自宅に戻り、休日出勤だった妻も帰ってきたので、fieldさんがシカの足を見てアッシー君と言ったことを、写真を見せながら説明した。説明しながら笑ってしまい、きちんと説明するのが大変だった。妻も大笑いするかと思ったら、「それの何がそんなに面白いの?」と言われてしまった。この面白さは妻には分からないらしい。
目的だったカラフトヒョウモンは見ることが出来なかったが、トンボの楽園を見ることが出来たり、ギンボシヒョウモンの知らなかった生態を見ることが出来た。そして、fieldさんの「アッシー君」が笑いのツボをピンポイントで突いてくれた。今度、嫌な事があったらアッシー君の事を思い出して笑おうと思った。
今日で6月も終わりだが、今月は休日全てを遊びで使うことが出来てとても嬉しかった。7月も天候の良い休日が多い事を願っている。
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