再びアサギマダラと戸井のミヤマカラスシジミ 2013.8.14 |
今日は函館から帯広に帰る日だ。戸井に立ち寄りミヤマカラスシジミの撮影をしようと思っていたのだが、どうしても昨日の「狂乱のアサギマダラ祭り」が忘れられず、時間が無いのを承知で少しだけ立ち寄ってみる事にした。 昨日アサギマダラがたくさん見られた場所に到着すると、既に誰かが来ていた。名越さんだった。あの名越ロードを作ってくれた名越さんに会うことが出来た。 とても嬉しく、名越ロードを作ってくれた感謝を述べ、アサギマダラの状況を伺うと、それなりにアサギマダラの数はいるようだ。ただし、昨日のように大量ではないみたい。 昨日、かなり採集したせいもあるのかな?と思ったが、それよりも意外だったのは、「アサギマダラがかなり敏感で、採集しようと近づくと網が届く距離に入る前に飛び立ってしまう」と言う名越さんの言葉だった。 昨日は近づいても全然逃げなかったのに何でだろう?? 名越さんは5時台からここに陣取り、最初のアサギマダラは何時頃から見られるのか確認していたらしい。その中で十数頭目撃し、採集できたのが1頭と言っていた。 名越さんはもう3時間以上粘っていたので「もうすぐ帰る」と言われた。 私は名越ロードを歩いてみたが、アサギマダラの姿は見えなかった。多くのアサギマダラは名越さんを警戒してどこかに行ってしまったのだろうか?? そこで、名越ロードがあるポイントよりももう少し上の場所に行ってみる事にした。昨日も行ったが、そこではあまりアサギマダラが見られなかった場所。 名越さんに別れを告げ、少し上のポイントに着くと、けっこうな数のアサギマダラがヒヨドリバナにくっついていた。今日も「狂乱のアサギマダラ祭り」開催か?? |
名越ロードより上のポイントにいたアサギマダラ |
今日のアサギマダラは警戒心が強いらしいので、ゆっくりと、そーっと近づきながら撮影。ところが、近づいても近づいてもアサギマダラは逃げない。私は完全に気配を殺す事に成功しているのだろうか?? レンズがアサギマダラにくっついても逃げない。さっき名越さんが言っていた事とは正反対である。何でだろう? もしかして、手づかみ出来るんじゃないの?と思い、そーっと手を伸ばして素早く吸蜜中のアサギマダラを掴んでみた。 いとも簡単にアサギマダラの手づかみに成功した。 あらら、成功しちゃったよ!と、とりあえず記念に一枚。 |
手づかみで捕らえられた間抜けな?アサギマダラ |
今年はいつアサギマダラが採集されてもいい様に、カメラのレンズ入れにマジックを忍ばせていた。せっかくだからマーキングして放す事にした。 今日は父の命日である。そういうこともあって父の名前「ヒデトシ」と「ハコダテ」、そして採集日であり父の命日である今日「8/14」を記入して放した。(うっかりマーキング後の写真を撮り忘れた) 今日もアサギマダラをたくさん見ることが出来た。が、写真撮影をしたとしても昨日と同じような写真では面白くない。何か昨日とは別な感じの写真が撮れないかと色々考えた。 ヒヨドリバナにアカタテハとアサギマダラという光景が見られたので撮影した。 |
アサギマダラとアカタテハ |
アサギマダラとアカタテハは時々隣のヒヨドリバナに移動しながら吸蜜していた。 |
昨日と今日撮影した多くの写真の中で妻が一番好きだ言った写真がこれ。 アサギマダラの胴体がちょっと気持ち悪いからアップじゃない写真がいいって。 |
妻が好きだと言った写真が撮れた。今日来てよかったと思った。 ここではアサギマダラを20回くらい見ることが出来た。まずまずの多さである。 その他にはキアゲハが多かったが、キアゲハの吸蜜を邪魔するコキマダラセセリの写真なんかも撮影できた。 |
キアゲハとコキマダラセセリ |
ここに来たころは天候もまずまずだったのだが、ガスがかかってきたので戻る事にした。戻る途中でもアサギマダラの姿は多く、広角で撮影する事も出来た。 |
戻り途中で撮影 広角レンズなので、これでもかなりアサギマダラには近づいている 多分20cm〜30cm位 |
そうこうしていると、道路の向こうから安井さんが登場した。 道路の下のほうで帰る途中の名越さんとも会い、私が来ていると言う事も聞いたそうである。 自分は昨日と今日、十分すぎるほどアサギマダラを楽しむことが出来た。ここはもうマーキング活動に協力するべきだと思い、撮影はやめて安井さんに採集してもらう事にした。 |
この旅最後のアサギマダラ写真 |
この場所にけっこうアサギマダラが見られるということを伝え、安井さんと別れた。 車に戻り出発。先ほど名越さんとお会いした場所を通りかかると、別の人が来ていた。同じく道南虫の会の会員である小松さんだった。 道南虫の会の会員で比較的近くに住んでいる人たちは、アサギマダラのマーキング活動を熱心に行っている。こういう会員が多数の人で取り組んでいる姿を見ることが出来、ちょっと感動の気持ちが込み上げた。同じ目的を持つ仲間たちっていいなと。 そして、対馬先生が負傷した分を仲間たちがカバーしようとしているようにも感じた。 急いで車を降り、名越ロードの急な部分の上に小松さんがいたのでそこまで行って挨拶を交わし少しお話。昨日この場所がアサギマダラだらけになっていた事は掲示板等で既に知られているようだった。 この場所にさっきまで名越さんがいたことを話すと、「先ほど車ですれ違った」そう。 私がいる事も知っていたと小松さんは言っていた。 「また11月に懇親会でお会いしましょう」と別れの挨拶をして車に戻った。 今日はアサギマダラに会えたというよりも多くの道南虫の会の会員の方たちにお会いできたほうが嬉しかった。例年懇親会のときに室内でしか会えないメンバーばかりなので、現場の活動で会えたことが特に嬉しかった。 (普段、みんなでアサギマダラ等の調査をしている所の写真が掲示板に投稿されていて羨ましく見ていたので) 帯広に住んでいて、年に一度、懇親会のときだけしか顔を出さない自分を温かく迎え入れてくれて、みんな自分のことを仲間だと思ってくれているようで。 車に戻り、ちょっと去りがたい気持ちだったが、時間も無いので走り出した。妻が「みんなに会えて嬉しそうだね」と言った。まさにその通りだった。そしてこの先またこんなにたくさんのアサギマダラに会える日が来るのだろか?と思った。 昨日は250枚撮影、今日もここまで100枚ほど撮影。合計350枚ほど写真撮影が出来た。 車を戸井のほうに走らせて進んだ。ミヤマカラスシジミのポイントがあり写真撮影をしたかったからだ。 ポイントに到着、車を止めてポイントまで少し歩いた。妻は車の中で読書タイム。 ミヤマカラスシジミがいる場所まで来ると、早速目的の蝶が姿を見せてくれた。しかしこの時、この蝶がミヤマカラスシジミなのか、ただのカラスシジミなのかちょっと自信が無かった。とにかくあまり見たことのない蝶なので、区別の方法を忘れてしまっていた。 この蝶、帰宅後に調べてミヤマカラスシジミであることが分かったのだが、見られたのはこの1頭だけ。ただし夢中で吸蜜しており全然逃げなかったので撮影し放題であった。 |
吸蜜するミヤマカラスシジミ |
広角レンズでも撮影 |
ミヤマカラスシジミも1頭くらいしか見られないし、だんだんあまり面白くなくなってきた。もう車に戻ろうかなと思った時にトラフシジミの夏型発見。どうもメスのようで、葉っぱや茎にお尻をこすりつけている。産卵するのか??? 撮影しながらしばらく観察していたが、産卵する瞬間は見られず、葉っぱや茎も見たのだが卵は見つからなかった。ただ単にお尻が痒かったのかな?? このトラフシジミも全然逃げない。昨日今日のアサギマダラ、ミヤマカラスシジミ、トラフシジミと何でこんなに逃げないんだろう?本当に自分は周囲と一体化しているのではないかと思えた。 |
トラフシジミ(夏型) |
更に、近くから飛び出した蝶を発見。きちんと飛んでいる姿は見られなかったが、緑色に輝いては見えなかったので、ミドリシジミ類のメスのように感じた。ただ、何ミドリシジミなのかは相変わらずわからない。多分オオミドリシジミかハヤシミドリシジミなんじゃないかと思ったが、やっぱりミドリシジミ類の判別は難しい。 |
なんかミドリシジミ |
このポイントではスーパーカブに乗ったお爺さんがやってきて話をした。道路上にゲートがあり、そこから上に行くことができなくなっていたのだが、ゲートには鍵がかかっておらず、自由に行き来できる状態だった。自分はてっきり鍵がかかっていると思って、そこより向こうに行かないようにしていたのだが、カブのお爺さんは鍵のかかっていないゲートをあけていた。何でも、このゲートは向こう側にある山にいる野生の馬が下りてこられないようにしているらしく、その事をお爺さんは教えてくれた。だから鍵がかかっていなくて人間は自由に行き来できるんだって。 お爺さんは自慢げに「新しいバイクを買ったから試運転に来た」と言っていた。 タイヤは草で滑らないようにスパイクだった。この辺のお爺さんらしい。 時々虫の採集に来ている人がいるよと教えてくれた。「みんなここらへんの場所にいて、ほら、あそこの木にいるチョウチョを採っているよ」と、ミヤマカラスシジミの植樹であるクロウメモドキを指差していた。 違うミヤマカラスシジミが出てこないか期待したが、見ることが出来ず、そろそろ時間もなくなってきたので車に戻り出発した。 帰るときに、森町あたりに抜けられる近道がありそうな気がしていたが、そういう道があるのかどうかわからず、結局ナビの指示に従って走る事にした。ちょうどまた朝に行った横津岳に行く道の入り口を通って大沼回りで帰る事になった。ひとっつも近道は出来なかった。 今回の帰省を総括すると、目的であった蝶のうち、キマダラモドキ、スジグロチャバネセセリ、アサギマダラはたくさん見ることが出来た。ヘリグロチャバネセセリは見ることが出来ず、オオミスジは見れたけど撮影は叶わず、ミヤマカラスシジミは1頭だけだったけどたくさん撮影することが出来た。 あわよくばヒメジャノメも考えていたが、ポイントも良くわからず出会う事は出来なかった。 それでもアサギマダラは狂乱状態だったし、道南虫の会の人たちにも多く会えたし、とても満足することが出来た。 |