函館からプーケットまで
(1/6〜1/7)

 今回の旅行がタイのカオラックに決まり、さっそく切れていたパスポートを新しくしたりして準備しました。

 日程や航空会社の手配等は全て妻に任せ、自分は何をして遊ぼうか色々考えました。
 1番はシュノーケルをして潜ってみたいというのがありました。前回のミニロック旅行の時、自分は波のあまり無いところならライフジャケットを着けなくても泳ぐことが出来る(というか、何をしても沈まない)という事がわかったのですが、足ひれを付けない状態なら潜りたくても潜れないという事もわかり、今回は水深の深いところまで足ひれを付けてマーメイドのように潜ってみたいという願望がありました。
 青く透明な海に潜ってサンゴ礁を見たり熱帯魚と遊びたい!

 それから、蝶の関係では東南アジアの蝶の写真をいっぱい撮りたいと思っていました。しかしこれはあてが外れることになります。生物部のみんなが「是非お土産にタイの蝶を採集してきてほしい」というのです。

 一眼レフを持ちながら網も持って蝶の活動をすると、どっちつかずになり良い写真も撮れないしろくに採集も出来ないという事はもう経験済みなので、網を持てばカメラは持たない、カメラを持つなら網は持たないという事になります。当初、網を持っていくつもりは無かったのですが生物部のみんなの願いもあり、考えた末網を持っていくことにしました。旅行中、採集するときはそれに専念し、撮影するときにはそれに専念するという風にして行動を分けようと考えました。

 なので自分の希望は主に海、撮影、採集の3つという事になります。

 色々準備を進め、妻は日程を色々考えて計画をしました。

 プーケットも考えたのですが、若者が多く、ビーチにもパラセーリングやジェットスキーなどのアクティビティが多いようで、探してみるとゆっくりできそうなリゾートとしてカオラックを見つけました。
 私「一週間でいい?」 夫「ぜんぜん足りないっ!」 私「じゃあ6日から15日までね」 夫「いいよ〜」
 そして旅行数日前に 夫「ええ〜!?15日までいるの〜!?」

 日本人のあまり行かないリゾートなのですが、それでも以前旅行した人達の旅行記とかがインターネットに出ていて、そういうのを読んで美味しそうな店とか、予習しておきました。

 対馬先生が持って来た旅行会社のパンフレットにカオラックも出ていました。インターネットにも旅行記などいくつかあり、最近は人気が出てきたリゾートのようです。結果、静かでカオラックを選んで正解でした。

 そしていよいよ出発の日、思いがけない敵が現れたのです。それは雪です。
 出発数日前から函館は雪がよく降るようになり、出発日も雪の予報。午後、対馬先生に空港まで送ってもらう予定になっていたのですが、そもそも飛行機が飛ぶかどうかすら分からない状況になっていました。

 午前中仕事をしていると、雪がちらほら・・・。午後に帰宅してから本格的に降りだしました。以前職場の上司が東京出張の際、函館空港が雪で着陸できず翌日帰ってきました。それほど荒れている日ではないのに欠航したことを思い出し、不安になってきました。

 妻がインターネットで飛行機の運航状況を調べています。自分たちが乗る予定の飛行機が、羽田から函館まで飛んできてくれればなんとかなりそうですが、函館が雪のため途中で引き返してしまったり千歳に行ってしまったりして函館に降りられなければ、私たちも羽田に行くことが出来なくなります。

 どうしよう、汽車で東京まで行った方がいいのか、千歳まで車か汽車で飛ばして、そこから羽田に飛んだ方がいいのか、でも飛行機が函館まで来てくれるかもしれない。更に、羽田行の飛行機が運休になったら、羽田からタイ(バンコク)へ行く飛行機にも乗れないことになるから、そもそもこの旅行自体が出来なくなるのではないか・・・。

 刻一刻と時間が過ぎていきます。今ならまだJRで千歳に間に合います。


 そんな不安に追い打ちをかけるように、私たちが予約していた便の1本前の便が欠航になってしまいました。

 羽田から飛び立ったはいいけど、函館空港に着陸できなくて引き返してしまったようです。そうなると折り返しの便も飛べなくなるという事なので、欠航になります。

 これはいよいよまずいぞと不安が増大している頃、私たちが乗る予定の飛行機が羽田を出発したことがわかりました。

 この時点で、JR→千歳は間に合いません。


 なんとか出発はしてくれた。だけどこの飛行機が函館空港に降りてくれなければ。
 そうこうしているうちに対馬先生が迎えに来てくれて、とりあえず予定通り函館空港に向かいました。

家を出る時の自宅前の様子

 対馬先生は「多分大丈夫だろう」とは言ってくれたけど、自分の中では半分以上はダメなんじゃないかという気持ちになっていて、この先どうなるのか不安でした。現に自分たちの予約した便の前の便は欠航になってしまっているんだし。雨雲レーダーを見てもたくさんの雨雲が西から函館にかかっています。車の中でも妻は常にipadで情報収集をしていました。

空港に向かっている最中の雪の様子

 こんな状態で飛行機は降りれるんだろうか?と不安がmaxになっていたら妻が「あ!降りた!!」と言いました。なんとか私たちの乗る予定の便が羽田から函館に到着してくれたようです。やったぁ!!

自分たちが乗る予定の便が羽田から函館に着いた事を表しているインターネットの画面
表の一番下、18:24分に着陸済みと出ました。この表の下から2番目、赤字で欠航になったことがわかります。

 これでなんとか羽田に行けそうになってきました。凄く不安だったけど凄くうれしい気持ちに変わりました。羽田からバンコク行きの国際線は乗り継ぎにけっこう時間があるので、函館発の便が多少遅れても大丈夫そうです。

 対馬先生に空港まで送り届けてもらい、空港で出発前の記念撮影をしました。

 カウンターで荷物を預ける際に、「タグはプーケットですが、バンコクで荷物を降ろしチェックを受けてください」と言われました。おかしいな〜と思い夫を見ると、もう遠くで対馬先生と楽しそうに話をしています。自分は関係ないみたいです。

出発前に記念撮影
後ろに並んでいる人たちは自分たちが乗る便の1本前の便で欠航になってしまい、払い戻しなどをしている人たちの列。この人たちもそれぞれ急ぎの用事とかがあるかもしれないので、気の毒になった。


 空港では「除雪作業をしている」等のアナウンスが流れています。空港なら滑走路等結構な面積があるので除雪作業も大変そう。だけどなんとか飛んでくれそうなので気持ちは南国に向かっていました。

函館空港の様子

 無事に飛行機に乗り込み、羽田に向けて飛んでくれました。もうヒヤヒヤだっただけに嬉しさもひとしお。だけど、今後函館から冬に海外旅行とかに行くことを考えた時には、こういう事も起こり得るから例えば前の日に東京に行くとか、3月26日に開通する新幹線を利用して東京まで行くとか、そういう事も考える必要があるなと思いました。

 離陸まで30分以上待たされましたが、時間に余裕があるのでのんびり待ちました。

 羽田に到着した後は国際線ターミナルまでバスで移動しました。

 羽田からの国際便はとても楽でした。荷物も降ろさなくて良いし、移動時間が短縮です。

国際線乗り継ぎ場まで歩く

バスの乗車券

バスの中

バスで移動中の車内から

 国際線ターミナルに到着すると、とても賑やかな感じがしました。外国人に日本文化を紹介するかのごとく、日本風なものがたくさん見られました。

食べ物屋さんに飾ってあった提灯
 機内食に期待していないのと、あまりお腹がすいていなかったのでうどんを食べようという事になりました。私が目指していたうどん屋さんは行列で諦めました。
 買い物もしたいので足早に国際線ターミナル観光です。


でかい扇子


昔の日本の街並みっぽい食堂街

 バンコク行きの便まで時間があったので、ここら辺を観光。気力体力ともに充実しており、けっこう歩き回りました。
 海外で使えるインターネットのwifiの何かを借りたり、出発前の最後の食事をしたりして過ごしました。

wifiの何かを借りているところ。1日700円

出発前最初の食事(妻の肉うどん)

私のきつねうどん

ひじきのサラダ

けっこう高い

ターミナルはイルミネーションで綺麗だった

どっかの航空会社の客室乗務員らしき人達

 入国審査後、免税店で夫のたばこと私の海用の腕時計を買いました。以前使っていたのは普通の腕時計タイプで3,000円位で買ったのですが、免税店はちゃんとしたメーカーの物ばかり。おもちゃみたいなSwatch のダイバーズウォッチに1万円も出してしまいました。ピンクで普段使えません・・・。

 食事を終え、あたりを見物しても更に時間がまだあるという事で、妻と二人でラウンジに行って時間までのんびりすることにしました。ラウンジに入って、調子に乗ってコーヒーを飲んだりしていたら、妻が「そろそと行かないと」と言い出しました。だってまだ入って10分位しかたってないよ??

ラウンジにて

 なんか、時間の計算を間違ったみたい。そしてタイに行く飛行機が待っている場所まで歩いて行きました。函館を出てからこの間でけっこう歩きましたが、空港には歩く歩道などが完備されています。でも自分は体力づくりにもなるし元気だし、歩く歩道は使わずに全部自力で歩くことを宣言!しかしここで体力を使いすぎ、明日からの日程では歩くのがけっこうしんどくなってしまいました。素直に歩く歩道を使っておけばよかった。

 0:20発なので0:00に搭乗口かな〜なんて考えていたらチケットに「11:40搭乗」と記載されていました。時間無いよ〜!
 夫は歩く歩道を使わず、私に負けないように必死に歩いています。帰った時には5kg痩せる!と言っていたので、良い心がけです。

荷物の事で納得いかず、係り員の人に尋ねる妻
奥でうなだれている人は一体??
 バンコクで荷物を降ろす・・・。じゃあ乗り継ぎの時に一旦外に?何だか納得できません。函館空港では「ご不明な点があればバンコクで聞いてください(ニッコリ)」と言われましたが、英語でそんな事聞けません。
 羽田出発の際にタイ航空に聞いてみました。すると「そのままプーケットですよ〜」と。
 荷物はどこで受け取るの???
 自宅を出る時からヒヤヒヤでしたが、いよいよバンコク行きの飛行機に乗り、日本を出発しました。飛行機が出たのがもう夜中で、バンコクに到着するのが早朝という事でしたが、簡単な機内食も出たりしました。

機内食
 
 機内は思いの外寒く、隣のお姉さんはダウンジャケットを掛けています。
 私はカーディガンを脱いで半袖で、寒くて夫の毛布も横取りしました。

 後ろに誰もいない席だったため、リクライニングも使うことが出来、空にいるほとんどの時間は寝ていました。気づいたらバンコクに到着していたという感じです。プーケット行の飛行機に乗り換えるため、いったん飛行機を出ましたが、さっきまで雪が降る北海道にいたというのに、東南アジア特有のモワッとした暖かい空気に包まれ、テンションが上がりました。

バンコク到着!!

バスに乗り換える

みんなについて移動する

 入国手続きをして国内線乗換場所に行き、プーケット行の飛行機に乗ることになります。

係員に何かのシールを貼られる(写真は妻)

 席はちょうど翼の真上あたりでした。ここからじゃ、あまりいい景色の写真も撮れないなとがっかり。そういえば最近の飛行機って、電子機器の使用制限が緩和されたのか、電波を発しない電子機器なら離着陸時にも使っていいようです。
 バンコクの朝は霧がかかっているような感じ。曇っているのかな?と思ったけど、どうも時間が経てば晴れそうな感じの霧でした。

プーケット行の飛行機に乗り換える

 バンコクからプーケットまでは1時間半位の空の旅です。函館から羽田までと大体同じくらい。自分は天気が晴れているかどうかが気がかりで外を見ていることが多かったけど、妻は隣に座った日本人のおじさんとずーっと喋っていました。気が合ったのかな?

 席に着く際、通路側に日本人の70代ぐらいのおじさんが座っていました。窓側へ座る時、夫が「ソーリー」。日本人だよっ!
 暇なのでおじさんとおしゃべりしました。滋賀県から仲間5人で毎年タイにゴルフ旅行。今回はプーケットの他に映画「戦場にかける橋」のカンチャナ ブリーやピピ島へも行くそうです。北海道は札幌や函館は来たことが無く、天売島や野付半島に行ったとか。「ディープな所へ行きましたね〜」と楽しくお話しをしました。

機内で出てきた軽食(あまりおいしくなかった)
動画

 空港には若者が多く、入国審査の際後ろにいたフランス人の男の子達がにぎやかに喋っていました。夫が日本語で「うるせーぞ!」と言ったらシーンとしました。

 そしていよいよプーケットの空港に到着。荷物も無事に受け取り、レンタカー会社へ。事前に予約していたのでスムーズにいくかなと思ったんだけど、思いのほか手間取って、ここで30分以上費やしてしまいました。時間が大体お昼位だったんだけど、今日の午後から早速蝶の採集などをして遊ぼうと思っていたので、ここで待たされたのはかなりイライラしました。さっさと車よこせ!と。

 国内線も出発の際、機内で1時間近く待たされました。到着は遅れるし、ハーツレンタカーのカウンターに3組も並んでいて、申し込みの途中でATMにお金をおろしに行く欧米人や旦那さんがどこかに行って受付できず夫婦喧嘩をしている中国人で順番が回ってきません。10:00にはカオラックに着いているはずなのに11:00過ぎてもまだ空港にいます・・・・
 やっと私たちの番になり質問されると「何言っているのかわかんない(その1)」と夫が言い出しました。

 ようやく車がある所まで連れて行ってもらう事に。空港を一歩出ると凄い暑さ!あぢぃ〜!!と言って喜びました。紫外線が突き刺さってくる感じ。これを待ってました!

バンコクの空港から出たところ

 この日のために国際免許も取得し、万全の体制。タイで車を運転するのは初めてだけど、日本と同じ左側通行。ただし、交通ルールはあるけどかなり雑らしく、車の混んでいるプーケットではなく、プーケット島から北に1時間強行ったところの田舎のリゾートなので大丈夫かなと思ってレンタカーを借りることにしました。今回宿泊するカオラックからは更に北東に1時間以上行くとカオソックと言う国立公園があって、ここで蝶の採集や撮影もしようと思っていたので、車があった方が便利だと思って。

なかなか車を貸してくれないレンタカー会社の人

 やっとレンタカーをかしてくれました。しょぼいカーナビも借りていたのですが、しょぼい割には活躍してくれました。荷物を積んで車に乗り込み、いよいよカオラックにあるJWマリオットというリゾートホテルに向けて出発しました。

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