カラフトセセリ
Thymelicus lineola
2004.07 滝上町
成虫

2004.07 滝上町
成虫
コメント

 北海道で最近発見された蝶です。記録によれば1999年に滝上町で初めて発見され、その後の調査で紋別市などでも見つかり、現在に至ってるようです。

 しかし、同じく1996年くらいに発見されたオオモンシロチョウが既に北海道全域に広がっているのに対して、このカラフトセセリはそれほど勢力を強めておらず、滝上町を中心として半径数十キロ位でしか分布してないらしいです。(2004年現在)
 更に10年近くたち、分布はだいぶ広がっているようです。(2014年追記)

 2004年、初めてカラフトセセリを見に滝上町に行きましたが、その時見たカラフトセセリは例えはコチャバネセセリとかのように俊敏に飛び回るのではなく、比較的ゆっくりと飛んでいました。また、飛ぶ範囲もそれほど広くないという印象を受けました。

 この蝶が見られるようになった原因は、ヨーロッパから中央アジア、北アメリカにかけて生息していたカラフトセセリが、乾燥稲か牧草が輸入される時に卵かなんかがくっついてきたとしか考えられません。まさか海を飛び越えて来るとは思えませんので。

 しかし、牧草や稲を食べると言うことで、害虫扱いにされているようです。勝手に外国から連れて来られて、日本に来て害虫扱いされて嫌われる。なんとも可愛そうで、農家の方の苦労もわかりますが、私くらいはカラフトセセリを応援してあげようかな?と思っちゃいます。


分布:北海道のみ。滝上町から半径数十キロ範囲

発生:年1回、7月くらい。

食草:チモシー、ケンタッキーブルーグラス、オーチャードグラスなど。

越冬:卵