アカエリトリバネアゲハに会いに 1/9 |
フレーザーズヒルは標高が高いせいか気温が低いだけでなく天気も不安定でした。昨夜もかなり雨が降り雷も凄かったと妻が言っていましたが、私は寝ていたのでほとんど知りません。ジェイソンに襲われることなく朝を迎えました。 雲が広がっており、地面もかなり濡れていました。出国する前の天気予報ではマレーシアのクアラルンプール周辺はずっと雨の予報だったようで妻はかなり心配していました。今日はそんな天気なのかなと思いましたが、きっと下山すれは晴れてるだろうなと直感で感じていました。またフレーザーズヒルも午前中には雲が取れるんじゃないかなとも思っていました。 昨日アカエリトリバネアゲハの集団吸水を観察するという目標を達成し、本来なら今日はフレーザーズヒル周辺の蝶や昆虫の調査をしようと思っていました。 そもそも宿泊地をフレーザーズヒルに妻が決めたのは、この地域の昆虫がけっこう面白そうだというネットなどの情報を見たからです。 だけど、昨夜自分はかなり迷っていました。 アカエリトリバネアゲハをもう一度見に行きたいと思ったのです。もう少し面白い写真が撮れるんじゃないかな?と思ったのと、コンデジでビデオ撮影も出来るのではないかと思ったので、テーマを持って撮影したいという欲が出てきたのです。昨日はとにかくアカエリトリバネアゲハを見るというのが目的だったというか、それ自体は達成したけど、ただたくさん撮影しただけだったというか。 それから、昨日行った場所はけっこう遠いけど、川の周辺を歩けばまた違った蝶などもたくさん見られるかもしれないと思った事もあります。キシタアゲハもちゃんと撮影したいなと思ったし。 もう一つの選択肢はこの近辺での活動です。これもかなり魅力的でした。ただ、地面がかなり濡れています。湿度が高く雲も取れていないので、蝶が飛び出すのに少し時間がかかりそうということと、どこに行けばたくさん蝶が見られそうかわからないという不安材料もありました。 遠いけど確実にアカエリトリバネアゲハに会える方を選ぶか、不確定要素はあるけどこの近辺にするか。 活動できる日があと二日あれば、今日は昨日のアカエリトリバネアゲハを観察した場所に行き、明日はこの近辺という事も出来るのですが、活動できるのは今日一日・・・。 で、悩みに悩んだ結果、昨日の場所にもう一度行くことに決めました。 |
朝の様子 |
朝食を頂きすぐに出発です。なにせ3時間かかります。到着はお昼頃になってしまいます。 フレーザーズヒルを出発し、下りの一方通行の狭い道を進んでいくと、昨日も感じましたが蝶が多そうな場所がたくさんありました。なんか勿体ないなと思いながら通過して行きます。途中、ちょっと見晴らしがいい場所があったので車を停めて写真を撮りました。けっこう標高が高いという事がわかります。 |
車から降りて撮影した写真 |
かなり標高がありそう |
車を走らせていると、道端にサルがいました。これまで何度か道端で猿を見ていますが、ちょっと観察してみようかと思い車を停めました。すると、猿がこっちに近づいてきました。 |
猿が近づいてきたところ |
すると、いきなり猿がジャンプして助手席側のサイドミラーに飛び乗ってきました。助手席に座っていた妻悲鳴!自分も叫んだと思います。 |
猿が! |
更に次の瞬間、猿はサイドミラーからフロントガラスに移動し、こちらを伺っていました。この時点で自分はプチパニックになりましたが、必死に撮影しました。 |
猿がフロントガラスに! |
この時はビックリしていて気づきませんでしたが、写真を見ると穏やかな表情です。餌でももらえるかと思って登ってきたのでしょうか。 少し冷静になったので、ゆっくり車を動かしてみると、猿は急いで車から飛び降りました。 もう少し猿と遊びたくなりましたが、先を急ぐので、この猿に別れを告げ車を走らせました。 更に進むとまた猿がいて、今度は違う種類のようでしたが、また登って来るかなと思って車を停めましたが、今度は登って来るまではいきませんでした。 |
違う種類の猿 |
そこからは一目散に昨日のアカエリトリバネアゲハを撮影した場所に向かいました。高速を走っている時は雨が降る場所もあったけど、到着するころには予想通りいい天気になっていました。 今日もたくさんのアカエリトリバネアゲハが出迎えてくれました。 とりあえず、撮影開始です。 |
今日もたくさん |
20頭以上の集団吸水。奥は川 |
少しアップでも撮影したりして |
葉っぱに止まっている奴もいた |
今日もたくさんのアカエリトリバネアゲハがいるし、昨日に比べてここで蝶の観察をできる時間もたくさんあるので、河原の奥の森の方に行ってみることにしました。何か面白い蝶がいるかもしれないから。 吊り橋を渡り広場に出て、広場の淵を歩いてみたら、ちょっとした獣道より少し歩きやすい感じの道があったので、そこを歩いてみることにしました。 所々、少しだけ開けている所もあったりして、少ないけど蝶がいて撮影することが出来ました。 |
シジミ |
シジミ |
森の中を歩いて行くと、また川の方に出ました。 川を見ると、川の真ん中に人がいるようでした。目が悪くてよく見えなかったので望遠レンズで撮影してから画面で確認してみると、若いカップルが抱き合っているようでした。最初流されたか自殺でもしようとしているのかと思ったけど、どうもイチャイチャしているだけのようでした。 カップルから見て自分は暗い森の中にいるのでちょっとじっくり見物してみることにしました。キスでもしだすんじゃないかと思って。でもいつまでも抱き合ってるだけでキスとかしていませんでした。何で川の真ん中でこんな事しているのか不思議でしたが、すぐに飽きてきたし、こんな覗きみたいなことをするためにわざわざ来たのではないと我に返り、蝶探しをしました。 |
抱き合っているカップル? |
わかんない蝶 |
セセリ |
イナズマ |
セセリ |
セセリ |
キチョウみたいの |
わかんない蝶 |
セセリ |
汗だくになって歩いていると、前方にでかいクモが現れました。道を進むにはこのクモの巣を壊して行かなければなりません。なんかクモに「この先に進んではいけない」と言われているような気がしたので、ここで引き返しました。 以前宮古島で見たオオジョロウグモみたいな感じでした。 |
でっかいクモ |
さっきもいたわかんないやつ |
ジャノメ |
アゲハ? |
一通り森の観察も終え、またアカエリトリバネアゲハがいる河原に戻ってきました。昨日、川で遊んでいる人たちがたくさんいたので、今日は自分たちも水着を持って来ていました。妻は私が森に行っている間、一人で川で遊んでいたようで、川の脇は温泉で熱いと言っていました。 じゃ、自分も川に入るかと思い水着に着替えて川に入りました。確かに温泉がわき出ていて熱い部分もあるけど、どこも水深が浅くお風呂に入る感じにはなりませんでした。また川の中央の方は普通に冷たかったです。 で、川に入っている自分とアカエリトリバネアゲハの集団吸水を一緒に入れた写真を妻に撮ってもらいました。 |
アカエリトリバネアゲハと自分 |
こんな写真もなかなか無いだろうと思い、こういう写真が撮れたなら、今日またここに来て良かったと思いました。撮ったのは妻だけど。 写真で見たらわかるように、川の淵には大きな石があります。この大きな石の上を裸足で歩いている時に思いっきり滑ってひっくり返りました。右手の親指を強打したらしく、みるみる内出血していきました。でも骨とかが折れた感じや脱臼した感じとかも無かったのでよかったです。 ただ、神経が切れたのかどうかわからないけど、しばらくの間(数日間)親指がずっと冷たくなり温度が上がりませんでした。(現在はもう治っています) あとはどんな写真を撮ろうかと思い、たまたま吊り橋の真下で集団吸水していたので、真上から撮影することが出来たりもしました。 |
真上から |
観察して気づいた事は、アカエリトリバネアゲハの集団吸水は温泉が出ているような場所ならどこでも行われるというか、ここと決まった場所がないという事です。 多分、朝に最初の1頭がどこかで吸水を始めると、他のアカエリトリバネアゲハは最初の1頭がいるところにやってきて吸いだします。そうやって数が増えていくみたいです。 で、例えばその集団吸水を驚かせて全部飛ばしてしまっても、また1頭がどこかで吸水を初めれば他も寄ってきて吸い出します。 なので、最初の1頭がどこで吸水を始めたかにより集団吸水の場所が決まるみたいです。至る所で温泉がわき出ているので、どこでも集団吸水が起こる可能性があるのですが、100頭以上いるアカエリトリバネアゲハがバラバラにそれぞれ勝手に吸っているような事はありませんでした。 他にどんな写真を撮ろうかなと思ったのですが、ビデオ撮影に挑戦することにしました。 温泉を吸っているアカエリトリバネアゲハは警戒心が薄くなっているので、そーっと近づきカメラを置いて録画スイッチを押してそのまましばらく放置です。 |
集団吸水にカメラを置いたところ |
こんな感じでどんどんアカエリトリバネアゲハがやってきてカメラの後ろ側にも来たりして |
録画しているカメラを一眼レフで撮影 |
何度か撮影にチャレンジし、こんな映像が撮れました。 |
アカエリトリバネアゲハの動画:51秒 (手持ちでの撮影) |
アカエリトリバネアゲハの動画:1分58秒 (手持ち〜地面に置いて、最後はアカエリトリバネアゲハを手づかみ〜逃がすまで) |
アカエリトリバネアゲハの動画:7分56秒 (手持ちと固定。数秒おきにおしっこをしている様子がよくわかる) |
アカエリトリバネアゲハの動画:4分10秒 (おしっこをしている様子がよくわかる) |
思いのほかアカエリトリバネアゲハがカメラの近くで吸水してくれたので、期待していた以上の動画を撮影することが出来ました。やはり今日ここに来てよかったと思ったけど、何で昨日撮っておかなかったんだろうと思いました。 後はまた思う存分撮影したり生態観察をしたりして過ごしました。 |
アップ |
広角レンズで |
広角レンズで |
ミカドアゲハ撮影の邪魔をするアカエリトリバネアゲハの羽 |
飛んできた蝶 |
30頭弱位の集団吸水 |
ジャノメ |
タテハ |
タテハ |
広角 |
広角 |
なでなでしても逃げない |
アップ |
ここで紹介する写真はほんの一部で、今日一日だけでも何百枚も撮影することが出来ました。 川に浸かってアカエリトリバネアゲハと記念撮影できたり、ビデオ撮影も出来たり、昨日より楽しい撮影が出来たし、アカエリトリバネアゲハの生態観察も十分に出来ました。アカエリトリバネアゲハ以外の蝶については満足できるほど撮影は出来なかったけど、全体としては十分満足でき、今日もここに来てよかったなと思いました。 帰りはまた3時間かかるので、ある程度の時間で切り上げてフレーザーズヒルに戻ることにしました。ハイウエイの看板にマツコデラックスみたいな写真があるのには気づいていましたが、なかなか写真を撮れませんでした。今度こそ忘れずにと思って、帰りのハイウエイで撮影しました。 |
マレーシア版マツコデラックス? |
夕食はハイウェイのサービスエリアで済ませました。ちょっと値段は忘れてしまったけど、安かった気がします。 |
鶏とライス。激辛だった気がする |
妻が頼んだ焼きそば風のもの |
甘い飲み物 |
食事後に買ったおやつ的なもの。1リンギットだったような 魚のすり身の揚げたやつにソーセージが入っている感じだった |
ハイウエイを降り、また山道を通ってホテルに戻ります。山道に入るともう森の中で何もないのですがそこまではいくつかの街を通って行きます。 |
奥に見えるのはモスク |
山道になる前に妻が「お土産を買い足したい」というので、スーパーみたいな所に入りました。安いコーヒーを買ったような気がします。 |
スーパー |
今日はなんとか真っ暗になる前にホテルに到着したいと思っていました。なので、まだ明るいうちに山道を通りました。山道を通りながら見ていると、キチョウがやたら多い場所があったので車を停めて少しだけ撮影することにしました。 |
キチョウ系 |
セセリ |
わかんない |
上と同じ |
ホテルに到着しました。今夜でここに宿泊するのも最後です。 まだ暗くなっていませんでしたので、付近を少し散策することも出来ました。ただ、陽は落ちていて夕方の感じだったので、蝶の観察は出来ませんでした。 |
ホテル |
夕方の感じ |
この3つの穴には頭と両手をいてられて固定し、拷問されるやつなんじゃないかと思い怖くなったけど 本当の使い方は不明 |
インド系の女性がお祈りをしていたので、ここには神様が宿っているのかもしれない |
すぐに霧がかかりだし、散策終了 |
いつもなら「まだ帰りたくない〜!」と思うのですが、かび臭くテレビも無い冷蔵庫もエアコンも無い、シャワーは気持ち悪い、布団は湿って重い古い洋館が恐ろしく、早く明日になって帰りたいと思っていました。飛行機の関係で、明日は朝食をとらず、朝7時にチェックアウトしたいと言うと支配人が「OKOK!」的な感じでした。 しかし、最後の夜だから遂に支配人に殺されるのではないかと、恐ろしい事ばかり考えましたが、やはり疲れていたのですぐに眠ってしまいました。 |
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