キバネセセリだらけ

2012.7.25


 今日も平日だけど休み。どこかに行く事にした。先日、層雲峡にオオイチモンジ狙いで行ったが、オオイチモンジをほとんど見ることが出来ず、また少ないチャンスでメスを採集する事が出来たので、もう層雲峡はいい。
 この時期だと、ゴマシジミが見れるかもと思った。帯広よりも南にゴマシジミの秘密のポイントがある。ここではかなりたくさんのゴマシジミが広範囲に生息していて、たくさんの人で採集に入ったら軽く1000頭は採れるだろう。しかもこのポイント、多分自分しか知らない。絶対じゃないけど、この何年も採集や撮影の人に会った事も無いし、こんなところに!というような場所をたまたま数年前に見つけたのだ。
 しかも、ゴマシジミだけではなくけっこうたくさんの種類の蝶を見ることが出来るのだ。
 ちょっと時期が早いかなと思ったけど、自宅からそう遠くも無いし、遊びがてら見に行く事にした。

 ポイントに到着してびっくり。昨年までと違って草がかなり生い茂っていてゴマシジミの生息ポイントに入りづらい。
 去年までは膝くらいの草はあったんだけど、今年は背丈近くまで伸びている。かきわけながら草むらを進んだが、ゴマシジミの姿はほとんど無い。それでも3頭位目撃は出来、1頭は採集した。最初にすぐ1頭採集して「このさきたくさん見れるな」と思ったんだけど、写真すら撮れなかった。
 今年は蝶の発生時期がなんか変なので、もしかしたらまだ早かったのかもしれない。採集した一頭もすごく綺麗だったし。

 いつまでもここにいても大して成果も無いと思い、車で少し離れた別のポイントに向かった。ゴマシジミのポイントではないし、特に目的とする蝶もなく、ただなんとなく山の林道に入った。

 林道を車で走りながら蝶を観察すると、コチャバネセセリやコムラサキが多い感じ。コヒオドシも時々見かけるけどクジャクチョウの姿はなし。またミヤマカラスアゲハの夏型も飛んでいない。

 なんとなく林道を行き止まりになるところまで進んで、そこで車を降りた。何かいないかなぁ〜と思いながら付近を見渡してみると、白くて小さい花が咲いていたのだが、その花という花全てにキバネセセリがびっしりと付いていた。こんなにたくさんのキバネセセリを見るのは初めてだ!

 とにかくたくさんのキバネセセリがいて、もしむやみに網を振ったらすぐに100頭は採れる感じ。キバネセセリは一心不乱に花の蜜を吸っている。手を近づけても全く逃げない。写真を撮影しながら少し採集しようと網に入れたが、網に入れると凄い勢いで暴れて胸を圧迫できない。圧迫するまでに翅が痛んでしまうのだ。(暴れすぎて)
 そこで、手づかみにチャレンジしてみることにした。
 花の蜜を吸っているところを狙って指でキバネセセリの胸を掴めれば、そのまま圧迫して三角紙に入れることが出来る。
 最初の一発目で成功した。「なんだ!こうやって採集すれば綺麗なままだ」と喜んだのだが、その後、ギリギリで逃げられたり、上手に胸をつかめないなどで、直接指挟み作戦はあえなく失敗に終わった。
 
大発生しているキバネセセリ

 よくみると、意外とオオチャバネセセリも多い。もう少し遅い時期に見られるような印象の蝶だが、キバネセセリと同じく綺麗な個体が多い。発生初期と思われるが、これもこんなにたくさんを一度に見たのは初めてだ。

 
キバネセセリとオオチャバネセセリが一緒に花の蜜を吸っている姿。

 セセリって普通蛾にしか見えないし、色も地味で綺麗じゃないんだけど、これだけ痛んでない個体なので、自分的には凄く綺麗に感じた。キバネセセリはメスの割合がすごく少なくて、見た感じでは20頭に1頭くらいがメスだったと思う。

 最初は喜んで撮影していたんだけど、だんだん飽きてきた。そこで、その他の場所に目を向けると、ミドリシジミの仲間が縄張り争いをしながら飛んでいるのが見えた。葉にも止まるのだが、距離が遠くて撮影できない。そこで1頭採集してみた。そしたらメスアカミドリシジミのオスだった。
 ミドリシジミ類は似ているので判別がなかなか付かない。でも、メスアカミドリシジミは翅の裏の模様に特徴があるので、採集したり近くで撮影できればすぐに判別できる。
 いつもなら「ミドリシジミの仲間」で済ませるところだが、今回はきちんと判別できた。

 たくさん飛んでいたので3頭位のオスを採集した。

 この場所からは脇を流れる川に降りることが出来る。降りたら大きな砂防ダムがあるのだが、渇水で水が上流からチョロチョロ流れてきていて、途中で水の流れが途切れていた。途切れているところからしばらく下流に進むといきなり水が沸いていてちょっとした水溜りになっていた。こんな光景初めて見た。

 川の周りを少し歩いたが、何もいないのでまたもとの場所に戻ってきた。少し林道を歩いて戻ったのだが、とにかく道路沿いの白い花にはキバネセセリとオオチャバネセセリ。上を見上げるとミドリシジミ類のオスがキラキラ飛んでいるという状況だ。

 どうしようかなと思ったのだが、100mmマクロレンズを持っていたので、蝶の顔のアップを撮って遊んでみる事にした。
種類は忘れたがヒョウモンの顔。あまり可愛くない。
キバネセセリの顔。ふさふさしていて目が大きくて可愛い。暑そう。
スジグロの顔。特に印象無し。

 十分満足するくらい撮影したので戻る事にした。戻る途中、橋の上から川を見てみた。水が流れているか心配で。すると、少ないながら水は流れていて、30cm弱位の魚がゆらゆら泳いでいた。餌が流れてくるのを待っているようだった。

 更に、橋のところではクワガタが飛んでいて、網で掴み採ったらミヤマクワガタのメスだった。
ミヤマクワガタのメスを橋の欄干に置いて撮影

 一瞬、このミヤマクワガタのメスを川の中に投げ入れたら魚が食べるかどうかやってみようと思ったが、可哀想なのでやめた。

 今日は見たことも無い数のキバネセセリの大発生に出くわす事ができてとても楽しかった。
 最初に行ったゴマシジミのポイントは、機会があったらまた見に行く事にしよう。