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カラスアゲハという名前はずいぶん損をしているような気がします。チョウを知らない知り合いにカラスアゲハのことを話すと、「知ってるよ!あの黒いアゲハでしょ」と言われる事がたくさんあります。確かに黒いアゲハといえばそうなのですが、良く見ると、青や緑や赤の美しい模様です。春に発生する”春型”と夏に発生する”夏型”があり、大きさがずいぶん違います。
毎年6月の初旬に林道でたくさんのカラスアゲハとミヤマカラスアゲハのオスが、水たまりとか湧き水のところで水を飲んでいます。近寄るといっせいに飛び上がって逃げようとするのですが、お腹にはたっぷりの水が入っているため素早く逃げる事ができず、重い体をせいいっぱい動かして逃げようとします。空中では体を軽くしようとしているのか、オシッコをピュッと出しながら飛んでいます。私が高校生の頃、上磯の茂辺地というところで蝶の採集をしていたら、林道上に無数のカラスアゲハとミヤマカラスアゲハが水を飲んでいたので、補虫網を持って走ったら一斉に飛び上がり、その羽が太陽を隠して私の周りが暗くなったという思い出があります。そのとき、天気は晴れていたのですが、羽で暗くなった空から雨が・・・、雨は雨でもオシッコの雨でした。
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