初夏の恒例行事(チミケップ)
2013.7.7

 先週位の週間予報では、この週末の天気はぐずつくと言うことだったのでどこにも行けないかと思っていたが、予報に反してこの週末はよい天気になった。そして、今日、帯広の予想最高気温は32度と、かなり暑くなるようだった。
 1年間で蝶と遊べる時期が5,6,7、8月の4ヶ月位しか無い北海道で、ちょうどこの時期はたくさんの蝶達に会える時期。こんな休日にじっとしているわけにはいかない。
 昨日、オオイチモンジの発生も確認できた事だし、ここは妻を誘って北見方面にオオイチモンジ狙いで行ってみる事にした。
 オオイチモンジが見られる付近にはチミケップホテルというのがあり、毎年この時期にカレーライスを食べに行く。ここのホテルのカレーが何故か絶品なのだ。

 昨夜、妻を「明日、チミケップにカレー食べに行かない?」と誘い、朝7時頃出発した。

 途中立ち寄ったローソンでは、クワガタ(メスばかり)がたくさんいた。

 最初に立ち寄ったのはポイント付近の少し前に通る道の近くのちょっとした林道。フタスジチョウがたくさん見れる場所だ。
 今回は、まだ時間が早く、下草はまだ朝露に濡れていたが、それでも少しだけフタスジチョウを見ることが出来た。そんな中、くもの巣にひっかかっているフタスジチョウを発見。なんか、可愛そうだなぁ〜と見ていたのだが、ちょっと様子が違っていた。

くもの巣にひっかかった?フタスジチョウ

 くもの巣にひっかかっていると思っていたが、特に暴れる様子も無い。もう死んでいるのかな?と思い、シャッターを切ったが、口が動いていて一緒にひっかかっているように見える昆虫?を吸っていた。何でくもの巣に引っかかっているのに逃れようともせず他にひっかかった昆虫に口を伸ばしているのかと不思議だったが、実はこのフタスジチョウ、くもの巣には全く引っかかっておらず、単に、くもの巣にひっかかった昆虫に口を伸ばして吸っているのだ。
 フタスジチョウが昆虫を吸うという生態は見たことも聞いた事もなかったので、信じられなかった。そして満足したのかどうか知らないか、余裕で飛び去った。くもの巣に引っかかることなく。

余裕でくもの巣から飛び去り、葉っぱに止まったフタスジチョウ

 その間、くもの巣の主人である大きなクモも近くにいたのだが、フタスジチョウのやりたい放題状態で、クモはフタスジチョウに襲い掛かったりする事は無かった。

 ここのポイントでは以前、カバイロシジミも何頭か見たことがあり、撮影したいと思ったが見つけられず、その代わりと言うわけではないが、今年初めてコキマダラセセリを見ることが出来た。

コキマダラセセリ

 ここのポイントを離れ、本命の場所に向かった。オオイチモンジを見たいということであれば帯広近郊で十分なのだが、昨年はかなり少なかったので、今年はどうか見ておきたかったというのもあり、また、カラフトヒョウモンの撮影にこの前失敗しているので、それを撮影したいと言うこと、それプラス、チミケップホテルでカレーを食べたいというのが今日の目的である。

 ところが、本命の場所に向かう最中の林道でもオオイチモンジの姿が見れない。そして、その他の蝶の数も少ない。今年、このように意外と蝶が少ない光景を何度も目撃している。ここの場所は蝶がたくさんいるという印象を持っていたのだが、ここもダメなのかとがっかりした。

 車を止めようと決めていた場所まで到着した。ここは私にとっては聖地である。生まれて初めてオオイチモンジを目撃した場所である。fieldさんに連れて来てもらった場所だ。
 ほんとはここに来る間に何頭かオオイチモンジを目撃する予定だったが、結局ここまでオオイチモンジの姿を見れずじまいだった。

 途中、妻が眠そうだったので、聖地到着後妻に「休む?」と聞くと、「うん」と答えたので、私一人で車を降りて歩く事にした。

 いつもなら蝶がたくさん飛んでいるのだが、エゾシロチョウの一頭も飛んでいない。いつもならホソバヒョウモンもたくさん見れるのだが、一頭も飛んでいない。飛んでいるのはシロチョウ少しとミスジチョウ少しって感じ。この場所で、この時期、この快晴の天気、気温も申し分ない状況で蝶の姿が少ないのはなんとも気持ち悪かった。

 気温が高くて、歩くだけで汗だくになったが、それでも何か面白いものはないかとテクテク歩いた。クワガタが飛んでいたりもしたが、特に面白いものがないまま、引き返そうと決めていた場所に到着。すると、ようやくオオイチモンジの姿を見つけることが出来た。

オオイチモンジの♂

 見る限り、かなり綺麗な個体である。コンクリートの所に止まっていて、真剣に何か吸っている様子だった。なので、近づいても全然逃げない。
 オオイチモンジは熊のうん子だけではなく、コンクリートが好きなようである。濡れているわけでもないのに乾いたコンクリートで何か吸っている。何でだろう??

 とにかく全然逃げないので、レンズを広角レンズに取替え、ギリギリまで近づいて撮影することが出来た。オオイチモンジとレンズが接触してもお構いなし。よっぽどコンクリートに心奪われている感じ。

広角レンズで撮影したオオイチモンジの♂

 昨日もやったばかりだが、やっぱり手乗りにしてみたくなったので指を差し出してみたらあっさり手乗りになった。オオイチモンジは手乗りになりやすい蝶ナンバーワンだと思う。

手乗りオオイチモンジ

 画像を見れば分かると思うが、ここの場所は川が流れている。何か魚でもいなかな?と思い観察すると、浅い所になにやら発見。川底でじっとしていて動かなかったが、こいつは何だろう?魚にも見えるし、ドジョウのような気もする。観察したときは口にヒゲがあるようにも見えたので、ドジョウかな??水の流れでよく見えず、はっきりとした事はわからなかったが、水に手をいてれ近づけてみたら凄い速さで逃げていった。

川にいた魚かドジョウ

 水の流れの少ない場所ではオタマジャクシやら、小石を巣のようにして動き回る虫などが見られ、ちょっと楽しかった。

 1時間ほど遊んで車に戻ると、妻はちょうど起きた所だと言っていた。車に乗り、オオイチモンジがいた場所まで妻を案内すると、まだコンクリートの所にオオイチモンジがいたので、妻も手乗りオオイチモンジにチャレンジした。オオイチモンジは2,3秒だけ妻の手に乗ったが、すぐに飛んでしまった。オオイチモンジからすれば妻の手より私の手のほうが魅力的なのだろう。飛んだオオイチモンジはそれでも遠くには行かず、自分や妻の周りをグルグルまわったり、近くに止まったりしていた。

 そうこうしているうちにお昼近くになってきたので、チミケップホテルまで戻り、予定どうりカレーライスを食べる事にした。

 戻る途中、林道上でまたもやヘビを発見。今年は本当にヘビをよく見る。
 まったく動かなかったので、他の車に轢かれて死んでいるのかと思ったが、首を上げていたので生きていることが分かった。妻とヘビのツーショット写真を撮ろうかと思い、妻もヘビに近づいていったのだが、急に蛇が動き出し、逃げていった。

本日のヘビ

 チミケップホテルに到着した。ここには可愛いけど汚い犬がいる。何故汚いかと言うと、私が訪れるのは毎年この時期で、この時期は犬の毛代わりだからだ。とてもなつっこい犬で可愛く、毎年ここに来るとどうしても触りたくなり、ナデナデしてしまう。

人懐っこく可愛いが汚いチミケップホテルの犬

 いつもなら、お客さんの車でいっぱいの駐車場が、今日はがらんとしていて、もしかしてやってないのか?と思いホテルの入り口まで来たら、なにやら貼紙が。

 ガーン!!!!本日貸切だって!

 せっかくここまで来たのにカレー食べれないじゃん。がっかり!!!

 事前に電話でもして調べとけばよかったと思ったが後の祭り。
 今日の目的の半分はここでカレーを食べる事だったので、ショックが大きかった。しかもお昼時でお腹がすいてきたところだったし。

 ここの近辺にはもう何も無い。近くの店か何かまで行くとしても、車で数十分はかかる。どうしようかと思ったが、こうなったら美幌の「肉の割烹田村」まで行って、ハンバーグランチを食べようと言う事になった。

 本当は午後も蝶の撮影をしたかったが、あまり蝶もいないし、ホテルのカレーが食べられなくて、ここで引き下がるのも嫌だったので思い切って計画変更ということにした。

 向かう途中、熊のうん子でオオイチモンジを見つけることが出来た。

 美幌に着いたのは1時半位だったので、店も空いているかと思いきや、かなり混んでいて、席があくまで20分ほど待たされた。

 ようやく席に通されて注文。ハンバーグ&カットステーキランチとカツカレー。

ハンバーグとカットステーキランチ

カツカレーランチ

 美幌の「肉の割烹田村」は札幌や東京にも店を出していて、ここの店もかなりの混みよう。相当儲かってるなと感じたが、やはりそれなりにお客さんを満足させる料理だし、また来たいと思わせてくれる。ランチは価格が比較的安いので、それなりだったが、ここの焼肉はかなりレベルが高いと思う。もう何度も来ているのだが、いつかは目の前で焼いてくれる鉄板焼きのステーキが食べたいねと話しながら美味しくいただいた。

 今日はかなり暑く、車の温度計も35度になるほどで、汗だくになった。急に夏が来たような感じ。蝶のほうも期待したが正直期待はずれだった。でも毎年恒例行事のように北見方面でのオオイチ探し、ホテルは貸切でカレーは食べられなかったけど、今年も犬に会えたし、美幌で美味しいランチも食べられたので満足だった。