ウスバキチョウ
Parnassius eversmanni daisetsuzanus
2006.07 大雪山
成虫

2006.07 大雪山
成虫
2006.07 大雪山
成虫
コメント

 北海道の蝶を代表すると言っても過言ではないウスバキチョウ。国の天然記念物に指定されていて、採集すると逮捕されます。生息地は大雪山の標高の高い地域です。個人的な感想としては生息地に行けばけっこう見られると思います。氷河期の忘れ物なんて事も言われていて、氷河期の頃は当時の北海道に位置している所でもたくさん見られたようですが、氷河期が終わり気温が高くなり道内の平地などでは生きて行く事が出来なくなり、標高の高い涼しい所でしか生きていけなくなったようです。

 天然記念物に指定されて、人間の採集からは守られていますが、食物連鎖の中では鳥に食べられたりという事もあるでしょうし、地球温暖化などで気温が上がればますますウスバキチョウが生きていける環境は狭められてしまいます。この蝶を守るためにはその地域の環境だけでなく、地球規模で環境保全を考えていかなければならないという事です。

 ウスバキチョウの特徴として、羽化したての個体は真黄色ですが、羽化してから時間がたつと黄色が薄くなって白っぽくなります。綺麗な黄色を見たければ羽化の初期、7月の上旬頃に生息地に行かねばなりませんが、この頃の大雪山はまだ雪が残っていて、危険な雪渓を越えなければなりません。気軽なハイキングの気持ちで登るとえらい目にあいますので、それなりの準備をして会いに行かねばなりません。


分布:大雪山の標高1700m以上の場所

発生:6月下旬から7月下旬。産卵された卵はそのまま1年目の冬を越し、2年目に孵化。幼虫時代をすごして蛹で2年目の冬を越し、翌年羽化します。

食草:コマクサ