ダイセツタカネヒカゲ
Oeneis melissa daisetsuzana
2006.07 大雪山
成虫

2006.07 大雪山
成虫
コメント

 北海道に棲息する蝶のうち、5種が国の天然記念物に指定されていますが(2014年現在)ダイセツタカネヒカゲはそのうちの1種です。大雪山の標高の高いところにしか棲息していません。

 生息地の岩場に見事に擬態していて、岩場に降りたダイセツタカネヒカゲはなかなか見つけられません。天然記念物と言うととても綺麗で希少価値のある蝶という印象がありますが、このダイセツタカネヒカゲ、生息地にはウジャウジャいるし、お世辞にも綺麗な蝶とは言えない印象を持っています。むしろこ汚い蝶のように感じます。撮影に言っても、綺麗でないのであまり撮影したい気持ちになれません。しかも天然記念物で保護されていることをいいことに我が物顔でブンブン飛び回り、図々しいというか何というか・・。ちょっと憎たらしい気持ちになります。「天然記念物に指定されて保護されてるからっていい気になるなよ!汚い蝶のくせに」って感じ。ちょっと毒舌だったかもしれませんが、実際に見に行くと正直そういう気になります。ダイセツタカネヒカゲを天然記念物にするくらいならもっと他にあるんじゃないの?って思っちゃいます。

 ただ、大雪山にいる天然記念物は希少価値での保護というよりも、生息環境を保護する必要の方が大きいかなとも思います。大雪山の標高の高いところに棲息するという事は、寒い環境を好むという事で、地球温暖化などが続けばダイセツタカネヒカゲの生息できる環境は狭められると考えられます。ですから直接山に行って生息環境を壊さないのはもちろんですが、普段の生活の中で二酸化炭素や硫黄酸化物などの温暖化物質をなるべくださないような生活をすることがこの蝶の生息環境を守るという事になるわけです。一人の力は小さくても、たくさんの人たちが少しづつでも頑張れば大きな力になると思います。


分布:北海道の大雪山。日高山脈の高山帯にも棲息していて地域変異があるといという図鑑もあります。

発生:年1回6月中旬から7月に見られます。一年目の冬は2〜3令幼虫、2年目の冬は5令幼虫で越冬します。

食草:ダイセツイワスゲ、ミヤマクロスゲ、アシボソスゲ。