八雲のスジグロチャバネセセリとセミの大群
2013.8.12

 室蘭で1泊し、函館に向かう途中、八雲に立ち寄る事にしていた。ここではスジグロチャバネセセリとオオミスジの撮影を目指していた。

 まずはスジグロチャバネセセリのポイントへ。fieldさんの情報によるとかなりの数を見られるということだったので心配していなかったが、到着後車を降りるとすぐにスジグロチャバネセセリがたくさん飛んでいるのを見ることが出来た。

スジグロチャバネセセリ

 ここのポイントはちょうど高速道路の下にあり、広角レンズで高速道路を入れた写真を撮ろうと思っていた。広角レンズではかなり近づかないと蝶の姿が映らないので、ゆっくり近づき蝶に警戒心を与えないように気を使いながら撮影した。けっこう簡単に高速道路を入れた写真を撮影することが出来た。でも、ここのポイントでは数年前にも同じような写真を撮影したことがあるので何か物足りなさを感じた。

広角レンズで撮影

 次に見つけたのはメスである。メスはオスに比べると黒っぽい部分が多い。しかし、ヘリグロチャバネセセリとかコキマダラセセリとか、一瞬良く似ているので区別に困る。特に自分なんかはヘリグロチャバネセセリとスジグロチャバネセセリの区別はほとんどつかないと思う。
 
 

区別が難しいメス

 ここのポイントでは他の一般的な蝶の姿も見られたが、やはり一番多いのはスジグロチャバネセセリという印象で、あとはこれも普通種であるがコキマダラセセリが少し見られる程度であった。

コキマダラセセリのメス

かたつむり

 今日の本命はスジグロチャバネセセリではなくオオミスジである。これまで1度しか見たことが無く、写真も1枚しか撮ったことが無い。八雲方面にオオミスジが見られるポイントがあるという事を聞いていたのだが、細かいポイントなど、情報を道南虫の会専用掲示板で聞いていた。するとやはり八雲町にあるポイントを教えてもらったので、そこに向かう事にした。
 車で15分程度の場所にポイントがある。オオミスジはスモモが食樹なので、スモモの木を探せれば確率は高くなる。自宅の駐車場には立派なスモモの木があるので、スモモの木は判別できそう。簡単に見つけられるだろうと思ったが、全然見つけられなかった。

 オオミスジのポイントということで、早速オオミスジ探しをした。セミがかなりうるさく鳴いていた。

 舗装道路を歩きながらオオミスジを探すが、思いのほか交通量が多くて危ない。
 そうこうしている時にキベリタテハが飛んできて地面に止まった。目的の蝶ではなかったがキベリタテハもなかなか珍しいので、まずはキベリタテハの撮影でもしようと2,3枚撮影した所で、いきなりオオミスジの飛んでいる姿が目に入った。
 「いた!」と慌ててオオミスジを追いかけるが、ただのミスジチョウと違って素早く飛んでどこかに行ってしまった。逃げられたか・・・。やはりオオミスジというだけあって、でかいミスジチョウのように見えた。北見方面ではオオイチモンジと間違うくらいの大きなミスジチョウがけっこういるのだが、それと同じくらいの大きさに見えた。そして、止まったわけではないので絶対にオオミスジであるという確証は無い。しかし、飛び方や時期の問題も合わせて考えるとオオミスジである可能性がかなり高いと感じた。

 オオミスジに逃げられ、撮影中であったキベリタテハもどっかに行ってしまった。更に2,3枚撮影したキベリタテハの写真はろくなもんじゃなく使い物にならない。目移りしてどちらも逃がしてしまったという感じでけっこう悔しかった。

 その後、オオミスジと思われる蝶を数回目撃したが、とうとう写真におさめる事は出来なかった。

 それにしてもセミの声が尋常ではない。そしてセミが飛んでいる姿もかなり見ることが出来る。木に止まっているセミの数も相当なもので、これは大発生と言っても言い過ぎではないと感じるほどたくさんのセミを見ることが出来た。

 よーく木を見てみると、かなりの数のセミが止まっている様子を観察できた。数匹は手で掴むことができて楽しかった。

木に止まるセミたち

 あとで調べたのだが、このセミはアブラゼミという種類らしい。いたるところでセミの抜け殻を見つけることも出来たのだが、妻が発見した抜け殻は凄かった。葉っぱにたくさんのセミの抜け殻が付いていてびっくりするほどだった。

セミの抜け殻だらけ

 早朝に羽化することが多いと思うので、朝に見にきたらセミの羽化シーンをかなり見れたのではないだろうか。

 この付近には旅館があり、そこで数頭の猫を飼っているようだった。そのうちの1頭が道路上でだらしなく寝転がり口を大きく開けてリラックスしていた。人間にも慣れているようで近づいても逃げなかった。私は猫アレルギーらしいのであまり猫を触らないようにしているのだが、あまりの可愛さについ触ってしまった。
 妻に「あ〜あ、触っちゃった」と呆れられた。

だらしない猫。交通事故で死んだ猫じゃないよ

 オオミスジの撮影が出来なくて残念であったが、ふつう見ることの出来ないような大量のアブラゼミを見ることが出来て楽しかった。川を渡る細いつり橋なんかもあり、渡るのがかなり怖かったけど、スリル満点で楽しかった。気温がかなり高く、川に入って遊ぼうかかなり迷った。最後に木に止まるセミと周囲の風景を広角レンズで撮影した。

 時間はまだ午後1時頃で、出発せずにもう少しオオミスジを探してもよかったのだが、けっこう疲れてきたのでもう諦めて函館に向かう事にした。函館が近づいてくると実家に戻る前に様子を見に行きたい場所があった。アサギマダラの撮影が出来そうな場所だ。明日も朝から来る予定の場所なのだが、まずは下見ということで。

 道南虫の会の会員の方たちが既に今年何頭もアサギマダラを目撃している場所だ。今年は8月に入ってから例年に無く多くのアサギマダラを目撃し、マーキングに成功しているらしい。とりあえず1頭でもいいから目撃したかったのだが、結果から言うと1頭も目撃できなかった。明日以降、天気が悪くなる可能性だってあるし、とにかくアサギマダラを見たいと思ったがダメだった。

 アサギマダラは見られなかったが、代わりに可愛いシマリスが姿を見せてくれた。

立ち上がるシマリス

 30分ほど付近をウロウロしてアサギマダラが好きなヨツバヒヨドリの花を確認したり、クジャクチョウやキアゲハなどを撮影して実家に帰省した。

 明日、アサギマダラを見ることが出来るか、写真撮影が出来るか、とてもワクワクしながら実家までの30分程度を運転した。