台湾へ出発まで

 1月にタイへ旅行し、今度は夏休みにどこかに行きたいねぇ〜なんて話していた2月頃、妻が突然言い出しました。

 「ゴールデンウイークに台湾に行かない?」

 急に何を言い出すんだろうと思ったら、新聞に台湾ツアーの広告が出ているというのです。しかも5月1日から5日までで、飛行機代とホテル代合わせて6万円台と。それに帯広発着!
 これまでの海外旅行では帯広〜千歳、千歳〜東京、東京で一泊して海外に行くし、帰りも東京から千歳、帯広という内容だったので、それだけで時間とお金がたくさんかかるのに、帯広空港から直接台湾へ行けるというのは凄く魅力的でした。

せっかく安いツアーを探しても、成田までの交通費・宿泊費で一人分のツアー代金ほどになります。

 台湾にはたくさんのチョウが棲息していて、その面積に対して蝶の種類の多さが世界一。かなり行ってみたかった地域でしたが、同じくチョウの写真を趣味にしている方たちもたくさん台湾に行っているので、「みんなが行ってる場所に行くのも何だかなぁ〜」なんて思って、これまで旅行の候補地にはしなかった場所なのです。
 でも帯広発着、6万円台というのに惹かれて、調べることにしました。

 ツアーには色々なコースがあり、観光地めぐりなど無く、フリープランで安いホテルだと6万円台。観光地めぐりが入るとコースにより10万円を超えてきます。私の場合、蝶の撮影や採集が主な目的なので、当然フリープランになりますが、せっかくだからホテルは少し良い所にしようと思い、そうなると9万円弱になります。
 でも、ゴールデンウイークに国内で他の旅行をしたとしてもそれ位のお金がかかるかもしれないし、場所によってはもっと高くなる可能性もあり、このツアーはとても良いと判断して、職場に出入りしている旅行会社の人に頼みました。

6万円のホテルは地下鉄(MRT)から離れていて、駅までタクシーを使わなければなりません。交通機関を頻繁に使う旅になりそうなので駅から徒歩10分ほどの少し高いホテルを選びました。

 今年は貯金しないぞ!遊びまくるぞ!キャンペーンなので(我が家で)思い切って予約したのですが、旅行会社の人がなかなかチケットを頼んでくれません。急に頼んだので「怪しい」と思われたのかと思いましたが、「早く取って」と言うと、「転勤は無いんですか?」って聞かれました。予約しておきながら転勤されたら困ると思ったようです。「転勤は無いから早く取ってくれ」と頼み、ようやく予約してもらいました。「ギリギリ間に合いました」だって・・・。

 更に、チョウの撮影用に一眼レフのレンズが欲しくなりお小遣いで購入。(4万円)
 105mmマクロレンズです。これがあれば少し離れた位置から大きくチョウが写せるらしいです。これまでも「一眼レフでチョウの写真撮るならマクロレンズは必要だよ」と言われていたんだけど、高くてなかなか買えなかったのですが、この際思い切って購入しました。
 それから、これも前から欲しいと思っていたデジタルビデオカメラも購入。旅行の記録だけでなく、チョウの動画撮影もしたいと思っていたので。どうせいつか買うならさっさと買っちゃえ!と、ソニーの240GBのハードディスクが入ったフルハイビジョンデジタルビデオカメラ(最新式)を買っちゃいました。9万円。
 これで、今後の旅行にも使えます。

 出発の10日前ほどに撮影仲間のFieldさんと食事をする機会がありました。1年ぶり以上にお会いしたわけですが、そこで今回の台湾旅行の話しをしました。Fieldさんは以前2回ほど台湾に蝶撮影に行かれているのでポイントなどの話しを聞くことができました。その中で、Fieldさんが以前行った時に現地で色々案内してくれた候さんという台湾の方を紹介してくれることになりました。候さんはとても偉い方だとFieldさんからお聞きしましたが、ちょっとそれを聞いて「本当に案内してくれるのか、案内してもらっていいのか?」と後ずさりしてしまいましたが、後日Fieldさんが候さんに電話して案内の約束を取り付けてくれました。

 妻は台湾旅行の本を何冊か購入し、また、職場の方から台湾の本をお借りして色々調べています。私はと言うと、出発3,4日前からようやくチョウのポイントなどを調べだしました。他の方の旅行記などを参考にし、以下の場所に行ってみたいと思いました。

 1 牛伯伯という人が私費でやっている蝶がたくさんいる蝶園
   野外でたくさんの蝶が見れるように管理されている所のようです。

 2 陽明山国立公園
   5月くらいからたくさんの蝶が見れるらしい

 3 烏來
   台北の南側にあり、たくさんの蝶がいるらしい

 4 亀山
   台北の南側にあり烏來の少し手前にあり蝶がたくさんいるらしい

夫は山で遊ぶ計画なので、私は買い物や足裏マッサージや台湾シャンプーや小籠包や茶芸館などなど一人で1日遊ぶための下調べをしていました。買物で飽き飽きしている人を連れて歩かないので「ひゃっほ〜」となっていました。

 調べたのはそのくらい。それぞれの場所にどうやって行くのかとかはあまり詳しく調べませんでした。MRTとバス、タクシーを使えばなんとかなるんじゃない?って感じで。もし案内しくれるという候さんがそのうちのどこかに連れて行ってくれたら、その日以外で他の場所に行けばいいかな?って思っていました。
 妻は「自由時間3日のうちどこかの日は別行動で台北のお茶屋さんでお茶を飲んだり、お茶を買ったりお土産を買ったりしたい」と言っていました。夜は二人で行動するとしても3日間全部妻を山に連れて行くのも申し訳ないと思い、妻の提案に賛成しました。
 天気予報を見ると3日目に雨が降るらしいので「じゃぁ、3日目は別行動しよう」と言いました。「え、雨の日に別行動なの?」と妻は不満そうでしたが、晴れの日が2日しか無いからどうせ3日目は雨が降ると山にはいけないので、そしたら私も山には行かずに台北で一緒に行動できる可能性もあるから。

 豚インフルエンザが世界的に流行し、アジアでも韓国などで感染者が出たとニュースが流れ、成田空港でも検疫や感染疑いの人が隔離されたりという中、なんとか出発前に台湾での感染者が出ていない状況での出発になりました。個人的には台湾で感染者が出たとしても別にどうってこと無いと思っていましたが。

出発の2週間前位から膝が痛くなり整形外科に通いながら様子を見ていました。出発2日前に動けなくなるほど激痛になり、病院で膝の水(血でした)を抜いてきました。そんな状態だったので候さんに付いて山を歩く自信がありませんでした。

 そんなこんなで5月1日は二人とも仕事を休み(妻は元々休みだったけど)台湾に向けて出発することになりました。

前に戻る     次へ進む