撮影(採集)記録2003

8月5日(火) 道南遠征6日目(最終日)
 今日は天気予報が晴れ!土曜日にFieldさんが来たが雨のため惨敗した松前町と上ノ国町を結ぶ林道に再チャレンジしようと計画を立てていた。松前から林道に入りオオゴマシジミの撮影をして、更に上ノ国町でゴマダラチョウを探す予定。
 朝、秘書(母)に起こされる。7時40分。少し寝坊だ、出遅れた。
 朝食をとり出発する。天気予報とは裏腹に、天気は曇り。でも、ところどころ空には青い色が見えるので、なんとかなるだろう。
 函館の最前線基地から今回のポイントまでは100km以上ある。大体2時間かかる。車を走らせていくと晴れたり曇ったり・・。しかも松前町近くになったらものすごい霧で前が見えないくらい。ヤバイと思ったが、霧はすぐに無くなり快晴になった。

 国道から林道側に入り、しばらく行くと、網を持った女の人がいた。私はすぐにその人がオオゴマシジミ狙いの採集者だとわかったが、ちょっといつもと様子が違う。ずいぶん年配の方だ。車を止めて少しだけ話をした。
 女の人は「今来たばかりで私はまだ1頭も見ていません」と言われた。「私は」ということは、まだ誰かいるのかと思ったが、特に何も聞かず、少しだけオオゴマシジミの話をして私は更に奥に車を進めた。
 そうしたら、すぐに今度は長い網を持った採集者が見えた。また採集者がいる!と思ったのだがなんだか様子がいつもと違う。この採集者の方もずいぶんと年配の方だ。私はすぐにわかった。この二人の採集者は夫婦だと。
 また私は車を止めて、話をした。
 年配の男の採集者の人は「1頭だけ採集した。この時期ではすでにオオゴマシジミには遅くて、採集した1頭も少しボロ。だけど今年は全然オオゴマシジミが見られない。」
 更に「ここのオオゴマシジミも昔はたくさんいたが、年々減少して最近はかなり少なくなっている」ということだった。私は高校時代、ここで19頭のオオゴマシジミを採集したという記録集を持っている。全然記憶にはないのだが・・。
 ここのオオゴマシジミも「昔」の中に逃げてしまったか・・・。と思っていると、採集者の人が三角ケースの中から採集したオオゴマシジミを取り出し見せてくれた。
 十数年ぶりにオオゴマシジミと対面した。確かに少しボロのようだった。
 私はこの数日、オオゴマシジミを求めて走り回り、そして玉砕し続けてきた。こんな形でオオゴマシジミと対面するのはなんだか複雑な心境だが、採集者の方たちも「全然いない」というくらい少ないらしいし、私もこの先オオゴマシジミに会える保証は無いと思い、三角紙の中のオオゴマシジミを撮影させてもらった。
 実はこの更に奥に、前回Fieldさんと来たときにめぼしをつけていたポイントがある。そこに行けばきっとオオゴマシジミを見られるのではないかと思い、採集者の方にお礼を言って奥に進んだ。

 奥といってもかなりの距離。頑張って進んでそのポイントに到着した。車を止めて歩いて見に行く。
 ところが全然オオゴマシジミの姿は見えない。「うっそーっ!!!」絶対オオゴマいそうなのにぃ・・・。目を凝らして見てもオオゴマシジミはいない。代わりにベニヒカゲがチラチラ飛んでいる。しばらくこの場所にとどまりオオゴマシジミを探したが結局見つけることは出来なかった。

 さて予定ではこのまま上ノ国町にいくはずだったが、どうしてもオオゴマシジミが諦められない。更に林道の奥に進むか、先ほどの採集者がいたあたりまで戻って探すか・・。考えた末、戻ることにした。さっきの採集者が1頭でも採集したのなら、その付近にオオゴマシジミがいるのは確実だ。1頭しかいないオオゴマシジミを採集者が採集したとは考えられない。

 車をUターンさせて先ほどの採集者夫婦がいた辺りまで戻った。
 そこまで戻ると、採集者夫婦の姿はすでに無かった。諦めて帰ったか違うポイントに移動したようだ。

 車を止めて、ポイント付近の道を奥に進むようにしながら登り、オオゴマシジミを探すことにした。
 歩き始めてすぐに私の目線の向こう側からブルーの蝶がものすごい勢いでこちらに向かって飛んできた。ルリシジミみたいだけど少し大きいような・・。ルリシジミのメスかな?採ってみようか放っておいて様子を見ようか・・・。考える間もなくその蝶は私の目の前を通り過ぎた。
 その瞬間、私の持っていた補虫網が火をふいた。一瞬の出来事・・。無意識のうちに私は補虫網を振ってその蝶を採集したのである。
 網の中にルリシジミではなく、はオオゴマシジミがいた。「オオゴマだ!」と思った瞬間複雑な気持ちになった。採集したのはいいがこれでは撮影できない。逃がせばどこかに飛んでいってしまう。だけどあれだけ凄いスピードで飛んで来たのではどっちみちどこかに止まるとは考えられない。採集したオオゴマシジミを三角紙にしまいながらも私の中の複雑な気持ちは増していった。

 そしてまた私は歩き始めた。ずうっと登りながら道を進んでいったが、それ以降オオゴマシジミは見られない。しばらく登った後、戻ることにした。戻りながらも色々考えた。
 もしこのままオオゴマシジミが見られなかったらどうしよう。私は採集に来たのではなく、撮影しに来たのだ。せっかくオオゴマシジミに出会えたのに、撮影する前に採集してしまうなんて・・。でも、あのオオゴマシジミを放っておいたら絶対どこにも止まらずに飛んでいってしまっていたはずだ。
 後悔のような気持ちを心に持ちながら歩き、また車のところに戻ってきてしまった。

 もう一往復しようか、どうしようか考えながら、車内のジュースを取ろうとした時、車の向こう側でブルーの蝶が2頭見えた。

 私は車を林道の奥側に向けて道路の右側に止めている。上から見ると、一番左側が山で、次に林道があって道の右側に車を止めていて、更に車の右側は沢になっていて川が流れている。

 ブルーの蝶はその沢の向こう側で飛んでいたのである。蝶の大きさが明らかにルリシジミより大きかったので、私はそれがオオゴマシジミだとすぐにわかった。慌てて沢を降りて川の向こう側に行った。靴はびしょ濡れになった。

 オオゴマシジミは2頭いて縄張り争いの喧嘩をしているようだった。飛び方は先ほどとはまったく違い緩やかで、チラチラと飛んでいるという感じ。先ほどのすごいスピードのオオゴマシジミは風に乗って速く飛んでいたのだろう。
 どこかに止まって欲しいと思いながらオオゴマシジミを眺めていたのだが、なかなか止まってくれない。そのうちオオゴマシジミは更に増え、常に3頭くらいは私の見える範囲を、入れ替わりながら飛んでいる。縄張り争いの喧嘩というよりは、みんなで遊んでいるような印象に変わった。

 そしてついにそのときは来た。オオゴマシジミが葉の上に止まったのだ。私はそーっと近づきながらシャッターを切った。
 ついにオオゴマシジミの写真を撮影できたのである。川の向こう側が崖のようにせり上がっていたことと、太陽の傾きから(撮影時刻は昼の1時過ぎ)オオゴマシジミにうまく光が当たってくれなくて、影になったり、羽を開いてくれなかったりしたが、そんなことはどうでもいい。とにかくオオゴマシジミを撮影できたのである。

 道南で何日も探し回ったオオゴマシジミをついに撮影できた喜びで多分私はニヤニヤしていただろう。私の前に現れたオオゴマシジミはさきほど採集者が言っていたのとは違って、特にボロになってる様子も無く綺麗な個体であった。
 私は河原にゆっくりと腰を下ろし、沢の向こうで飛んでいるオオゴマシジミを眺めながら、道南に入ってからの屈辱の日々を懐かしく思った。(懐かしむのは早い?)
 更に心は落ち着き、気が楽になっていった。考えてみると、ここ2、3日はオオゴマシジミを見つけたいということばかりにとらわれて、懐かしい山の様子を見ることも無かった。山に癒されにいく感じは全く無く、楽しくも無かったかもしれない。ただオオゴマシジミを目指して走り回り、そして玉砕し続けていたのである。(ツチノコ探してるみたいだった)
 今は爽快!目の前の小川と、せり上がった崖、そしてそこに生えている緑の植物と飛んでいるオオゴマシジミを見て楽しんでいる。とても贅沢なひと時に感じた。

 たくさんのオオゴマシジミが飛んでいたので、1頭だけ採集させてもらい、残りはFieldさんのために残しておくことにした。Fieldさんはまた近々道南に来るかもしれないということを言っていたようなので。(Fieldさんが近々来なくてもこれ以上の採集はしなかったと思うが)

 それからまた何枚か撮影することが出来た。

 2時を過ぎた頃、オオゴマシジミの姿も見えなくなってきた。今日はもう寝床に帰ったのかな?そろそろ私も最前線基地に帰ろうか。たくさん卵を産んで来年も楽しませてね!と心の中で思いながら私も沢を登り車に戻って帰ることにした。

 ついにオオゴマシジミの撮影に成功した!100点!!

年配の採集者が見せてくれたオオゴマシジミ。いくら探しても出会えないオオゴマシジミとこんな形で対面するとは複雑だった。 ついにオオゴマシジミの撮影をする事ができた!震える手と荒くなる息のなか、シャッターのボタンを押す。「逃げるなよ、逃げるなよ!」と心の中で叫びながらの一枚。

お日様の光がガンガン強くて、葉の影に入ると少し暗く写ってしまうが、実際目で見てもこんな感じに見えていたんだから、問題ナッシング!小川のせせらぎとオオゴマシジミ。今日一番の写真だと思う。

この場所でオオゴマシジミがチラチラ飛んでいた。
来年も見に来ようかな。来年もオオゴマシジミは私と遊んでくれるかなぁ??
日付 場所 種類 採集・撮影・目撃 備考
8/5 松前町 オオゴマシジミ 少々 2exs採集・撮影 10頭弱位目撃
ミヤマカラスアゲハ 多数 目撃
コムラサキ 多数 目撃
ルリシジミ 多数 目撃

8月4日(月) 道南遠征5日目
 昨夜の天気予報では、今日は1日曇りの予報だったので、朝、ゆっくり寝ていたら6時半に最前線基地秘書(母)に「天気いいよ」と起こされた。あわてて起きて外を見ると確かに晴れている。天気予報外れだ!でもこういう形の外れなら個人的には歓迎だ。最前線基地2階から近辺の雲の様子を眺める。上磯付近はまだ暑い雲に覆われてる。作戦としてはまず、函館の鉄山地域(上磯と反対側)に行き、その後上磯付近に移動してオオゴマシジミを狙うことにした。

 7時半頃出発し、鉄山地域に向かった。鉄山地域は高校時代、かなりの数通ったポイントである。このポイントの特徴はいろんな蝶を見られるということだ。当時はムモンアカシジミやアカマダラ、ヒメシロチョウなどたくさんの蝶を採集した思い出がある。
 ところが到着して「あっちゃー」と思った。林道の東側が山になっていて、道路上に陽が差していない。来る時間が早すぎたのだ。それでもミドリシジミ類の蝶やスジグロシロチョウ、ヒョウモン類など、数種類の蝶たちは動き回っていた。何種類かの蝶を撮影して、以前たくさんのゴマシジミが見られた場所に行ったが、まだ発生していなかった。時間は9時前だというのに、気温は23℃まで上がっていた。

 鉄山地域を離れ、上磯方面に向かう。オオゴマシジミのポイントだ。このポイントはこれで3回目、今日こそオオゴマシジミの写真が撮りたいし、天気、気温もいい状態でかなり期待した。
 しかし、やはりオオゴマシジミの姿はない。代わりにアカシジミ、オオミドリシジミなどの蝶が飛んでいた。諦め切れなくて、付近をうろついたりしながらしばらく粘ったが、どうしてもオオゴマシジミは私の前に現れてはくれなかった。

 しょうがなく、このポイントを離れることにした。ここから松前方面に移動してオオゴマシジミを探そうかと思ったが、それは明日の目標とすることにして、今日はこのまま上磯から梅漬峠を通って厚沢部に抜けることにした。15キロほどの林道を走り、厚沢部に着いた。考えてみると、帯広から道南に入った時の道のりの逆走である。館町近辺から木間内地域の林道を走り回ったがオオゴマシジミがいるような場所が見つけられず、落部方向に向かうことにした。
 道南入りしたときに入った林道にもう一度入ってみたがやはりダメ。途中、キマダラセセリを撮影できたくらいで、特に珍しい発見はできなかった。陽も傾いてきた頃、落部の公園に到着。おとといFieldさんと待ち合わせた場所だ。スジグロチャバネセセリがいるかと思ったが、発見できず、6時頃最前線基地に戻った。

 今日もオオゴマシジミは発見できなかったが、道南に多いキマダラセセリと、まだ撮影していなかったアカシジミ、ウラギンスジヒョウモンを撮影できた。30点。
上磯町のオオゴマシジミのポイント。この写真のどこかからオオゴマシジミがこっちを見てわらってるのかも知れない・・・。 久しぶりにアカシジミを見る事が出来た。少しボロだけどオレンジ色がすごく綺麗。
オオミドリシジミの♀。ミドリシジミ類の雌は雄と比べるとかなり地味な印象。キラキラ装飾品を付けて繁華街を歩き回るチンピラがミドリシジミ類の♂なら、そんなチンピラにいつも金を巻き上げられるけど、健気に内職をしている女がミドリシジミの♀みたい。

ふと立ち寄った国道脇のポイントでキマダラセセリを見つけた。なかなかお目にかかれない蝶と言う印象があってかなり嬉しかったが、多産地もあるという話を後日聞いた。斜面で撮影したので、滑り落ちるとかなり危ない場所で、2枚しか撮影できなかった。
落部の公園から見下ろしたら、少年達がサッカーをしていた。 落部の公園から北側を見たら、道路工事をしていた。かなりの規模の道路工事だが、明らかに高速道路を作っている真っ最中。
日付 場所 種類 採集・撮影・目撃 備考
8/4 函館市鉄山 ミドリシジミ類 多数 撮影
クモガタヒョウモン 多数 目撃
シータテハ 少々 目撃
イチモンジチョウ 1ex 目撃
キバネセセリ 多数 撮影
サカハチチョウ 多数 目撃
モンキチョウ 多数 目撃
エゾ?スジグロシロチョウ 多数 目撃
ツバメシジミ 少々 目撃
ヒョウモンチョウ 数頭 目撃
上磯町 アカシジミ 2exs 撮影
オオミドリシジミ 1♀ 撮影
ミヤマカラスアゲハ 多数♂ 目撃
シータテハ 少々 目撃
クモガタヒョウモン 多数 撮影
ミドリヒョウモン 多数 目撃
コムラサキ 多数 目撃
厚沢部町 ルリシジミ 多数 目撃
ウラギンスジヒョウモン 少々 撮影
ミスジチョウ 少々 目撃
ミヤマカラスアゲハ 多数 目撃
キバネセセリ 多数 目撃
コキマダラセセリ 多数 目撃
キマダラセセリ 1ex 撮影
八雲町 コキマダラセセリ 多数 目撃

8月3日(日) 道南遠征4日目
 朝から雨のため、調査に行くことは出来なかった。0点。

8月2日(土) 道南遠征3日目
 今回の函館遠征でもっとも重要な1日である。帯広からFieldさんが来てオオゴマシジミの撮影をすることになっていた。私とFieldさんがタッグを組めば怖いもの無しということを思い知るはずの1日だった。

 天気予報は曇り。しかし、3時頃には上磯近辺で晴れる予報だった。
 朝、Fieldさんが八雲の落部に到着するのに合わせて私も函館を出発して合流することになっていた。
 朝、6時半頃Fieldさんから連絡が入り出発する。Fieldさんがいる場所では雨が降っていると言うが、函館は厚い雲に覆われているものの雨は降っていない。八雲がダメでも函館近辺まで来ればなんとかなるかもしれない。
 Fieldさんのもとへ車を走らせ森町を過ぎた頃から細かい雨が降り出し、八雲では普通に雨降りになっていた。Fieldさんから連絡をもらったとおりだ。

 8時前にFieldさんと合流して、最初は落部のオオミスジのポイントと、オオゴマシジミのポイントに行く予定だったが、この雨ではどうしようもないと言うことで、乙部町のキタテハを見に行くことにした。
 乙部町は江差の北にあるのだが、到着しても雨は相変わらず降っており、ダメだった。しかし何故かこの雨の中、ルリシジミだけは元気に飛んでいた。

次に向かったのは上ノ国町石崎から松前町の及部地区に抜ける長い林道。ここでは私は10年ほど前に実際にオオゴマシジミを採集したことがある場所で、期待していたのだがやはり雨はやまなかった。林道だけで30キロはあると思われる砂利道をほとんど蝶を目撃することもなく2時間ほどかけて走りぬいた。いたのはやはりルリシジミと、なぜが林道上にカラスアゲハが1頭止まっていた。

 松前に抜けてから、福島町のコンビニでご飯を買って食べて、昨日行ってみた上磯町のポイントへ移動することにした。Fieldさんは昨夜、道南に向けて帯広から夜通し車を走らせている疲れで爆睡状態に入っていた。

 福島町千軒地区ではすごい雨が降っており、この先もダメかと思ったが、千軒を抜けると雨も少し小降りになった。3時には上磯地域で晴れる予報なので、それだけを心のよりどころにし、なんとか3時には上磯町のポイントに到着したいと願い車を走らせた。
 2時半、上磯町のオオゴマシジミのポイントに到着した。雨は止むどころか少し強くなっている。当然ポイントでオオゴマシジミを見つけることはできないし、ほかの蝶だって見ることはできない。このままではFieldさんは一体何をしに来たのかわからない。なんとか晴れてほしいと言う願いが通じたのか、3時過ぎに雨が上がった。しかし、空は厚い雲に覆われていて晴れる気がしない。雨が上がったので付近を少し歩いたが目撃できたのはクロヒカゲとクワガタくらい。とうとう諦めてこのポイントを去ることにした。

 Fieldさんの車は八雲の落部に置いてあるので、そこまで送ることになっていた。途中、上磯のハセガワストアで名物の焼き鳥を買って食べ、落部に車を走らせた。
 5時を過ぎていたが、落部でも雨は上がっており、今日一番明るい空と感じた。落部の公園ではスジグロチャバネセセリがいるということで探したが結局見つけたのはコキマダラセセリ1頭のみで、Fieldさんは帯広に帰っていった。せっかく道南まで来たのに、雨にすべてやられてしまった。多分疲れは3倍になっていただろう。
 私もFieldさんを見送ってから函館の最前線基地に戻った。天気に裏切られ、天気予報に裏切られ、やたらと長い林道を走るだけで、Fieldさんにとっては踏んだりけったりの1日だっただろう・・。0点。

最初に来た乙部町のポイント。晴れていればキタテハだとか、ヒメジャノメが見られるらしいが、完全に雨。でもルリシジミは元気よく飛んでいた。この時点ではまだ元気あったんだけど・・。

日付 場所 種類 採集・撮影・目撃 備考
8/2 乙部町 ルリシジミ 多数 目撃
ベニシジミ 1ex 目撃
オオモンシロチョウ 数頭 目撃
上ノ国町 ルリシジミ 数頭 目撃
カラスアゲハ 1ex 目撃 夏型
上磯町 クロヒカゲ 数頭 目撃
八雲町 コキマダラセセリ 1ex 撮影

8月1日(金) 道南遠征2日目
 今日は高校時代の生物部の先生だった対馬先生の案内のもと、オオゴマシジミのポイントを見に行くことになっていた。8時半に七重浜のスパビーチの駐車場で待ち合わせしていたが、私が到着したときには先生は既に駐車場で待っていた。
 高校時代、対馬先生と蝶の採集に行くときには私の家まで迎えに来てくれていたのだが、約束の時間チョッキリに来る印象があったので、私よりも先に待ち合わせ場所に来てくれていたことに驚いた。

 今回、オオゴマシジミのポイントとしてあがったのは、上磯町の茂辺地という地域だ。
 数年前に道南虫の会で調査をしたらしく、2年程前には確実に見られた場所だという。期待が膨らんだ。
 ところが天気はあいにくの曇り空。蝶が飛んでいる雰囲気がない。しかも、先生の記憶が定かではなく、ポイント付近を行ったり来たりしながら探した。しかし、オオゴマシジミのポイントというのはピンポイントではなく、沢に沿った感じであるというので、言い換えればポイント付近のどの場所でオオゴマシジミが見られてもおかしくはないということだった。ただ時期的には少しだけ早いかもしれないと言われていたが、自分の採集記録からすれば、早すぎる時期ではないと思った。
 今年の夏の天候不順が影響して少し発生が遅れている事も考えられるが、先生が言うには、晴れていたらオオゴマシジミが見られただろうと思うということだった。
 更に細かい雨が降り出してきたので、オオゴマシジミの撮影は諦めることにした。
 明日、帯広からFieldさんが来られる予定だったので、本当はオオゴマシジミを確認しておきたかったが、ここは天気も崩れてきたし、ポイントの確認だけでもいいと思った。

 先生は午後から仕事があるということで、ここで別れた。別れ際に道南に生息しているスジグロチャバネセセリのポイントを教えてもらった。スジグロチャバネセセリのポイントとして教えてもらったのは函館山のロープウェイの登り口付近だった。
 上磯町から函館山に向けて走り、ポイント付近に到着した。ところが、教えてもらった場所がどこにあるかわからない。付近を歩いてみたが、見つけられないのだ。先生が言っていたのは、水元という公園から上に登ってしばらくいくと、左側に笹林と針葉樹林があって、その笹にスジグロチャバネセセリがいるということだった。

 水元の公園を登り、左側を見ると、確かに針葉樹林帯がある。しかし、笹林がない。しょうがないので針葉樹林のほうに歩いて行ったのだが、そこにはスジグロチャバネセセリではなく、3頭の野良犬が待ち構えていた。
 犬たちは中型犬で白く、首輪の跡が全く無い。私を見てワンワンと吠えまくっている。いつ襲ってくるかとかなり怖かったので、だまって立ち止まって動かないで見ていると、更に茶色い野良犬がやってきた。合計4頭の野良犬に吠えられ、私は固まってしまった。
 しばらく睨み合いが続いたが、野良犬のほうが吠え疲れたのか、地べたに寝転がった。私は怖かったが先に進みたかったので恐る恐る野良犬のほうに近づいていった。口笛をふいたり、「おいで、おいで」などと言って、「私は君たちの敵ではないよ、さぁ仲良くしようよ」というような態度を示しながら野良犬に近づいていった。
 寝転がっていた野良犬は起き上がり、私の右側に距離を置いて回り込みじっとこちらを見ている。襲ってくる気配が無いので、私は安心して野良犬から目をそらし、更にポイントを探した。
 しかし、それでもポイントが見つからず、しかもスジグロチャバネセセリも見つけられないので、諦めて次に考えていたキマダラモドキのポイントに移動しようと、車を走らせ函館山から降りたとき、先生から電話が入った。

 ポイントが見つけられなかったことを言うと、先生が来てくれるというので、またポイント付近に戻った。先生と合流して、ポイントを教えてもらった。先生が「ここだ」と、言った場所は、先ほど私が野良犬と睨み合った場所だった。先生はあっさりと「針葉樹林はあるが笹林が無くなっている、ここのスジグロチャバネセセリは絶滅した」と言った。ショックだった。天気がよくなった。

 諦めて次のポイントに行くことにした。今度の場所はキマダラモドキが見られる赤川地区のポイントだ。先生は少し用事があるということで、現地で合流することにして、私は先に赤川地区に向かった。キマダラモドキのポイントがイマイチわからなかったので、先生が来るまで私は笹流れダムでブラブラした。

 歩きながらルリシジミの写真等を撮影していると、ミスジチョウが飛んでいた。「なんだミスジチョウか」と思ったのだが、すぐにあることを思い出した。函館には道南にしか生息していないオオミスジという蝶がいるのだ。一見すると、ミスジチョウなのかオオミスジなのかわからない蝶である。もしかしてオオミスジかもしれない。その蝶は葉の上に止まった。ゆっくり近づいて観察してみる。
 オオミスジであれば、ミスジチョウと違って羽の先端部分がわずかに白いのである。目を凝らして観察すると、確かに羽の先端が白いように見える。オオミスジである可能性が高いが、ややボロになっていて、自信が無い。とりあえず少し撮影できたので後は先生に確認してもらおうと思った。(後で確認してもらったら、やはりオオミスジであった)

 そうこうしているうちに先生から電話が入り、ポイント付近で合流した。二人で歩きながらキマダラモドキを探した。
 この場所では昨年キマダラモドキを確認しているので、見れる可能性は高いと言う。しかし、キマダラモドキは敏感で、撮影できるかどうかは難しいらしい。

 するとキマダラモドキらしい蝶が飛び出した。
 あわてて確認したのだが、それはキマダラヒカゲだった。キマダラモドキはキマダラヒカゲのモドキだが、これじゃぁキマダラヒカゲはキマダラモドキのモドキでキマダラモドキモドキである。

 しばらく先生とキマダラモドキを探したが見つからない。
 先生は「昔はかなりの数いたが、年々減少している。昨年は確かに確認したが今年、この場所のキマダラモドキは絶滅したようだ」と言われた。
 スジグロチャバネセセリに続きキマダラモドキまで絶滅!!かなりショックだった。
 そんな感じで諦めようと思った瞬間、キマダラモドキらしき蝶がまた飛んだ。どうせキマダラヒカゲだろうと思ったのだが、地面に止まった姿はまぎれもなくキマダラモドキだった。先生が「いだいだいだ!」(いたいたいた!)と叫んだ。
 キマダラモドキは地面に止まり、写真撮影としてはアングルが悪い。一度飛ばしてほかの場所に止まらせようと思ったのだが、とにかく撮影しなければ始まらないので、そーっと近づいて1枚撮影した。敏感なキマダラモドキはすぐに飛び去ってしまった。この場所のキマダラモドキが絶滅していなかった事がわかったので、ほかにもキマダラモドキがどこかにいないか探したら、斜面に木や草がたくさんあって、日陰や日当たりが混在している場所に数頭のキマダラモドキを発見した。しかし、かなり敏感で、その後2枚ほど撮影できたが、それ以上は無理だった。

 かわりに目の前にクロヒカゲが止まった。クロヒカゲはどこにでもいる蝶で、しかも地味なのでこれまであまり撮影していなかったが、とても新鮮な個体だったので撮影することにした。
 カメラを構えピントを合わせてシャッターを押そうとした瞬間、先生が「撮れ!」と言った。私はシャッターを押した。数枚撮影したかったので何度か角度を変えたりしながらピントを合わせるたびに先生が「撮れ!」「撮れ!」と言った。私はおかしくて笑ってしまい、クロヒカゲに向けているカメラが震えてしまいうまく撮影できなかった。先生はカメラを蝶に向ける角度などについて細かく指示してくれた。

 ある程度満足できたので、帰ることにした。帰りに先生の自宅前にある庭でナミアゲハの撮影(ブットレアだかという蝶の集まる花があるのでナミアゲハが来ているかと思った)をしたかったが、見られなかった。
 今日は最大の目的であったオオゴマシジミを発見できなかったことと、スジグロチャバネセセリも見つけられなかったが、ボロでもオオミスジの撮影ができたこととキマダラモドキの撮影ができたので、40点。

スジグロチャバネセセリのポイントとして教えてもらった、函館山ロープウェイの登り口付近から函館市内を見下ろした写真。とても景色は綺麗だったが、スジグロチャバネセセリは見られなかった。 笹流れダムで偶然出会ったオオミスジ。羽が少しボロで残念。大きさは多分、大きいミスジチョウと変わらないと思う。実は生きてるオオミスジは初めて見た。感動!
ようやく見つけたキマダラモドキ。敏感な性格でなかなか写真のモデルになってくれなかった。 キマダラモドキ撮影の時に偶然目の前に止まったクロヒカゲ。横に先生がいて、「撮れ!」「撮れっ!」とせかされ、笑いが止まらなくなった時の写真。

日付 場所 種類 採集・撮影・目撃 備考
8/1 上磯町 クモガタヒョウモン 1ex 目撃
コムラサキ 多数 目撃
函館山 モンキチョウ 多数 目撃
コキマダラセセリ 多数 撮影
函館市赤川地区 オオミスジ 1ex 撮影
ルリシジミ 多数 撮影
キマダラヒカゲ 数頭 目撃
キマダラモドキ 数頭 撮影
モンキチョウ 多数 目撃

7月31日(木) 道南遠征1日目(初日)
 前日の30日夜、帯広を出発し、向かったのは恵庭市。ウラナミアカシジミの写真を撮影するのが目的だ。計画ではその後、函館に入り道南の蝶類調査を行う予定。

 夜、車を走らせ、恵庭に到着したのが夜中の2時前。ポイント付近に車を止めて車中泊し、朝をむかえてからウラナミアカシジミの撮影をする予定だったが、ポイント付近はなんとお墓。しかも夜中で怖い。さすがの私もここで寝るのは怖すぎるので、少し離れた道路のパーキングに車を止めて寝ることにした。

 私の車はレガシィワゴンで、後部座席を倒すと寝ることができるスペースになる。毛布にくるまって、数分で爆睡した。

 気がつくと朝になっていた。天候は悪くないが風が強い。7時前にポイントに到着した。
 到着したとたん、オレンジ色のシジミチョウらしきものが数頭ヒラヒラ舞っている。いきなりのウラナミアカシジミ登場!と思って近づいたらなんとそれは「ガ」であった。なんだか幸先悪い。それにここのポイントは初めてきた場所なので本当にウラナミアカシジミがいるのかどうか自信がない。
 しかし、歩いていくとウラミスジシジミやミズイロオナガシジミが出てきたので撮影した。他にもミドリシジミ類など、けっこうの蝶がいたが、ウラナミアカシジミには会えなかった。近場を何箇所か歩いたりしてみたが、ウラナミアカシジミには会えず、あきらめて苫小牧のポイントに移った。

 苫小牧のポイントも墓場である。何故か私が知るウラナミアカシジミのポイントは墓場ばっかり。10時半過ぎには苫小牧のポイントに到着した。
 しかし、この墓場、かなりの広さ。どこがポイントなのかまったくわからない。1時間ほどうろついたが結局ダメで諦めた。以前職場が同じで今は苫小牧にいる後輩と久しぶりに会い、食事をしたあと高速道路で道南方面に向かった。なんとか早く着いてオオゴマシジミの調査をしたかったのだ。今回の道南遠征の最大の目標はオオゴマシジミである。オオゴマシジミが撮影できれば、他の道南にしかいない蝶は後回しでもいいくらいだ。

 なんとか3時に八雲町落部のオオゴマシジミのポイントと言われるところに到着し、何本かの林道を走ってみたがまったくダメ。時間はどんどん過ぎ、陽は傾いてきている。落部から厚沢部、上磯町茂辺地と車を走らせ、高校時代によく行った林道などを見ながら懐かしくなった。茂辺地ではヒメジャノメが発生していないかと思ったがダメだった。

 6時半、今回の道南調査の最前線基地に到着した。
 今日は最大の目的であったウラナミアカシジミに会えなかったことと、高速代3500円も出して急いで来たのにオオゴマシジミにも会えなかった。しかし、これまで撮影できていなかったミズイロオナガシジミとウラミスジシジミを撮影することができたので、点数的には40点くらいだろうか。

葉っぱの上に止まって、羽を広げて自分の縄張りを主張しているエゾミドリシジミの♂。ミドリシジミ類の雄は何度見ても羽が綺麗。 ウラミスジシジミに出会う事が出来た。実はこの蝶に出会うのは、高校以来十数年ぶり。しかも2回目。すごく嬉しかったけど、たくさんいたので感動もイマイチになってしまった。羽を広げると、群青色に輝いていてとても綺麗なのだが、写真には撮れなかった。
ミズイロオナガシジミ。この蝶もすごく久しぶりに見たのだが、かなりの数いて、写真は撮り放題って感じだった。 道南に入ってから私を出迎えてくれたシータテハ。羽の切れ込みが少ない夏型だと思います。傾きかけたお日様の暖かさを精一杯受けようと羽を開いているようだった。

日付 場所 種類 採集・撮影・目撃 備考
7/31 恵庭市 ミズイロオナガシジミ 多数 撮影
ウラミスジシジミ 多数 撮影
オオモンシロチョウ 多数 撮影
エゾミドリシジミ 多数 1♂採集・撮影
コキマダラセセリ 多数 目撃
ジャノメチョウ 多数 目撃
苫小牧市 ミズイロオナガシジミ 少々 撮影
キマダラヒカゲ 少々 目撃
ミドリシジミ類 多数 撮影
八雲町 ヒョウモン類 少々 目撃
オオモンシロチョウ 多数 目撃
上磯町 シータテハ 1ex 撮影

7月14日(月)
 3連休最終日。層雲峡で黒いオオイチモンジとオオイチモンジの♀をを撮影・採集したかったのと、上士幌のポイントでクモマベニヒカゲの発生を確認したかったのだが、かなり迷った。まず、きのうお腹を壊して下痢をし、体調不十分だったことと、クモマベニヒカゲのポイントは昨年熊に遭遇したので恐かったのが理由だ。でも、じっとしていられず車を走らせた。
 今日も昨日と同じでポイント付近の天気が悪い。最初に行ったクモマベニヒカゲのポイントは林道の、ある場所から歩きで30分程山を登るのだが、車を止めた場所で14℃。空の雲はかなり速く流れていて、いつ雨が降るかわからない。しかも林道を走っているうちに昨年の熊のことを思い出して恐くなってきたし、体に付ける熊よけの鈴を忘れてしまった。この場所は天候の回復と気温の上昇を期待して後から来ることとし、とりあえず層雲峡のオオイチモンジポイントから行く事にした。
 ここのオオイチモンジポイントは有名で、本州などからたくさんの採集者が来る。でも今日は天気も悪いし気温も低い。更には平日だからきっと誰もいないだろうと思ったのだが、ポイントに到着すると採集者がいた。一気に気持ちが冷めていった。でも挨拶してみた。そして採集者と話をした。本州から来ていると言う。今日の朝から粘って3頭のオオイチモンジを採集したらしい。明日まで粘るそうだ。仲間達は他のポイントで採集していると言っていた。わざわざ本州から採集のためだけに来ている方と話す内容はあまりない。どうせ見つけたら全部採集する気だ。話している時にオオイチモンジが現れた。採集者の目つきが変わるのがわかった。
 「今年は北見で大発生しました。オオイチだらけでしたよ。100は軽く採集できましたよ」
 朝から3頭しか採れていない採集者に嫌味を言ってしまった。
 「昨年私が来た時熊を見ました。気をつけて下さいね」
 熊との遭遇を恐れていた本州からの採集者に言ってやった。
 私はかなり自分の性格が悪いと思った。
 でも、この採集者はまだ優しい方だった。何がというと、まずトラップ(罠)を仕掛けていない。罠と言うのはリンゴの腐ったやつを撒いて、その臭いでオオイチモンジをおびき寄せるものだ。誰かが撒いた数日前の(多分昨日)効力が薄くなったトラップだけでいいと言う。新しいのは撒かないつもりだ。それにボロのオオイチモンジを採集したが逃がすつもりだと言う。
 「熊に気をつけてたくさん採集してください」と言ってこの場所を後にした。

 層雲峡のオオイチモンジポイントを後にした私は三国峠を上士幌側に戻った。峠の展望台でクモマベニヒカゲのポイント付近を眺めてみたが、相変わらず厚い雲が覆っている。でもここまで来たんだし、熊は恐いけど、昨年は偶然熊に出くわしただけで、今年は大丈夫と自分に言い聞かせて、クモマベニヒカゲのポイントに行った。気温は14℃。寒い。
 寒いから諦めたくなったが、クモマベニヒカゲを見たいという自分が、諦めようとする自分に声をかけた。
 「クモマベニヒカゲが何で高山蝶と言われていると思う?高い山にしかいないからだよ。何で高い山にしかいない?寒い所が好きだからだよ!今が14℃だって大丈夫さ!」
 本当に寒いのが好きだとは思えないが、11時50分、車から降りて歩いてポイントに向かった。
 このポイントは、登山道を歩いていくと30分程で広い草原のような場所に出る。この草原のような場所が3つくらいあって、1つめの草原から少し道を登ると2つ目の草原になり、更に道を少し進むと3つ目の草原になるというような記憶があった。
 登山道を登っていくと30分弱で1つ目の草原に到着した。クモマベニヒカゲの姿は見えない。2つ目のポイントに行くため道を進む事にしたのだが、道が2,3本ある。
 あれ?どっちだっけ??とりあえず登山道の矢印があるほうへ行く事にした。ところが歩いても歩いても2つ目の草原が無い。道は急な坂で、ふくらはぎが痛くなってきて息も荒くなり、汗がダラダラ出てきた。10分ほど歩いたがまだ2つ目の草原が出てこない。おかしいなと思いながらも進んでいた。30分程登山をしたが全然草原が出てこない。1つめの草原から2つ目の草原にいくのにこんなに歩くのはおかしくないか?昨年の自分の記憶と今の状況の相違を探す。でも、昨年は草原があった。今は草原が無いんじゃなくて、自分に山道を歩く根性が無くなっているんだ。昨年は29歳。今年は30歳。体力も落ちた。体重も増えた。だから2つ目の草原に行くのが辛くて、記憶違いをしていると思ってしまうんだ。更に道を進んだ。顔から汗がダラダラ落ちて、背中はびしょびしょ。冷たい風が汗にあたり寒い。見上げると山の頂上みたいのが見えた。昨年は絶対こんな光景を見ていない。道を間違ったと確信した。
 とりあえず1つ目の草原に戻る事にした。かなり下って1つ目の草原に戻れた。1つめの草原から他の道を探して歩いてみると、数十メートルで2つ目の草原に出た。
 なんということだ!1つめの草原と2つめの草原はたった数十メートルしかなかったのに、私は何十分も違う道を登ったのだ。100メートルか200メートルは登った。1キロか2キロは歩いた。
 たった1年で昨年この場所に来た時の記憶はかなり劣化してしまっていたのだ。かなり体力を損してしまったが、仕方ない。
 この2つめの草原でもクモマベニヒカゲは見られなかった。
 3つ目の草原はかなりでかいフキがたくさん生えていて、行ってはみたがクモマベニヒカゲが現れることはなかった。

 クモマベニヒカゲは成虫になるのに2年かかるので、発生数が多い年と少ない年があるらしい。今日は天気も悪かったし寒かったし、時期も早くて見られなかったのかもしれないが、今年は多い年なのか、少ない年なのか、もう一度ここに来て確かめたいと思いながら下山し、車に戻る事にした。
 戻る途中足を軽く捻挫してしまった。痛い。

 車に戻ったのが2時半過ぎ。更に林道を下って国道に出て帯広に戻る事にした。車の走行距離は昨日300キロ。今日も300キロ。ガソリン代がすごい!おこずかいが無くなる・・・。
 音更まで戻った所でパチンコ屋に入り、今日のガソリン代+α分取り戻した。

上川のオオイチモンジポイントで撮影した変な甲虫とコチャバネセセリ。こんなものしか撮るものが無い。 三国峠展望台から上士幌の山々を望む。空は厚い雲に覆われていて晴れ間が見えない。峠の道路が見える。
クモマベニヒカゲを求めて登ったはいいのだが、道を間違えた。何かの山の山頂が見えてきた。昨年は絶対こんな光景を見てはいない。道を間違えたと確信した瞬間の写真。 道を間違えているとも気づかず、クモマベニヒカゲを求めて登っている途中、振り返ると三国峠の道路が見えた。自分がかなり高い位置にいるとわかった。
クモマベニヒカゲが飛んでいるはずだったポイント。
日付 場所 種類 採集・撮影・目撃 備考
7/14 上川町 オオイチモンジ 少々 目撃 少ない
一般的な蝶 目撃
上士幌町 ギンボシヒョウモン 1ex 目撃

7月13日(日)
 今日はFieldさんと、FieldさんのHPを見て撮影案内をして欲しいと連絡したという千葉のHさんと3人で、日高方面にオオイチモンジ、ツマジロウラジャノメの撮影に行く事になっていた。7時半過ぎにFieldさん宅を出発した。
 帯広から日高へは日勝峠を経由するのだが、すごい霧。前の車が全然確認できない。帯広も曇っていたし、天気が心配だった。
 日高の林道は昨年Fieldさんとふたりで来た事があったが、ゲートが閉まっていて入れなかった。今年は入る事が出来た。
 最初の林道はツマジロウラジャノメ狙い。林道を進むがやはり天気が悪く、ポイント付近では小雨状態のときもあった。それでもツマジロウラジャノメを見つける事が出来た。ポイントに入ってすぐに見つけたので、とりあえず撮影をHさんに譲った。私やFieldさんはあとでゆっくり撮影しようという考え。しかし、その後ツマジロウラジャノメはなかなか現れず、ほとんど撮影する事が出来ないまま、この場所をあとにした。気温が低いのと天候の回復が見込めなさそうだったので諦めたのだ。しかし、この林道でも二人の採集者に出会った。あまり採れないでいたようだった。
 次の林道はオオイチモンジ狙い。今年、私はオオイチモンジは嫌というほど見ていたので、ここでオオイチモンジが出てきても、撮影する気はなかった。よほどバックの景色が綺麗だったりしたら撮影しようとは思っていた。また、もしメスが出てきたら撮影して採集したかった。
 ところが、この林道も進むに連れて天候が悪い方向へ向かう。それでも車を進めていくと、ある小さな橋の上にオオイチモンジが止まっているのを発見。慌てて車を止めて、Hさんに撮影してもらう。私は見てるだけだった。
 その後更に奥に進んだが天候と気温が悪くて諦めた。
 とりあえずHさんにはツマジロウラジャノメとオオイチモンジを撮影してもらった。
 ポイント案内係りのFieldさんと車出し&運転係りの私としては最低限の事はできたと言う気持ちと、せっかく案内したのにとても良い状況ではなく、なんだか申し訳ない気持ちがあったと思う。
 空には厚い雲が覆っている。さて、これからどうしたらいいか。時間はもう少し残されている。戻って中札内方面に行くか日高近辺でHさんが撮影したいというコヒョウモンを探すか・・。決断に迷ったが、しほわんに電話したところ、帯広は雨が降っているという。それなら日高山脈を越えて十勝側に戻っても仕方ない。こちらの日高側で青空を追いかけるような感じで移動する事にした。
 厚い雲の隙間からのぞく青空を求めて車を移動させる。しかし、追いかけるのはいいがなかなか追いつかないし、青空がどこかに行ってしまう。仕方なくカーナビで林道らしき場所を探して入ってみることにした。
 ナビで見つけた林道は、国道と平行な感じだが、分れ道もあったりした。分れ道を進んでいくとFieldさんが言った。「ゼフがいるぞ」 ゼフとはゼフィルスのことで、簡単に言うとミドリシジミなどのように光っているように見えるシジミチョウの事である。
 とりあえず車をおりでゼフを見るが、どうもピンと来ない。ゼフに見えないのだ。しかし、確かにシジミチョウのようである。何頭かのシジミチョウが舞っているので注意深く観察した。この辺にはいるはずのないウラクロシジミにも見えたのだが、そのシジミが葉に止まった。「ゴイシシジミだ!」Fieldさんと私はほぼ同時に言った。ゴイシシジミと言えば特に珍しい種類ではないが、私はまだ撮影できないでいた。十勝ではあまり見られないらしい。白地に黒い点々模様が碁石のようにみえるから付けられた名前だと思うが、ナンセンスに感じる。
 道南ではよく見かけるような気がしていたが、函館に住んでいた当時、特に気にする事もなかった。でもまだ撮影した事がない蝶だったので何十枚も撮影した。Fieldさんもかなり撮影したと思う。
 撮影しながら観察していると、この蝶は縄張り意識が強いようで、とにかくケンカしている。自分の縄張りに入った蝶を追い掛け回すのだ。だからなかなかじっとしてくれず撮影は思いのほか大変だった。
 ひととおり満足して車に戻り、林道を進むとそこは墓地だった。
 時間もだいぶたったので、帰ることにした。帰りの途中、日勝峠の途中のところで止まり、蝶を探したがいなかった。かわりに熊にやられたと考えられる子鹿の骨とばらばらになった足を見つけた。自然の掟と厳しさを感じた。
 帯広に戻ってからチョコレートパフェをFieldさんにおごってもらった。そのパフェが悪かったかどうかわからないが、夜に下痢をして大変だった。
 大体300キロ位運転した。日勝峠の霧と、林道の運転が大変でかなり疲れた。
 今日はゴイシシジミを撮影できたが、その他は運転役に徹した1日だった。

なんとか撮影したツマジロウラジャノメだが、工学+デジタルズーム、更にトリミングしてもこれが限界。とても蝶のページに使える写真ではない。 ツマジロウラジャノメのポイントで見つけたカナチョロ。Fieldさんを食べてしまえ〜!!
わざわざ日高山脈を越えて来たのにエゾシロの写真くらいしか撮るものが無い。全部天気のせいだ! ふと入った林道でこれまで撮影した事の無いゴイシシジミを見つけた。何十枚も撮影したのだが、光量が少なく露出時間が長くなってしまい、ほとんど手ぶれになってしまった。数少ないピントが合っている写真。
日付 場所 種類 採集・撮影・目撃 備考
7/13 日高町 ツマジロウラジャノメ 少々 撮影
オオイチモンジ 1♂ 目撃 H氏撮影
ゴイシシジミ 多数 撮影
エゾシロチョウ 多数 撮影
そのた一般的な蝶 少々 目撃

7月12日(土)
 今日から3連休!連休初日の今日は天気がイマイチだったのだが、インターネットの天気予報で調べると十勝では南の方が昼間晴れる予報だったので、昼前に出発した。目標は特に定めず、これまで行った事のない林道に入ってみることにした。

 カーナビを見ながら帯広から南に向かい、大樹町まで来た所で、林道らしい道を見つけた。昨年大樹で初めて入った林道でタイヤが2本パンクし、死ぬかと思った事があったので、今回は無茶はしないと心に決めながら進んでいた。

 意外と林道は走りやすかったが、道の両脇からは大きな葉っぱが出ていて、車の横にこすれる。それでも前に進む事は簡単だった。
 林道というのは、先が行き止まりで、使われていないような道路であれば、道の真ん中、つまり左右のタイヤの軌跡の間に草が生えていたりする。そういう道は要注意だ。
 しかし、今回入った林道は、他の車が来たりする事はないものの、カーナビではどこかに抜ける事になっているし、道も悪くないので少し安心した。天気は晴れが多いが時々は太陽が雲に隠れる。気温は23℃で蝶の活動にはいい感じだ。
 車で林道を進んでいくと、林道はいろんな顔を見せてくれる。両脇が開けていたり、針葉樹林の間の道があったり、広葉樹林だったり、川のすぐ横だったり、岩場の脇に道があったり。今回、初めて来たこの林道もいろんな顔を見せてくれたが、走っていると、ここには○○チョウがいそうだとか、そういうい事を感じる時がある。以前に、ある種類の採集したり撮影したりした場所に似ている風景や景色、林道の周りの様子などからそういう風に感じるのだろうが、今回の林道では、ジョウザンシジミがいそうだとか、オオイチモンジが出てきそうだとか、そんな事を感じながら車を進めたり、止めて歩いたりしていた。しかし、直感で感じてもなかなかうまくいかないもので、今回ジョウザンシジミとかオオイチモンジは見られなかった。

 林道をずーっと進んでいって、ある場所に来た時、小さい赤い花が道路の脇などにたくさん咲いていて、数頭の蝶が飛んでいる姿が見られたので、車を降りて近寄ってみた。ヒョウモンが多かったがその中にクモガタヒョウモンがいたので撮影した。クモガタヒョウモンは花の蜜を吸っているようだったが、小さな花のためか、蜜がすぐになくなるのか、じっとしていてくれない。ある花に止まって蜜を吸っているので近づくと飛んでしまい、違う花に移る。そこにまた近づくとまた飛んでしまう。私から逃げているのかもしれないが、どちらかというと花を移動している印象。そんな事を繰り返しながらも何枚か撮影する事ができた。
 この蝶は道東では少ないと聞いていた。確かに多くはないが少ないという印象でもない。今年が多い年なのかも知れない。
 その他にこれと言った蝶もおらず、ついに林道を抜けてしまった。
 時間は2時を過ぎていたのだが、広尾町で昨年ミドリシジミをたくさん見た場所があり、発生の確認をしたかったので、向かってみた。しかし、その場所がどこだったか忘れてしまい、多分近くまでは行ったと思うが、その林道を見つけられなかった。でも、ここまで来たので違う林道に入ってみたが、ここでもこれと言った蝶はみられず、最終的に広尾の漁港に抜けてしまった。海を少し眺めて帰ってきた。

クモガタヒョウモンを撮影する事が出来た。
数頭のクモガタヒョウモンが花の蜜を吸っていたが、なかなか撮影させてもらえずけっこうイライラした。クモガタヒョウモンはヒョウモンチョウの中では大型の方だ。
大樹町の林道を2本抜け、広尾町の林道を1本抜け、たどり着いたのは海。青くて広くて綺麗だった。

日付 場所 種類 採集・撮影・目撃 備考
7/12 大樹町・広尾町 クモガタヒョウモン 少々 撮影 大樹町
コヒオドシ 多数 目撃
アカタテハ 1ex 目撃 ボロ
コムラサキ 1ex 目撃 今年初
エゾ?スジグロシロチョウ 多数 目撃
モンキチョウ 多数 目撃
エゾシロチョウ 少々 目撃
クロヒカゲ 多数 目撃
シロオビヒメヒカゲ 少々 目撃 ボロ
ヒメウラナミジャノメ 多数 目撃
キマダラヒカゲ 多数 目撃
ベニシジミ 少々 目撃

7月6日(日)
 今日は朝から曇り空。山に行くかどうかかなり迷った。最近は平日でも休日でも山に行っていて、少々お疲れ気味だったことと、近くでは特に目標になる蝶が思い浮かばなかった。大雪ではクモマベニヒカゲが発生していると言う話もあるし、層雲峡のオオイチモンジも例年より早く、すでに発生していると言う情報もある。滝上ではカラフトセセリもいるけど、どうも遠出する気にならなかった。来週は3連休なので、その時にでも行こうかと思って。(雨かもしれないのに)
 でも、一日部屋に閉じこもってダラダラしているのも芸が無いと思いとりあえず外に出た。昨日FM氏が採集したクモガタヒョウモンを撮りに行くか、特に目標もなく中札内方面をうろつくか。玄関を出たのが11時半。空を見ると北側(音更側)が晴れていて南側(中札内側)は曇っている。本来なら晴れを目指して行くところだが、何故か中札内側にハンドルを切った。
 中札内の林道は以前通行止めだったので、反対側から入ることにした。日も射してきたのだが林道に到着したのが12時を過ぎていて、しかもこれと言った目標もないのでとりあえず車でチンタラ走りながら何か蝶がいないかと見ていた。
 春にジョウザンシジミをヒメシジミと間違った岩場のポイントでは、キリンソウが見事に咲いている。確か誰かがジョウザンシジミはダラダラと発生すると言うような事を言っていたので、ボロでも生き残りのジョウザンシジミがいないかと、注意して見てみると、青っぽいシジミが何頭か飛んでいた。ルリシジミかツバメシジミかと思いながらも、車を止めて歩いて近寄ると、それはジョウザンシジミだった。へぇ〜本当にまだ生き残っている奴がいるんだぁ・・などと思いながらもよーく観察してみたら、随分と綺麗な個体だ。
 あっ!ジョウザンシジミって夏型もあるんだっけ!?そういえばジョウザンシジミは春と夏に2回発生する事があるんだ!夏型は春型よりも黒いはず。目をこらして見てみたら確かに黒いような気がする。これはジョウザンシジミの夏型だ。慌ててデジカメで撮影する。何枚か撮影したので、あたりを見回すと、春ほどではないがけっこうな数のジョウザンシジミが飛んでいた。中にはボロの夏型もいるので、夏型の発生が始まったのは少し前のようだ。3頭ほど採集させてもらった。更に林道の奥のほうには何箇所かキリンソウがごっちゃり生えている場所があるので、そこでもきっと観察できるだろうと思い、車を進めたが、雲が出てきたせいか、他のポイントではジョウザンシジミは見られなかった。
 更に林道を進んだのだが、以前通行止めになっていてゲートがかかっていた所は、ゲートが開いていて通り抜けられるようになっていた。
 ゲート付近では嫌になるくらいのギンボシヒョウモンが飛び回っていた。
 このまま帰ろうかと思ったが、林道を戻る事にした。戻っている途中でオオイチモンジを発見。中札内でオオイチモンジを見るのは初めてだ。採集しようかと思ったが数も少なそうだし、採集はやめて撮影だけにする事にした。カメラを向けると飛んでしまい、なかなかモデルになってくれなかったが、オオイチモンジは私のすぐ近くまで飛んできて、私に10センチ以下の距離まで近寄ってきた。また手乗りオオイチが出来るかと、手を出してみたが、オオイチモンジは私の周りを2週ほど旋回して飛び去った。なんだか嬉しくなった。
 その後、先ほどのジョウザンシジミのポイントをもう一度見てから林道を出た。

今日の中札内の林道から見た空の様子 キリンソウで吸蜜するジョウザンシジミの夏型。
春型はフキノトウの蜜を吸っていたけど、夏型はキリンソウの蜜を吸っている。
これが本来の姿のようだ。
見えずらいけど、1枚の写真にギンボシヒョウモンが4頭。
かなりの数のギンボシヒョウモンが飛び回っていた。
まるで白鳥の群れのように同じ方向に何頭ものギンボシヒョウモンが飛んでいて面白かった。
中札内のオオイチモンジ。自宅から車で30分。北見まで行かなくても見るだけでいいならここでも見れる事がわかった。
新鮮で綺麗なオス。何度見ても飽きない蝶だ。


日付 場所 種類 採集・撮影・目撃 備考
7/6 中札内村 ジョウザンシジミ 多数 3exs採集・撮影 夏型
オオイチモンジ 2♂ 撮影
シロオビヒメヒカゲ 多数 撮影
ヒメウラナミジャノメ 多数 目撃
クロヒカゲ 多数 目撃
キマダラヒカゲ 多数 目撃
エゾシロチョウ 多数 目撃
エゾ?スジグロシロチョウ 多数 目撃
モンキチョウ 1ex 目撃
コヒオドシ 少々 目撃
ギンボシヒョウモン 多数 撮影 かなりの数
コチャバネセセリ 多数 目撃

7月5日(土)
 音更町Oポイントにヒメシジミの撮影を目的に向かう。Oポイント入り口で止まっているRV車があって、前に進めなかったがよけてくれた。しかし、見覚えのある車だと思ったら、十勝ビートルファクトリーのFM会長だった。FM氏は最近蝶の採集を始めた人で、今日はクモガタヒョウモンを狙ってこの場所に来たと言う。近くのA林道に一緒に行こうと誘われた。
 とりあえず、ヒメシジミの写真が撮りたかったので、少し待っててもらい、撮影する。ヒメシジミは珍しい蝶ではないが、なぜか撮影できないでいた。ここのポイントもやはりFieldさんから教えてもらっていた。ヒメシジミはたくさん飛んでいたが、オスは発生のピークを過ぎているようで、やや色が薄くなっていた。メスは発生のピークを迎えているようで、オスと交尾している姿が見られた。
 ヒメシジミの写真を撮影し終わり、FM氏とA林道へ向かう。少し歩くとFM氏がクモガタヒョウモンを採集した。道東では少ないと言うクモガタヒョウモンを採集し、FM氏は嬉しそうだった。
 更に奥のほうに歩いていくと、リンゴシジミが花に止まっていた。リンゴシジミと言えば音更町Hポイントで乱獲されて心配していた蝶である。そんなに数が多いと言う感じではなかったが、こんなところでも発生しているとわかり、嬉しくなった。
 林道を戻り、FM氏と別れて、またヒメシジミのポイントに戻り、数種類の蝶の撮影をして帰ってきた。
別に珍しいわけでもないのにようやく撮影できたヒメシジミ。
春にジョウザンシジミをこの蝶と間違った。
リンゴシジミが花の蜜を吸っていた。いっぱい栄養つけて、たくさん卵を産んで欲しい・
花の蜜を吸うシロオビヒメヒカゲ。
この蝶を見られるのも今年あとわずか。
今日の空模様。曇りの予報の割には青空が出てくれた。
日付 場所 種類 採集・撮影・目撃 備考
7/5 音更町O及びA林道 ヒメシジミ 多数 撮影 O地点のみ
コキマダラセセリ 多数 撮影
コチャバネセセリ 多数 目撃
シロオビヒメヒカゲ 多数 撮影
ヒメウラナミジャノメ 多数 撮影
クロヒカゲ 多数 目撃
キマダラヒカゲ 多数 目撃
カラスアゲハ 数頭 目撃 O地点のみ(夏型)
カバイロシジミ 2exs 目撃 FM氏採集A林道
イチモンジチョウ 多数 目撃
サカハチチョウ 少々 目撃
リンゴシジミ 1ex 撮影 A林道
ウラギンヒョウモン 多数 目撃
クモガタヒョウモン 2exs 目撃 FM氏採集A林道
エゾシロチョウ 少々 目撃
ヒメウスバシロチョウ 少々 目撃
ヒョウモンかコヒョウモン 多数 目撃
エゾ?スジグロシロチョウ 多数 目撃
コミスジ 多数 目撃
ギンイチモンジセセリ 1ex 目撃 A林道
コヒオドシ 少々 目撃

7月2日(水)
 前回Fieldさん、BANYANさん、しほわんさんと4人で行ったオオイチモンジ観察。たくさんのオオイチモンジを観察・撮影・採集できたのだが、自宅に戻り写真を見て見ると、ピンボケ・手ぶれの写真が多く、悔しい思いをした。そこで今日は仕事を休み、今度は一人で同じところに行く事にした。目的は熊の糞・・・ではなくて、オオイチモンジのボケてない写真を写すことと、綺麗なミスジチョウがいたら撮影・採集。オオイチモンジはメスがいたら採集してこようと思っていた。
 朝、9時半自宅を出発。帯広はかなり厚い雲に覆われている。前回は上士幌辺りから晴れてきたのだが、今回はどこまで行っても曇り。途中陸別のガソリンスタンドで給油した際に尋ねてみたが、朝から曇ってるらしい。直前の天気予報では晴れたり曇ったりらしいが、空に青色はひとつも見当たらない。気温も15℃前後と寒く、諦めそうになったが、ここまで来たのでとりあえず前回と同じような感じでポイントを回ってみようと決めた。
 更に車で進み、ポイント付近に到着した。そしたら林道の入り口のT字路の角でいきなりオオイチモンジを発見した。急いでカメラを準備し車から降りたのだが、すぐにオオイチモンジは飛び去ってしまった。
 相変わらず天気が良くないし寒いのに、いきなりオオイチモンジに出会えたのはラッキーだ。もしかしたら今日はこれが最初で最後のオオイチモンジかもしれない。しかし、これだけ幸先良くオオイチモンジを発見できたのだから、もしかしたら、ポイント付近はオオイチモンジだらけかもしれない。車に乗り込み更に進むといきなり日が射してきた。ラッキー!
 期待を膨らましながら最初のポイントに到着した。
 ここのポイントの林道は車では入れないので歩く事にした。日曜日の雨で林道の道路がかなりぬかるんだらしく、キャタピラで整地した跡があり、前回とは違う雰囲気になっていた。
 しばらくはホソバヒョウモンなどが飛んでいたが、5分ほど歩いた所で足元からいきなりオオイチモンジが飛び出した。すぐに林道上に止まったので撮影しようと思ったのだが、警戒心が強くなかなか撮影させてもらえない。諦めてさらに林道を進んだが、けっこうの数のオオイチモンジが飛んでいた。これだけたくさんのオオイチモンジがいるなら少しくらい採集してもいいだろうと思い、1つのポイントで最高1頭採集してもいいことに自分の中で決めた。ここの林道では2頭採集した。
 車に戻り、次のポイントに向かったのだが、とにかくオオイチモンジが多い。林道の何も無い所でも目撃できる。前回はオオイチモンジを見るためのポイントとして、川が流れて橋があって近くに動物の糞があれば尚良いと言う事を書いたが、今日はそんなことを考えなくてもそこらじゅうでオオイチモンジが飛んでいる。ポイントに向かうまでに、誤って2頭くらい車で轢いてしまった。
 それにポイントに向かうまでの片側1車線の広い舗装道路でも道路の中央にオオイチモンジが止まっていて、車を降りて道路に寝転がって撮影したりしたが、その上を他のオオイチモンジが飛んでいるというような状態。完全にオオイチモンジパラダイスである。昨年ここではじめてオオイチモンジを見て、今年が2年目だが、もしかしたら昨年よりもかなり多くのオオイチモンジが発生しているかもしれない。オオイチモンジを目撃するたびに車を止めていたら、ポイントに着くのがかなり遅くなりそうだったので、この際飛んでいるオオイチモンジは無視して、止まっているオオイチモンジだけを狙う事にした。
 いろんな場所でオオイチモンジを観察しながら進んでいったのだが、やはり今日は橋の所や川の流れているところなどがポイントと言う訳ではなく、そういうところにもいないときもあるし、なんのポイントでないところでもオオイチモンジがいたりする。前回と違いそうなところは湿度が高い事と、下草や道路がまだ湿っているという事である。
 今日はなんとかして2頭のオオイチモンジを1枚の写真の中に収めたかったのだが、見られるオオイチモンジは1頭ずつというか、1枚の写真に2頭収まりそうに無い距離で、苦労した。しかし、前回熊の糞があって、昨年も同じ場所で熊の糞を見たところで2頭のオオイチモンジがいたので撮影した。しかし、やはり糞の上のオオイチモンジは絵にならない。2時間ほど色々なポイントを探したが、そういう光景に出会えず、諦めて戻る事にした。ところが戻る途中、広い舗装道路で2頭のオオイチモンジが固まっているのを発見し、何とか撮影する事が出来た。最初は遠くから撮影してだんだん近づいて撮影していったのだが、
一向に逃げる気配はないし、歩きながらこちらに向かってくる。指を近づけたら登ってきた。手乗りオオイチモンジである。
 オオイチモンジはわたしの指に口(糸のような水分を吸う所、口吻(こうふん)と言い、2本の糸のような口が水分を毛管現象により吸い上げる)を付けて、何かを吸おうとしている。私の指は濡れてはいなかったのだが、オオイチモンジは自分の口吻から水分を出して私の乾いた汗やミネラル分を溶かして吸っているようだった。更に手を振っても逃げないので、もう一頭のオオイチモンジにも手を近づけてみたら、そいつも私の指の上に乗ってきた。2頭のオオイチモンジを指につけ、楽しかった。

 今日はかなりの数のオオイチモンジを観察でき、採集だけなら簡単に50頭は採集できるくらいである。しかし、環境庁のレッドデータリストでは絶滅危惧種に指定されている。いくら数が多くても、採集しすぎてはいけないし、オオイチモンジに関しても、同じ場所で10頭、20頭と採集してしまえば、採集圧による個体数の減少が考えられる。

 余談になるが先週、音更町Hポイントでリンゴシジミが観察できなかったのは、京都から来た採集者達が、3日間音更のHポイントに通いつめ、かたっぱしからリンゴシジミを採集していったそうである。幼虫の食樹はこの近辺にはここしかなく、リンゴシジミは遠くまで飛ばないという性質があるので、3日間も通って根こそぎ採集されてしまえば、ほとんど全てのリンゴシジミが採集されたに違いない。多分来年はこの場所のリンゴシジミは随分少なくなるか、もしくは絶滅ということも考えられる。リンゴシジミ自体は他のポイントにもいるので絶滅にはならないだろうが、ひとつのポイントで絶滅してしまうという事だけでも悲しい事であるし、長年ここのリンゴシジミを優しく見守ってきたFieldさんはかなりショックだと思う。

 オオイチモンジは食樹の周りだけでなく、かなり広範囲に活動する種なので、音更町Hポイントでのリンゴシジミみたいな事にはならないだろうが、幼虫の食樹であるドロノキを守るとともに、なんとか採集者のモラルによって乱獲を避け、節度ある採集をして来年、再来年と、同じようにたくさんのオオイチモンジを見られるような環境であって欲しいと感じた。更に、熊のウンコであってもオオイチモンジにとっては貴重な栄養源になっているようで、自然のサイクルの不思議さも感じた。
道路の脇でキタキツネの子供がだらけていた。
全然逃げる気配なし。
舗装道路の中央の追い越し車線の白線上にとまっているオオイチモンジ。日光浴してるのかな?
左がオオイチモンジ。右がただのイチモンジチョウ。
大きさと模様の違いがよくわかります。
2頭のオオイチモンジが道路で相談中?
オオイチA:おい、変な奴が近寄ってきたぞ!
オオイチB:なんか盗撮されてるぞ!
オオイチA:よし、俺が文句言いに行ってやる。
オオイチA:こらおまえ、なに撮影してるんだよ!ちゃんと許可取ってから撮影してくれよな・・・。あれ、なんかお前の手、おいしそうなにおいがするぞ! オオイチA:これはうまい、お前の指、かなりうまいぞ!おーい、君もこっちに来いよ!
オオイチB:なになに?そんなにおいしいの?俺にも吸わせてくれよ、今いくから。
オオイチB:仲間に入れてくれてありがとう!こりゃほんとおいしい指だね。うーんうまいうまい! オオイチA:はぁ〜おいしい指だった!満腹満腹!暑いから日陰で休憩しようっと。


日付 場所 種類 採集・撮影・目撃 備考
7/2 訓子府町と津別町 オオイチモンジ 多数 7♂採集・撮影 かなりの数。♀は見られなかった。
ホゾバヒョウモン 多数 目撃
ギンボシヒョウモン 多数 目撃
コヒオドシ 多数 目撃 前回よりもかなり多い
ミスジチョウ 少々 2exs採集
サカハチチョウ 多数 目撃
イチモンジチョウ 少々 撮影
コチャバネセセリ 多数 目撃
エゾ?スジグロシロチョウ 多数 目撃
エゾシロチョウ 少々 目撃
キマダラヒカゲ 多数 目撃
クロヒカゲ 多数 目撃
シロオビヒメヒカゲ 多数 目撃
ヒメウラナミジャノメ 多数 目撃
トラフシジミ 1ex 目撃

6月28日(土)
 1ヶ月ほど前、このHPを見てくれて東京の練馬区に住んでいるBANYANさんと言う方から、画像掲示板への投稿と個人的にメールを頂いた。FieldさんのHPと、このHPを見比べて楽しんでくれているということと、6月の末から蝶の撮影のため来道されるということであった。この時期は大雪山ではウスバキチョウなどの天然記念物の蝶が出始めているので、都合が合えばご一緒しましょうと返信していた。
 BANYANさんが来道されるのが6月27日に決定し、Fieldさんと、HPを見てくれているしほわんさんとBANYANさんと私の4人で大雪に行こうということになっていたのだが、先週Fieldさんが大雪に登った時にはまだ雪渓が多く、天気の事も考えて諦め、北見方面へオオイチモンジの撮影と、滝上町にカラフトセセリの撮影に行くか、日高にオオイチモンジ、ジョウザンシジミの撮影に行くかどちらかにしようと言う事になった。
 北見方面に行くか、日高に行くかは天気予報を見て決める事にしたが、どうも北見方面のほうがいいらしいので、そちらに決定した。
 朝、7時少し前にしほわんのうちに迎えに行き、しほわんの新車に乗り換えて、Fieldさん宅へ。8時に上士幌の宿に泊っているBANYANさんを迎えに行った。BANYANさんとはみんな初対面だったが、事前にメールで顔写真を送ってもらっていたので、すぐにわかった。今日はとにかくBANYANさんにたくさんの北海道の蝶を撮影してもらう事が第一目標だ。
 上士幌を出発してしばらくはとても良い天気だったのだが、ポイントに近づくにつれ雲が出てきて、しかも車の外気温は14℃と低め。まだ時間は早いがちょっとあやしくなってきた。
 10時前後頃北見方面のポイントに到着した。天気は晴れたり曇ったり。
 ここはFieldさんが以前、たくさんのオオイチモンジを見たという林道である。林道前で車を止めて歩く事にした。しかし、昨年ここにFieldさんと来た時には全然ダメだったので期待はしていなかった。それでもホソバヒョウモンとかエゾシロチョウなどの北海道にしかいない蝶を紹介できるだろうと思っていた。しばらく歩いていると、道の先のほうに大きな黒い蝶が確認できた。発見したのはFieldさんだったが、それが間違いなくオオイチモンジだと言う事は私にもわかった。2頭のオオイチモンジが林道脇の何かの動物(多分キツネ)の糞に集まっていた。1頭は糞の近くの草むら、もう1頭はまさに糞の上。さぁ、撮影開始だ!徐々に近づきながらみんなでシャッターを押しまくる。みんなのデジカメからはシャッターを切ったときの”ピッ”という電子音がランダムに聞こえてきた。とても綺麗なオオイチモンジで、羽化してから何日もたっていないと思われた。糞の上で夢中で口吻(ストローみたいな口)を伸ばしているオオイチモンジは近づいてもなかなか逃げなかったので、ある程度の写真はみんな撮れたと思う。一通り満足した所で、1頭採集した。幸先バッチシ!
 その後、更に林道を進み、しばらくして林道を戻ったが、それまでにも何頭かのオオイチモンジを発見し採集した。また、先ほど糞にオオイチモンジが来ていた場所では、またオオイチモンジがやってきていた。
 いきなり比較的多くのオオイチモンジを見る事が出来たので、私は4頭位採集したいと思った。
 このポイントを離れ、近くにある次のポイントに移った。今度のポイントはある道沿いの細長い数キロの区間。昨年私がうまれてはじめてオオイチモンジをみた場所である。昨年最初にオオイチモンジを見た時には熊の糞に来ていた。そしてそのポイントでビックリする事があった。なんと、今年も全く同じ場所に熊の糞があったのである!しかもたくさんの蝶がその糞に来ている。オオイチモンジもいるかと思ったのだが、いたのはただのイチモンジやミスジチョウ、サカハチチョウやシータテハなどのタテハとコチャバネセセリ。オオイチモンジはいなかった。しかし、ひとつの熊の糞にこれほど多くの種類の蝶が来ているのが珍しかったので、撮影した。撮影しながら少しあたりを見回すと、オオイチモンジが飛んでいるのが見えた。一瞬珍しいメスかと思ったので、網を持って採集した。オスだった。
 その後更に車を進めた。このポイントではどこでオオイチモンジが出てもおかしくないのだが、オオイチモンジが比較的よく見れる条件としては、川が流れていて橋があって、近くに熊などの糞があれば尚良いということをFieldさんが言っていた。ここのポイントでは小さな橋がたくさんあるので注意しながら車を進めたのだが、Fieldさんの言うとおり、川があって橋がある所では比較的多くのオオイチモンジが見られた。しかも何故か橋の近くには熊のものと思われる糞があって、そのたびに1頭〜3頭位のオオイチモンジを見る事が出来た。これだけたくさんのオオイチモンジを見たのははじめてである。オオイチモンジを求めて本州から高い飛行機代や宿代を出してまで採集者が来る位、みんなの憧れのオオイチモンジだが、これだけたくさん目撃してしまうと、もはや普通種である。しかもみんな綺麗な個体ばかり。ものすごい贅沢な気持ちになった。オオイチモンジは白い帯状の模様などが羽についているのだが、その白い模様が薄いオオイチモンジもいて、当初最大でも4頭でやめようと思っていた採集は、最終的には6頭まで増やしてしまった。しかし、これだけ多くのオオイチモンジが見られれば、採集しようと思えば20頭はいけたとおもう。しかも餌でおびき寄せる事などしなくてもそれ位採れたと思う。
 お昼が近くなってきたので、しほわん特製のお弁当をみんなで食べた。私は大きなおにぎりを3つも食べた。から揚げや卵焼きなど、どれも美味しくて、みんなで完食した。本来ならこのあとカラフトセセリを求めて滝之上町に行きたかったのだが、ナビで調べると距離が134キロもあることがわかった。2時間半はかかる。それで今回はカラフトセセリを諦めて、この辺でオオイチモンジを求めて歩き回る事にした。すぐに3頭のオオイチモンジが糞に来ていて撮影したり採集したりしたが、ポイントを戻るときは何故かオオイチモンジは少なくなっていた。
 2時に喫茶店でお茶をして、更に戻り、ヒメウスバシロチョウをBANYANさんが撮影したり、カバイロシジミと思われる蝶を目撃したりして撮影会は終わった。帰りに足寄の道の駅でソフトクリームを食べた。上士幌町でBANYANさんと別れ、帯広に戻った。
 そしてFieldさんとしほわんと私で焼肉を食べに行った。Fieldさんとしほわんはかなり酒を飲んで、Fieldさんは前日あまり寝てないことと疲れのせいか、かなりダウン気味だったがしほわんはガンガン飲んで陽気になっていた。その後Fieldさんを自宅に送り、しほわんを自宅に送り、私は自分の車に乗り換えて帰ってきた。
 これだけたくさんの、しかも綺麗な(傷の無い)オオイチモンジを見たのは初めてだし、東京から来られたBANYANさんにもオオイチモンジや東京では珍しい蝶を見てもらう事が出来て嬉しかった。

最初の林道で。ホソバヒョウモンが出迎えてくれた。 オオイチモンジ見っけ!羽化して間もないかなり綺麗なオス。


今日見られたたくさんのオオイチモンジ。全部オスだけど。 今度はギンボシヒョウモンの交尾。エゾシロチョウの交尾と違って邪魔者はいない。このメスはあんまり可愛くないのかな?

ギンボシヒョウモンの交尾を撮影するオジ様達。
ギンボシ:「邪魔しないでくれ〜!」
たくさんの蝶が写真1枚に入った。ミスジチョウ、イチモンジチョウ、シータテハ、
サカハチチョウ、コチャバネセセリ。

向こうで撮影しているしほわんにオジ様たちが近づいていく。 途中で立ち寄った喫茶店で飼われてるワンコ。ものすごくほえてたけど、ちぎれんばかりに尻尾を振って喜んでた。すごいなつっこい犬で可愛かった。笑ってるように見える。

エゾシロチョウが交尾してるんだけど、メスの羽が透けて、後ろのピンクの花が透き通って見えて綺麗だった。

喫茶店にて記念撮影。左がBANYANさん、中央Fieldさん、右しほわん。
日付 場所 種類 採集・撮影・目撃 備考
6/28 訓子府町と津別町 オオイチモンジ 多数 6♂採集・撮影 ♀は見られなかった。
ホゾバヒョウモン 多数 2exs採集・撮影
ギンボシヒョウモン 多数 撮影
コヒオドシ 少々 目撃
シータテハ 少々 撮影
ミスジチョウ 少々 撮影
サカハチチョウ 多数 撮影
イチモンジチョウ 少々 撮影
コチャバネセセリ 多数 目撃
コキマダラセセリ 1ex 目撃
エゾ?スジグロシロチョウ 多数 目撃
エゾシロチョウ 多数 撮影
モンキチョウ 少々 目撃
カバイロシジミ 1ex 目撃 確実ではない
ベニシジミ 少々 目撃
キマダラヒカゲ 多数 目撃
クロヒカゲ 多数 目撃
シロオビヒメヒカゲ 多数 目撃
ヒメウラナミジャノメ 多数 目撃

6月27日(金)
 今週は水曜日から土曜日まで北見に出張、今週は月曜日に日帰りで札幌出張など慌しく、火曜日から職場に戻ってもまずまずの忙しさで良く言えば充実していた。今日は午後から時間が取れたので休暇をもらって床屋に行って髪を2mmに刈った。自宅では洗濯物の山が出来ており、帰宅して思う存分洗濯をしていた。今週天気が思わしくなく、パッとしない週ではあったし、今日も雲が暑くイマイチの天気である。しかし、窓の外を見ると、少しだけ青空が見えていたり、気温も暖かく感じられ、自宅裏のパークゴルフ場ではエゾシロチョウが飛んでいた。洗濯が終わるのをただ待っているのもつまんないから、それまでの間、カメラを持って自宅裏でエゾシロチョウでも撮影してこようと玄関を出た。
 自宅裏は小さなパークゴルフ場なのだが、エゾシロチョウの食樹とおもわれる木もあり、更にパークゴルフ場の向こう側は小川が流れている。エゾシロチョウはまずまずの数飛んでいて、写真を撮らせてくれた。
 ここに引っ越してきてから、早春に一度だけ川の方まで行った事があったが、それ以来行ってなかったので、ついでに川まで行ってみた。花が咲いていたので花の写真も撮影して自宅に戻ると洗濯が終わっていた。
自宅裏で飛んでいたエゾシロチョウ。曇っていたためかあまり元気には見えなかったけど、花の蜜を吸う姿がたくさん見られた。 エゾシロチョウが吸っていた花。ひとつひとつの花は控えめな感じがするけど、そこらじゅうに大量に咲いていた。
川の脇で咲いていた青い花。小さな花だったが凄く綺麗な色をしてた。 自宅裏の小さな川。草がたくさんで水は見えない。私の自宅は左側のほうにある。
日付 場所 種類 採集・撮影・目撃 備考
6/27 帯広市 エゾシロチョウ 多数 撮影

6月22日(日)
 天気はよく、朝から気温も20℃位になっていたので、今年最後のツマキチョウを目標にして、帯広市のポイントに向かった。
 今年は春から目標にする蝶をことごとく観察する事が出来ている。また、思ってもいなかった蝶に出会ったりすることもあって、かなり幸先の良いスタートだったのだが、ここに来てツマキチョウにやられてしまった。別に珍しい種類ではないのだが、どうしてもあえないのである。ポイントに行く道を間違ったり、行っても曇っていたり気温が低くて会えなかったり。実はこの蝶に関しては蝶の写真を始めた時から相性が悪い。1年目は撮影できたのだが、帰ってきてからパソコンに取り込むとどれもピンボケ。2年目は見ることは出来たが撮影には至らず。そして今年、”3度目の正直”を目指したのだが今日もツマキチョウには結局会えなかった。”2度あることは3度ある”
 今日は最初に行った帯広市のポイントでは車を降りたとたんカラフトタカネキマダラセセリが出迎えてくれた。しかし、なぜか蝶の数が少ない。まだ時間が早かったのかなと思いながら歩いていると、それでもシロオビヒメヒカゲなどが乱舞していた。
 早々にこのポイントでのツマキチョウを諦めて中札内のポイントに移動した。ところが林道入り口で行き止まり。門が閉まっていてこれ以上行けないのだ。やられた。で、しかたなく戻る事にしたが、少し違う道を戻った。そしたら大量のエゾシロチョウが飛んでおり、1頭のメスにたくさんのオスが群がっていた。こんな光景が至る所で繰り広げられていた。
 どうも今日はついてないと思い、音更町Hポイントでリンゴシジミを観察して帰ることにした。40分ほど運転してHポイントに到着したのだが、なんとリンゴシジミを発見する事が出来なかった。もう嫌になってお昼頃帰ってきた。

エゾシロチョウのメスに群がるオス達。メスの争奪戦だ!
メスはただ花の蜜が吸いたいだけなのに、こんなにたくさんの雄に囲まれている。よっぽどこのメスが可愛いのだろうか?
シロオビヒメヒカゲとタンポポの花。
今年もいつの間にかヒョウモンの季節になっていた。
個人的にはあまり好きではないギンボシヒョウモン。
何が嫌いかと言うと、顔が嫌い・・・。
Hポイント付近を走っていたらこんな動物がいた。その他、馬なんかもいた。でもリンゴシジミはいなかった。
日付 場所 種類 採集・撮影・目撃 備考
6/22 帯広市 カラフトタカネキマダラセセリ 少々 撮影
シロオビヒメヒカゲ 多数 撮影
ギンボシヒョウモン 少々 目撃 今年初
クロヒカゲ 少々 目撃
エゾ?スジグロシロチョウ 少々 目撃
ヒメ?ウスバシロチョウ 少々 目撃 確実でない
キマダラヒカゲ 多数 目撃
コチャバネセセリ 多数 目撃
中札内村 エゾシロチョウ 多数 撮影 大量
ギンボシヒョウモン 多数 撮影
音更町H ヒメウラナミジャノメ 多数 撮影
シロオビヒメヒカゲ 多数 目撃
エゾシロチョウ 多数 目撃
ベニシジミ 1ex 目撃
カバイロシジミ 1ex 目撃 確実でない
ツバメシジミ 1ex 目撃
ルリシジミ 1ex 目撃

6月15日(日)
 今週末は天気が悪い予報だったので諦めていたが、今日の天気は晴れだった。最初から諦めていたので他に用事を作ってしまっていたのだが、この天気のよさではじっとしていられない。午前と午後を挟む3時間ほど時間を作り、山に行く事にした。
 インターネットの予報を見ると、最初は十勝でも南の方が天気が良さそうだったが、直前の天気予報では北のほうが晴れそうだったので、この前も行ったのだが、音更町のポイントでツマキチョウ、カラフトタカネキマダラセセリを目標にする事にした。
 そこに行く途中、これも前回と同じだが音更町Hポイントでリンゴシジミの発生を確認しに寄った。しかし、リンゴシジミの姿は見られなかった。代わりにエゾシロチョウの成虫が蛹のある木で交尾している姿があったので面白くて撮影した。
 本命ポイントの音更町Oポイント。先週行った林道のある場所の所では、それまでカラフトタカネキマダラセセリやツマキチョウなどの蝶をおびき寄せていた黄色い花が枯れかけていたので、これらの蝶を観察する事は出来なかった。
 林道を更に進み、ある展望台までの道を歩いたが、カバイロシジミやウスバシロチョウ、ヒメウスバシロチョウなどが多数飛んでいたが、目標の蝶は見られず途中で引き返して車に戻り、更に林道を進んだ。しばらく走ると道の両脇に薄紫の花がたくさん咲いているところがあったので、車を止めると、カラフトタカネキマダラセセリのメスが蜜を吸っている姿を発見したので慌てて車を降りて撮影した。しかし、落ち着いてあたりを見回すと、カラフトタカネキマダラセセリはけっこうな数(2,3頭)いて、それらの蝶を撮影する事が出来た。採集しようか迷ったが、けっこういるといってもそれほどではないので採集はやめた。
 そうこうしながら車で林道を走っているうちに、林道を抜けてしまったので、次の用事のため山をあとにした。

逆光でちょっと見づらいんだけど、枝の上でエゾシロチョウが交尾している。その下にはまだ羽化していないエゾシロチョウの蛹 この花にウスバシロチョウが止まっていたので、そーっと近づいてシャッターを切ったんだけど、その瞬間に飛んで行っちゃった。デジカメのタイムラグのせいか、飛んだウスバシロチョウは少しも写っていなかった。
花から花へと飛び回りながら蜜を吸っていたヒメウスバシロチョウ。そんなにお腹がすいているのか、よっぽど甘い蜜なのか。 隣の写真と同じ種類の花で、カラフトタカネキマダラセセリが蜜を吸っている。この蝶もせわしなく飛びまわり花の蜜を吸っていた。

日付 場所 種類 採集・撮影・目撃 備考
6/15 音更町H シロオビヒメヒカゲ 多数 目撃
ベニシジミ 少々 撮影
エゾシロチョウ 多数 撮影
音更町O ウスバシロチョウ 多数 撮影
ヒメウスバシロチョウ 多数 1♂採集・撮影
カバイロシジミ 1ex 目撃
モンキチョウ 多数 目撃
クジャクチョウ 1ex 目撃
カタフトタカネキマダラセセリ 多数 撮影
エゾ?スジグロシロチョウ 多数 目撃
シロオビヒメヒカゲ 多数 目撃
ベニシジミ 多数 目撃
ツバメシジミ 多数 目撃
キマダラヒカゲ 多数 目撃
クロヒカゲ 1ex 目撃
ヒメウラナミジャノメ 1ex 目撃

6月10日(火)
 前日に掲示板にFieldさんが書き込みをしてくれた。音更町H地点でカバイロシジミを目撃したという内容だった。カバイロシジミといえば水色の綺麗なシジミチョウで、北海道と青森北部近辺にしか棲息していない蝶である。またこれまで写真にも撮った事が無いので羨ましいなぁと思っていた。
 今週末かその次か・・・。カバイロシジミは発生時期が比較的長いのでそのうち撮影したいと思っていたのだが、今日、たまたま仕事の用事がありFieldさんと会う事になった。H地点はFieldさんの職場とも近く、ここで待ち合わせて仕事の話をする事となった。
 H地点に到着すると、すでにFieldさんが先に来ていてた。
 カバイロシジミは今日も発生していたということだが、先にエゾシロチョウの蛹の塊があるということで見せてもらった。Fieldさんによると今年のエゾシロチョウは羽化が遅れているらしいということと、蛹を見ると、かなりの数が寄生蜂にやられているようだったが、1頭だけ成虫もいた。
 少し歩くとすぐにカバイロシジミを1頭発見。最初は逃げられたが、そのうち逃げなくなって、私は得意の接写殺法でたくさんの写真を撮影できた。カバイロシジミは特に羽の表側が水色で綺麗なのだが、羽の裏面にも水色が及んでいて、しかも羽化して日にちが経っていないような綺麗な個体だった。数十枚撮影して、更にシロオビヒメヒカゲや咲いている花などを撮影して数十分で帰ってきた。
エゾシロチョウの蛹。羽化までもう少しだろうか?
枝についている綿のようなものは寄生虫のマユ。
撮りたかったカバイロシジミ。あまり動かなかったので思う存分撮影できたl。

シロオビヒメヒカゲがたくさんいたが、交尾シーンを撮影できた。

青くて綺麗だがメチャクチャ小さい花が咲いていた。
日付 場所 種類 採集・撮影・目撃 備考
6/10 音更町H カバイロシジミ 1♂ 撮影
シロオビヒメヒカゲ 多数 撮影
エゾシロチョウ 1ex 目撃
ベニシジミ 1ex 目撃

6月8日(日)
 昨日道に迷って行けなかった音更町のツマキチョウポイントに行ってみる。今回は迷わないで行けたが、天気が曇りで気温が15℃。これではエゾハルゼミも鳴いておらず、蝶の姿もほとんど見られなかった。当然ツマキチョウも見る事が出来なかった。お昼の2時過ぎにポイントに到着して、3時まで粘ったがダメで諦めた。
今日の撮影はこの1頭のみ。でもこのツバメシジミ、とても綺麗だった。

日付 場所 種類 採集・撮影・目撃 備考
6/8 音更町O キマダラヒカゲ 多数 目撃
エゾ?スジグロシロチョウ 多数 目撃
ツバメシジミ 少々 撮影


6月7日(土)
 今日は音更方面でカラフトタカネキマダラセセリの撮影と、たくさん発生していれば少し採集してこようと計画した。天気は晴れ、風も少なく、絶好の蝶日和である。前日に”しほわん”から電話があり、帯広で車を見に行きたいという事だったので、午前中に一緒に山に行って、午後からは車屋さんを回ろうという事になった。
 朝しほわんが私の自宅に来て、そこから音更方面に出かけた。
 最初はリンゴシジミのポイントに向かったが、リンゴシジミはまだ発生しておらず、かわりにシロオビヒメヒカゲがたくさん舞っていた。
 6月29日に池田町であるお祭りに、私も所属している十勝ビートルファクトリーが催し物を開くことになっており、その中のコーナーで道東の蝶の標本を展示する事になり私の標本を使う事になったのだが、私は十勝に来てからあまり蝶を採集していなかったので、ここで北海道特産種であり、道東にたくさん棲息しているシロオビヒメヒカゲを少しだけ採集させてもらった。1頭はしほわんが採集した。しほわんは女性なのだが、日焼けが怖いらしく、頭の上からバスタオルをかぶり、手には手袋のようなものを付けていて、ちょっと気味が悪かった。
 次にカラフトタカネキマダラセセリがよく見られるという林道に向かった。気温が15℃程度でちょっと低め。時間も少し早かったかもしれない。たくさんのキマダラヒカゲが出迎えてくれたが、本命のカラフトタカネキマダラセセリは見えない。代わりにギンイチモンジセセリ、トラフシジミや大量のツバメシジミなどが舞っていた。
 林道を進み、ある地点から展望台まで歩く事にした。しほわんにも網を持ってもらい、二人でてくてく歩いた。しほわんはカラスアゲハの春型♂を採集し、喜んでいた。ここでは今日の目標ナンバー2のウスバシロチョウをしほわんが発見し、撮影する事が出来た。
 さらに歩いていくと、タンポポに黄色っぽい小さなセセリが止まっているのを発見した。カラフトタカネキマダラセセリだった。2枚ほど撮影できたが逃げられてしまい、その後カラフトタカネキマダラセセリを見ることは出来なかった。歩いている間はキマダラヒカゲ、ツバメシジミ、ベニシジミ、ヒメウスバシロチョウ、シロオビヒメヒカゲなどたくさんの蝶達が舞っており、かなり嬉しかった。
 展望台まで歩いてから車に戻り、今日の目標ナンバー3であるツマキチョウを求めて車を走らせたのだが、道を間違ってしまいツマキチョウには会えなかった。
 ツマキチョウはこの時期に発生するシロチョウ科の蝶なのだが、特に珍しい蝶ではない。しかし何故か写真を撮影する機会に恵まれず、また、ツマキチョウを撮影してもことごとくピンボケになっていて、これまで蝶のページで紹介できないでいる。
 そうしているうちに時間も12時を超えたのでしほわんの車屋さんに付き合うため山を降りた。
 今日の撮影では蝶達になかなかモデルになってもらえず(すぐに逃げられる)イライラしたのだがたくさんの種類の蝶を見る事が出来た。
 山を降りて帯広に戻り、しほわんとラーメンを食べて車屋さんに行った。最初はトヨタのランクスという車を試乗し、次にistを見に行ったのだが、ランクスやistよりもっと排気量も大きくて値段も高いヴォルツという車が特別キャンペーンでランクスという車とほぼ同じ値段で売っていた。しほわんもこの車を気に入り試乗した。その後、色々と顔の広いFieldさんに電話したら、ここの車屋さんの部長と知り合いだったという事で、話をつけてもらえることになった。
 私達はしほわんの現在乗っている車を査定してもらうため、私の自宅に置いてあるしほわんの車を取りに行った。しほわんの車に乗り換えて車屋さんに戻ると、そこにはFieldさんも来ていた。Fieldさんは午後に音更の同じ山に入って、カラフトタカネキマダラセセリやツマキチョウをたくさん撮影してきたと言っていてちょびっと悔しかった。
 しほわんはその場で車を契約した。すごいと思った。

 今日は蝶の撮影をする時間帯が少し早かったようなので、もし明日も天候が良ければもう一度同じ場所に行ってみたいと思っている。
ウスバシロチョウ。羽化したばっかりのようで、まだ羽が伸びきっていない 今日の本命カラフトタカネキマダラセセリ。名前が長くてキーボードで打つのが大変。日本では道東にしか棲息していない蝶。
前回は撮影しそこねたキアゲハ。今回はモデルになってくれました。 トラフシジミ。羽を開くと群青色輝く綺麗な色なのだが・・・。
今回は開いてもらえなかった。
キマダラヒカゲが遊びに来た。今年も手乗りキマダラヒカゲになった。顔がとても可愛い。 コチャバネセセリ。普段はこげ茶色ですばしっこくて特に見向きもしないのだが、こうやって綺麗な花に止まっているとなかなかのものだ。
日付 場所 種類 採集・撮影・目撃 備考
6/7 音更町H シロオビヒメヒカゲ 多数 4exs採集 1exしほわん
オオモンシロチョウ 1ex 目撃
ツバメシジミ 多数 目撃
ベニシジミ 少々 目撃
音更町O キマダラヒカゲ 多数 撮影
コミスジ 少々 目撃
ツバメシジミ 多数 目撃
トラフシジミ 1ex 撮影
ギンイチモンジセセリ 1ex 撮影
コチャバネセセリ 多数 撮影
キアゲハ 少々 撮影
モンキチョウ 少々 目撃
エゾ?スジグロシロチョウ 多数 目撃
ウスバシロチョウ 1ex 撮影
ヒメウスバシロチョウ 多数 1♂採集
カラスアゲハ 少々 1♂採集 しほわん
ミヤマカラスアゲハ 少々 目撃
ベニシジミ 多数 撮影
ミヤマセセリ 1ex 目撃
チャマダラセセリ 1ex 採集
カラフトタカネキマダラセセリ 1♀ 撮影

6月2日(月)
 月曜日というのに仕事は休み、しかし、天気予報は曇りのち晴れとイマイチだったので、山に行くのを半分諦めていたのだが、朝起きて外を見ると晴れている。これはどこかに行くしかないと、とりあえず作戦を立てる。
 外は晴れているが風が強い。こういう場合、山の中に入ると風がおさまっていることがあるので、市街地近くのポイントよりも山深いほうが良さそうだったので、芽室の山奥のポイントに行く事にした。5月17日にも訪れたポイントだが、2年前、この時期にミヤマカラスアゲハの集団吸水を見ているので、撮影したかった事と、ホームページのカウンター15000ゲットで当選した石綿さんから北海道のミヤマカラスアゲハの春型個体を頼まれていたので、ちょっとだけ採集したかった。
 8時半前に自宅を出て、車の外気温計を見ると18℃。これならミヤマカラスアゲハを見る事が出来るかもしれないと期待が膨らんだ。
 風は凄くて心配だったがもうひとつ心配な事があった。ポイントにしている芽室の林道は標高が400m〜600m。単純計算で標高が100m上がるごとに気温は0.6℃下がるから400mで2.4℃、600mで3.6℃下がる事になる。
 日の光でどんどん気温が上がってくれればいいが、芽室のポイント付近に着いた時、まだ9時前だったので、案の定林道を進むごとに気温は下がり、ついには14℃になってしまった。しかし、車で進んでいくと目の前を黒いアゲハが飛んでいった。カラスアゲハかミヤマカラスアゲハかどちかわからないが間違いなく発生していることがわかった。。
 昨年はミヤマカラスアゲハ、カラスアゲハはものすごく少なくて、一年を通して数回見られた程度だったが、今年はどうなんだろうと考えながら車で移動したり歩いたりしてミヤマカラスアゲハを探したが、林道で吸水している姿や花の蜜を吸っている姿は確認できず、3頭目撃できただけだった。しかも風も完全に止まってはおらず、その風に乗りトリッキーな動きをするため採集もできなかった。
 それでもエゾ?スジグロシロチョウやオオモンシロチョウは林道沿いのタンポポで吸蜜している姿があちこちで見られた。
 気温も上がってこないので、この場所を諦めて他の場所に移る事にした。中札内のポイントに行く事にした。このポイントは標高もそれほど高くないから気温も低くないだろうという読みだ。
 向かう途中、帯広市のポイント付近を通過するので、そちらの方にも立ち寄る事にした。ここも標高は高くないからミヤマカラスアゲハを見れるかもしれないと思ったのだ。
 林道の中のポイントに向かう途中、また目の前を黒いアゲハが通過した。慌てて網を持って車を降り、採集に成功した。ミヤマカラスアゲハのオスだった。これで今日の最低ノルマ達成である。気が楽になってあたりを見回すと、2,3頭のミヤマカラスアゲハが舞っている。これなら結構の数採集できるし撮影もできると確信した。案の定、車を進めるとたくさんのミヤマカラスアゲハが出迎えてくれた。
 川の近くで3頭ほどで吸水している姿も見られたし、タンポポの蜜を吸っている姿も見られた。
 北海道のミヤマカラスアゲハの春型固体は道外のものと比べると小さいが、模様のグラデーションが比較的はっきりしていてかなり綺麗である。本気で採集すれば、20や30頭は採れたと思うが、プレゼント用と自分の分1ペアのみにして後は撮影したり観察したりした。
 芽室の山では気温が14〜15℃位。この気温ではミヤマカラスアゲハの活動は活発ではなかったが、19〜20℃になった帯広のポイントではかなり活発だった。ミヤマカラスアゲハの成虫か活発に活動できるかどうかの気温の境目はどうやら15℃〜19℃の間にあるようだ。
 写真も撮影できたし、採集もできた。もう帰ってもよかったのだが、時間も11時前だったし、とりあえず中札内のポイントまで行って見ることにした。
 しかし、中札内の林道に入って数百メートルで、工事が行われており、林道上にバックホウがあったのでこれ以上進むのを諦めて、帰ることにした。
 ミヤマカラスアゲハの発生は今年は昨年のような極端に少ないという事はないようである。しかし、カラスアゲハを確認する事はできなかった。
 いよいよ蝶の季節に入ったと嬉しくなった。
マルハナバチ。人を指す蜂ではないが丸々としていてよく見ると毛だらけ。タランチュラみたいでやっぱしコワイ。 キマダラヒカゲが発生していた。こいつがよく手乗り蝶になるやつ。ヤマキマダラヒカゲとサトキマダラヒカゲがあるが、わかりずらいし、はっきり言ってどっちでもいい。
北海道のミヤマカラスアゲハ春型♂。
中にはヒメギフより少し大きいくらいという、極小サイズもいる。だけど青い色がメチャクチャ綺麗!カラスアゲハ、ミヤマカラスアゲハを単なる黒いアゲハだと思っている人は考えを改めていただきたい。
今年もベニシジミちゃんがチョコマカと飛んでいました。
北海道にも本格的な蝶のシーズンが到来しました!!

タンポポにとまるキアゲハを撮影したつもりだったんだけど・・

日付 場所 種類 採集・撮影・目撃 備考
6/2 芽室町 ミヤマ?カラスアゲハ 3exs 目撃 今年初
エゾ?スジグロシロチョウ 多数 目撃
オオモンシロチョウ 多数 1ex採集 今年初
サカハチチョウ 少々 撮影 春型
キマダラヒカゲ 多数 目撃 今年初
帯広市 ミヤマカラスアゲハ 多数 3♂2♀採集・撮影 春型
キアゲハ 1ex 撮影 春型
エゾ?スジグロシロチョウ 多数 目撃
モンキチョウ 1ex 目撃
クジャクチョウ 1ex 目撃 越冬個体
ベニシジミ 1ex 撮影 今年初
ルリシジミ 1ex 目撃
中札内村 ミヤマカラスアゲハ 少々 目撃
エゾ?スジグロシロチョウ 多数 目撃

5月17日(土)
 今日は天気が良いという予報だったので、前日からどこに行こうかとワクワクしていた。チャマダラセセリをもう一度見たかったのと、芽室あたりにでも行こうかと思いながら夜中の2時頃寝た。
 朝起きて時計を見たらまだ7時ちょっと前。やはりワクワクしてると目が覚めるのも早いなぁ・・でも、もう少し寝ようかなと思って2度寝した。しばらくしてまた目が覚めた。9時頃になってるかな?時計を見たらまた7時ちょっと前。ん??さっきも7時ちょっと前だったじゃん!?よーく時計を見ると7時ちょっと前を指しているのは時間の針ではなくて、アラームの針。ってことは本当は今何時??
 しっかり目をあけて時計を見たら、もう11時になっていた。やばい・・・。
 急いで支度をして車で出発する。チャマダラセセリのポイントは自宅から車で10分ちょっと。11時半には到着した。気温は16℃とちょっと寒いけど日差しがあるし大丈夫だろう。
 車を降りるとすぐに茶色い小さな蝶が飛んでいた。前回の経験からそれがチャマダラセセリだとすぐにわかった。到着して車を降りた瞬間からチャマダラセセリが見れたのである。これはきっとたくさんのチャマダラセセリが発生しているものと期待した。ところが少し歩いても全然チャマダラセセリが見当たらなかった。ジョウザンシジミやエゾヒメシロチョウも相変わらず飛んでいる。下草が茶色なのでチャマダラセセリの色と似ていて見難いのと、チャマダラセセリが小さくて見えにくいのと、私の目が悪くなってきたのが原因で発見できなかったと思った。
 どうしようかと思ったが、少し場所を移動した。そしたら緑色の網を振っている一人の人がいた。明らかにチャマダラセセリを採集している人である。いつもなら「採れましたか?」などと声をかけるところだが、前回のジョウザンシジミのときに採集者に頭に来た事件があったせいか、声をかけるどころか、なんだか嫌な気分になった。採集者が近くまで寄ってきたが私が嫌そうな顔をしたのか、単に怖い顔だからか知らないが、結局交流を持たなかった。
 このポイントではチャマダラセセリがチョロチョロ飛んでいたので、ある程度撮影する事が出来た。しかし、個体数が多いという印象はもてなかった。
 採集者がいたので、自分も網を出すのが嫌だったが、ジョウザンシジミが少し欲しくて網を持ち探したが、見つからない。どうも網を持つと虫に逃げられているような気がした。
 なんだかんだと撮影したり遊んだりしていると1時を過ぎていた。ここから芽室のポイントまでは30分程かかるだろうか?時間的な問題で、行くかどうか迷ったが、とりあえずどの位春がきているのかだけでも見てこようと思い芽室のポイントに向かった。
 芽室のポイントは標高400m〜600m位の林道のポイントなのだが、道路沿いの岩場のポイントで車を降りて驚いた。なんと岩場にびっしりとテントウムシがくっついているのである!とても数えられる数ではないが軽く10000匹は超えていると思われる。みんなでごっちゃり固まって一体何をしていたのだろう?テントウムシといえばアブラムシを食べる昆虫という印象があるが、これだけのテントウムシに食べられるアブラムシも大変である。でも岩場には草が生えているわけでもなくて、どうやってアブラムシを食べるのか?これだけのテントウムシが何処から?いつ?何で?この場所にいるのか??謎だらけであった。それにしてもテントウムシは可愛い昆虫という思いがあったが、これだけたくさんいると、はっきり言って気持ち悪い。ぞっとした。
 そのポイントではあまり蝶の姿はなかったので更に奥のほうに進んだが、めぼしい蝶もおらず引き返した。引き返して、さっきのテントウムシポイントに戻る途中、道路に止まるルリタテハを発見した。ルリタテハといえば、昨年の夏、この蝶を求めていろんな場所に行ったが結局ふられてしまった蝶である。越冬個体ではあったが、モデルになってくれたので撮影させてもらった。その後3頭ほどのルリタテハを見た。
 テントウムシポイントに戻って、この珍しい光景を、ぞっとしながらも眺めていると、瑠璃色のシジミが目に入った。ルリシジミだろうけど、もしかしたらスギタニルリシジミかもなぁ〜と思って近づいたら、本当にスギタニルリシジミであった。もともと北海道でこの蝶が珍しいという印象は無いのだが、春にしか見れない蝶ということもあって、何枚か撮影させてもらった。

今日は11時に出発してから、かなりの数の蝶を見る事が出来た。いよいよ本格的な蝶のシーズンがやってきたなと思い、嬉しかった。


大量のテントウムシの塊。キモイ・・。 岩場にビッチリのテントウムシ。この写真でわかるでしょうか?


林道付近は新芽の生き生きとした緑があるけど、山の上はまだまだ雪が残っていました。 今日出合った蝶達。右上スギタニルリシジミ、左上エゾヒメシロチョウ、右下チャマダラセセリ、左下ルリタテハ。


日付 場所 種類 採集・撮影・目撃 備考
5/17 帯広市 チャマダラセセリ 少々 撮影
エゾヒメシロチョウ 多数 1ex採集・撮影
ジョウザンシジミ 少々 目撃
ルリシジミ 1ex 目撃
芽室町 エゾ?スジグロシロチョウ 多数 目撃
クジャクチョウ 少々多数 目撃 越冬個体
シータテハ 少々 目撃 越冬個体
ルリタテハ 3exs 撮影 越冬個体
スギタニルリシジミ 少々 撮影



5月13日(火)
昼前に仕事を休みにして、前にチャマダラセセリを探しに行った帯広市のポイントに向かう。
天気はうす曇りだが、太陽も見えて暖かく期待できた。
11時頃ポイントに到着。少し歩いてみるがどうもチャマダラセセリの気配がない。食草のキジムシロが見当たらないのだ。スジグロシロやオオモンシロなどは活発に活動していた。
すぐに少しだけポイントを移動させた。するとキジムシロがたくさん咲いていた。白い蝶がやたらと多く飛んでいたので、どうせスジグロシロかオオモンシロだろうと思いながらキケマンなどの植物を撮影していたが、スジグロシロチョウの飛び方に違和感を覚えたので、よく見ると、ヒメシロチョウである。ヒメシロチョウは近似種にエゾヒメシロチョウがいるが、見分けが難しく判別できない。帯広では両種が混生しているのだ。とにかく撮影して、自宅に戻ってから調べようと思い、シャッターチャンスを狙うものの、どうしても止まってくれない。延々と飛び続けるのだ。粘ったがいい写真が撮影できなかった。
ぶらぶらと歩いていると、アカマダラを発見。撮影しようとするがあと一歩のところで、ヒメシロチョウに邪魔されてダメだった。
たくさん蝶が飛んでいるが、お目当てのチャマダラセセリが見つからず、諦めようかと思いながら車の近くまで戻ると、小さな茶色い蝶が目に入った。
もしやと思いよく見ると、茶色の羽に鮮やかな白い模様!まぎれもなくチャマダラセセリだ。慎重に近づいて何枚か撮影に成功。
私自身初めて目にする蝶だったので少しだけ採集しようと車に戻り網を持って来たが、既にチャマダラセセリの姿はなく、その後一度も見る事が出来なかった。
このポイントでは更にジョウザンシジミも見られるという話を聞いていたのだが、にわかに信じがたかった。ジョウザンシジミは山奥の岩場にいるという印象があるが、ここのポイントは草原である。岩場なんてどこにもない。しかし、ブルーのシジミチョウが飛んでいるのを発見し近づいて見たら、ジョウザンシジミであった。こんな場所にジョウザンシジミがいるなんて、すごいと思った。なぜならこのポイントのすぐ脇には交通量の多い道路があって、自動車がいっぱい走っているのだ。
今年は5月に入ってから、たくさんのジョウザンシジミを見る事が出来ている。昨年は一度だけ一頭目撃・採集したのみだったので、すごく珍しい印象があった。しかしこんな市街地の近辺にまでジョウザンシジミがたくさんいるなんて、私のジョウザンシジミに対する印象はがらりと変わってしまった。もはや私の中で、ジョウザンシジミは普通種である!とりあえず撮影もしたが、普通種なのであんまり気合が入らず、いい写真が撮れなかった。
このポイントでは今時期、北海道にしか棲息していないアカマダラ、エゾヒメシロチョウ、ジョウザンシジミが同時に見られるほか、本州から採集マニアもやってくるほどのチャマダラセセリまでも見る事が出来るすごいポイントだと感じた。
これらの蝶達と、しばらく遊んでもらっているうちに、2時になっていた。到着した時には17℃だった気温も24℃まで上がっていた。しかし、少し風が出てきたので、草原の少し外れの地面が盛り上がっている場所に寝転がって空を見ながら色々な事を考えていた。

今回初めて見る事が出来たチャマダラセセリにしても、他の蝶にしても、やはり自然の中で飛んでいる姿が一番美しい。チャマダラセセリの標本なんて大して気にも止めないが、自然の中で花の蜜を吸っている姿はとても可愛らしく美しかった。私は前回、ヒメシジミとジョウザンシジミを間違って嫌な思いもしたし、ヒメシロチョウとエゾヒメシロチョウの区別がイマイチだから、やはり標本を持っていることも重要だが、蝶の標本を集めるコレクターには決してなるまいと思った。標本は種の同定や勉強、記録のため、ほんの少しで十分だと改めて感じた。そうこうしているうちに眠ってしまった。

ふと気がつくと3時になっていた。風もますます強まってきたので、今日はもう帰ることにした。
キケマンがごっそり咲いていた。とても綺麗
今日の本命チャマダラセセリ。急蜜植物であるキジムシロの花よりもリンドウの蜜の方が好きなようだった。そんなに頭を突っ込んだら食いしん坊!って言われちゃうよ!

釣りで言うならこいつは外道・・・。今日の外道のジョウザンシジミ。でもこんな場所にジョウザンがいるなんて。みんなが欲しがるジョウザンシジミもこれだけたくさん目にすると普通種のようである。

ここが今日のポイント。こんな場所にエゾヒメシロチョウ、ジョウザンシジミ、アカマダラなどの北海道特産種やチャマダラセセリが同時に見られるなんてすごい!
日付 場所 種類 撮影・採集・目撃 備考
5/13 帯広市 オオモンシロチョウ 多数 目撃
エゾ?スジグロシロチョウ 多数 目撃
モンキチョウ 1ex 目撃
ヒメシロチョウ 多数? 1ex採集
エゾヒメシロチョウ 多数? 撮影
アカマダラ 1ex 目撃 春型
クジャクチョウ 数頭 目撃 越冬個体
ジョウザンシジミ チラホラ 2exs採集
チャマダラセセリ 2exs 目撃


5月10日(土)
今日はFieldさんと二人で前回ジョウザンシジミを撮影した場所に行く事になっていた。
9時に自宅近くの駐車場で待ち合わせし、私の車で中札内のポイントに向かった。
気温が10℃そこそこで寒く、ポイントでは風も出ていた。ジョウザンシジミは数は少ないけど飛んでいた。どうやら気温が低いと食草の中にもぐりこんで上がるのを待っているようである。雲が多くあったが、切れ間から日差しがでるとチョロチョロと飛ぶという感じ。
数枚の写真を撮影した。交尾の写真も撮れた。
トランクに網が入っていたので3頭だけ採集させてもらった。
前回と比べると気温と風のせいか数は極端に少ない。既にボロの個体もいた。
また、これも前回撮影したスギタニルリシジミを探して見つける事が出来た。写真は撮影しなかった。
気温が上がらなかったのと雲が多かったのと風が強かったので、帯広市内のチャマダラセセリのポイントを案内してもらう事になった。

ポイントでは成虫の吸蜜植物である黄色い花がまだ咲いておらず、成虫の姿を確認する事は出来なかった。

Fieldさんに昼食(天丼)をごちそうになって帰ってきた。
ジョウザンシジミの交尾。いっぱい卵を産んでね!

日付 場所 種類 撮影・採集・目撃 備考
5/10 中札内村 ジョウザンシジミ 多数 3exs採集・撮影
スギタニルリシジミ 数頭 目撃
クジャクチョウ 数頭 目撃 越冬個体
エゾ?スジグロシロチョウ 数頭 目撃


5月5日(月)
今年のゴールデンウイークも今日で終わりだ。このゴールデンウイークは暦の配置のせいで最高でも3連休にしかならず、かなり不満足だったが、それでも天候は崩れず行楽日和だったと思う。
 朝9時頃おきて窓の外を見ると、桜が満開に咲いていて綺麗だ。今日の天気はうす曇り。どこに行こうか迷ったが、とりあえず自宅近くの帯広市グリーンパークの野草園に行ってみる事にした。
 自宅から徒歩で5分弱、グリーンパークに着いた。今日は子供の日でもあり、家族連れやカップルなどでかなり賑わっている。そんな中、私は一人でデジカメぶら下げて歩いてるのが妙に寂しくなってきた。飛んでる蝶はオオモンシロチョウくらい・・。エゾリスを観察したり桜を少し眺めてすぐに自宅に戻った。
 次にどこに行こうか考えた。昨年の晩夏に一度だけ行った事のある中札内村の林道に行くことにした。目標はスギタニルリシジミと定めた。
 11時位にポイント到着。白い蝶と、越冬したタテハ類が飛んでいた。林道は途中で倒木のため通行できなくなっていたので、そこから車を降りて歩く事にした。
 クジャクチョウをはじめとした越冬タテハが出迎えてくれた。ヒオドシチョウやエルタテハもいたが、キベリタテハやルリタテハは見当たらなかった。
 少し歩くと瑠璃色のシジミチョウが飛んでいることに気づいた。スギタニルリシジミかな?と思い、近づいて見ると、羽の裏側にオレンジ色の模様がある。実はこの蝶、ジョウザンシジミであったのだが、この時期にジョウザンシジミがいるとは考えてもいなかったので、私はヒメシジミだと勘違いした。(ヒメシジミも夏にしか現れないのだが、そのことも知らなかった)
 これまでヒメシジミは撮影した事が無かったので、うれしくなってたくさん撮影した。あたりを見回すとたくさんのヒメシジミが岩場に飛んでいた。10頭から20頭ほどはいる。岩場にたくさんいるということと、羽の表側を見ると、ジョウザンシジミにも似ていると気づいたのだが、ヒメシジミだと思い込んでいた。かなり新鮮な個体ばかりで、発生してから間もないと思われた。ヒメシジミの標本はあまり持っていなかったので、採集したいと思ったのだが、小さい個体ばかりだし、ヒメシジミは特に珍しい種類でもない。車に戻れば網は入っているが面倒なのでやめた。
 ヒメシジミとばかり思い込んでいるジョウザンシジミを飽きるまで撮影して奥に進んでいく事にした。
 しばらく歩くと蝶を採集している人に出くわした。「何を採ってるんですか?」と尋ねると、「蝶を採ってるんです」という答え。見れば分かるよ!などと思いながらも、「ヒメシジミを採ってるんですか?」と質問してみた。そうすると「はい」と答えられた。
 今思い返せば私はバカな質問をしていたし、採集してる人はジョウザンシジミを狙ってたはずなのにちゃんと教えてもらえなかった。嫌なやつだ。でも私は親切に「ヒメシジミなら向こうの方にたくさんいましたよ!」と言ってしまった。採集者は「じゃぁ行ってみます!」と嬉しそうに答えて行ってしまった。採集者は私のことを馬鹿なやつだと思っただろう。考えると自分のアホさに腹が立つとともに、その採集者にも改めて腹が立つ。今度会ったら文句を言ってやろう!
 採集者と別れて更に進むと、ミヤマセセリがいた。これもまだ撮影していない蝶である。そーっと近づき3枚ほど撮影したが、ちょっとピントが合わなかった。残念。2時間ほど歩いて時計を見たら1時になっていたので引き返した。
 戻る途中、さっきの採集者が向こうからやってきた。私が「採れましたか?」と聞いたら、「はい、少しだけ。ありがとうございました」と言って去っていった。ヒメシジミだと間違っている私に本当のことを教えてくれなかった採集者。今思えば「少しだけ」とか言いながら、本当は根こそぎ採集したに違いない!さきほどヒメシジミと間違ってジョウザンシジミをたくさん見た場所まで戻ると、そこにはもう1頭もいなかった。
 今日の目的はスギタニルリシジミだったので探しながら更に戻ると、ルリシジミのようなスギタニルリシジミのような蝶がチラチラ飛んでいた。実はこのルリシジミとスギタニルリシジミ、結構似ていて判別が付きにくい。今朝、自宅で蝶の図鑑を調べたのだが、それでもイマイチ自信がもてなかった。でも、この蝶がスギタニルリシジミであることを信じて撮影しようと思った。
 ところがなかなかとまってくれない。とまったとしても近づくとすぐに飛んでしまう。こうなったら持久戦だ。これまでの私の経験からは、ルリシジミとかツバメシジミとかは、しつこく粘ればそのうち逃げなくなると感じていた。案の定、15分くらい粘ったところでこのシジミチョウは全く逃げなくなった。カメラをいくら近づけて撮影しても全く逃げる気配すらない。20枚ほど接写撮影したのだが、一体どのくらいまで近づいても逃げないのか興味が湧いてきた。もういいだけ撮影したので、逃げてくれても悔しくないと思い、少しずつ指を伸ばしてみたのだが、ついにこのシジミチョウは私の指に乗り、指の汗か何かを吸いだした。指をそーっとあげても全く逃げる様子も無く、ずーっと指の上で汗を吸っていた。もしかしたら私は蝶の好む何かを分泌しているのかもしれない。キマダラヒカゲとかは人間の汗が好きでよく体にとまることはあるけど、ルリシジミとかスギタニルリシジミとか、そういうのが人間の汗を吸う習性があるのかどうか分からないが、私には初めての経験だった。指に止まる蝶を20枚くらい撮影して、この蝶を元の場所に戻した。
 更に、ボロではあったがコツバメも撮影した。
 車の場所の近くでシマリスを発見し撮影したが、私が昨年まで飼っていたシマリスのミミちゃんよりは可愛い顔ではなかった。
 車のところまで戻り、携帯の電波が通じるようになったのでFieldさんに電話した。撮影した蝶がルリシジミなのか、スギタニルリシジミなのか判定してもらいたかったのだ。Fieldさんも新得の山に行ってたらしいが、今は自宅に戻っているというので、お邪魔させてもらうことにした。
 Fieldさんのところに着いて早速写真を見てもらうと、この蝶は間違いなくスギタニルリシジミであるという答え。やった!また一種類蝶の写真が増えた。と、喜びながら「ヒメシジミも撮ったよ」と言うと、Fieldさんが「ん???ヒメシジミなんているわけないだろう!」と言った。で、その写真も見てもらったら「ジョウザンじゃないかよ!」「ヒメシジミとジョウザンシジミを間違えるか!?」「これだから素人は困る・・・」
 ここではじめて私はヒメシジミだと思って撮影した蝶がジョウザンシジミであるという事を知ったのである。ジョウザンシジミと言えば、北海道の特産種で、しかも発生は局地的。マニアにはたまらない蝶なのである。しかし、昨年Fieldさんとジョウザンシジミの撮影を狙って日高に行ったときには6月頃であったし、今、図鑑で調べても、発生は5月の下旬となっている。例年よりも2週間ほど早い発生だ。
 今日行ったポイントは特にジョウザンシジミが多いポイントらしく、Fieldさんもこの場所を知っていた。
今日は新しく3種の蝶(ジョウザンシジミ、スギタニルリシジミ、ミヤマセセリ)を撮影できて嬉しかったが、まだまだ勉強不足だということを痛感したのと、採集者に頭に来た一日だった。
帯広市緑ヶ丘公園(グリーンパーク)の桜 ヒオドシチョウ(越冬個体)
後ろの羽がボロボロで痛々しい。

岩場で羽を広げるジョウザンシジミ。
この蝶とヒメシジミを間違った。
これが手乗りスギタニルリシジミ。今日の本命!
それにしても全く逃げなかった。可愛い!

シマリス。

日付 場所 種類 撮影・採集・目撃 備考
5/5 帯広市 オオモンシロチョウ 数頭 目撃
中札内村 ジョウザンシジミ 多数 撮影
スギタニルリシジミ 数頭 撮影
エゾ?スジグロシロチョウ 多数 撮影
クジャクチョウ 多数 目撃 越冬個体
エルタテハ 1ex 目撃 越冬個体
シータテハ 1ex 目撃 越冬個体
ヒオドシチョウ 1ex 撮影 越冬個体
コヒオドシ 数頭 目撃 越冬個体
ミヤマセセリ 1ex 撮影




5月3日(土)
今日は昨年からの計画だった旭川のヒメギフ撮影に行くことになっていた。帯広からはFieldさん、mamoさん、Nさん(仮名)、私の4人。旭川でNoreenさんと、コロンボママさんと合流する事になっていた。
 朝6時にFieldさんちに集合する事になっていたので、5時に目覚ましをかけたが、二度寝してしまい、5時半に起きた。慌ててFieldさんちに向かう。5時55分、なんとか遅刻しないで到着。しかし既にmamoさんとNさんは来ており、私が一番最後だった。朝早いのに気温が15℃を超えており、最高の蝶日和である。先週雪が降ったとは思えなかった。
 すぐに出発。旭川のカムイコタンに向けて車を走らせた。途中、時間があればFieldさんの秘密のポイントでヒメギフの撮影、採集をしていくことになったので、運転係りの私は車の速度を制限速度+5キロで走らせて、浮いた時間を秘密のポイントで使う事にした。
 Fieldさんは色々な秘密のポイントを知っている。しかし、秘密のポイントのはずなのにすぐに教えてくれる。これでは秘密にならないだろうなどと考えているうちに秘密のポイントに到着した。車を降りるとすぐにヒメギフチョウが飛んでいた。
 ヒメギフチョウは”春の女神”などと呼ばれており、蝶の愛好家の間では珍重されている。地域による変異がおおきい事も理由かもしれないが、冬が終わり、春一番で見られるアゲハチョウということもあると思う。
 私は仙台ではヒメギフチョウを見た事があるが、北海道ではこれが初めてだった。昨年から待ち遠しかったヒメギフとの出会いだったが、あっけなく見る事が出来たせいか、春の女神などという感想は持たなかった。客観的に観察してみると、羽の模様はキアゲハやアゲハに似ている。体の形はウスバシロチョウに似ている。飛んでる姿を少しはなれて見るとモンキチョウに似ている・・・。一体このヒメギフチョウというのは、何の特徴があるのだろう?数種類の蝶の特徴の一部を組み合わせたような蝶に思えた。
 それにしても数が多い。局地的に発生しているようだか、発生している場所ではかなりの数である。
 カタクリやエゾエンゴサクなどにとまっている姿を撮影したかったのだが、気温が高いせいか、蝶の活動が活発で、なかなか花にとまってくれない。一瞬どこかにとまっても、カメラのピントを合わせているうちに飛んでいってしまう。どうしたものかと困っていたらFieldさんが交尾中のヒメギフを発見。みんなで撮影した。Nさんと私は採集もしようと、網を持っていたが、私は結局ここでは採集しなかった。Nさんの持っている補虫網がそこらのスーパーで売っているような100円虫取り網のような感じで面白かった。
 秘密のポイントをあとにして、一気に旭川のカムイコタンに向かう。ヒメギフチョウで有名なポイントだ。
 10時にそこでNoreenさんたちと待ち合わせすることになっていたが、旭川市内から12号線が渋滞していて、10分か20分位遅れてカムイコタンに到着した。この時気温は20℃を超えていた。
 カムイコタンの駐車場に車を止めて、ポイントまで歩いたが、Noreenさんとコロンボママも12号線の渋滞に引っかかったらしく、まだ来ていなかった。
 私達はそれぞれ思い思いに採集したり、撮影したりしていた。ここでもヒメギフは活発に活動していて、なかなか花にとまってくれなかった。花自体少なかった印象だ。仕方ないので、私は4頭だけ採集した。
 そうこうしているうちにNoreenさんとコロンボママも到着して、また、それぞれ思い思いに活動した。
 観察して感じた事は、雄はすでに発生のピークを過ぎていて、新鮮な個体はみられなかった。メスは卵を産むのに必死で、幼虫の食草となるオクエゾサイシンを探して飛び回っていた。私は運良く産卵中のメスを発見し、ゆっくりと近づきながら、シャッターを押した。
 Fieldさんの秘密のポイントよりは数も少なかったので、ポイントを移動した。同じ旭川の北邦野草園というところだ。カタクリとエゾエンゴサクが”これでもか!”と咲きまくり、ヒメギフチョウもたくさん飛び回っていたが、花畑の中に入る事が出来なく、また、気温が25℃を超えて、ヒメギフが更に活発に飛び回っていて、良い写真が撮れなかった。そこで、最後のポイントである当麻町のパピヨンシャトーに行くことにした。途中、コンビニでお昼ご飯を買って持っていった。気温は27℃になっていた。
 このパピヨンシャトーというのは、当麻町にある蝶を主役にした施設である。たくさんの標本が展示されていたり、温室で南国の生きた蝶を飼育していて、楽しむ事が出来るのである。数年前に一度来た事があった。
 施設の前の芝生で昼食を食べていると、近くのツツジにたくさんのヒメギフが蜜を吸いに来ているのが見えた。早く撮影したかったが、かなりお腹がすいていたので、とりあえず食事をした。
 そしたらクロベイさんも来て、みんなで撮影をした。このポイントのヒメギフは、これまで見てきたポイントの中でも特に新鮮な個体が見られなかった。ほとんどがボロ。それでも今まで花にとまるヒメギフを撮影できていなかったので、ツツジで吸蜜するヒメギフの写真をたくさん撮影した。
 撮影が一段落したところで、みんなでこの施設に入る事になったがクロベイさんと連れの方は帰ってしまった。何か用事があったらしい。残念だった。
 施設に入ったが、以前に来た事があるので、それほど新鮮な印象はなかった。しかし、綺麗な蝶の写真が貼ってあったので見ていると、実際写っている蝶の写真と、写真の下に書いてある蝶の名前が違っているものがあって面白かった。間違いはFieldさんが施設の人に指摘して直したが、私としては、いつから間違っていたのかが気になったのと、そのままにして夏にでもまた来て、間違ったままになっているか確認してみたかったので、ちょっと残念な気持ちだった。 
 施設から出て、近くのグランドでNoreenさんとコロンボママが連れて来たワンコを遊ばせた。遊ばせたと言うか、フリスビーの練習をしたというのが正しいかもしてない。犬はフリスビーが好きなようだ。コロンボママの犬は酸欠で死にそうな息をするくらいフリスビーをしていた。死にそうになるまで熱中する楽しさがどこにあるのか、私は犬ではないからわからなかったが、Noreenさんの犬も、コロンボママの犬もフリスビーをくわえるのが楽しそうで、ちょっとだけ自分もフリスビーをくわえたくなった。フリスビーを投げるのも楽しそうだった。
 犬を遊ばせた後、みんなで当麻の道の駅に寄ってソフトクリームを食べた。ここにはバニラとスイカ味のソフトがあった。Fieldさんはスイカ味のソフトが赤い色だったので、ストロベリーを間違えて、「俺ストロベリー」と頼んでいた。しかし、それがスイカだとしって、バニラを食べると訂正していた。Fieldさんはスイカの種が嫌いらしい。
 ここでNoreenさん、コロンボママとわかれて帯広に戻る事になった。最初、来た道を戻ろうとしたが、カーナビが上川回りで帰ったほうが近いと言うので、言う事を聞いて上川回りで帰ることにした。みんなかなり疲れていた。私は一刻も早く帰宅して休みたかったが、制限速度プラス5キロで運転した。
 かなり疲れたけど、それ以上に楽しい一日になった。
旭川の北邦野草園で、これでもかと咲き乱れるカタクリとエゾエンゴサク。見事な共演 当麻町のパピヨンシャトー標本室。国内、国外の蝶や甲虫などの標本がいっぱい。建物も綺麗で清潔感にあふれていた。
フリスビーで遊んでいる犬。Noreenさんの犬でキキというボーダーコリーだ。すごいジャンプ力。 コロンボママのワンコはシェパード。フリスビーが天使の輪っかに見えて面白い。シェパードだけどとってもかわいい顔をしていた。



日付 場所 種類 採集・撮影・目撃 備考
5/3 上富良野町 ヒメギフチョウ 多数 撮影
クジャクチョウ 1ex 目撃 越冬個体
ルリシジミ 1♂ 目撃
旭川市(カムイコタン) ヒメギフチョウ 多数 2♂2♀採集・撮影
旭川市(北邦野草園) ヒメギフチョウ 多数 撮影
ルリシジミ 多数 目撃
当麻町 ヒメギフチョウ 多数 撮影
ルリシジミ 多数 撮影
オオモンシロチョウ 1ex 目撃


4月27日(日)
さぁいよいよ今シーズン最初の活動である。
昨年を思い出すと始めての活動が4月13日。今年は随分遅れてしまったが、年度始めという少し慌しく、また自分の引越しなどが重なったのと、休日の天候がイマイチだったので、これほど遅れての活動開始となってしまった。
この日は天気もまずまずで暖かく、岩内仙峡及び、ポロシリの森に行くことにした。何が目的と言う事ではなく、どんなものに会えるのか楽しみにして行くことにした。
最初に出迎えてくれたのは昨年同様サンショウウオの卵、カエルの卵など。あと、まるでタンポポのように福寿草が咲き乱れていた。木々はまだ緑ではないが、厳しい冬を耐え抜いたタテハチョウ科の蝶達が嬉しそうに舞い、春の訪れを待ってましたとばかりに羽化したエゾスジグロシロチョウもフワフワと飛びながらフキノトウの密を吸っていた。
今年はどんな虫達との出会いがあるか、楽しみです。
ちなみに今年の蝶の初見は、自宅の窓から見た白い蝶(種類は断定できませんがモンシロチョウかオオモンシロチョウかスジグロシロかエゾスジグロシロ)です。4月17日でした。

朝の畑。地面から水蒸気が立ち込めている。奥は日高山脈。 フキノトウで吸蜜する越冬明けのクジャクチョウ。
さぞかしお腹がすいていることでしょう。
暖かい風と日差しを浴びて
いきいきと咲いている白い花。
キクサギイチゲかな?


日付 場所 種類 採集・撮影・目撃 備考
4/27 帯広市 エゾ?スジグロシロチョウ 1ex 撮影
クジャクチョウ 1ex 撮影 越冬個体
コヒオドシ 数頭 撮影 越冬個体
エルタテハ 1ex 目撃 越冬個体
シータテハ 1ex 目撃 越冬個体