日高のキマダラモドキ
2013.8.11

 お盆の帰省のため、函館へ向かう途中、通り道である日高方面でキマダラモドキを探す事にした。数年前にもこのポイントには何度か来たことがあり、その時もキマダラモドキの撮影には成功しているが、局地的な分布であるため、発生地を数箇所しか知らず、このポイントで今もキマダラモドキが生息しているかどうか確かめたかった。また、ここではヘリグロチャバネセセリが撮影できるかもしれないとfieldさんから情報を得ており、未だ撮影したことが無いヘリグロチャバネセセリも是非見たいと思っていた。

 数年ぶりのためポイントを思い出すのに少し時間がかかったが、だんだんと記憶が蘇ってきて、キマダラモドキが生息する場所に到着した。妻も同行していたが、エアコンの効いた涼しい車内からは降りずに、借りてきたCDを車のオーディオに記録させる係りと読書。
 私は車を降りてすぐにセセリが飛んでいたので、もしかしてヘリグロチャバネセセリじゃないかと思ったが、残念ながらただのコキマダラセセリだった・・・。

ヘリグロチャバネセセリではなくコキマダラセセリ

ポイント付近の風景

 キマダラモドキは比較的すぐ見つかった。実は前日にfieldさんがここに来てキマダラモドキを探している。そして「ほとんど見ることが出来なかった」という連絡を受けていたので若干心配だったが、まずまずのキマダラモドキが飛んでいた。3頭が入り乱れて飛んでいるような光景も見ることが出来た。
 すぐにfieldさんに電話した。「けっこう飛んでいるよ」と。

 fieldさんは今日、家族サービスで道南方面に来ており、電話をした時点で苫小牧あたりにいるという。自分は今日は室蘭で宿泊する予定だったので時間はたっぷりあるが、fieldさん、ここに来るのに2時間近くかかると言うので、会う事は出来ないかなと思った。
 昨日はほとんど飛んでいなかったというのに、今日はかなりの数を見ることが出来る。不思議である。昨日も条件(天候)は良かったはずなのに。

 キマダラモドキはけっこう見かけるのだが、なかなか止まってくれない。いつも飛んでいて写真撮影が出来ない。そんな中でも飛んでいるキマダラモドキを追いかけながら止まるのを待つ。
 そうすると、時々は止まってくれるのだが、距離が遠い。近づけるような場所ではあまり止まってくれない。時々は最初から止まっているものもいて、しかもかなり撮影しやすいような場所で止まっていたとしても、私が気付く前にキマダラモドキの方が私に気付き、飛び出してしまう。わかってはいたが、やはりかなり敏感な蝶だ。

なんとか止まった所を撮影

カシワの葉に止まるキマダラモドキ
隠れているつもりなのかな?

逆光状態で撮影すると透けて見える

 キマダラモドキを撮影しつつヘリグロチャバネセセリを探す。しかし見つからない。数年前にここでムモンアカシジミを見たことがあり、是非撮影したいと思っていたのだが、ムモンアカシジミも見つけられない。かわりに、ミドリシジミ類を見つけることが出来たのだが・・・。

メスのミドリシジミ類

 自分はミドリシジミ類の見分けが苦手である。特に写真で撮ったりすると見分けが難しい。上の写真も何ミドリシジミなのかよくわからない。ミドリシジミ類を撮影しても種類の判別が出来ないので悩ましい写真ということになってしまう。

 ここで街のほうに戻り、昼食を食べる事にした。喫茶店のような所でカレーを食べた。fieldさんに連絡するとこっちに向かっていると言うことだったので、少しの時間でも落ち合う事にした。しかしまだ少し時間があったのでどうしようか考えた。

 ここは比較的海岸に近い場所だったので、もしかしたらヘリグロチャバネセセリは海岸近くの草原のような場所で見ることが出来るかもしれないし、アサギマダラが海を越えてやってきている可能性もあるかなと思い、一旦海岸のほうに行く事にした。途中、牛が飼われていたが、これは肉になる牛らしい。何故か舌を何度もペロペロ出していて、一体何をしているんだろう?と思ったら、他の牛も同じような行動をしていた。まさに新鮮な牛タンである。

肉牛が舌をペロペロ

 海岸近くに到着した。結果から書くとヘリグロチャバネセセリもアサギマダラも見られなかったが、遠くに苫小牧か白老と思われる工業群がうっすらと見えていた。気温が上がりかなり暑くて汗だくになっていたので、海岸で波の音を聞くだけでも少し涼しいような気がした。

遠くに見える工業群

 ここではヒメアカタテハを見ることが出来た。海岸でヒメアカタテハと言う事は、本州とかから飛んできた?と思ってしまう。ヒメアカタテハもアサギマダラ同様、北海道など寒い地域では越冬することが出来ないとされている。
 しかしこのヒメアカタテハはかなり新鮮に見えた。なので、春頃に本州から飛んできた個体の子供なんだろうか?気温が氷点下になれば死んでしまうので、この後、本州に南下していくのか、それとも北海道で命を全うするのかわからない。アサギマダラのようにマーキングも出来ないし、研究も進んでいないと思う。

綺麗なヒメアカタテハ

 海岸ではさほど成果を得られず、キマダラモドキのポイントに戻り、fieldさんと落ち合った。落ち合ってすぐにキマダラモドキを見つけることが出来た。しかも、けっこう撮影しやすそうな場所に止まってくれた。

fieldさんと落ち合ってすぐに撮影したキマダラモドキ

 10分か20分程度、fieldさんと撮影しながらもヘリグロチャバネセセリを探したが結局見つけることが出来なかった。fieldさんはこの後帯広に帰り、自分は室蘭に宿泊するということで、方向が逆。明日からも色々な蝶の撮影に挑戦する予定ということもあり、ここで体力を使い果たしてしまうわけにもいかないので、もうちょっと遊んでいたいという気持ちも大きかったが、今日はここまでとしfieldさんと別れ室蘭に向かった。