撮影(採集)記録2007

8月13日(月)

 お盆で函館に帰省中。撮影仲間のFieldさんが道南に来ていて一緒に撮影する事になっていた。昨年私が撮影したミヤマカラスシジミを撮影したいと言う事で、案内するのだ。Fieldさんには十勝近郊の蝶のポイントをたくさん案内してもらっているので、逆の立場になるのはちょっと変な気分だった。
 7時過ぎに待ち合わせをしてそのままミヤマカラスシジミのポイントへ。天候もよく気温も高いので間違いなくミヤマカラスシジミが見られると言う自信があった。
 昨年は8月14日。ここでミヤマカラスシジミの撮影をした。たくさんの綺麗なミヤマカラスシジミがいた。しかしその後父が死ぬと言う出来事があった日だ。
 今日は8月13日で昨年と同時期。8時半頃にはポイントに着いた。
 昨年撮影した場所まで少し歩いて行った。でもミヤマカラスシジミは飛んでいなかった。下草が濡れていてまだ蝶が飛ぶには少し早いのかな?と思った。本当は下草が乾いたら食樹のクロウメモドキがある場所まで行きたかったけど、けっこう濡れていたので待ってみた。
 ゴマシジミがけっこう飛んでいた。
 少し待ったけどミヤマカラスシジミが出てこないので、濡れた下草をこいで食樹の下まで行ってみる事にした。
 自分は長ズボンだったけどFieldさんは足のスネが出ているズボンだった。棘のある植物があるらしく、Fieldさんはしきりに「イテッ!」「イテー」と繰り返していた。
 道路から下草をこいで食樹の下まで歩くといってもせいぜい20mか30m位のものである。ちょっとしたらすぐにミヤマカラスシジミが見つかった。
 食樹や付近の葉っぱに止まり日光浴しているようだった。我々に気付いて飛び立ってもすぐに近くの葉に止まるから見つけやすいが撮影するには少しだけ高い位置に止まるからちょっとやっかいだった。
 ただ、ちょっとボロの個体が多くて、あまり撮影する気にならない。去年しっかり撮影できているから、わざわざボロを撮影しなくても言いかという気持ち。
 途中スジグロチャバネセセリかヘリグロチャバネセセリかを見つけ撮影。多分スジグロチャバネセセリだとFieldさんは言っていたが自分には全然区別が付かない。

ちょっとボロのミヤマカラスシジミ。
時期が遅かったのかな?

スジグロチャバネセセリ

 一度道路まで戻った。暑くて汗が吹き出した。自分はもうミヤマカラスシジミの撮影は十分だったが、綺麗な個体があまりいなかったのでFieldさんは不満だったと思う。とりあえず自分はゴマシジミの撮影をする事にした。
 食草のワレモコウに止まって卵を産むようなしぐさをしているゴマシジミがいた。ちょうど海が見えるので、海と一緒に撮影したいと思い頑張った。

一応真ん中にいるのがゴマシジミ。奥に海と山が見えているんだけど、小さな画像では無理が有りますね。
Fieldおじさん
 
 実は高校時代の恩師、対馬先生が函館近郊でアサギマダラの調査をしていると言うことで、昨日電話で状況を聞いていた。昨日の時点では「全然いない」との事だったが、念のため電話を入れてみた。すると「少し出ている」と言われ、Fieldさんと少し会議をしてアサギマダラを見に行く事にした。ミヤマカラスシジミのピカピカのやつは時期的に少し遅かったようで、去年より発生が少し早いという見解だ。
 ちょうど対馬先生と電話しているときに原付のおじさんがやってきた。「写真撮影ですか?」と聞くので「はい」と答えると、春にはクロウメモドキの木から幼虫を採集している人もいたという話しをされていた。きっと道南虫の会の人達の事だなとピンと来た。

 ちょうど蝶の撮影に適している時間をアサギマダラを見るための移動に費やすことになった。ミヤマカラスシジミのポイントからアサギマダラのポイントまで1時間くらいかかった。お盆の渋滞に捕まらなければもう少し早く行けたかも。

 対馬先生達は山頂のポイントでアサギマダラ10頭以上にマーキングをして放しているとの事。我々は少し下のヨツバヒヨドリの咲くポイントでアサギマダラを待つことにした。しかし40分待ってもアサギマダラは1頭も来なかった。
 しばらくして対馬先生が降りてきた。そして山頂まで連れて行ってくれた。
 山頂も凄く天気が良かった。朝に10頭位採集して行った人がいたらしい。
 しかしなかなかアサギマダラは現れなかった。
 山頂には我々以外にも人がいた。家族連れだ。
 若い夫婦と小さな女の子。よく聞くとこの家族の旦那さんも蝶の撮影のために登山してきたと言う事だった。
 さらにこのHPも見たことがあるという。全然知らない人と山の上で言葉を交わし、しかも自分のHPを見ていると言われると少し緊張した。これまで5年以上HPをやっていてこう言う事はしばしばあるけど、そのたびに不思議な気持ちがする。
 対馬先生が道南虫の会に誘っていたので11月に再開することが出来ると思う。

 この山頂では結局アサギマダラ1頭目撃に終わった。
 対馬先生が採集していたアサギマダラにマーキングして放すというのでその様子を撮影した。

対馬先生が放したアサギマダラ

対馬先生と女の子。確かモモカちゃんという名前だったような。
違っていたらすみません。

 ここで知り合った方としばらくお話をした。元々は本州の人で、子供のために一眼レフを購入したが蝶の写真撮影もしてみたくなったと言う事だった。まだまだ近場でしか撮影した事が無いというが、これにはまるとFieldさんや私のように道内を飛び回ることになってしまうのだ。今後どうされるのかはわからないが、仲良くしていきたい。
 彼が以前勤めていた道南のある場所ではダイミョウセセリが普通に飛んでいたという情報を聞き、対馬先生もFieldさんも私も興味深々になった。次の日行ってみたがダメだった。

 山頂からまた下のヨツバヒヨドリの場所に戻ってきた。しかしやはりアサギマダラは現れなかった。かわりにキベリタテハが来た。3回位目撃したのでけっこうな数発生しているようだ。青い部分が綺麗に撮れた。

キベリタテハ。日陰で暗いけど青い点々が綺麗

 結局ミヤマカラスシジミはたいした綺麗じゃなかったし、アサギマダラは見ただけで終わってしまった。Fieldさんにすれば消化不良だろう。でも自分は楽しめた。
 対馬先生とFieldさんは自分と蝶の付き合いに関して大きな影響を与えてくれた二人なので、このお二人と一緒に遊べたことがとても嬉しかった。
日付 場所 種類 採集・撮影・目撃 備考
8/13 函館市 ミヤマカラスシジミミ 多数 撮影 ボロが多かった
ゴマシジミ 多数 撮影
コキマダラセセリ 多数 目撃
スジグロチャバネセセリ 1ex 撮影
キアゲハ 多数 目撃
七飯町? アサギマダラ 1ex 目撃
キベリタテハ 3exs 撮影

7月2日(月)

 今シーズンは色々思うところがあって、これまで蝶の撮影のために山に足を運ぶ事は無かった。しかし、オオイチモンジだけは別。
 高校時代に初めてオオイチモンジを標本で見た時の感動「北海道にこんな蝶がいるんだ!」そして初めて生きているオオイチモンジを見た時の感動・・。自分はオオイチモンジがかなり好きだ。だから今日はオオイチモンジに会いに行く事にした。
 これまで蝶の撮影に行かなかった事の理由とかぶるが、今日は月曜日で仕事が休み。きっと誰もいないだろうと思った。日曜日だったら一人で北見方面まで行くことは無かったと思う。

 8時に家を出て10時半過ぎにポイント到着。実は昨日もこのポイントには来た。妻と二人で。でも雨で気温8度。蝶が飛んでいるわけも無い。今日は快晴だった。車で流しながらオオイチモンジを探す。書きにくいが今日は網も持参。たくさんオオイチモンジが見られれば採集してこようという気があった。
 車で走っていると津別町でオオイチモンジ発見。車を止めて降りた。カメラとカメラバックと網を持って動くのは結構大変だとこのときすぐにわかった。
 オオイチモンジは飛び回っていて止まってくれない。写真が撮れないので採集することにした。狙いを定めて一発で仕留めた。網に蝶を入れたのは何年ぶりだろう??

 そのまま訓子府のポイントへ。ここでも道沿いにオオイチモンジ発見。車を降りて今度は撮影。でもこれまでオオイチモンジの写真は嫌になるくらい撮っている。道路に止まっているという構図も何枚もある。徐々に近づきながらの撮影。でも以前と代わり映えしない写真しか撮れない。だから採集した。
オオイチとミスジチョウが井戸端会議。コチャバネもいるけどわかる??


 採集した直後、後から車が来た。自分は避けたのに、自分の横で車は止まった。
「オオイチですか?」と車から声をかけられた。
あっちゃ〜・・。せっかく誰もいないと思ったのに・・・。と思ったが、
「はいオオイチです」と答えた。
その後少しお話した。
奈良から来られた方で、今日の3:40分の女満別発の飛行機で帰るらしい。
わざわざ奈良という遠方からご苦労様だと本気で思った。自分は車で2時間半。
でも自分だって沖縄に行ったりしたので、沖縄の人からすれば同じだなと思った。

オオイチの採れるポイントを教えたら「熊が出そうだから怖い」と言われた。
ちょうど話しをしている脇の岩場ではキリンソウが咲いていて、奈良の人が「このキリンソウにジョウザンシジミはいないんでしょうかね?」と言われた。
そういえばこれまでこのポイントにはfieldさんと何度も来たが、fieldさんもこの岩場のジョウザンシジミを探していた記憶がある。
「きっといるはずだ」とジョウザンシジミを探していたfieldさんを思い出したが、これまでこの場所で見たことは無い。
「ここ何年か来ていますが見たことはないですよ」と答えた。
「じゃぁカバイロはどのへんにいるでしょうか?」
などど質問されたので答えているとキリンソウに青いシジミが。
言ってるそばからカバイロかな?と確認してみるとなんとそれはジョウザンシジミ。

「あ、ジョウザンいた!」
と奈良の人に教えてあげた。
奈良の人はジョウザンシジミを採集して「いいんですか?すみません」と、なんだか申し訳なさそうに言っていたが、「初めてジョウザンシジミを採集した」と嬉しそうだった。
 奈良の人とはこの後すぐに別れた。お互いの名前も交換し合わずに。
もしかしたらこのHPの事知ってるかなと思って、聞こうかなと思ったが、「知らない」と言われたら恥ずかしいので聞くのをやめた。
エゾシロチョウはかなりの数いた。

 その後少しオオイチモンジを探したが、あまり多く無いような感じだったので、以前本州から来られて案内した一寸野虫さんと一緒に行った北見のポイントに行こうと思った。あの時は確かオオイチが2頭位いたような。
 ところがそのポイントがどこだかさっぱり思い出せない。頭の中に印象として残っている風景がどこにも見当たらないのだ。しょうがないからそこらへんの砂利道に入って車を止めた。
とたんにオオイチモンジが飛び出した。
しかも結構な数のオオイチモンジが地面に止まっていたり飛んでいたり。いい場所めっけ!!
写真を撮影しようとしたがどうもモデルになってくれない。網を持っているので殺気を感じ取っているのか??いつもなら触れるくらいまで近寄れるのに今日は結構離れていても飛ばれてしまう。ろくな写真も撮れないので採集することにした。
 
 蝶の採集は久しぶりの事だが改めて思った。採集より撮影の方がずっと難しいなと。単に写真を撮るだけなら簡単かもしれないけど、近づいたり構図を考えたりカメラの設定をしたり。オオイチモンジは採集するのはかなり簡単だ。小学生でも簡単にできる。でもメスはどこにもいなかった。いつものことだけど。
オオイチが2匹で飛んでるところ。(ピンボケ)

林道を歩いているとキツツキがいた。この前撮影したアカゲラよりはちょっと大きめだったので、もしかして天然記念物のクマゲラかと思いドキドキしたけど、撮影してみたらやっぱり頭の上が赤かったのでアカゲラなのか・・。
でかいアカゲラ

 そうこうしているうちに時間は3時位になってしまった。そろそろ帰らないと。最近はどこに行くにも妻が一緒のことが多く、一人で運転するのは辛い。片道3時間弱なので、この位の距離を運転すると眠くなる。あと2点で免停なので、ペースカーを見つけながらその車の後ろについて走るのが眠くなる要因かもしれない。
 そういえば去年はオオイチモンジの当たり年だったという噂。数年前にここに来た時にはもの凄い数のオオイチモンジがいたが、今回はそれに比べるとかなり少ない印象だった。
 今年初めてのまともな活動。写真より採集の方が多かったが、楽しかった。今年はこれでおしまいになるかもしれないが・・。
日付 場所 種類 採集・撮影・目撃 備考
7/2 津別町・訓子府町・北見市 エゾ?スジグロシロチョウ 多数 目撃
エゾシロチョウ 多数 撮影
ジョウザンシジミ 1ex 目撃 奈良の人採集
??ミドリシジミ 1ex 目撃
オオイチモンジ 多数(♂) 採集・撮影 津別1訓子府2北見4
ホソバヒョウモン 多数 撮影
ギンボシヒョウモン 多数 目撃
キベリタテハ 2ex 目撃 越冬
ミスジチョウ 多数 採集・撮影 3exs採集
シロオビヒメヒカゲ 多数 目撃
キマダラヒカゲ 多数 目撃
コチャバネセセリ 多数 目撃