層雲峡のオオイチモンジ
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2012.7.23
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今日は平日だけど休み。天候は良くは無いけどそこまで悪くも無いというので、どこかに出かけようと思った。この時期だとやはり層雲峡のオオイチモンジ狙いがベスト。天気予報を見たら旭川方面では昼間に少し晴れるらしかったが、層雲峡は旭川の予報をあてはめる事は出来ない。何といっても大雪山だからだ。
黒いオオイチモンジを見たいという目標をかなり前から思っている。去年、一度だけ目撃する事は出来たが、撮影も採集も叶わなかった。
数日前、知り合いから電話があり、今年はオオイチモンジが凄く少ないと言う事だったが、絶滅したわけでは無いだろうし、少しは見れるだろうと思って朝の7時頃出発した。
到着したのは9時頃だったと思う。まず、最初の林道に入った。いつもなら車で林道を走りながらオオイチモンジを探すか、あるポイントに居座ってオオイチモンジが飛んでくるのを待つという作戦だが、去年までの経験で今年は林道を歩きながらオオイチモンジを探そうと思っていた。
車を林道入り口の鍵がかかっているゲートの前に止めて歩き出してすぐにびっくりした。なんと、林道が崩れて道が無くなっている。
脇を流れる川が増水して林道をえぐりとっていったという感じ。これじゃぁどのみち車では行けない。でも、よく考えると車で行けないという事は、オオイチモンジ採集で林道に入っている人も少ないかもしれない。これはもしかしてチャンスかもと思った。
しばらく歩いたが、オオイチモンジの姿は全く無し。電話で連絡をもらったとおりだ。
20分くらい歩いて最初の有名なポイントの橋に到着したが、そこには採集の人が二人いた。挨拶して情報を聞いたがやはりオオイチモンジの姿はほとんど見られないとの事。林道のこの先また崩れているということだった。
とりあえず林道が崩れているところまで行ってみようと思って歩いたが、やはりオオイチモンジの姿は全く無し。1時間ほど歩いたが途中、林道が大きく崩れている場所が2箇所、小さく崩れている場所も一箇所。
何もいないので見つけた蛾を撮影 |
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帰り道、先ほど橋の所にいた人は既にいなくなっていた。橋で一服して休んでいるとどこからともなくオオイチモンジが飛んできた。しかし、ちょっと羽化不全の♂。当然採集はしなかったし、とりあえず撮影したけどここで紹介するほどではない。
車に戻って次の場所へ。ここでは車で流しながらオオイチモンジを探したがオオイチモンジは見られなかった。
更に次の場所へ。ここでもオオイチモンジの姿は全く無し。ちょうどお昼頃になっていたので妻に作ってもらったおにぎりを食べながらオオイチモンジを待ったが、やはり一頭も見ることが出来なかった。
しょうがないので、2番目に行った場所にもう一度行ってみた。途中まで行って見つけたのはシマリスだけ・・・。 |
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この写真は車の運転席から撮影したものだが、最初、かなり近づいてもこのシマリスは全く車に気付いていないようだった。見た感じ子供のリスに見える。ちょっとして自分に気付き、びっくりして大急ぎで逃げていった。どんだけボーっとしていたんだろう?
で、ここで車をUターンして戻る途中、林道の橋でオオイチモンジを発見。びっくりして車を止めたが、車のスピードが結構出ていて、かなり行き過ぎて車が止まった。急いでとりあえず網を持って向かったが、そこにいたのはオオイチモンジのオスだった。時期的にオスは少し遅いのかなと思っていたが、かなり綺麗な個体に見えた。オスは採集する気もあまり無いのだが、これだけオオイチモンジに出会えないでいるととりあえず採集しようかという気になって網を振った。が、逃げられた。
オオイチモンジのオスに逃げられたからと言って特に悔しくも無いんだけど、少しだけ戻ってくるのを待った。でも戻ってこなかった。
更に林道を下っていくと、また橋の近くでオオイチモンジを発見。しかも、一瞬見ただけだったがメスだったような気がした。また慌てて車を止めて網を持って車を降りた。
ちょうどそのオオイチモンジは飛んでいて、やっぱりメスに見えた。だけど、どっかに行ってしまった。メスは逃げられたら少し悔しい。また戻ってこないかと思って待つ事にした。
しばらく待っているとオオイチモンジが飛んできた。「きたー!」と思って走って近寄ろうと思ったら郵便局の車が来てしまい、オオイチモンジはどっかに行ってしまった。なんていいタイミングで郵便局の車が来るんだ!とちょっと腹が立ったが別に郵便局の車が悪い事をしたわけじゃないのでしょうがない。悔しかったのでまたしばらく待った。
そしたらまたオオイチモンジが飛んできた。「よっしゃぁ」と思って近寄って見ると「あれ?オスじゃん・・・」
でも今日は本当にオオイチモンジが見られず、オスでもいいかという気持ちになって採集した。今度はちゃんと採集できた。やっぱり綺麗なオスだった。
さっき車の中から見たときにはなんとなくメスに見えたんだけど、今採集したのはオス。
最初に見たのもやっぱりオスだったのかな?と思ったが、自分を信じてもう少し待つ事にした。
そしたらやっぱりメスのオオイチモンジが飛んできた。しかし、網が届く位置ではない。目で追ったけどどっかに行ってしまった。でも、今日はオオイチモンジがほとんど見れないので、こんなチャンスは無いかもと思った。今見たオオイチモンジのメスは少なくとも近くにいるわけだから。
その後、数分間待ったがオオイチモンジのメスは来なかった。そこで、少し歩いて見回る事にした。そしたら橋から50mか100m位の所でオオイチモンジのメスがこちらに向かって飛んできた。周りに誰もいないのに「メスだ!」と言ってしまった。
飛んでくるメスは不規則な動きをしていて、適当に網を振ったら逃げられそうである。そこで心臓をバクバクさせながら動きを見定めて網を振った。勝負はこの一振りで決まる。
オオイチモンジのメスは網の中に入った。勝負に勝つことが出来た。とても綺麗なメスだ。ちょっと手が震えた。
すぐに胸を圧迫して三角紙に入れた。これまで全部で3頭くらいしか見れなかったオオイチモンジのうち一頭がメスなんてとても運がいいと思った。
もう2時位になっていただろうか?ここのポイントから更に移動する事にした。今度行った場所はこれまで一度も入った事の無いポイントだ。この林道も歩いてオオイチモンジを探す事にした。
林道に入ってすぐ、とりあえず先ほど採集したオオイチモンジのメスを撮影したくなったので、フキの上に乗せて写真を撮った。 |
※生態写真ではありません
採集した後に撮影したものです |
この林道は最初のうちは下り坂になっていて、しかも日当たりが悪くオオイチモンジがいそうにはない。でもベニヒカゲが少し飛んでいたので2頭だけ採集した。
しばらく歩くと何台かの車に抜かれた。そして、日当たりの良い交差点に出た。ここには他の採集の人がいて、通常どっちの道に行けばオオイチモンジのポイントがあるのか聞いた。
ここにいた人は4人くらいだったけど「お、歩いてきた。すげー」と言っていた。20分くらいしか歩いてないと思うんだけど。
その人に聞いた方に歩いて行く事にした。3mの熊が出るぞと脅かされたが、3mでも1mでもクマに襲われたら勝てはしない。鈴も持っていたけど、とりあえず襲われない事を信じて歩いた。
すると、誰かがいた。採集の人だ。挨拶して少し会話をした。本州から来ていて、全然オオチモンジがいないと嘆いていた。でもこの人、話をしていくうちに函館出身だと言うことがわかった。自分も函館出身だと言うと、じゃぁ○○さん知ってるかい?という話になってきたのだが、言われる人のほとんどが知ってる人だった。
自分が所属していてお世話になっている道南虫の会の方たちの名前がたくさん出てきたので嬉しくなってお話していると、いきなりオオイチモンジのメスが飛んできた。
「メスだ!」と言って、その蝶が飛んでいる方向を目で追うと、何故かオオイチモンジのメスが2頭になった。
「2頭いる!!」と言って更に目で追ったが、2頭のメスは少し高い木の葉っぱの間に入ってしまい消えてしまった。
ちょうどその頃、天候が曇りに変わってしまい。晴れ間を待って1時間以上その場に留まった。晴れたらまたメスが出てくるかもと思い。
長い間待ったが晴れ間がなかなか出てこなかった。でも函館の話をしたりして楽しい時間を過ごせた。名前も交換したし、連絡先も交換した。
夕方になったのでもう諦める事にした。林道入り口まで車で乗せてくれるというので迷ったが乗せてもらう事にした。歩いて戻ろうかと思ったが、1時間以上立ちっ放しで疲れたし、夕方になってきていたので一人で歩いて戻るのがちょっと怖かった。
林道入り口まで戻った後、ホソバヒョウモンかクモマベニヒカゲあたりを見たくて、この人と一緒に一箇所だけポイントに行ったが日が暮れかかっていた感じで全くダメだった。
この人は明日帰ると言っていた。
「色々ありがとうございました」とお礼を言って別れて帰った。
今日はオオイチモンジがほとんど見れなかったが、そんななかでも合計3頭のメスを見れてドキドキしたし、そのうち1頭は採集できた。
同じ函館出身の方とも知り合う事ができて、楽しい一日になる事ができた。
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